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先天的異常に関する報道について
「2012/01/31 IWJ検証レポート 『心臓に穴のあいた我が子』 〜放射線の影響か否か、苦悩する父〜」
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/3222という報道がある。心臓の異常と福島原発事故との関係は不明だ。ただ、関係がある可能性はある。少なくとも無関係とは言い切れない。
ところが、この岩上安身氏の報道に対して、因果関係の証明ができていないとケチをつける動きがある。こういった動きは看過できない。
そもそも、低線量被爆の影響については様々なことが言われていて、高線量被爆よりも遺伝子への影響が大きいという研究もある。ましてや、こういった先天的異常についてはその因果関係はほとんど分かっていない。喫煙や飲酒がある程度影響を与えるという研究さえあるのだ。それほど遺伝子異常は微妙な問題であり、その因果関係の証明は難しい。因果関係がはっきりしない場合、それをどう扱うべきだろうか。
行政と医療機関が共同して疫学調査をきちんとやるしかないのではないだろうか。昨年3月の福島第一原発事故以来、福島県内の住民のみなさんをはじめ、関東・東北の人々の被爆状況の確認はほとんどやられていない。事故直後からどこにいてどんな行動をとっていたかの調査さえ1ヶ月以上たってからやっと実施されている。もっとも決定的なことはアルファ線核種やベータ線核種についてはほとんど調べる手段がないことだ。これらが体内へ入った場合、ほとんどそれを検知したり、被爆程度を確認することができない。ホールボディカウンタはガンマ線を計測する機械であり、ガンマ線を出さない核種については調べることができない。つまり、影響があるかどうかの判断は疫学的に、統計的にやるしかないのだ。
ところが、現在のところ、日本政府や地方自治体はこういった疫学調査をきちんとやるとは言っていない。福島県は今後全県民の健康調査を30年間続けると言っているが福島県から既に3万人以上の方が退避をされてしまっている。
個人のプライバシーをきちんと守ることを前提にして、政府と地方自治体、そして医療機関が疫学調査をやるべきだ。明確な調査結果が出るかどうかはわからないが、もし、因果関係がないと分かればそれに越したことはない。また因果関係があるとなれば、東電と政府が責任を取って賠償し、今後の原子力政策にこういったことを生かしていくしかない。
行政の体制が出来ていないときに、勇気をもってカミングアウトされた親御さんのことを取り上げた報道は意味がある。こうした報道によって行政の体制が出来ていくからだ。日本は広島・長崎の原爆の影響もほとんどが隠されてきた。原爆手帳の認定についても様々な問題が指摘されていて、隠れて苦しまれた方は数多いだろう。エイズ薬害事件もほぼ同様な構造がある。カミングアウトすることがその個人にとって不利であるという風潮が作られ、結果的に被害者が孤立し隠れて苦しむだけなのだ。そして、原因を作った企業なり権力は責任を問われることなく、また同じような行為を繰り返すことになる。
先天異常の可能性を否定できないことは多くの住人の方にとってつらいことだろう。しかし、異常の可能性がある程度あることははっきりしていて、それについて疫学調査をするしかない。もし、影響があった場合、最も苦しむのはやはり住人の方たちなのだから。
心臓の先天的な異常をカミングアウトされた親御さんについて他のメディアも取り上げるべきだろう。
*6月8日の記事「近づく戦争・テロ社会、これらの動きを止めるべきでは?」から一連番号を付しています。<<974>>
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