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学者の前の前 ・・・ 子供の被曝を減らすために  武田邦彦 
http://www.asyura2.com/12/genpatu20/msg/621.html
投稿者 赤かぶ 日時 2012 年 2 月 01 日 10:57:48: igsppGRN/E9PQ
 

学者の前の前 ・・・ 子供の被曝を減らすために
http://takedanet.com/2012/02/post_42eb.html
平成24年1月31日  武田邦彦(中部大学)


この「学者の前の前」ということは、子供の被曝を減らすために重要なことですので、すこし理屈っぽいのですが、是非、理解して貰いたいと思います.

・・・・・・・・・

学問から見ると物事は次の4つの段階があります。

1) 原理原則もなにも判らず、カン、感情、経験、しきたりなどで理解する段階(中世の暗黒時代など。普通の女性が突然、魔女として処刑されるような状態)、

2) 学問で研究が始まって間もない頃、まだいろいろな「結果」や「意見」がある段階(学説が複数ある段階でまだ学問としては未完成・・・今の原子力)、

3) 学問的にほぼ固まった段階で、その分野の学者はほぼ同じことを言うようになる(地球は太陽の周りを回っているというのがこれに当たる)、

4) 真実が判る段階(1万年後ぐらいで、本来は神様しか判らない。)

「被曝と健康」のことで、多くの人が「専門家がさまざまなことを言うので、頭が混乱して何が何だか判らなくなった」とか、「1年100ミリシーベルトでも安全という山下先生と、1年0.1ミリシーベルト以下でなければ危険というドイツの学者がいるので、何を基準にして良いか判らない」と迷っています.

これは上の学問の段階の{2}を示していますから、「学問的には被曝と健康の関係は不明」ということがハッキリしています.つまりこの段階では「どのぐらい被曝したらどうなるか」は判らないが、「まだ判らない段階」ということがハッキリしているということです。

この段階で社会が何かを決めなければならないときには、多くの学者の言うことを聞いて「一般人(あるいは政府や機関)が決めて合意する」という手続きが取られます.つまり学説が複数あるので、学問的には決めることができないけれど、それを参考にして「合意」することはできるという段階です.それが「1年1ミリの合意」です。

・・・・・・・・・

「学者」というのは「学問」をもっぱらにする人です.ですから、学者は学問を知っている必要があります。学問とは「しっかりした事実や論理に基づき、専門分野の人なら誰もが厳密な考察に基づき、同じ答えになるもの」です。学者が100人集まれば、1人か2人は違うことを言っても、ほぼ全員が同意する結論になると「学問として判っている」という状態になります.

たとえば、「地球が太陽の周りを回っている」、「近代にはヨーロッパ諸国がアジア、アフリカ、南アメリカの大半の国を植民地にした」などです。

「5歳の子供が、1年1ミリ以上の被曝をして、25歳までにガン、免疫疾患、知能低下、生殖障害を起こすか?」という質問に対して、もし、「自分の研究結果によると、それらの疾患はおきない」という人がいたら、その人は「学者になる前の前の人」です。

被曝量を国際的に1年1ミリとし、日本の法律が1年1ミリを基準にしているのは「まだ学問的に決定できないので、学問を参考にして合意した」というものですから、学者はそのことを知っていて、説明をしなければならないからです.

では、「1年100ミリ以上被曝すると疾病がでるか?」という質問に対して、「学問的にいって障害がでます」と答える人も学者ではありません. 正しくは「現在の学問では1年100ミリ以上の被曝は疾病がでると考えられています」というのが学問的な正解です.つまり、上記の{4}の段階がありますから、学者は自らの集団(学者の集団)の結論を少し疑っているということだからです。

・・・・・・・・・

今回の福島の事故では、福島の子供を中心として、「学者」と呼ばれる人が「1年20ミリの外部被曝と、1年20ミリ(セシウムだけで1年5ミリ)の内部被曝を合計した1年40ミリまで児童は大丈夫だ」と言いましたが、この人たちは、そのような発言をすること自体「学者」でないことを証明しています.

「科学的に判らないこと」、「その道の専門家で異論が多い状態」であるのに、自分の研究データなどを元に特定の結論をあたかも科学的な結果のように言うのは、学問というものを知らないのですから、学者ではありません.

その点で、NHKに厳しい言い方になりますが、NHKにでた学者のほとんどは「学者」でないことを自ら証明していました.

被曝によって20年後までにガンなどの疾病になるかどうかは誰にも判らないことです.判らないことを判らないと言えば、「それではどうするのか?」という話に進み、「法律を守ろう」ということになって、福島の児童は疎開し、給食はベクレルを測定して出したでしょう.

社会を指導する人がしっかりした考えと、職業としてのホコリを取り戻して欲しいと思います.今からでも遅くないので、「被曝と健康の問題は不明なので、1年1ミリ以下という合意を守らなければならない」と発言し、今まで出版した書籍を回収し、テレビや新聞などでの発言を取り消すか、学者の看板を下ろさなければなりません.

それは、発言した人が自ら告白したものだからです。1年1ミリ以外の数値を言う人には「あなたは学者ではないのだから、そんなことを言ってはいけない」と反撃して子どもを被曝から守りたいと思います。


 

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コメント
 
01. 2012年2月01日 16:01:07 : 6uY42x83mk
先のことは誰にも分からない。
年間1ミリなんてのはとんでもなく厳しい馬鹿げた基準かも知れない。

02. 2012年2月01日 16:33:30 : 8YT9k9g9wY
>01
お勤めご苦労さんです。

03. 2012年2月01日 16:36:45 : PgGEzDs2v2
■ 武田先生 それは違います

 奴らは 『学者の前の前』 などという 代物などでなく

 金という糞まみれの 盗電の手先・・・デス!


04. 2012年2月01日 17:31:01 : AG10HXjfa6
◎鈴木則雄さんへのインタビュー『心臓に穴の開いた我が子』〜放射性物質の影響下否か、苦悩する父〜【録画・IWJ:CH1】

http://www.ustream.tv/recorded/20142281
http://www.ustream.tv/recorded/20142379
http://www.ustream.tv/recorded/20143107
http://www.ustream.tv/recorded/20143146
http://www.ustream.tv/recorded/20143187


05. 2012年2月01日 18:14:13 : 80ZjYQZg0g
>>01
ばかげていません。1年5ミリで作業員の白血病に労災が認定されます。
東電は事故前まで原発作業員に1年1ミリを適用しその分作業員の数を増やして電気料金に上乗せしました。当の東電が本来1年20ミリまで許される作業員に1年1ミリを守らせたのは、労災を認定される白血病患者がこれ以上増えることを懸念したからです。東電が1年5ミリの危険性を認めていたということです。だから推進派から見ても1年1ミリは妥当なラインです。

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