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福島県の懸念を黙殺した国の"大罪" (週刊朝日) 
http://www.asyura2.com/12/genpatu20/msg/617.html
投稿者 赤かぶ 日時 2012 年 2 月 01 日 06:08:20: igsppGRN/E9PQ
 

福島県の懸念を黙殺した国の"大罪"
http://www.wa-dan.com/article/i/2012/01/post-259.php
週刊朝日 2012年2月3日号配信


 コンクリートの放射能汚染、急拡大

昨年の汚染稲わら問題に続き、またしても国の不手際が明らかになった。福島県二本松市の新築マンション工事で、放射性物質に汚染されたコンクリートが使われ、室内で屋外より高い放射線量が測定されたのだ。汚染が確認された建築物が相次いで見つかっているが、果たしてあなたの近所の住まいや施設は大丈夫なのか。


 汚染コンクリート騒ぎの発端となった新築マンションは、東北道の二本松インターから約1キロの住宅街にある。昨年7月に完成し、鉄筋コンクリート3階建てに12世帯が暮らしていた。

 福島県二本松市と国が、マンションの土台部分に放射性物質に汚染されたコンクリが使われていた、と発表したのは1月15日のこと。昨年12月に、1階の一室で暮らす女子中学生の被曝線量が他の住民より高いことが分かり、原因を探ったところ汚染が見つかった。

 この中学生が暮らす部屋では、高さ1メートルで毎時1・16〜1・24マイクロシーベルトと、屋外の0・7〜1・0マイクロシーベルトより高い放射線量が確認された。室内で24時間過ごすと年間の線量は約10ミリシーベルトにもなる。

 首都大学東京の福士政広教授(放射線安全管理学)が指摘する。

「食品の暫定規制値の許容線量である年間5ミリシーベルトの2倍もある。安全に安全を期すならば、長期間住まないほうがいいでしょう」

 同市によると、1階には同県南相馬市から避難した家族など4世帯が暮らしていたが、いずれも引っ越しを希望している。すでに部屋を出た家族もいるといい、記者が訪ねたときは、1階の2世帯のポストは郵便物やチラシで満杯だった。

 2階の女性(63)は、夫(68)と娘(40)、小中学生の孫2人と、同県浪江町から避難してきた。東日本大震災後は各地を転々としており、ここのマンションで4カ所目になる。

 昨年末に市職員が「念のために」と、部屋の放射線量を測りに来た。0・2〜0・3マイクロシーベルトだったので安心していたら、年が明けてこの騒ぎだ。

「まさか、ですよ。やっと落ち着けると思ったのに」

 女性はこう言ってため息をつく。中3の孫は2月上旬に高校入試を控えている。余計な心配はさせまいと、引っ越しの話題は出さないようにしているものの、
「こんなところに子どもを置いておけません。もう疲れ果てましたが、受験が終わったら、市内で引っ越せるように準備します」

 コンクリートが汚染されたのは、双葉砕石工業が計画的避難区域内の浪江町にもつ砕石場の石が使われていたからだ。同社は福島第一原発の事故後も石を屋外に積み上げ、避難区域に指定される昨年4月22日まで出荷を続けていた。経済産業省などによると、汚染の恐れがある砕石5725トンが県内19社に出荷され、福島市内の民家や二本松市内の2小学校、同県本宮市内の川の護岸工事など1千カ所以上で使われた可能性があるという。

 同社の猪狩満社長(50)は震災直後に家族と千葉県内に避難したが、全国から復旧のために大勢の人が駆けつけるのを見て福島へ戻ってきた。道路補修に追われる建設業者からの注文がひっきりなしに入り、「少しでも復旧の役に立てば」という思いから出荷した。石が汚染されているとは思いもしなかったという。

 猪狩社長は言う。

「金もうけではなく、福島県人がやらなくてどうするんだという思いで、昨年の3月22日から必死で働いてきました。ただ、マンションの住民の方々には本当に申し訳ない気持ちです」

 こうした事情を踏まえ、枝野幸男経産相は1月20日、「砕石業者に責任があるとは言えない」として、速やかに賠償手続きに入るよう東京電力に指示する考えを示したが、その国も胸を張れる立場にはない。昨年5月以来、福島県が再三、砕石などに対する放射線量の基準を作るよう求めてきたのに、先送りしてきた事実があるのだ。

〈資材等の使用、搬出及び搬入時の移動に伴う放射線量の基準が無く判断できない状況にあり、復旧工事で支障が出ております。今後、復旧工事が継続不可能になることが懸念されるため、資材の使用及び移動に伴う放射線量の判断基準及び対応方法について早急に御提示願います〉

◆「経産省の担当に何度も催促した◆

 金属スクラップや紙くず、ガラスくず、砕石、土砂など23の原材料名を列挙し、県が土木部長名の文書で国にこう依頼したのは昨年5月26日のことだった。以来、問い合わせを重ねてきたが、いまだに回答はないという。

 県土木部の担当者は言う。

「経産省の担当者には何度も回答を催促しました。でも、『検討中です』という返事ばかりで、回答はもらえませんでした」

 コンクリートはセメントに水や砕石、砂利などを混ぜて作る。国は昨年6月、セメントについては1キロあたり100ベクレル以下という基準値を設けたのに、県の訴えはなぜ放置したのか。この案件を経産省から引き継いだ内閣府被災者生活支援チームの担当者は次のように話す。

「セメントは原料となる下水汚泥の汚染が見つかったため基準を作りました。砕石や砂利は汚染が確認されたわけではなく、そこまで話が進みませんでした」

 何ということか。これではすべての対応が後手に回り、稲わら、砕石に続く第三の「想定外」が出るのは時間の問題だろう。

 前出の福士教授も言う。

「今のような対応を繰り返していると、汚染地域から持ち出された原材料で、意図せずに人工的なホットスポットが増えていく可能性があります。それを防ぐためにも、汚染が懸念される地域から出荷される原材料は何であれ、逐一放射線量を測るようにすべきです」

 それにしても不気味なのは、コンクリ汚染が簡単には終息しそうにないことだ。福島県産の砕石は、10年は3991トンのうち、宮城県に278トン、栃木県に150トン、神奈川県に14トンなど一部は県外にも出荷されている。稲わら汚染のときのように、全国に広がる恐れはないのだろうか。

 主要な建設会社や住宅・不動産会社に、汚染された砕石や砂利を使っていないか尋ねてみたが、「これまでの調査では、問題となった石は使っていなかった」とした大和ハウス工業など一部をのぞき、「調査中」という回答だった。

 不動産の市場調査を手がけている東京カンテイの中山登志朗・上席主任研究員は言う。

「牛肉なら個体識別番号で産地をさかのぼれますが、コンクリートや砕石などにはそうした仕組みはないし、元請けも、下請けや孫請けがどこの石を使ったかまでは把握していない。各社とも調べているでしょうが、全容を把握するまでにはもう少しかかるでしょう」

 となると当面は自衛するしかないが、安心できる物件を見つけるにはどのような点に気をつければいいのだろう。中山研究員は次のように指摘する。

「時間がかかるといっても、今回の件を受け、各社とも原材料の産地などを調べているはずです。モデルルームを見学したときなどに、どこの石や砂利を使っているのか、鉄筋や鉄骨などを含めた原材料の検査態勢はどうなっているのかなどを積極的に尋ねるといいでしょう」

 もう一つ心配なのは、既に購入したマンションが汚染されているケースだ。

 新築住宅は引き渡し後10年間は、物件に欠陥が見つかれば、業者は契約解除や補修などの責任を負う瑕疵(かし)担保責任が義務づけられている。だが、原子力損害賠償に詳しい中所克博弁護士は、
「問題はどこまでが瑕疵と認められ、どこまで賠償してもらえるかです」
 としてこう説明する。

「瑕疵には、放射線量が高くて住めないという物理的瑕疵だけではなく、風評被害で商品価値が下がるといった心理的瑕疵もあり、どちらも認められます。しかしながら、実際には線量は低いが住みたくないといった場合なども考えられますし、微妙なケースは個別に判断せざるを得なくなるでしょう」

 少しでも危険があれば、住みたくないのは当然だ。賠償してもらえるかやきもきしながら、居住者が時間を取られ、負担を強いられるのではたまったものではない。

 そもそも、国がしっかりしていれば、しなくてよかった心配ではないか。これ以上の「想定外」を出さないために、国は重い腰を上げるべきだ。 (本誌・神田知子、永井貴子、篠原大輔)


 

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コメント
 
01. 2012年2月01日 19:47:07 : FEC1zKK4NY
奈良市のホームセンター(ロイヤルホームセンター)で野菜畑用品の産地
を見たら、堆肥・腐葉土・培養土のほとんどが栃木県産だったので何も
買わなかった。
大阪でもコーナンで堆肥などが宮城県産が多くてへきえきしていたが、土の
たぐいも要注意だ。

なんでこんなところにまで福島県まわり(なかには福島県のものの偽装
もありうる)のものばかりなのか、警戒しなければ放射能畑にされてしまう。

この度の汚染砕石は氷山の一角(偶然ばれたもの)で本気であれやこれや
調査したら、毎日(数品目が)2〜3ヶ月間(もっと?)は見つかることだろう。


02. 2012年2月05日 20:53:15 : A4GQ7o9O02
01様 奈良ですか。私も関西です。
7月に職場の施設の玄関先に、某機構の推薦で、園芸花類がプランターごと送られてきた。
たっぷりの堆肥入り園芸土もいっしょです。
千葉からきたという業者さんに、少し冗談めかして「放射能大丈夫ですか?」
業者さん、「あはは・・・・・」と苦笑いされてました。
おそらく、園芸が盛んな千葉、茨城などの園芸植物が土壌ごと全国に拡散されているのは確実でしょう。

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