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原発賠償、遠い和解…747件中まだ成立3件
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120131-OYT1T00098.htm
2012年1月31日03時01分 読売新聞
東京電力福島第一原発事故の賠償問題を巡り、政府の原子力損害賠償紛争解決センターの活動が正念場を迎えている。
業務開始から約5か月たつが、30日までに和解にこぎ着けたのは申し立てのあった747件のうちまだ3件。センターは今後、争点になりやすいポイントごとに賠償基準を順次公表する方針で、「基準がはっきりしてくれば、当事者間の直接交渉も進むはず」としている。
センターは、賠償額などで対立する東電と被災者の紛争を裁判以外で解決するため、昨年9月、文部科学省の原子力損害賠償紛争審査会の下で業務を開始。被災者の申し立てを受けて、計128人の弁護士が仲介委員として言い分を聞き、合意による解決を目指す。
申し立てられたケースでは、避難生活による精神的損害に対する賠償金の増額を求めるものや、東電が「国の避難区域の見直しが行われないと対応不能」としている避難区域内の不動産に対する賠償を求めるものが多いという。
紛争解決が進まない最大の理由について、センターの弁護士の一人は、「本人が直接申し立てるケースが予想外に多かった」と話す。弁護士などが付かない申し立ては全体の約8割。領収書類が整理されないまま提出されたり、損害を証明する書類がほとんどなかったりで、弁護士などが務める調査官が詳しく主張を聞き直さなければならないケースが多い。このため、解決に要する期間として想定していた3か月を大幅に上回るケースが出ている。
また、東電が、4月1日がめどとされる国の避難区域の見直しなどを見据えて和解案などへの回答を保留したり、同審査会が示した中間指針が触れていない項目については賠償に消極的な姿勢が目立つことも一因とされ、センター内には「東電はもっと主体的に賠償に臨んでもらいたい」という声もある。
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