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・どんどん貯まっていく処理後汚染水の対策について
http://hamstern.air-nifty.com/mogumogu/2012/01/post-e85b.html
福島第一原発の地下に溜まった汚染水は、東電や政府の当初計画では、汚染水処理施設ができてしまえば核燃料を冷却する水を新たに追加する必要もなく、「新しい汚染水はもう増えないはず」という見積もりでした。
しかし、東電が発表したように、実際は地下水が毎日数百トン単位で流入してしまっているせいで、汚染水はどんどん増え続けています。
汚染水処理施設自体は昨年完成したものの、新規で増え続ける分と核燃料を冷却するために循環させる分をハイペースで処理し続けるという有様になっています。
で、問題はこの「処理した後の汚染水」です。
汚染水を処理した後の水については、ガンマ線を出す核種はかなり低減させる事ができたものの、アルファ線やベータ線を出す核種はかなり残ったままのため、海に捨てる事ができないという事で、今現在東電がやってる対策としては、「タンクをどんどん増設していって、処理後の汚染水をそこに貯めている。」という感じです。
しかしそのタンクも設置箇所が限界に来ており、「もうこれ以上増設する事ができず、2012年三月頃にはタンクが一杯になって海に捨てるはめになるかも・・・」と東電が昨年末に発表して騒動になりました。
これについて、現在は東電側は「できるだけ海に捨てないようにするつもり」と言っていますが、増え続ける処理後汚染水についてはどういう対策を考えているのでしょうかね?
用地を新たに取得してタンクを増やしていっても、根本的な解決にはなりません。
「処理後汚染水をさらに特殊処理して、アルファ線やベータ線を出す核種を大幅に減らしてから海に捨てる」みたいな案も一時期出ましたが、漁業関係者から当然猛反対されました。
私の考えとしては、「処理後汚染水をさらに処理して、アルファ線やベータ線を出す核種を大幅に減らす」までは一緒ですが、その後は海に捨てるのではなく、「水分を蒸発させて減らし、体積を数百分の一以下にする」という処理方法を構築してはどうかと思うのです。
(全て水分を蒸発させるのではなく、少し残す)
放射性物質のとけこんだ水は、沸騰させると水分が減っていきますが、放射性物質自体が気化するまで高温にするならともかく、通常の沸騰温度で水分を飛ばしていくなら放射性物質は水の方に残るのではないでしょうか?
実際にこれはテストしてみないといけませんが、放射性ヨウ素などの一部の核種については、事故後まもない時期に実際にテストして、「沸騰させた場合は水側に残る」というのが確認された事がありました。
(もっとも放射性ヨウ素自体はもう激減して検出限界以下ですが)
処理後汚染水に溶け込んでる色々な放射性物質が、沸騰させても全て水側に残るなら、水分を飛ばしていって体積を大幅に減らす事ができるはずです。
水分を飛ばすという事は当然濃縮されますが、そのため事前にアルファ線やベータ線を出す核種は処理して大幅に低減させておくと。
(今でも処理後汚染水の線量が高めですが、事前処理せず水分を減らして濃縮してしまうと、線量が大変な事になるため)
ただ、これでは事前処理で濾過の際に発生する汚泥の量が今現在より増えるという事で、将来的には今度は汚泥の保管場所で問題になるかもしれません。
しかし、それでも処理後汚染水を今のペースで増やしてどんどん場所を取っていくよりは、大幅に保管場所を圧縮できるでしょう。
「処理後汚染水の処理施設(水分中の核種低減と、その後の蒸発処理設備)」を構築すれば、今後も増え続ける処理後汚染水の体積を今より数百分の一以下に出来る上、すでに設置してあるタンク内の処理後汚染水もどんどん体積を圧縮していけて空きができ、当面はタンクの新設は必要なくなるはずです。
(結局地下水の流入を止めない事には、この方法でもいつか限界は来てしまいますが・・・)
処理後汚染水については、「タンクがいっぱいになった」という事でもし海に垂れ流してしまうと、放射性物質だけでなく、そこに溶け込んでる他の化学物質も問題になっています。
・臨界・腐食防止で使用 処理水の有害物質放置(東京新聞)
で書かれていますが、核燃料冷却のために注入した水の中には、放射性物質だけでなくホウ酸やヒドラジンも大量に投入してしまいました。
当時は仕方ない事でしたが、今はこの投入した化学物質が問題になっています。
(リンク先より引用)
いずれの物質も人体に悪影響がある。ホウ酸はゴキブリの駆除剤にも使われ、人間が吸い込むと、吐き気や下痢などの症状が起きる。ヒドラジンは、皮膚に触れると激しくただれ、体内に取り込むと中枢神経や肝臓、腎臓の機能障害を引き起こすとされる。そのため、水質汚濁防止法などにより規制がかけられている。
汚染水の場合、放射性物質にばかり目が向けられがちだが、外部への放出となると、こうした化学物質による海洋汚染も無視できない問題となる。
との事で、万が一海に放出する場合はホウ酸やヒドラジンも除去しないといけません。
ところで、昨年高濃度汚染水と低濃度汚染水が大量に海に放出されましたが、当然このホウ酸やヒドラジンも一部海に流れだした事になります。
魚介類の検査については放射性物質検査のみをしていますが、これらの化学物質検査もしておくべきでは?
ホウ酸やヒドラジンだけでなく、津波によって沿岸部の工場などが貯蔵していた工業系化学物質、農家が保管していた農薬、ホームセンターやドラッグストアなどで販売されていた農薬や殺虫剤、医薬品など、様々な有害化学物質が大量に海に流れ出して厚生労働省が警告を出しています。
これらについて現在政府はまともな検査をまったくしていないというのは手抜かりではないでしょうか?
福島周辺だけでなく、津波被害で沿岸に大量に化学物質が海に流れ出してしまった県では、魚介類・海藻類の化学物質検査をしっかりやるべきです。
早期復興のため地元の人達は頑張って漁業を再開してどんどん出荷していますが、化学物質検査をきちんとしておかないと過去の水俣病などのように取り返しのつかない事態を引き起こす怖れがあります。
魚介類内の化学物質の量が人体に有害にはならないほど薄まっているならいいですが、そうでない場合は大量の健康被害者を出して後々問題になってしまうでしょう。
地下水が原発地下に毎日数百トン流入しているという事は、高濃度汚染水が地下水と混ざって周辺に流れ出しているという事も当然考えられます。
原発近辺の地下水はもちろん、半径50km圏内においては地下水を数百箇所あるいはもっと多くの箇所で毎日モニタリングしておいて、「部分的に高濃度の地下水ができてないか?」をしっかり監視するべきでしょう。
以前にも書きましたが、海に比べて地下水の量は圧倒的に少なく海ほど希釈能力がなく、また元々原発地下に貯まった汚染水の濃度が馬鹿みたいに高すぎるため、数十km離れた場所の地下水でもそこそこの汚染レベルの水となってる事もありえます。
原発周辺の地下水が完全に孤立しているならいいですが、他のエリアの地下水と構造的につながっていた場合は、原発地下に流れこんでしまっている高濃度汚染水が広がっていって他のエリアの地下水にまで汚染を広げていってるという事も考えられます。
原発に近いエリアだけでなく、念のため50km圏内で農業や食品加工で地下水を使ってるところは、法律で毎日数時間ごとに地下水検査を義務づけるべきでしょう。
食品加工で使う地下水は濾過して使うとはいえ、「とんでもなく汚染された水」をそれと知らずに使ってしまうと、基準値を大幅に越えた加工食品ができてしまいかねません。
農業の場合は濾過しないで使うため、そのままの濃度で畑に撒く事になり、土地自体は汚染度が低くても、高く汚染された農作物が採れてしまうはめになります。
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