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2012年1月25日【水】
原発と国〜元裁判官に聞く司法の限界
今夜は元金沢地裁の裁判官で、全国で唯一、原発の運転差止め判決をだした弁護士の井戸謙一さんにスタジオに来ていただき、話を聞きます。
井戸さんは、06年に石川県の北陸電力志賀原発2号機の差止めを命じる判決を下し、去年春退官した後現在は、弁護士として、「脱原発」をめぐる活動に参加されてきています。
そんな井戸さんに、裁判を通して見た、「原発と国」との関係や司法における力の限界などについてお話を伺います。
また、京大の小出裕章さんにも、井戸さんとの話に参加していただき、原発をめぐる日本の司法事情などについて意見を聞きます。
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2012年1月25日【水】Radio News たね蒔きジャーナル Full Version
http://youtu.be/OWRh8pk8s20
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【関連サイト】
http://plaza.rakuten.co.jp/tanukiwanwan/diary/201201250001/
たね蒔きジャーナル2012/1/25 原発差し止め裁判官井戸謙一さん 原発と国、司法の限界(小出裕章先生 たね蒔きジャーナルの発言記録)
永岡です、たね蒔きジャーナル、続いて、井戸さんのお話が続きました。井戸さんが一度だけ稼働中の原発差し止めの判決を出されたのです。
井戸さん、32年間法廷で仕事をされて、昨年3月で退官され、震災・原発事故の後の退官であり、井戸さんのみ原発ストップを言われて、その井戸さんですら、3・11を、まさかこんなに早くこんなひどい事故が起こるとは思わなかったのです。井戸さん、メルトダウンの可能性を2006年に指摘され、それが現実化するとは、リスクがあるのは分かっているものの、安全に廃炉まで行くと思っていたのに、考えの甘さを思い知らされたのです。
井戸さん、今は住民側に立ち、活動しておられます。
近藤さん、合理的な考えと言われても、司法を担当して、覚悟のいる判決と考え、国策である原発を止めることは大変と思い、国策への皮膚感覚があり、それを乗り越えた井戸さんの考えを知りたいと言われました。
井戸さん、3か月かけて判決起案して、眠れなかった、言い渡しが近づくとそれはなくなり、悩んでいたのは、結論は決まっていても、それを説得力ある文章に出来るかは問題であり、誰が見ても納得できる判決が書けるか、動揺もあったものの、形になり、気持ちは落ち着いたのです。
近藤さん、国策への遠慮はなかったかについて聞かれて、国策でも勝った方に軍配を上げるのが裁判官の仕事であり、判決の結論は法定の主張で決めるものです。近藤さん、そういうことがすっと入らない裁判官もいると指摘し、井戸さん、自分の信じることに従うのが裁判官と言われて、水野さんも感心されました。
住民は、いろいろなことをしてダメで、裁判になるものであり、しかし納得できない。井戸さん、福島・郡山の子供たち14人の弁護をされて、郡山(原発から60km)は高線量で(0.7〜0.8マイクロシーベルト/時間、年間5ミリ以上)、子供の生活は健康被害のリスクがあり、避難させたいのに、自主的に避難できる人はもうしているが、行政の支援がないと避難できない、それで、行政にもっと安全にしてくれと訴訟しているのです。この14人だけでなく、これを認めたら、この他の子供たちも疎開できるのです。
しかし、これは却下され、特徴は2点、14人の子供だけ別に取り扱えないと、郡山3万人の避難と解釈して、よほど高いハードルを建てられ、郡山は安全ではないが、100ミリ以下であると、切迫した危険はないと却下されたのです。しかし、20ミリは批判のある数字であり、法律では1ミリなのです。
チェルノブイリは5ミリを超えたら強制避難、1〜5ミリは権利的に避難できる(行政が支援できる)ものなのです。郡山は義務的避難区域になるのに、子供さん、親は行政に訴えてもダメで、福島県は100ミリまで安全と言ってそれを信じている人もいる、なら、司法なら理論通り、正義が通ると思ったのに、親御さんはショック、しかし、これで引きさがれないのです。仙台高裁に抗告したのです。
井戸さん、福島の人の声を聞いて、子供、大人の体調が良くない声があり、鼻血、下痢+甲状腺の腫れ、疲れやすいことがあり、これが放射能のためと思われ、心配し、しかし福島では事故は収束し復興と言っており、給食も地元のもとを食べる雰囲気で、地元の食物が心配と言いにくいものなのです。内心は不安でも、表立って発言できない(人間関係に問題が出る)状況なのです。
近藤さん、勝訴判決は事故による被曝を懸念して書いたと指摘し、今は第2章であると指摘され、井戸さん、チェルノブイリで甲状腺がんのみ認められているが、子供たちに被害があり、ウクライナで健康な子供は27%しかいない、免疫の低下で、福島がこのままだとチェルノブイリになると言われました。
井戸さん、司法が最後の砦と思われているのです。
近藤さん、「無私」の言葉が聞こえたと感想を語られました。
今日は、原発差し止め判決を書かれた井戸さんのお話をお届けしました。
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