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いつ爆ぜむ青白き光を深く秘め原子炉六基の白亜列なる/反原発 短歌で叫ぶ
東京新聞 2012.01.23 朝刊
わが町は稲あり魚あり果樹多し雪は降らねどああ原発がある−。
福島第一原発のある福島県大熊町で二十年来、反原発の思いを短歌に詠んできた同県歌人会顧問、佐藤祐禎(ゆうてい)さん(82)の歌集「青白き光」が再版された。無力感を抱きながらも貫いた「心の叫び」がにじんでいる。 (小嶋麻友美)
福島の歌人 20年来の作品再販/82歳佐藤さん 世に問う
佐藤さんは第一原発から約四・五キロの地域で農業を営んでいた。一九六〇年代、原発建設計画に町中が「もろ手を挙げて賛成」し、佐藤さんも1号機建設で、配管の溶接作業などに携わった。だが、ずれたパイプを無理やりつなぐなどの手抜きやごまかしを見たのが、原発への疑念の始まりだった。
鼠通るごとき道さへ舗装され富む原発の町心貧しき
五十代で短歌を始め、原発に向き合った。再循環ポンプ破損事故(八九年)やトラブル隠し(二〇〇二年)が発覚するたび、反対の意を強めた。一方で、町民の多くが原発関連産業で働く大熊町で詠まれた作品には、複雑な思いと歯がゆさも表れている。
原発事故にとみに寡黙になりてゆく甥は関連企業に勤む
農業の傍ら、地域の役職も務めていた佐藤さんは「傍観者で『なまくら』だったとも思う。でも、短歌で世に問うしかなかった」と振り返る。
いつ爆ぜむ青白き光を深く秘め原子炉六基の白亜列なる
八三〜〇二年の作品から五百首余を選び、〇四年、自費出版で歌集を発刊。昨年の事故後、「予言のようだ」「知人に読ませたい」と反響が相次ぎ、以前から着目していた出版社「いりの舎」の玉城入野さん(43)が再版を持ち掛けた。
「これほど鮮明に反原発を歌った作品は、他の立地地域でも見当たらない」と玉城さんは話す。
佐藤さんは事故後、いわき市に移住し今も短歌を作り続ける。「制御し得ないものを作り出したのは人間の責任。原発は国民全体の問題なんだと都会の人も意識してほしい」と訴える。百二十ページ、税込み七百円。
問い合わせはいりの舎=電03(6413)8426。
* 写真は83〜02年の作品500首余を収め、再版された歌集「青白き光」
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