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頭の整理・・・被曝と健康(1) まずは基本:「被曝は最小に」(日本の法律編)
http://takedanet.com/2012/01/post_2a58.html
平成24年1月23日 武田邦彦(中部大学)
政府と福島県が本格的な除染をしないことが確定し、東北から関東一円の地域でもホットスポットの除染が進んでいません。それどころか、反対に瓦礫を全国に拡散させたり、焼却炉の性能を良くチェックしないで、ゴミを燃やしたりしています。
このようなことが続くと、日本国民は一度、地面に落ちたり、ゴミに着いたりして私たちの生活圏から遠くに行こうとしている放射性物質を、再び取り出して、気中にまいていることなります。
そこで、政治的、あるいは市民運動はするにしても、同時に「個人でより正しく、被曝と健康のことを知る」という必要がでてきました。特に、「被曝しても健康だ」とか、「給食を拒否する親はモンスターだ」というような新聞記事や書籍がでる状態です。
私たちは本当に誠実になり、「お金を使うなら子供を被曝させよう」というのではなく、「今までの日本のように、誠実な国民でありたい」と念願してこのシリーズの執筆を開始したいと思います。
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まず、なによりも最初に「政府とメディアの二枚舌」をハッキリさせておきたいと思います。これは「政府やメディアを批判する」ということが目的ではなく、政府やメディアの人の心の中を確認しておくという目的です。
2011年(平成23年)、つまり昨年ですが、事故が起こってからちょうど7ヶ月後に、「電離放射線障害防止規則」という法律(規則)を改正しています。「事故後」であることに注意してください。
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この法律は「原発事故」とは直接、関係がなく、「放射性物質や放射線を取り扱う事業者に対して、そこに働く人(労働者と表現されています)を被曝から守る規則」です。私が今回の福島原発事故で、この規則を使うと「原発事故の法律ではない」という反論がありますが、それについては間違いですから、またゆっくりと解説していきます。
専門家なら、そんなことは十分に知っているので、この規則を参考にすることに反対する人は「他になにかの意図がある」ということですので、そのようなことを言う人はあまり相手にしないことです。
私たちの目的は、「学問と法律の考え方にそって子供たちを被曝から守る」ということであり、人の揚げ足を取ったり、法律の網の目をくぐったりするために日々の生活を送っているのではないからです。「趣味の反論」も人間としては子供らしくて可愛いところもありますが、「ウソ」と紙一重ですから、専門家は自制した方がよいでしょう。
ところで、この規則は実務的なものですから、状況に応じて比較的、頻繁に改正されます。事故の2ヶ月前の2011年1月にも改正され、ここに示したように、2011年の10月11日に改正されています。このように、1年に2回も変わっていますが、法律(規則)としては古く、この法律を理解しないで被曝関係の国家資格を取ることはできないというぐらい、その道の人たちにとっては有名なものです。
私も若い頃、原子力の施設長をしていましたから、この法律をそれこそ穴のあくまで勉強して、働いている人や私の研究所に来られる人を被曝から守ったものです。そしてこの法律(規則)の第一条には、次のように示されています。
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つまり、「放射線を出す機械や放射性物質を扱う人は、そこに働く人にできるだけ被曝させないようにしなければならない」という原理原則をうたっているのです。これは日本が法治国家であり、法律で国民の健康を守るという立場から、「被曝と健康について、日本国民はどのように考えなければならないか」を的確、明確に示しています。
「被曝をできるだけ少なくするようにしなければならない」というのは、日本の被曝に関する法律の大原則であり、これは国際的にもまったく同じことです。また、「日本の子供は被曝させても良いが、働く人は被曝させてはいけない」などということはありません。むしろ「働く人(多くは成人男子)でも、被曝はできるだけ減らさなければならない」と宣言しているのです。
このことを知らない政府、自治体の役人、放射線に関係する学者、専門家は「一人も」いません。それなのに政府の役人は「被曝しても健康に影響がない」と言ったり、自治体の職員が「被曝してはいけないという規則がどこにあるのですか?」と私に質問してくるのですから、日本人の頭がどうなってしまったのか? あれだけ普段から「法律、法律」と言っている役人がなぜ?と意外に思うのは私だけでは無いでしょう。
ここでは、まず事故が起こった後でも、日本政府は「被曝はできるだけ少なくしなければならない」という法律(規則)を作っているという現実を理解してください。つまり、政府は完全に二枚舌なのです。
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