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昨日の晩、テレビ番組欄みてたらNHK教育(Eテレ)日曜美術館(再)ベン・シャーン特集やってました。
昨年、近所の町の図書館まつりの時に、アーサー・ビナードさんが講演しに講演しにやって来るという事で出掛けました。
そこで、初めて知ったのが、第五福竜丸の水爆実験に被曝したときの様子を描いたのがベンシャーンの「ラッキードラゴン」シリーズの絵本でした。アーサー・ビナードさんが、日本語訳をつけていて、講演会前にその絵本の朗読会をやっていたので知ったのでした。
第五福竜丸の通信長の久保山さんは、この水爆実験が米国の秘密実験だと直感し、もし船が米軍機に発見されたら乗組員は船ごと抹殺されるかもしれないと直感して(久保山さんは、太平洋戦争では軍属として徴用されて通信員をしていたので、軍隊の実態については熟知していたらしい)、母校の焼津にたどり着くまでは、一切の通信を禁じ、もし米軍機に発見された時だけ、遺言代わりに焼津に通信するということを徹底して、焼津にたどりつけたということです。前置きが長くなりました。
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風知草:福島には届かない絵=山田孝男
http://mainichi.jp/select/seiji/fuchisou/
新防衛相がNHKの「日曜討論」でトンチンカンな発言を連発した15日朝、Eテレの「日曜美術館」では画家ベン・シャーン(1898〜1969)の特集をやっていた。
この放映のあと、神奈川県立近代美術館・葉山(葉山町)で開催中の「ベン・シャーン展」(29日まで)は、たちまち人出が増えた。
私も見に行き、受付で聞いて気になったことがある。同展はこの先、名古屋、岡山、福島市を巡回するが、約500の展示作品のうち、アメリカの六つの美術館から借り受けた70点は岡山まで。つまり、福島へは行かないというのだ。
なぜか。福島県立美術館(福島市)に聞くと、案の定、理由は放射能だった。
アメリカの某美術館ははじめから「福島はダメだ」と言った。残る五つは「福島については直前に判断しましょう」と言った。福島の担当者は「放射線量の情報開示に努めますから」と粘ったが、色よい返事がない。固執していては何も進まないのであきらめたという。
不思議な皮肉だと思う。シャーンは核兵器に関心を示した画家だ。一方、福島県立美術館は20世紀アメリカの具象絵画の収集に努め、シャーンの作品を増やしてきた。その福島で本格的な「ベン・シャーン展」の準備が進んでいた折も折、核の平和利用施設が暴発してシャーンと福島を遠ざけた。
1954年、南太平洋でアメリカが水爆実験をした。近くにいた日本のマグロ漁船「第五福竜丸」が死の灰をかぶり、無線長が死んだ。シャーンはこの事件に触発され、「ラッキードラゴン(=福竜の英訳)」シリーズを描いた。その主要な一部は福島県立美術館にある。廃虚の広島をモチーフにした晩年の版画も同館にある。
同館所蔵のシャーン作品は今回の巡回展の重要な部分を占めるが、福島では、シャーンの仕事の全貌を紹介することができないのである。
シャーンは帝政ロシア(現在のリトアニア)生まれのユダヤ系アメリカ人だ。石版画職人として生計を立て、絵画からポスター、本の装丁、挿絵、レコードジャケットに至るまで印象深い作品を残した。
60年代の学校の図工の教科書にはシャーンの絵が載っていたと思う。高度成長期の日本のグラフィックアートに強い影響を与えた。初期には冤罪(えんざい)、差別を見つめる作品で社会派と目された。しだいに政治性、告発調が薄れ、人間の日常の営みを描いて深みを増した。
日本で大規模な「ベン・シャーン展」が開かれるのは高度成長絶頂期の70年、バブル崩壊直後の91年に続いて3度目。シャーン作品を持っている各美術館の専門家が今回の巡回展を企画して以来、実現まで10年の歳月を要したという。
図録や「芸術新潮」1月号にベン・シャーンの解説を書いている福島県立美術館の荒木康子学芸員(51)に「最も福島に来てほしかった作品は何か」と尋ねると、荒木は「解放」(1945年。ニューヨーク近代美術館蔵)を挙げた。
廃虚の鉄柱にぶら下がって遊ぶ子どもたち。表題とは裏腹に表情が暗く、うつろだ。背景に壊れたビルとガレキ。主題はパリ解放と終戦である。
「これ、今の福島と同じだなって思うんです」と荒木。無邪気に見える子どもが、変わり果てた街から鋭く感じ取る不安。確かに似ている。(敬称略)(毎週月曜日掲載)
火論:ゴジラの夏=玉木研二
火論:東日本大震災 明るく、希望の一歩を=玉木研二
毎日新聞 2012年1月23日 東京朝刊
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