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小出裕章氏:SPEEDIの米国提供と原子力安全委の今後の運用、廃炉実質60年、電気ケーブルの図面が無い・・・!?@たね蒔きジャーナル
http://bochibochi-ikoka.doorblog.jp/archives/3249047.html
2012年01月19日01:48 ぼちぼちいこか。。。
もう本当に腹立たしいことばかりで、イライラしっぱなしです。
今日の内容はすべて以前に記事でご紹介したものばかりですので、上の関連記事をご覧になってみてください。
では、どうぞ。
20120118 たね蒔きジャーナル 京都大学原子炉実験所助教 小出裕章
http://www.youtube.com/watch?v=52tBmiJuK08&feature=player_embedded
【以下、お時間のない方のために内容を起こしています。ご参考まで】
(水野氏)まず、SPEEDIについてなんですが、SPEEDIの予測、つまり3月11日の原発事故の時、すぐに風向きがどうなのか、どのあたりに多くの放射性物質が放下されるのかということをいち早く知らせるべきだという議論、このたね蒔きジャーナルでもすぐに小出先生がおっしゃったんですが、実際にはですね、国民に知らせるよりも先にアメリカ軍には提供していたという話が出てきました。
(小出氏)はい。そうですね。
(水野氏)3月14日には米軍に公表していて、日本国民に公表したのは3月23日。
9日も遅かったんですね。
これについて、どんなご感想ですか?
(小出氏)うーん・・・。まぁ、この日本という国がどこに目を向けているかということが象徴的に表れたのだと思います。
米国に対しては、常に配慮というか、私から見ると未だに米国の属国だと、日本という国は米国の属国だと思っているわけですけれども、米国に対してはちゃんと情報を提供しながら、自分の国の国民には情報を与えないという、今のこの日本という国の姿を表したんだろうなと思います。
(水野氏)文部科学省は、なんでこうなったのかということに対してですね、
『米軍に先に知らせたのは、米軍に支援をしてもらうためだった』
というんですよね。
(小出氏)<苦笑>まぁ、確かに米軍はトモダチ作戦とかして、船で行ったけれども、風向きが船の方に来た途端に、米軍はさっさと逃げて帰ったというわけですから。まぁ米軍にとっては必要な情報だったのでしょうけれども、一方住民たちはそんなこと知らされもしないまま、被曝をしてしまったわけですね。文部科学省という役所が一体どういう責任を取るのか、私はまずそれを聞いてみたいと思います。
(水野氏)『国内の公表は、原子力災害対策本部で検討していたので遅くなった』というのが、文部科学省の答えであります。
ただ、この9日間の間にですね、アメリカはもうすぐに自国民を遠くへ、80q圏外に避難させるという措置をとりましたよね。つまり、本当だったら日本の国民もそうした措置をとることが、SPEEDIが発表されていたらできたんですかね?
(小出氏)そうです。飯舘村の人たちも、本当であれば避難をしなければいけなかったわけですし、相馬市の人たちが飯舘村に避難をしてしまったなどという悲劇も・・・
(水野氏)良かれと思って飯舘村まで逃げはったんですよね。ところがもっと、放射線量は高かったんですね。
(小出氏)そうです。
(水野氏)その方達に、どう・・・どう謝罪しても謝罪しきれないものもあるかと思いますが、そのSPEEDIについてですね、今度はまた更なる情報が入ってまいりました。
これはですね、内閣府原子力安全委員会の作業部会が、避難指示をどうするかということを見直しているんだそうです。その見直し案の中で、こんな話が出てきました。
『SPEEDIは信頼性が低いから、使わない』
という案です。
神戸のリスナーから
「避難判断にSPEEDI使わずというニュースを目にして、もう目が飛び出るくらい驚きました。どういうことですか?」
これ、どういうことですか?
(小出氏)うーん、判りません。そのSPEEDIというこの計算コードができた理由は、1986年のチェルノブイリ原子力発電所の事故を経験して、自分たちの住民を守るためには、時々刻々放射能の雲がどっちの方向に流れていくかということを計算しながら住民を避難させる、そのためにやはりやらなければいけないということで、この開発に取り組んだんですね。
そのために20数年の歳月と、100億円を多分超えるお金を投入したと思います。
(水野氏)そうなんです。130億円以上かかってるって話も聞きました。
(小出氏)そうやって原子力を奨めている人たち自身が「そうやろう」と言ってきたわけで、それが役に立たないと今更言うのであれば、一体その人たちは何を考えてやてきたのかを問わなければいけないと思います。
(水野氏)ねぇ・・・。近藤さん、先に米軍に知らせていて、国民に知らせなかったていうことが判ってすぐに、
「いや、SPEEDIは信頼性が低いんだ」
っていう情報が入ってくるっていうのも、なんか・・・変な感じがするんですけど・・・?
(近藤氏)ただ、これ、なんていうんでしょう、刑事事件のレベルで考えたらね、いわゆるそういう情報を提供しないっていうのは、僕はさっき言いましたけど、不作為犯だと思うんですよ。つまり、あるべきことを、なすべきことをやらなかった罪というのはありますよ。
それで、作為犯になると全くあれでしょうから、別の次元のレベルになるんですけども、この不作為的に国民に知らせなかったっていうのは、まさに政治と一体化した原子力行政全般を覆ってる姿であって、事故後もそうだったというところが、やっぱり深刻ですよね。今まではもちろんそうでしょうし。
(水野氏)これ・・・まぁ・・・、どういうふうに原子力安全委員会が言ってるかといいますとね、
『事故直後は炉心のデータが得られず、仮のデータを入力したが、放射線量の分布は風向きなどに応じてめまぐるしく変わり、汚染地域を正確に予測できない。だから、実測、実際に測るということで、これからはやっていく』
という案なんだそうですよ。
小出先生、どうなんですか?この考え方。
(小出氏)私は実測というのは、計算よりも大切だと思いますので、実測を重視するということは良い考え方だと思います。
しかし、実測というのは、あくまでに限界があります。すべての点で実測するという地からはもちろんありませんし、緊急時という時であれば、ましてや実測データは限られたものしか得られません。
だからこそ、それを埋めるために計算シミュレーションというのがあるのであって、だからこそSPEEDIが開発されたのです。
それを今更、ここまできて意味がないなんていう人たちがもし居るとしたら、その人たちがどういう責任を取るのか。
今ちょっと近藤さんが不作為の罪とおっしゃったけれども、私はそういう人たち一人一人の個人責任を、刑事的にも問いたいと思います。
(近藤氏)うーん、恐らく僕は、取り繕った結果を踏まえた、取り繕った姿やと思うね。今起きてる彼らの言い分っていうのはね。
(水野氏)では、これについてはどうでしょう。
原発の寿命の話です。今月6日に細野環境大臣が、
『原発は40年で廃炉にする』
という方針を示しましたよね。ただ、例外があるとおっしゃったものですから、このたね蒔きジャーナルでも、
「例外ってどういうことになってるだ?」
というふうに非常に懐疑的に私も見ていたんですが、今度はですね、
『例外規定で20年延長できる』
という話が出てきまして、リスナーがですね、
「それってどういうことなんですか?自動車でも何万キロとか、タクシーやったら何万キロとか、そういうふうにもう終わりやっていうのはありますよね。目途って」
っておっしゃってるんですよ。
これ、60年っていう数字を小出先生はどうご覧になりますか?
(小出氏)まず、私は40年と細野さんが言ったときに、40年で止めるといって歓迎した方もいるわけだけれども、私は逆に
「40年までは動かしていいという、そういう宣言をしたんだな」
と受け止めました。
(近藤氏)それはそうですよ。
(小出氏)私は、今現在動いているものを、全て即刻止めろと言ってるわけですから、40年だろうと何だろうと止めろと言ってきた私から見ると、細野さんの主張自身が実に酷い主張だと私は思ったのです。
(近藤氏)あれね、先生ね、僕はマスコミの論調もおかしいなと思ったのはね、『廃炉』っていう言葉のまやかしですよね。『廃炉』っていう言葉をかぶせてるから40年で終わるんだなんて錯覚するんだけど、あれは立派に政府が原子力、原発そのものを続けるっていう宣言ですよ。
(小出氏)そうです。そういうふうに受け取ってくださる方があまり居なかったので、私はちょっとがっかりしていたのですが、それを見透かしたように、今度はまたそれを20年延長するというように政府が言いだしてるのですね。
原子力を奨めてきた人たちの巻き返し工作が、着々と進んでいるということだと思います。
(水野氏)本当の意味を読み取るのは非常に難しいんですよね。このリスナーはこうもおっしゃっていて、
「原子力の圧力容器のいろんな取り替えとかって、できないんでしょ?例えば、配管など交換とかできるんですか?」
っておっしゃってるんですよ。
(小出氏)配管は山ほど交換しています。既に。
どうしてもできないのが、原子炉圧力容器です。
(水野氏)そうか、これは交換なんかできないんですね。
(小出氏)はい。
(水野氏)原発の中に電気ケーブルって一杯あるんだそうですけれども、こういう話を聞きました。
『原発1基で、電気ケーブルをずっと伸ばしたら2000キロにも及ぶ』
って。そんなに電気ケーブルが長いものとして存在するんですか?
(小出氏)多分そうだと思います。
(水野氏)それは、全部確認なんて・・・できるんですかね?
(小出氏)えー、まぁ、きちっと図面があれば、図面を辿ってどこにどのケーブルがあるということが判るのですけれども、昔、設計したものに関しては、きちっとした図面が残っていないということはよくあることだと思います。
(水野氏)ええー!
(小出氏)私は京都大学原子炉実験所ですけれども、私のいる場所でも、昔の図面が探せないで、ケーブルが一体どこにどういうふうに引き回されているかわからないということは、時々あります。
ましてや、日本の原子力発電所というのは、米国から輸入したというか、作ってもらったわけで、日本ではそれをチェックする力の無いようなときから始まっていますので、特に古い原子力発電所には、ケーブルの図面が無いということは、よくあることだと思います。
(水野氏)はい。ありがとうございました。
【以上】
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