58. 川根眞也(内部被ばくを考える市民研究会) 2012年1月27日 00:16:21
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>57さま 賛同コメントありがとうございます。長文ですが、お返事です。 僕は、3.11以来、原発、放射能のことを調べているうちに、これは内部被ばくの問題が大変なことになるぞ、と思い調べてきました。 山下俊一、神谷研二(福島県放射線健康リスクアドバイザー)、明石真言(放射線医学総合研究所理事)、唐木英明(東大名誉教授)、菊地透(自治医科大学RIセンター管理主任)、高田純(放射線防護情報センター代表)等々、一様に「100ミリシーベルトまでは健康に影響がありません」というのは、理由があります。彼ら原子力村が決めたのです。科学的根拠はありません。 彼らはよく広島、長崎の被爆者の長期調査をもとに、100ミリシーベルトまでは健康に影響がない、と言います。しかし、この長期調査は1950年から始まっています。つまり、1945年8月6日、8月9日から1950年までに急性白血病で死んでしまった方、奇形児として産まれ生きることができなかった赤ちゃんの数もデータも存在しない、まったく不十分なものです。また、放射性物質を含んだ黒い雨は、広島でも爆心地から北西方向に長さ29km、幅15kmの範囲に降ったという証言があるのに、日本政府は無視しています。現在でも、被爆者の無料の医療支援措置は爆心地から2kmの範囲に限ろうとしています。ありえないことです。つまり、アメリカ政府と日本政府は放射性降下物による、内部被ばくがなかった、としています。100ミリシーベルトは外部被ばくだけで考えた数値です。広島、長崎と同様に、福島第一原発事故のように、大量の放射性物質が放出された際には、外部被ばくだけでなく、微量でも吸いこんだ放射性物質の内部被ばくに関する影響が大です。 今日の読売新聞は「福島県民先行調査 3800人甲状腺異常なし」という記事を載せました。 http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=53490 まったくでたらめの記事です。 原発周辺の18歳以下の3800人を検査し、うち26人に甲状腺に「嚢胞(のうほう)」が見られた。しかし、これは「いずれも良性であり、事故以前からあった可能性が高い」と読売は書いています。 だいたい小児甲状腺がんがチェルノブイリ事故の放射能の影響であると、国際放射線防護委員会(ICRP)も国際原子力機関(IAEA)も世界保健機関(WHO)も認めざるを得なかったのは、本来、甲状腺がんに子どもはかからないのが、たくさんかかったからです。 何も事故がなければ、日本人の子ども(15歳以下)が小児甲状腺がんにかかる割合は10万人に0.2人です。今回、3800人中26人に甲状腺に「嚢胞(のうほう)」が出来ていた、つまり、100人に1人です。これを異常と言わなくて何でしょうか。このまま、放っておけば、甲状腺がんに進行するのではないでしょうか。 また、読売の記事では、鈴木真一 福島県立医科大学教授が「甲状腺の腫瘍はゆっくり進行するので、今後も慎重に診ていく必要があるが、…」と言っていると紹介しています。うそです。チェルノブイリ事故後、子どもたちの甲状腺がんから、リンパ腺への転移、そして全身の転移が早く、発病から数カ月で亡くなった事例があります。 アメリカ政府にとって、広島、長崎で被爆者が、遺伝的な健康被害に苦しみ、2世、3世でも「原爆ぶらぶら病」の症状が出る方がいることは、隠しておきたいことです。もし、そうであれば、毒ガス兵器と同様に、非人道的な兵器として使ったり、保有してはならないものになるからです。 日本政府があくまでも原発の再稼働にこだわるのは、プルトニウムの備蓄と日本の核武装計画に原発の運転が欠かせないからだと思います。 日米が結託して、内部被ばくの事実を隠ぺいし、「これくらいの放射能を食べても安全」とキャンペーンを張っています。朝日新聞1月19日朝刊記事、毎日新聞2011年12月29日記事「食事丸ごと セシウム測定」は、こうした路線に乗っているものだと思います。 そして、自然放射線カリウム40との比較が出てきて、カリウム40は体重60kgの人のからだの中には4000ベクレルもある。セシウム134、137が400ベクレルくらい入っても大丈夫、と言います。これもでたらめです。だいたい、地球ができてからすっとあつ、カリウム40については、あまり長い間体の中にとどめておかないように、カリウム自体に対する代謝経路がたくさんあります。(つまり、時間がたつと古いカリウムをどんどん体外に出す、方法がたくさんあるということ) しかし、セシウム134、137は、1940年代以前には地球に存在しなかった物質であり、人間の体内から排出する経路(=代謝経路)が確立していないものと思われます。そこが決定的に違うのです。 先に、ベクレル数をシーベルト換算された方がいましたが、ベクレル→シーベルトは意味がありません。これは国際放射線防護委員会(ICRP)の作った、実効係数を使っています。彼らICRPは、外部被ばく:内部被ばくの影響を1:1と考えています。 ありえません。矢ヶ崎克馬教授やクリス・バズビー氏は、外部被ばく:内部被ばくを1:300から1:1000と見積もっています。外部被ばくを例えるなら、木炭の暖炉にあたっていて、近づきすぎて「あっちっち」となること。内部被ばくはその赤く燃えている木炭を口の中に放り込み、ごっくんと飲み込むことです。木炭の出すエネルギーは両方とも同じであるとします。しかし、内部被ばくが外部被ばくと同じであると絶対に言えないと思います。 また、国際放射線防護委員会(ICRP)は人間を直径1mくらいの肉のかたまり、そして、それぞれの臓器をそれぞれの大きさと重さを持った、肉にかたまりとして考え、先のベクレル→シーベルト計算の実効計数を定めています。お話しになりません。そもそも、国際放射線防護委員会(ICRP)はワトソン、クリックが発見したDNAの二重らせん構造の前に作られたもの。放射線がDNAを破壊するメカニズムなど想定の範囲にないのです。「想定外!」 私たちが参考にすべきなのは、チェルブイリ事故で実際に健康被害にあった人びとのデータです。ユーリ・I・バンダジェフスキー氏は何百体もの死体を解剖し、そのどこの臓器にセシウム137が蓄積しているか、調べました。そして、人間にとって危険なレベルがいくつかのか、研究しました。(詳しくは、『放射性セシウムが人体に与える 医学的生物学的影響: チェルノブイリ・原発事故被曝の病理データ』2011年12月10日刊 合同出版) 1997年に死んだ死体の解剖結果はこうです。セシウム137がたまっていたのは、子どもでは @甲状腺 A骨格筋 B小腸 C心臓の筋肉 D脾臓 E脳です。大人の場合は @骨格筋 A甲状腺 B腎臓 B脾臓(3位は同じくらい) D小腸 E脳 E肝臓(6位も同じくらい) G脳 です。 ユーリ・I・バンダジェスフスキーは、心臓の筋肉の1%が死んだだけで、心臓の25%の機能が失われると報告しています。 ベラルーシで失われた命が告発している事実に私たちはもっと耳を傾けるべきだと思います。 セシウム134、137については、子どもについては、体重1kgあたり、20〜30ベクレルで、不整脈が起きるとバンダジェフスキーは警告しています。体重1kg50ベクレル蓄積すると、命にかかわる臓器が深刻な病気になる、と言っています。体重15sの子どもなら、20×15=300ベクレルということ。ここから危険です。 このグラフを見て下さい。1日1ベクレル食べていても、700日後、つまり、2年後には200ベクレル近くなります。1日10ベクレル食べると、2年後には1400ベクレルを超えます。1日1ベクレル以下を目指すべきです。 http://twitpic.com/89w6qh
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