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汚染石 広く流通の恐れも 生コン会社に1000トン超
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012011602000176.html
東京新聞 2012年1月16日 夕刊
福島県二本松市内のマンション一階の室内から、屋外より高い放射線量が測定された問題で、同県富岡町の砕石会社が、マンションの基礎部分のコンクリートを製造した生コン会社に出荷した石は約千六十五トンに上ることが十六日、関係者への取材で分かった。
放射性物質が付着した石を使ったコンクリートがほかの建築物にも使われた可能性があり、経済産業省は、環境省や国土交通省などと流通ルートを調べている。
砕石会社は「双葉砕石工業」。同社社長によると、浪江町内の砕石場で採取した石約五千二百八十トンを昨年三月の原発事故後、同四月二十二日にかけ、福島県内の建設会社など十九社に出荷。十七社には道路の路盤や河川の護岸工事の材料など一般土木用に、残る二社には生コン用にそれぞれ出荷した。このうち問題の二本松市のマンション基礎部分のコンクリートを製造した生コン会社には、同三月二十五日〜四月二十二日に、約千六十五トン納入した。
双葉砕石工業は、生コン用は砕石場で簡易式の屋根だけの屋外に、一般土木用は野ざらしで保管。原発事故以降は新たな石は採取せず、以前に加工した石を出荷していた。
県によると、この砕石場周辺の線量は毎時二〇マイクロシーベルト前後あるという。
浪江町は原発事故を受け、全域が警戒区域と計画的避難区域に設定されており、砕石場は計画的避難区域にある。
社長は、これまでに自社で砕石場の石付近の放射線量を計測していたが、問題になる数値ではないと考えていた。社長は「出荷当時、放射能のことは分からず、影響が出るものとは思っていなかった。結果的にご迷惑をおかけした。申し訳ない気持ちだ」と話した。
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