セシウムの降下と４号機問題
http://takedanet.com/2012/01/post_398c.html
平成24年1月13日　武田邦彦（中部大学）

暮れから正月にかけて、福島のセシウムが急増し、千葉も５０メガベクレル（１平方キロメートルあたり）が観測されました。他の都府県はほとんどデータを出していないので、データ不足ではありますが、要警戒であることは間違いありません。

１月２日には４００メガベクレルを超える降下物がありましたが、単純にこれを平方メートルにすると４００ベクレルです。「１平方メートル」といえば、１メートル×１メートルですから、キャベツならせいぜい４つというところです。

そこに１日で４００ベクレルのセシウムが降ってくるのですから、１つのキャベツあたり１００ベクレル・・・これは今度の新しい食品規制に触れる量です。しかも１日でそれだけ降るのですから、１ヶ月、キャベツを植えておくと、到底、出荷できない量ということになります。

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http://takedanet.blogzine.jp/.shared/image.html?/photos/uncategorized/2012/01/13/bandicam_20120113_131408590.jpg

これが最新のデータですが、なかなか減らないのです。１１月の状態と比較すると格段と違い、これを放置することはできないレベルにあります。福島から北関東、宮城の人は、マスク、洗濯物は屋内、家に入るときには服を叩いて入る、などの注意を継続することと、そのうち、葉物野菜、水道（川に落ちるから）に注意が必要です。

このデータには４つの問題があります。まず、発表が２日遅れるので「セシウムを吸ってしまってからデータが判る」ということと、「この測定点がもっとも高いセシウムなのかが不明。２倍、３倍のところがある可能性がある」ということ、さらには「原因が不明で防御しにくい」とか、「地表に近いところで呼吸する子供はさらに危険」などがあります。

９月から１１月までほとんど飛散しなかったのですから、何が何でも、原因を特定し、範囲を限定し、多くの人たちが安心して暮らすことができるようにしなければなりません。また、空気中にセシウムがあり、それが降下しているのですから、かならず野菜や水道に影響がでるので、それもこまめに発表することです。

「危険を煽る」と言いますが、「危険そうなのにデータを出さない」というのがもっとも不安を煽ることになります。是非、政府、自治体、報道、専門団体は方向を転換し、国民の被曝量を減らすように情報発信をお願いします。

今回の場合も、セシウムの粒径、セシウム以外の微量核種の分析値などがあれば、かなり判るのですが、何しろデータ不足で解析がもう一つ十分にいかない。残念です。もし詳細なデータがあれば、どこから来たか、マスクはどうすれば良いか、洗濯物は・・・と正確なアドバイスができるのですが。私が国立環境研究所にでもいれば、これまで税金で研究をさせていただいた恩返しに、積極的にデータを出すのですが。

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４号機の状態を詳しく調べていますが、どうしても「逃げなければならないほど危険な状態」であるとは思えないのです。３月の放射性物質の飛散にくらべて、１０分の１、１００分の１というのはあり得るのですが、「日本がダメになる」とか「関東一円が待避区域」ということにはならないと考えられます。

でも、「危険だ」と言っておられる人のなかに専門家の方もおられるので、その理由をよく聞いたり調べたりしているのですが、これまで４月から１２月まで「危ない、危ない」と言われていた状態とは基本的には変わっていません。

詳しくは数日内にブログに書く予定ですが、１）４号機の核分裂は２０１０年１１月に終わっている、２）再臨界が起こっても原発外に影響が及ぶことはない、３）崩壊しても３月の放出量の１０分の１を超えない、と思います。

本当の安心を得るためには、どれもこれも危険と言ってはダメで、本当に危険が来たときに言わないといけないからとても難しいのです。私の家族が北茨城に住んでいても、「４号機は大丈夫。でも３月に降った量が多いので、できれば移動した方がよい」と言うでしょう。

完全に核心が得られるまでもう少し待ってください。それまでは大丈夫です。

　

コメント
01. 2012年1月14日 00:54:02 : XZmVPKFOF2 おかしいぞ福島民友 「県が行っている雨や風による放射性物質の降下量を測る定時降下物環境放射能測定で、今月２日の放射性セシウムが１平方メートル当たり４３２ベクレルと突出して上昇していたことが１２日分かった。」 http://www.minyu-net.com/news/news/0113/news11.html 第９報１月６日の時点では既に分かっていたはず、このような日付の操作をされると報道の信憑性も疑う。 やはり報道機関、特に福島の報道は信用出来ないと感じる。
02. 恵也 2012年1月14日 10:50:24 : cdRlA.6W79UEw : FeIgY3LJnA >>　千葉も５０メガベクレル（１平方キロメートルあたり）が観測されました。 これは酷い。 セシウムの降下量が１日で50Ｂｑ／m2ということであり、Ｂｑ／ｋｇに直すと 土壌汚染が１日で7.7Ｂｑ／ｋｇ。 専門家のスモルニコワ医師によると、土壌汚染が50Ｂｑ／ｋｇで子供には 危険としてるから1週間の降下量で危険ラインになってしまう。 武田先生は4号機を疑われてるけど、4号機には作業員も大勢入ってる らしいのでむしろ、焼却場飛散からのセシウムの可能性が大きい。 これなら年末での大掃除などで、大量に焼却し飛散した理由になる。 焼却場の設備によって、セシウムの飛散は非常に違うし一部分の高汚染 の理由もわかる（650度でセシウムは蒸発するので、旧式焼却機が安全） 俺の家族がいたら土壌汚染限界を超えたとして、ここからは移動させるでしょう。 ガンよりも怖い内分泌系疾患があり、健康が心配だ。 ーーーー引用開始ーーーー 子供は50Bq/kgから危険がはじまる。大人は200Bq/kgから危険 http://www.asyura2.com/11/genpatu19/msg/164.html
03. 浅見真規 2012年1月14日 11:26:24 : AiP1TYI88G3dI : 78gzDj7Pnc >>02 ＞セシウムの降下量が１日で50Ｂｑ／m2ということであり、 ＞Ｂｑ／ｋｇに直すと土壌汚染が１日で7.7Ｂｑ／ｋｇ。 換算の計算が一桁間違っている。 比重1.3の土を地表から5cm採取した場合は1平方メートルで65000g、すなわち、65kg。だから、土質にもよるが標準的換算では50ベクレル毎平方メートルは1kg当たり0.77ベクレルだ。 それから、武田教授のはセシウム134と137の合計の話だが、スモルニコワ医師の話はセシウム137だけの話だろう。その場合は千葉の年末年始のケースは1kg当たり0.4ベクレルで論ずべきだ。
04. 2012年1月14日 13:22:14 : FVA6HNDv7k ４号機の躯体つまりコンクリートでできた構造物が崩壊しない保証は何もない。 武田邦彦も、建築や土木の構造物の専門家ではないのでこの点では一般の人と変わらない。コンクリートの躯体に大きなクラックが発生するだけで内部から漏水しため込んだ放射性廃棄物は水で浸す状態に保たれ続けることは出来ない。 近づいて補強が出来る状態なのか、それを行っているのかの情報もない。
05. 浅見真規 2012年1月14日 15:29:57 : AiP1TYI88G3dI : 78gzDj7Pnc >>04 補強工事はしている。おそらく、震度5強くらいまでなら倒壊しないと思う。 しかし、震度6強だと厳しいだろう。 asahi.com（朝日新聞社）HP記事参照 http://www.asahi.com/special/10005/TKY201106200373.html
06. 2012年1月14日 16:21:27 : 58tAMYUYUQ 補強工事ってこれ？ http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/images/handouts_110730_02-j.pdf プールの底につっぱりしただけに見えるんだけど・・ 外にあったらおしえて！
07. 2012年1月15日 03:12:35 : S5q6Xhb0EA >>05 ＞補強工事はしている。おそらく、震度5強くらいまでなら倒壊しないと思う。 ＞しかし、震度6強だと厳しいだろう。 お得意の勘かね。子供じみたことはやめたら。
08. 恵也 2012年1月15日 10:48:48 : cdRlA.6W79UEw : 4A0cdJzKTo >>03　地表から5cm採取した場合は1平方メートルで65000g 俺は1Ｂｑ／ｋｇ＝６．５Ｂｑ／m2という数字を覚えてたけど、間違いだったようだ。 有難う。 今中哲二助教は１Ｂｑ／ｋｇ＝２０Ｂｑ／m2を採用しておられるし、実際に １Ｂｑ／ｋｇの土を1平方ｍにばら撒いたら、1秒間に何個の放射線を出してる のかを調べる必要がある。 ＰＨＯＴＯＭＯ　Ｎｏｔｅｂｏｏｋ氏も机上の計算だと１Ｂｑ／ｋｇ＝１００Ｂｑ／m2 実際にチェルノブイリまで行って調査された今中氏の数字を重要視した方が いい様なので、これからは１Ｂｑ／ｋｇ＝２０Ｂｑ／m2を採用したい。 だから俺の書いた記事は3倍にしてくれ。 それから土壌の比重は2.5くらいのようです。 またＢｑ／m2とＢｑ／ｋｇは正確には計測方法が違うのじゃないかね。 1秒間に1平方ｍから空間に出てくる放射線量と、採取した1ｋｇの土壌から 1秒間に出てくる放射線量との間には多くの差があると思う。 ーーーー引用開始ーーーー 3月24日付けの朝日新聞で以下の記事掲載。 原発から北西に約４０キロ離れた福島県飯舘村では２０日、土壌１キログラム あたり１６万３千ベクレルのセシウム１３７が出た。県内で最も高いレベルだ。 京都大原子炉実験所の今中哲二助教（原子力工学）によると、１平方メートル あたりに換算して３２６万ベクレルになるという。 http://www.photomo.net/notebook/2011/03/bq-kg/ >>　スモルニコワ医師の話はセシウム137だけの話だろう。 そんな話はまったく書いてない。 被曝する放射線の話をするのにそんな区別をするする必要があるのかね。 健康の話なら、むしろセシウム134と137の合計で話を組み立てるものだと思うけど・・・ ーーーー引用開始ーーーー 医師たちは、疾患の原因がわかっていない。でも、そういった疾患がでていることは事実。」 「子供は20Bq/kgの土壌汚染だとまだ安全。子供は50Bq/kgから危険がはじまる。 大人は200Bq/kgから危険です。」 http://www.asyura2.com/11/genpatu19/msg/164.html
09. ポリーテイアー 2012年1月15日 10:53:53 : trv0OrkwFmReI : FS2Dvw8z4Q 使用済み核燃料プールにおけるセシウムの濃度が最も高いのは２号炉のプールです。２号炉が、大きな余震で壊れても関東終了です。また、３号炉の取水口における放射性物質の濃度がお正月の地震の後、３倍になりました（NHKニュース）。４号炉のプールだけに着目するのではなく、２、３号炉にも警戒してください。放射性降下物の量から考えて、原子炉の状態は、１１月と比べて悪化しており、どれか一つ逝っても終わりです。 冷温停止宣言が、まったくの茶番であることが分かります。
10. 恵也 2012年1月15日 11:01:04 : cdRlA.6W79UEw : 4A0cdJzKTo >>05　震度5強くらいまでなら倒壊しないと思う。 俺も補強をしたから倒壊はしないと思うが、燃料プールに亀裂が入って水が ダーダー漏れになり燃料のメルトダウンの可能性は大きいと思う。 燃料を取り出さなくては、4号機の安全宣言は無理だ。 モルタルの池を作って、金魚を飼ったことがあるけど漏れ出したら亀裂の 場所も判らんし何度、上塗りしても気休めでしばらくしか持たなかった。 漏れ出したら4号機は給水量を増やす以外の対応策はないと俺は思ってる。

11. ポリーテイアー 2012年1月15日 14:39:50 : trv0OrkwFmReI : FS2Dvw8z4Q このままのペースでフォールアウトが続くと、１月累計で２３７０Bq/m2のセシウムが降り積もります。これは、大気圏核実験が最もひどかったときの青森県におけるフォールアウト２２００Bq/m2と同じです。なお、原発事故が起きる前の青森県の４０年間のフォールアウト累計は、７０００Bq/m2で、神奈川県の昨年３−６月のフォールアウトは、８５００Bq/m2くらいです。この傾向が約３ヶ月半続けば、神奈川の昨年３−６月分のフォールアウトと同じ量になります。

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