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アイン・ランドの著書『肩をすくめるアトラス』は、ビジネス社から翻訳出版されています。アトラスというのはギリシア神話に登場する天球を支える巨人のことで、ロックフェラー・センターのインターナショナル・ビル前に設置されたのもこのアトラス像です。
『肩をすくめるアトラス』の本の現物を手に取ると分かりますが(注 私が「手に取
る」としか書けないのは、何回手に取ってもすぐに嫌気がさして、本の重さしか分からないからです)、ものすごく分厚くて辞書のようです。本文は1263ページもあります。小さい字で二段組みで書かれていますから、実質はその倍のページ数です。
日本版翻訳者の脇坂あゆみ氏の後書きから、アイン・ランドに関する情報を以下にダイジェストします。
アイン・ランド1905年サンクトペテルブルグ生まれ、父親が薬局を経営する裕福なブルジョア家庭育ち。ペトログラード大学で歴史を専攻して首席で卒業、革命下のロシアからシカゴの親戚を頼って単身渡米、紆余曲折を経た後、1943年「水源」を出版してベストセラーになりゲイリー・クーパー主演で映画化される(邦題「摩天楼」)。
やがてランドの著作に心酔した若者たちがランドを中心にサロンを形成する。常連にはFRB議長のアラン・グリーンスパンもいる。彼は『ランドと出会ったことによって、資本主義は効率的であるばかりでなく、道徳的でもあると確信するようになる。ランドを思想的母とあおいだグリーンスパンは、ニクソン政権につづきフォード政権でも経済顧問の要職に就く。
1981年ニューヨーク・タイムズ紙が、レーガンの政治組織内の人間にもっとも大きく影響した作家はアイン・ランドその人だと讃える。翌年ランドはニューヨークの自宅で死去。1991年にアメリカの議会図書館が行った調査では、「肩をすくめるアトラス」が二十世紀で聖書についで読者の人生に影響を与えた本とされる。「水源」は四百万部、「肩をすくめるアトラス」は五百万部以上の売り上げを記録し、「肩をすくめるアトラス」は、アマゾンの利用者によって二十世紀の十冊にもランクインしている。
鬼塚英昭氏はそのからくりを最新著書で次のように述べています。
『世界最終恐慌への3000年史 時間とマネーを支配する怪物の正体』成甲書房より
『アイン・ランドはフィリップ・ロスチャイルドの愛人で、アラン・グリーンスパンをFRB議長に仕立て上げたことでも有名です。著書の「肩をすくめるアトラス」「水源」はアメリカですでに数百万部発行されて超ベストセラーです。それもそのはず、ほとんどの本がロスチャイルドとその一味であるユダヤ国際金融家たちにより、全米のハイスクールの生徒たちに無料配布されているからです。
彼らは小中学校の頃からアメリカ教育機関と教師協会いよって強制的に、アイン・ランドの『肩をすくめるアトラス』のダイジェスト版を与えられ、「理性なきものは動物である、他の邪魔にならぬ範囲で(そんなことは不可能ですが)個人の利益のみを追究せよ、他人のことは無視しなければ自由を得ることはできない・・・」を教え込まれます。そして、ハイスクールに入ると、ゴールドマン・サックスやJ・P・モルガン・チェース、モルガン・スタンレーの資金提供により、「肩をすくめるアトラス」の完全版を無料配布されます。一九九一年にアメリカ議会図書館ブック・オブ・マンズ・クラブが、「二十世紀でいちばん影響を受けた本」についての読者を対照にした調査を行いました。「肩をすくめるアトラス」が「聖書」に次いで第二位でした。
ランドのもう一つの大作「水源」も大量に出版されています。正直いって私はこの二作を読んだあと、身震いが止まりませんでした。「なんでこんな本が・・・」。そうです、アメリカの若者たちは、アメリカの教育機関、教師協会から、完全なる洗脳教育を受けているのです。』
鬼塚さんは完読したんですね。私は主人公のモノローグにつき合うのに数分が限度で、いつも耐え難い苦痛を覚えて挫折します。これを教材にして洗脳教育を施されたらきっと重度の鬱を発症すると思います。
鬼塚氏前掲書の続き
『現在、アメリカの五人に一人が失業するか、パート労働に出ているか、まったく仕事をしていません。実質失業率は二十%以上です。失業保険は二十六週間を過ぎると支給が打ち切られます。彼らは失業者ではないとされるのです。フードスタンプ(貧困者用の食糧券)を貰うアメリカ人が毎日、約二万人も増えています。アメリカ人の七人に一人(二〇一〇年六月現在)がこの食券をもらって生きています。毎月百ドル(約七千六百円)程度のフードスタンプで、なんとか命をつないでいるのです。
まったくの無収入者が六百万人(国民五十人に一人)います。彼らは家も持たず、公園のテントの中か車の中でただ生き続けています。四千七百万から五千万人の人々が医療保険に入っていません。オバマの社会保障制度改革は何の役にも立たず、製薬会社と巨大病院の経営者のみを富ませるためのイカサマ政策でした。
「勉強しないとイラクに行くことになるぞ」という“名言”を二〇〇四年の大統領選で民主党のケリー候補が発しました。今アフガニスタンで戦っている(?)のは雇兵がほとんどです。働けど働けどじっと手を見るだけの「ワーキングプア」たちが選んだ職業が「アフガニスタン」への出稼ぎというわけです。
この雇兵の最大大手企業がハリバートン社で、ブッシュとともにイラク、アフガン戦争を仕掛けたチェイニー副大統領がCEOです。しかし、ハリバートンの実質支配者はオリンピアンズ(注 オリンポスの神々の末裔を自称する世界支配層の連中のこと)の面々です。生かすも殺すも、オリンピアンズしだいということが理解できたでしょうか。
私はアメリカの惨状をごく少しだけ書きました。これは明日の日本の縮図です。私には、巨大病院が日本に生まれてくる様子がはっきりと見えてきます。十年も経たないうちに必ずや日本はアメリカ化します。オリンピアンズは日本をアメリカ化する明確なプランを持っています。
「だが、なににも増して悲惨なのは、アメリカの刑務所の民営化だろう。犯罪行為と見なされる領域は拡大し、投獄によって罰すべき罪を判断する基準は引き下げられる。二〇〇九年にはペンシルバニア州のふたりの裁判官は、民間刑務所企業から賄賂と引き換えに、二〇〇〇人余りの子供を投獄したとして有罪判決を受けたのである。」カレル・ヴァン・ウオルフレン『アメリカとともに沈みゆく自由世界』より
しかし、この刑務所の民営化も、アメリカを崩壊させようとするオリンピアンズの計画の一つにすぎません。』
やがて日本もアメリカ化するために、アメリカ崩壊のバイブル『肩をすくめるアトラス』を日本でも翻訳出版したのでしょうか。日本版の帯には、ランドの思想を「ジレンマに打ち込む熱い斧」と賞賛するコメントが掲げられています。
↓
『この作品こそアメリカとは何かを示唆する新古典であり、自由と規範という現代世界が抱える先鋭的ジレンマに打ち込む熱い斧でもある。私は沈黙し、深く考えさせられ、大きく息をついた。 寺島実郎 財団法人日本総合研究所理事長 三井物産浅酌研究所所長』
三井物産のシンクタンクのトップがこんな寝言を言っているようでは困りますね。
鬼塚英昭氏によると、マーガレット・サッチャーは、ヴィクター・ロスチャイルドの被庇護者であり、ヴィクターの意向でハイエクとフリードマンに接し、そこにアイン・ランドが加わって秘密結社が出来たそうです。中矢伸一氏によると、イギリス政府の法案がザ・シテイの認可を受けて初めて可決するように、日本の法案もすべてフリーメーソンが決めているそうです。『先鋭的ジレンマ』を作りだし、『熱い斧』を打ち込むシナリオも連中が決めているということなのです。
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