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平成のカルト界は喜劇ではじまった。
当時のバブルを物語るような、なんともかったるく、なんとも享楽的な、
それこそ近代元禄の夢芝居の上演会がそこらで蔓延していたものだ。
今では考えられない(こともないか・・・)ような幻想力に満ちた市場戦略をもって
カルト団体達も西へ東へ信者獲得の戦争を繰り広げた。
その中でももっとも目を引いたのがオウム真理教であり、ヒンドゥー神秘主義の自任継承者たる彼らは60年代のLSDにまみれたヒッピーの復活を彷彿とさせた。「空中浮遊」を「最終解脱(=煩悩から完全に開放され、人間界に課せられた宇宙の法力から独立したこと)の証拠」として宣伝したオウムは当然のことながらそのギミック主体の売り込み手口に批判を浴びた。
自らをキリストや仏陀に並ぶ覚醒者として定義した麻原に、これまた教祖が仏陀の生まれ変わりなどと見栄を切った「幸福の科学」が噛み付いた。「座禅もできない奴が解脱できるわけがない。どうやって仏陀の代弁などできようか」という麻原側の主張に「身体の業はすでに仏陀によって否定されている。重要なのは頭の中身よホホホ・・・・・」などとやり返した幸福の科学はさらに「ウチの教祖は東大卒、お前らの教祖は盲学校」などという暴言にまで及んだ。
ふうむ。学歴というものがどれだけ宗教指導者の価値を決めるのか・・・・・これは案外面白い話だな。近代では教祖や教祖の子供とはいえ、一市民として生まれ、一市民として社会に属し、公立や私立の違いはあったところで通常の教育機関の中で人格を形成していくわけだから、いくら超能力だパナウェーブだ神の使いだなどと言ったところで一般人と同じ価値観をある程度共有してきたことにはかわりないのだ。俳優の故・内藤陳さんのように親が自宅で英才教育を施すため学校にやらなかった例や、私(チベットよわー)のように物心ついた頃からアウトサイダーを自覚し学校教育や置かれた環境を一切無視して(もしくは直視できず)自己と自己分身である神との対話の中だけで叡智をつけたような人間を除くと、誰もが学歴によって大きく影響をうけ、その人がその人たる大部を支配されているのである。学歴なんてどうでもいいよ、などと嘯き義務教育そこそこに裏街道に進んだ人間でさえ10年もの長きにわたって学校教育によってしつけられ守られてきたのであり、その人生に学歴が果たした役割は多大である。
さて、カルトの教祖というものも、1人の園児であり、児童であり、学生であり、受験生であることを出発点としているわけだが、彼らのカルトにおける活躍というものも結局は、その時分に何をしたかの結果が招いたことに思えて仕方がない。少しみてみればわかる。
麻原彰晃
オウム真理教の教祖。盲学校から国立大学を目指し何度も浪人するが失敗。その結果としてヒンドゥーの神秘ヨガにはまったのが明らか。正規のやりかたで上にいけないことを超能力でごまかそうとした。
桐山靖雄
麻原が属したアゴン宗の教祖。小学校卒。北京大学名誉教授など数々の称号をひけらかすほどのアカデミック狂であるが、ご本人は学歴詐称の王であった。母子家庭で貧しく公立中学への進学をあきらめた後に、私立の中学に入学した辻褄のあわない逸話や、労働をしながら中学を出、早稲田大学に入学した話が虚偽であったことなど、これだけの学歴操作癖というものは強いコンプレックスの裏返しであろう。
池田大作
創価の三代目。富士短期大学卒業。正直、履歴書に「ソロバン8級」と書くようなもので、いわないほうが有利な学歴である。しかしそれでも、モスクワ大学名誉博士号をはじめ、数々の称号を手中にしてきたガメツイ宗教家である。一体、低学歴なのか高学歴なのかわからん。その振り幅が宗教の持つ幻想力であり、可能性でもある。
福永法源
法の華教祖。法政大学短期学部卒業。中には2年の大学在籍期間中にPHDをこなすことのできる秀才もいるかもしれないが、おそらくこの場合は「貧乏もしくは低学力により法政大学をフル卒業できなかった」という人生の暗部を物語る学歴である。その不足を補うことが宗教活動の原点になっていることに注目。この人も数々の海外の大学から名誉博士号を購入している。
大川隆法
やったー。やっとまともな学歴の教祖が・・・・東大法学部卒。ばんざーい、ばんざーい。戦後生まれの大川はいうまでもなく一般のペーパー入試で東大合格しているので一切ズルのない優秀な学歴の持ち主である。しかし企業から海外に派遣された先で大学院に通うとすぐに壁にぶちあたる。英語のセンスがないためアメリカのアカデミズムにおいては劣等生にされたのである。思いがけぬ挫折。しかし日本に帰って東大英文科出の妻をめとった大川はなにを思ってか『超上級英語伝道入門』(幸福の科学出版)などというまさかのタイトルを冠した専門書を著した・・・・コンプレックスを直球で跳ね返すっつうか・・・とてつもない幻想のブラックホールにとらわれるような気がするな・・・・
リチャード・コシミズ
とりはこのオッサン。ネットカルト「独立党」の教祖。青山学院大学経済学部卒業。ペギー葉山の後輩。なんだ、別にマトモじゃないか、と思うのは大半を占める高卒の信者。教祖であるコシミズは学者の息子であり、それこそ国立大学に進学してあたりまえの環境で育ったのであるから相当のコンプレックスをかかえている。技術職者の代弁をして東大・東工大出だらけの企業役員を相手に工業機械販売の営業を長年してきたコシミズは、高学歴者に媚び、はいつくばって機嫌を伺う毎日の中で、ペテンカルト立ち上げの青写真をせっせと設計していたのである。自己嫌悪を全てふんぞり返った高学歴社会へ向けてぶつける、その延長上に世界学閥を支配するユダヤ人を見出したのである。
オジサン達が思うような高学歴を終了していたなら、何事もないように就職してしまい、彼らの作り上げた現実の防空壕たるカルトもなかったのかもしれない。そう考えるとなんだか、私、失敗したり落第したりすることが、とってもとっても大切に思えてくるのよ。それっていけないことかしら。(東大国文科卒、宇野鴻一郎風)
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