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模範生徒と破戒僧
1,ある時代の、ある僧侶たち。
2,お師匠様と、模範生のまだ若い僧侶が、山から町に出て、檀家巡りをしていた。
3,金持ちの家で、豪華な昼飯を御馳走になり、用事も済み、山寺へ帰ろうと、
師匠と若い弟子は、鴨川の傍まで来た。
4,師匠の後について、橋を弟子が一緒に渡ろうとした時、
その師匠が、若い弟子に言った。
5,珍念よ、悟りを開くまで、
この橋を、渡ってはイケナイ。
橋の手前で、座禅をせよ。
ワシは先に帰るぞ!
じゃあね! と、師匠は、先に帰った。
6,一度出家した若い僧には、師匠の言葉は、絶対だった。
7,珍念は、言われたとおり、橋の手前で、座禅を組み、瞑想に入った。
8,京の町の人々は、近所の山寺の、托鉢をする珍念を知っていた。
一人の町の老人が、珍念に、どうして、ここで、座禅を組んでいるのか、
と、尋ねた。
珍念は、丁寧に挨拶をし、かくかくしかじか、と説明した。
その老人は、まあ、がんばりなはれ、と言って去った。
9,夕方になり、陽が沈みかけた頃、兄弟子の僧侶、龍騎が、
橋を、向こうから渡ってきた。
おお、珍念よ、お前、ここで、何故、座禅をしているのだ。
アホなんか!
と、その兄弟子は、言った。
珍念は、
龍騎様、お師匠様が、かくかくしかじか、と、説明した。
10,アホか! お前は、珍念よ。
そんなここで、辛気臭いことせず、
飲みに連れていってやろう。
飯も食え!
綺麗なオンナも、いるぞ!
11,いいえ、龍騎様、私は、ここで、お師匠様の命令どうり、
悟りを開くまで、ここで、
座禅をします。お気遣いなく、
と、珍念は、返事した。
12,まあ、しゃあないなあ、珍念よ。
オレは、街中の女郎屋で、酒でも飲んでいるから、
気が変わったら、来い!
じゃあな。
13,ところがどっこい、
数時間後、某国の核ミサイルが、京の町に打ち込まれ、
住民は、すべて、死亡した。
14,必死に瞑想をしていた、珍念は、
意識が肉体から分離しており、核ミサイルで肉体が消滅したのに、
なんと、気が付かなかったのだ。
肉体から意識が分離していると、肉体自体を認識は、出来無いのだった。
珍念は、肉体はないのに、まだ、瞑想していた。
15,100兆年が、経過した。
珍念は、まだ、橋の前で、アストラル体で瞑想を続けていた。
16,一方、兄弟子龍騎は、99兆年前に、
すでに悟り、覚者になっていた。
もちろん、肉体という、ゾンビの体は、もう無く、
光り輝く、仏陀になっていた。
17,仏陀に成っていた龍騎は、
珍念のところに、不可視の体で来て、
言った。
珍念よ、いつまで、アホみたいに、座禅をしているのだ。
飲みに行こうぜ、オンナも綺麗だぞ!
一発やれるぞ、珍念よ。
18,いいえ、龍騎様、
お師匠様の、命令どうり、
ここで、悟りを開くまで、座禅をしております。
お気遣いなく。
19,さらに、200兆年が過ぎた。
いまだに、悟れず、珍念は、
物質界と、そっくりなアストラル界の橋の前で、
まだ、座禅をしていた。
20,これを見ていた、神は、
そばに居る、天使たちに、一言、言った。
真面目も、ほどほどやなあ、アカンなあ!
放っておけ!
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