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ヒット作が登場しない中国アニメの行方 心を込めることが大事
2014年03月17日16:43
米3Dコンピュータアニメーション・ミュージカル・ファンタジー映画「アナと雪の女王」(米2013年11月27日公開)が現在、大ヒット中だ。世界での興行収入が2月の時点で9億ドル(約900億円)を突破した。また、中国でも圧倒的な人気を誇る「名探偵コナン」の劇場版シリーズ18作目「名探偵コナン 異次元の狙撃手」が日本で4月19日に公開となる。中国のファンらは、「中国での公開まで待てない。日本に行って見たい」との声を上げている。
一方、中国のアニメは稚拙なストーリーや模倣が目立ち、なかなかヒット作品が出てこない。「中国の人気アニメ、孫悟空やナタ(哪吒)はどこへ行ってしまったのか?中国のアニメは一体どこに向かっているのか?」との嘆きも聞こえてくる。
この問題について、「中国互動媒体集団」の洪晃・最高経営責任者(CEO)とアニメ映画会社「追光動画」の王微CEOは最近、あるテレビ番組で共演した際、それぞれの見方を語った。中国経済網が報じた。
子供と一緒によくアニメを見るという洪CEOは、中国アニメの脚本について、「『中国式脚本』となっており、特に文学性にこだわりすぎ。多分、脚本家は物語を書くことに喜びを感じているのだろう。でも、視聴者は10分見ても、何が起きるのか分からない。実際には、本当におもしろいのはアニメーション。視覚を通して物語を展開するのであって、文字でそれを伝えるのではない」と厳しい意見を語った。
アニメの分野の人材流出を嘆く洪CEOは、「中国画やアニメの製作で、高い技術を持つ人材が中国にはたくさんいるというのをよく耳にする。例えば、上海美術電影制片廠にはよい人材がたくさんいた。でも、結局日本に流出した」と指摘。原因に関して、「海外のアニメ製作環境が魅力的であるのに対し、中国の環境は劣悪な状態であるため」とした。また、「中国ではアニメ製作に多額の補助金が支給されるにもかかわらず、ヒット作が出ておらず、本当に良い作品を作ろうとしているアニメ関係の会社には補助金が回っていない。そのような会社は結局、海外アニメの『代理生産工場』になってしまい、中国のオリジナル作品は登場しない」と指摘した。
一方、かつて米航空機会社「ヒューズ・エアクラフト」で、アジアの衛星テレビ業務を担当していた王CEOはその後、インターネット業界に転職し、中国最大の動画共有サイト「土豆網」を立ち上げた。そして、2013年、今度はアニメ業界に進出し、「追光動画」を立ち上げた。同社立ち上げに先立ち、王CEOは業界関係者300人以上の意見を聞いたものの、ほとんど採用することはなかったといい、「誰も作ったことがないシンプルで温かい作品を作りたいとの思いで、外注は受けず、米国でチームを立ち上げることもなく、中国の市場だけに集中するアニメ映画会社を作った」と語った。
王CEOはまた、最近中国でも大ヒットした韓国ドラマ「星から来たあなた」で、人気女優チョン・ジヒョンが演じた国民的アイドル・チョン・ソンイが、「頭を使って演技することしかできず、気持ちが全くこもっていない」と語ったことから、「気持ちを込める」という言葉が流行していることに言及し、「重要なのは心を込めること。『心』がどこにあるか、我々は皆それを感じるものだ」と指摘した。さらに、米人気アニメ「トイ・ストーリー」を引き合いに出し、「各ストーリーの最後に、悪役キャラクターを演じる犬バスターが登場し、カウボーイ人形ウッディが主役の座を奪われるのではと心配するものの、友情を築くようになり、トイ・ストーリー3では、年老いたバスターがウッディを背中に乗せたまま寝てしまうというストーリーには心を動かされた。人形に老化はないが、人は老化し、時間は流れていくものだという気持ちにさせられる」と語った。
作品に「心」を込める方法に関して、王CEOは、「製作者がどれほど心を込めているかは、製作時にどれほど心血を注ぐかにかかっている」と指摘。現在製作中のアニメを例に、「自分は脚本家や監督など、さまざまな役割を兼任しており、脚本を書く時点で30回以上書きなおした。アニメにする時に、さらに多くの人力や精力を注ぎ、何度も訂正して、どのシーンからも温かさや生命力が感じられるようにしている。理屈を語ったり、技術を競ったり、文芸作品のような雰囲気を出すというなら、交響楽を聞いたり、詩を読んだりすれば、ある程度できるもの。難しいのは自分の心が元々どこにあったのかを覚えておくこと」と語った。(編集KN)
「人民網日本語版」2014年3月17日
http://j.people.com.cn/206603/8569018.html
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