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全人代に臨んだ習近平国家主席(左)と李克強首相=5日、北京の人民大会堂(共同)
中国全人代、テロの連鎖で重大危機 政府の強硬姿勢にウイグル族は暴発寸前
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20140305/frn1403051535006-n1.htm
2014.03.05 夕刊フジ
中国の国会にあたる全国人民代表大会(全人代)が5日、北京で開幕した。全人代直前の1日夜には雲南省・昆明駅で無差別殺傷事件が発生し、170人以上の死傷者が出た。治安当局は、新疆ウイグル自治区の独立派による組織的なテロと断定、北京をはじめ主要都市で警戒態勢を敷いている。一部勢力がイスラム過激派と繋がりがあるともされるウイグル族。習指導部の少数民族への強硬策が、「テロの連鎖を生んでいる」(専門家)という。
昆明駅での惨劇は、警備体制の「盲点」を突く形で起きた。
「全人代に備えて、公安当局は北京とその周辺のほか、新疆や青海省など内陸の6省・自治区を重点的に警戒強化していた。昆明での事件はその裏をかかれた格好だ。習指導部にとって失態のダメージは小さくない」(中国共産党筋)
公安当局は犯行を新疆ウイグル自治区の独立を求めるウイグル族の組織と断定している。
中国事情に詳しい評論家の宮崎正弘氏は「独立派の最大組織に、ドイツ・ミュンヘンに本部を置く『世界ウイグル会議』がある。主流派の彼らは、非暴力による独立を訴えて過激な行動に走ることはない。(犯行については)イスラム過激派組織『アルカーイダ』との関与が疑われる強硬派の存在がささやかれている」と話す。
強硬派の中で、国連でもテロ組織と規定されているのが、「東トルキスタン・イスラム運動(ETIM)」だ。
外務省や公安調査庁の公開資料によると、1997年に組織されたとされ、「アルカーイダ」やイスラム原理主義勢力「タリバン」と共闘関係にあったとされる。96年に結成された「東トルキスタン解放組織」も、メンバーがタリバン政権下のアフガニスタンで軍事教練を受け、中国や中央アジアでテロ活動を行っているとされる。
『イスラムのテロリスト』(講談社プラスアルファ新書)の著書がある軍事アナリストの黒井文太郎氏は、「過激派は離合集散を繰り返し、組織名も頻繁に変えるが、源流とされるのは『トルキスタン・イスラム党(TIP)』だ。イスラム過激派勢力とは、ゆるい連帯関係にある。カザフスタンが本拠で中核メンバーは数十人。ただ、ウイグル族への弾圧が厳しくなったここ数年でシンパを増やし、そうした人を含めると数千人の規模になる」と説明する。
テロの背景には、中国共産党の支配に苦しむウイグル族の窮状がある。
ウイグル自治区ウルムチで民衆が蜂起し、192人(中国政府発表)の死者が出たウイグル騒乱(2009年)以降、弾圧は一層激しくなった。
「世界ウイグル会議」日本支部代表のイリハム・マハムティ氏は「習政権になってから事態はより悪化した」と訴える。
「昨年4月には、ウイグル南部のアクス地区で武装警察が、丸腰のウイグル人を射殺した。独自の判断で射殺してもいいという通達が出ているため、あちこちで同じような事件が起きている」
開墾と辺境防衛を担う準軍事的政府組織「新疆生産建設兵団」が置かれたアクス地区では、治安当局による民衆の虐殺が日常化しているという。
「身近な者を殺されて政府に恨みを募らせる住民が増えている。ウイグル族の不満を抑えつけようとする中国政府の強硬姿勢が、テロを再生産している側面がある」と先の黒井氏。
虐げられた者たちの怒りが「赤い帝国」の足下をぐらつかせつつある。
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