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改革の全面的深化における若干の重要な問題に関する中共中央の決定
(2013年11月12日中国共産党第18期中央委員会第3回全体会議にて採択)
2014年01月29日13:47
中国共産党第18回全国代表大会の改革の全面的深化に関する戦略配置を貫徹し、着実に実施すべく、中国共産党第18期中央委員会第3回全体会議(三中全会)は改革の全面的深化における若干の重要な問題について検討し、以下のような決定を行った。
ブリーフィングの内容一覧
一、改革の全面的深化の重要な意義と指導思想
二、基本的な経済制度の堅持・改善
三、近代的な市場体系の整備を加速
四、政府の職能転換を加速
五、財政・税務体制改革を深化
六、都市と農村の発展一体化に向けた体制・仕組みを整備
七、開放型経済の新体制を構築
八、社会主義民主政治の制度建設を強化
九、法治中国の建設を推進
十、権力行使の制約と監督体系を強化
十一、文化体制・仕組みの革新を推進
十二、社会事業の改革革新を推進
十三、社会ガバナンス体制の革新
十四、生態文明の制度建設を加速
十五、国防・軍隊改革の深化
十六、改革の全面的深化に向けた党の指導を強化・改善
一、改革の全面的深化の重要な意義と指導思想
(1)改革開放は、党が新たな時代条件のもとで全国各民族の人民を率いて推し進める新たな偉大な革命であり、現代中国の最も鮮明な特色である。党の第11期三中全会開催以来の35年間に、われわれの党は大きな政治的勇気をもって、経済体制、政治体制、文化体制、社会体制、生態文明体制、及び党の建設制度の改革を鋭意推進し、開放をたえず拡大し、その決意の固さ、変革の深さ、影響の広さはかつてなかったもので、世界中が注目する成果をあげた。
改革開放の最も主な成果は中国の特色ある社会主義を切り開き発展させ、社会主義近代化建設のために強大な原動力と力強い保障を与えたことである。事実が立証しているように、改革開放は現代中国の命運を決定する鍵となる選択であり、党と人民の事業が時代に急ピッチで追いつくための重要な切り札であった。
実践の発展には永遠に終わりがなく、思想の解放には永遠に終わりがなく、改革開放にも永遠に終わりがない。新たな情勢、新たな任務に立ち向かい、小康社会(ややゆとりのある社会)を全面的に実現し、富強・民主・文明・調和の社会主義近代化国家を建設し、中華民族の偉大な復興という中国の夢を実現するには、新たな歴史的起点において改革を全面的に深化させなければならず、中国の特色ある社会主義の道への自信、理論上の自信、制度上の自信をたえず強めていかなければならない。
(2)改革の全面的深化にあたっては、中国の特色ある社会主義という偉大な旗印を高く掲げ、マルクス・レーニン主義、毛沢東思想、됩小平理論、「三つの代表」の重要思想、科学的発展観を導きとし、信念を固め、コンセンサスを結集し、統一的に計画立案し、協力して推進し、社会主義市場経済の改革の方向を堅持し、社会の公平・正義の促進、人民の福祉の増進を出発点及び立脚点とし、思想をさらに解放し、社会生産力を解放し発展させ、社会の活力を解放し強化し、各方面の体制・仕組みの弊害を断固として排除し、中国の特色ある社会主義事業のさらに広々とした展望を切り開かなければならない。
改革の全面的深化の全般的目標は、中国の特色ある社会主義制度をより完全なものにし、さらに発展させ、国のガバナンス体系とガバナンス能力の近代化を促すことである。改革の系統性、全体性、協調性をいっそう重視し、社会主義市場経済、民主政治、先進文化、調和社会、生態文明の発展を加速し、労働、知識、技術、管理、資本のあらゆる活力が競ってほとばしり出るようにし、社会の富を創出するあらゆる源泉が十分に湧き出るようにし、発展の成果がより多く、より公平に国民全体に恩恵をもたらすようにしなければならない。
市場に資源配置における決定的な役割を果たさせるように、経済体制改革を深化させ、基本的な経済制度を堅持・整備し、近代市場体系、マクロコントロール体系、開放型経済体系の整備を加速し、経済発展パターンの転換を加速し、イノベーション型国家の建設を加速し、経済のさらに効率的でさらに公平でさらに持続可能な発展を促さなければならない。
党の指導、人民が主人公であることを堅持して、政治体制改革を深化させ、法律によって国を治めることを有機的に統一して、社会主義民主政治の制度化、規範化、手続き化の推進を加速し、社会主義法治国家を建設し、さらに幅広くさらに十分にさらに整備された人民民主を発展させなければならない。
社会主義の核心的価値体系と社会主義文化強国の建設を主軸に据えて、文化体制改革を深化させ、文化管理体制と文化生産経営の仕組みの整備を加速し、近代的公共文化サービス体系と近代的文化市場体系を確立し、より完全なものにし、社会主義文化の大発展と大繁栄を推進しなければならない。
国民生活のさらなる保障と改善、社会の公平と正義の促進を主軸に据えて、社会体制改革を深化させ、所得分配制度を改革し、ともに豊かになることを促進し、社会分野の制度革新を推進し、基本的公共サービスの均等化を推し進め、科学的で効果的な社会管理体制の形成を加速し、社会が活力が満ちるとともに調和がとれ秩序があるよう確保しなければならない。
「美しい中国」の建設を主軸に据えて、生態文明体制の改革を深化させ、生態文明制度の確立を加速し、国土の開発と資源の節約利用、生態環境保護のための体制・仕組みを整備し、人と自然が調和的に発展する近代化建設の新たな局面の形成を推進しなければならない。
科学的な執政、民主的な執政、法律に従った執政のレベル向上を主軸に据えて、党の制度建設改革を深化させ、民主集中制の建設を強化し、党の指導体制と執政方式をより完全なものにし、党の先進性と純潔性を保ち、改革開放と社会主義近代化建設に堅固な政治的保障を与えなければならない。
(3)改革の全面的深化にあたっては、中国が長期的に社会主義の初期段階にあるという最大の現実に立脚し、発展は依然として中国のあらゆる問題を解決するための鍵であるという重要な戦略的判断を堅持し、経済建設を中心とし、経済体制改革の牽引的役割を発揮させ、生産関係と生産力、上部構造と経済的土台との相互適応を推進し、経済社会の持続的で健全な発展を推進しなければならない。
経済体制改革は改革の全面的深化の重点であり、核心問題は政府と市場との関係をよりよく処理し、資源配置における決定的な役割を市場に果たさせ、政府の役割をよりよく発揮させることである。市場が資源配置を決定することは市場経済の一般法則であり、社会主義市場経済体制を健全にするには必ずこの法則に従わなければならない。市場体系の未整備や、政府が介入しすぎたり管理監督が行き届かないといった問題の解決に力を入れる。
広さと深さの面で市場化改革を積極的かつ着実に推進しなければならず、政府の資源に対する直接的配置を大幅に減らし、市場ルール、市場価格、市場競争に依拠した資源配置を推し進めることにより、利益の最大化と効率の最適化を実現させる。政府の職責と役割は主としてマクロ経済の安定を保ち、公共サービスに力を入れ、最適化し、公平な競争を保障し、市場に対する監督・管理を強化し、市場の秩序を守り、持続可能な発展を推進し、ともに豊かになることを促進し、市場の欠落面をカバーすることである。
(4)改革開放が成功裡に実践されたことは、改革の全面的深化に重要な経験を提供するものであり、長期的に堅持しなければならない。最も重要なのは、党の指導を堅持し、党の基本路線を貫徹し、閉鎖的で硬直した古い道を歩むことなく、旗印を変更するといった誤った道を歩むことなく、あくまで中国の特色ある社会主義の道を歩み、一貫して改革の正確な方向を保つことである。思想の解放、実事求是、時代に即した前進、真実を求める姿勢と実務的な態度を堅持し、すべてを現実から出発させ、国内で成功したやり方を総括し、国外の有益な経験を参照し、理論と実践の革新を勇敢に進めていかなければならない。「人間本位」の理念を堅持し、人民の主体的地位を尊重し、大衆の創造的精神を発揮させ、人民を拠り所として改革を推進し、人の全面的発展を促さなければならない。改革と発展の安定的な関係の正しい処理を堅持し、大胆かつ着実にトップダウンの計画立案と「手さぐりで進む」やり方を結合させ、全体的推進と重点的突破とを互いに促進させ、改革政策決定の科学性を高め、幅広くコンセンサスを結集し、改革の相乗効果を形成しなければならない。
現在、中国の発展は新たな段階に入り、改革は難関突破期と「深水区」に入っている。強烈な歴史的使命感で、党と社会全体の英知を最大限集中し、あらゆる積極的要素を最大限引き出し、困難な課題に取り組み、危険にあえて挑み、より大きな決意をもって思想観念の束縛を突き破り、利益固定化の壁を突破し、中国の特色ある社会主義制度の自己完成と発展を推し進めていく。
2020年までに、重要な分野と鍵となる部分の改革において決定的な成果をあげ、本『決定』で提起された改革の任務を達成し、系統的で整った、科学的で規範的な、効果的な運用が可能な制度体系を形成し、各方面の制度をさらに成熟し、さらに形の定まったものにする。
二、基本的な経済制度の堅持・改善
公有制を主体とし、さまざまな所有制の経済がともに発展するという基本的な経済制度は、中国の特色ある社会主義制度の重要な支柱であり、社会主義市場経済体制の根幹でもある。公有制経済と非公有制経済はいずれも社会主義市場経済の重要な構成部分であり、ともに中国の経済社会発展の重要な土台である。公有制経済をいささかも揺らぐことなく強化・発展させ、公有制の主体的地位を堅持し、国有経済の主導的役割を発揮させ、国有経済の活力、制御力、影響力をたえず増強していかなければならない。非公有制経済の発展をいささかも揺らぐことなく奨励、支援、誘導し、非公有制経済の活力と創造力を引き出さなければならない。
(5)財産権保護の制度を整備する。財産権は所有制の核心である。帰属が明瞭で、権利・責任が明確で、保護が厳格で、流通の自由な近代的財産権の制度を整備する。公有制経済の財産権は侵害してはならないし、非公有制経済の財産権も同様に侵害してはならない。
国は各種所有制経済の財産権と合法的な利益を保護し、各種所有制経済が法律に基づいて平等に生産要素を使用すること、公開・公平・公正に市場競争に参与すること、同様に法律の保護を受けることを保障し、各種所有制経済を法律によって監督・管理する。
(6)混合所有制経済を積極的に発展させる。国有資本、集団資本、非公有資本などが相互に株式を持ち合い、相互に融合した混合所有制経済は、基本的経済制度の重要な実現形態であり、国有資本の機能の拡大、企業価値の維持と増大、競争力の向上に役立ち、各種所有制の資本が互いに長所を取り入れ短所を補い、互いに促進し、ともに発展することに役立つ。さらに多くの国有経済とその他の所有制の経済が混合所有制経済に発展することを認める。国有資本の投資プロジェクトに対し非国有資本の資本参加を認める。混合所有制経済が従業員持ち株制を実行し、資本所有者と労働者が利益共同体を形成することを認める。
国有資産の管理体制を整備し、資本管理を主として国有資産に対する監督・管理を強化し、国有資本の授権経営体制を改革し、いくつかの国有資本運営会社を設立し、条件に適った国有企業を国有資本投資会社に改組することをサポートする。国有資本の投資運営は国の戦略目標に奉仕し、国の安全、国民経済の命脈にかかわる重要な業種や鍵となる分野により多く投入すべきであり、公共サービスを重点的に提供し、重要な将来性のある戦略的産業を発展させ、生態環境を保護し、科学技術の進歩をサポートし、国の安全を保障すべきである。
国有資本の一部を社会保障基金の充実のために振り向ける。国有資本の経営予算制度を整備し、国有資本の収益から公共財政に上納する割合を高め、2020年には30%まで増やし、より多くを民生の保障と改善に用いる。
(7)国有企業の近代的企業制度の整備を推進する。国有企業は全人民所有に属し、国の近代化を推進し、人民の共同の利益を保障する重要な力である。国有企業は総体としてすでに市場経済と互いに融合しており、必ず市場化、国際化の新たな情勢に適応しなければならず、経営の意思決定を規範化し、資産価値を維持・増大させ、公平に競争に参加し、企業効率を高め、企業を活性化し、社会責任を引き受けるなどに重点を置いて、国有企業の改革をさらに深化しなければならない。
異なる国有企業の機能を正確に区別する。国有資本の公益企業への投入を増やし、公共サービス提供の面でより大きな貢献をする。国有資本が持ち株経営を継続する自然独占業種においては、政府と企業の分離、政府と資本の分離、特許経営、政府の監督・管理を主な内容とする改革を実行し、異なる業種の特性に基づいて鉄道網と輸送を分離し、競争的な業務を自由化し、公共資源配置の市場化を推し進める。さまざまな形の行政独占をさらに排除する。
協調運営し、効果的に牽制しあうコーポレート•ガバナンス構造の健全化をはかる。プロフェッショナル・マネージャー制度を確立し、企業家の役割をよりよく発揮させる。企業において管理者の昇進・降格、従業員の採用・解雇、昇給・減給が自由にできる制度改革を深化させる。長期的に有効なインセンティブ制約システムを確立し、国有企業の経営・投資責任の追及を強化する。国有企業の財務予算など重要情報の開示を進めることを模索する。
国有企業は市場による従業員採用の比率を合理的に増やし、国有企業の管理者の俸給水準、職務待遇、職務消費、業務消費を合理的に定め、厳格に規範化する。
(8)非公有制経済の健全な発展をサポートする。非公有制経済は成長の下支え、イノベーション促進、雇用創出、税収増加などの面で重要な役割を果たしている。権利の平等、機会の平等、規則の平等などを堅持し、非公有制経済に対するさまざまな不合理な規定を廃止し、さまざまな目に見えない障壁を取り除き、非公有制企業が特許経営の分野に参入する具体的な方法を制定する。
非公有制企業が国有企業の改革に参与することを奨励し、非公有資本が株式を保有する混合所有制企業の発展を奨励し、条件のそなわった私営企業が近代的企業制度を確立することを奨励する。
三、近代的な市場体系の整備を加速
統一的で開放された、秩序ある競争の行われる市場体系を建設することは、資源配置における決定的な役割を市場に果たさせるための土台である。企業が自主的に経営し、公平に競争し、消費者が自由に選択し、自主的に消費し、商品と生産要素が自由に流動し、平等に交換される近代市場体系の形成を加速し、市場障壁の除去に力を入れ、資源配置の効率と公平性を高めなければならない。
(9)公平で、開放的で、透明な市場ルールを打ち立てる。統一的な市場参入制度を実行し、ネガティブリストの制定を踏まえて、さまざまな市場主体が法律に基き平等にネガティブリスト以外の分野に参入することができるようにする。外商投資に対する参入前の内国民待遇とネガティブリスト管理モデルの実行を模索する。商工業の登記制度の簡素化を推し進め、資格認定項目を削減し、「まず証明書、それから営業許可」だったものを「まず営業許可、それから証明書」に改め、登録資本金の払込済み登記制を徐々に払込引受登記制に改める。国内商取引の流通体制の改革を推進し、法治化されたビジネス環境をつくり出す。
市場監督・管理の体系を改革し、統一的な市場監督・管理を実行し、全国統一市場と公平な競争を妨げるさまざまな規定ややり方を整理、廃止し、優遇政策の違法な実施行為を厳禁し処罰し、地方保護に反対し、独占と不当競争に反対する。社会の信用調査体系を確立しより完全なものとし、信義誠実を奨励し信用失墜を罰する。優勝劣敗の市場化された退出の仕組みを整備し、企業破産の制度をより完全なものにする。
(10)市場を主とした価格決定の仕組みを整備する。市場により価格形成できるものはすべて市場に委ね、政府は不当な関与を行わない。水、石油、天然ガス、電力、交通、通信などの分野での価格改革を推進し、競争的な部分の価格を自由化する。政府の価格決定範囲は主として重要な公共事業、公益サービス、ネットワーク型の自然独占分野に限定し、透明度を高め、社会の監督を受ける。農産物価格の形成メカニズムを整備し、市場による価格形成機能を発揮させることに力を入れる。
(11)都市と農村の統一的な建設用地市場を確立する。計画と用途制限に適うことを前提として、農村の集団経営性建設用地の譲渡、貸し出し、株式参加を認め、国有地と同じように市場に上場し、権利が同じなら価格も同じとすることを実行する。土地徴用の範囲を縮小し、土地徴用の手続きを規範化し、土地を徴用された農民に対する合理的、規範的、多元的な保障の仕組みを整備する。国有地の有償使用範囲を拡大し、非公益用地への振り分けを減らす。国、集団、個人をともに配慮した土地の付加価値収益分配システムを確立し、個人の収益を合理的に増やす。土地の貸し出し、譲渡、抵当の二次市場を整備する。
(12)金融市場体系を整備する。金融業の対内・対外開放を拡大し、監督・管理を強化する前提のもとで、条件をそなえた民間資本が法律に基き中小銀行などの金融機関を発起設立することを認める。政策性金融機関の改革を推進する。多層的な資本市場体系を整備し、株式発行登録制の改革を推進し、エクイティー・ファイナンスを多ルートで推進し、債券市場を発展させ、規範化し、直接融資の比率を高める。保険経済の補償の仕組みを整備し、巨大災害保険制度を確立する。包括的金融システムを発展させる。金融イノベーションを奨励し、金融市場の階層と商品を豊富にする。
人民元為替レートの市場化形成メカニズムを整備し、利率市場化の推進を加速し、国債の利回り曲線を市場の需給関係を反映したものに改善する。資本市場の双方向開放を推進し、非人民幣資本の金融取引における交換性を段階的に高め、慎重なマクロ管理の枠組みのもとでの外債と資本の流動管理体系を確立し、より完全なものとし、人民元資本項目の交換性の実現を加速する。
金融に対する監督・管理の改革措置と穏やかな基準を実行に移し、監督・管理の協調の仕組みを整備し、金融に対する中央と地方の監督・管理の職責とリスク処理の責任を確定する。預金保険制度を確立し、金融機関の市場からの退出の仕組みを整備する。金融インフラ整備を強化し、金融市場の安全で効果的な運営と全般的な安定を保障する。
(13)科学技術体制の改革を深化させる。オリジナル革新、集約的革新、導入・消化吸収した上での再革新を奨励する体制・仕組みを確立し、より完全なものにし、技術革新に対する市場の誘導メカニズムを整備し、技術開発の方向、ルート選択、要素価格、さまざまな革新要素の配置における市場の誘導効果を発揮させる。産学研連携のイノベーションの仕組みを確立し、技術革新における企業の主体的な地位を強化し、大企業に革新の中核としての役割を発揮させ、中小企業の革新の活力を引き出し、応用技術の研究開発機構の市場化、企業化改革を推進し、国としてのイノベーション体系を築きあげる。
知的財産権の運用と保護を強化し、技術革新のインセンティブの仕組みを整え、知的財産権裁判所の設置を模索する。行政主導と部門ごとの縦割り制を打ち破り、技術革新プロジェクト、経費配分、成果の評価が主として市場によって決定される仕組みを確立する。技術市場を発展させ、技術移転の仕組みを整備し、科学技術型中小企業の融資条件を改善し、ベンチャー投資の仕組みをより完全なものにし、ビジネスモデルを刷新し、科学技術の成果の資本化、産業化を促進する。
科学技術の計画と資源を統合し、基礎的、戦略的、先端的な科学研究と基盤技術研究に対するサポート・システムを充実させる。国の重要な科学研究インフラ施設で規定により開放すべきものはすべて社会に開放する。イノベーション調査制度とイノベーション報告制度を確立し、公開された透明な国の科学研究資源管理とプロジェクト評価システムを構築する。
アカデミー会員の選抜と管理体制を改革し、学科の配置を最適化し、中・青年人材の比率を高め、アカデミー会員の定年退職と引退制度を実行する。
四、政府の職能転換を加速
科学的なマクロコントロールと効果的な政府ガバナンスは、社会主義市場経済体制の優位性を発揮するための内在的要請である。政府の職能を確実に転換し、行政体制改革を深化させ、行政管理方式を刷新し、政府の信頼性と執行能力を高め、法治政府とサービス型政府を建設しなければならない。
(14)マクロコントロール体系を整備する。マクロコントロールの主な任務は経済総量のバランスを保ち、重要な経済構造の調整と生産力配置の最適化を促し、経済の周期的変動による影響を緩和、減速させ、地域的リスクやシステミック・リスクを予防し、市場の期待を安定させ、経済の持続的で健全な発展を実現する。国の発展戦略と計画を導きとし、財政政策と貨幣政策を主な手段とするマクロコントロール体系を整備し、マクロコントロールの目標制定と政策手段運用のメカニズム化を推進し、財政政策、貨幣政策と産業、価格のなどの政策手段の協調連携を強化し、自由裁量のレベルを高め、マクロコントロールの先見性、指向性、相乗性を強める。国際マクロ経済政策の協調に参与する仕組みを形成し、グローバルな経済ガバナンス構造の改善を推し進める。
投資体制の改革を深化し、企業の投資主体の地位を確立する。企業の投資プロジェクトは、国の安全や生態の安全にかかわるプロジェクトや、全国の重要な生産力配置、戦略的資源開発、重要な公共利益などに影響するプロジェクト以外は、すべて企業が法律と規定に照らして自主的に決定し、政府は審査・認可を行わないものとする。省エネ・土地節約・節水、環境、技術、安全などの市場参入の基準を強化し、生産能力の過剰を防止し解消する長期的に効果のある仕組みを構築し、より完全なものにする。
発展成果の審査・評価システムを改善し、単に経済成長のスピードだけで政治業績を評価する偏りを是正し、資源の浪費、環境破壊、生態効果、生産能力過剰、技術革新、安全生産、新規債務増加などの指標の重みを拡大し、労働就業、住民所得、社会保障、人民の健康状態をより重視する。国の統一的経済審査制度を早急に確立し、全国と地方のバランスシートを作成し、社会全体の不動産、信用などの基礎データの統一的なプラットフォームを構築し、部門間の情報共有を推進する。
(15)政府の職能を全面的かつ正確に履行する。「簡政放権」(行政のスリム化と権限移譲)をさらに実行し、行政審査・認可制度の改革を深化し、中央政府のミクロ事務に対する管理を最大限減らし、市場メカニズムによって効果的に調節することができる経済活動はすべて審査・認可をやめ、残った行政審査・認可事項は管理を規範化し、効率を高めなければならない。末端に直接目を向け、件数が多くカバー範囲が広いため、地方が管理したほうがより便利でより効果のある経済社会事項は、すべて地方と末端に移譲し管理させる。
政府は発展戦略、計画、政策、基準などの制定と実施を強化し、市場活動に対する監督・管理を強化し、さまざまな公共サービスの提供を強化しなければならない。中央政府のマクロコントロールにおける職責と能力を強化し、地方政府の公共サービス、市場の監督・管理、社会管理、環境保護などの職責を強化しなければならない。政府によるサービス購入を拡大し、およそ事務的管理サービスに属するものは、原則としてすべて競争メカニズムを導入し、契約・委託などの方式で社会から購入しなければならない。
事業体の分類・改革を加速し、政府による公共サービス購入の度合いを強め、公営事業体と主管部門の関係をすっきりさせ、脱行政化を促し、条件をつくり出して、学校、研究院・所、病院などの組織の行政等級を逐次解消する。事業体のコーポレート・ガバナンス構造を確立し、条件をそなえた事業体が企業や社会組織に転換することを推進する。さまざまな事業体を統一的に登記・管理する制度を確立する。
(16)政府の組織構造を最適化する。政府の職能転換をはかるには、必ず機構改革を深化しなければならない。政府の機構設置、機能配置、活動の流れを最適化し、意思決定権、執行権、監督権が相互に制約し合うとともに、また相互に協調し合う行政運営の仕組みをより完全なものにする。業績管理を厳格にし、責任を果たすことを明瞭にし、権限と責任の一致を確実なものとする。
党・政府・大衆機構の改革を統一的に計画し、部門の職責関係をすっきりさせる。大部門制度を積極的かつ着実に実施する。行政区画の設置を最適化し、条件をそなえた地方では、省が直接県(市)を管理する体制改革を模索し推進する。機構の編制を厳しく抑制し、規定のポスト数に照らして厳密に指導幹部を配置し、機構の数と指導ポストの数を減らし、財政によって養われる人員の総数を厳しく抑制しなければならない。機構編制管理の科学化、規範化、法制化を推し進める。
五、財政・税務体制改革を深化
財政は国のガバナンスの土台、重要な支柱であり、科学的な財政・税務体制は、資源配置の最適化をはかり、市場の統一を保ち、社会の公平を促進し、国の長期的安定を実現するうえでの制度面からの保障である。立法をより完全なものにし、権限を明確にし、税務体制を改革し、税負担を安定させ、予算を透明化し、効率を高め、近代的な財政制度を確立し、中央と地方双方の積極性を発揮させなければならない。
(17)予算管理制度を改善する。全面的に規範化され、オープンで透明な予算制度を実施する。予算審査の重点を収支均衡状態、赤字規模から支出予算と政策へと広げていく。重点的支出が財政収支の増幅や総生産額と連動する事項を整理、規範化し、通常は連動させる方式は採らない。年度にまたがる予算均衡の仕組みを確立し、発生主義による政府総合財務報告制度を確立し、規範的で合理的な中央・地方政府の債務管理及びリスクの早期警報メカニズムを確立する。
一般性移転支出を増加させる仕組みを整備し、旧革命根拠地、少数民族地区、辺境地区、貧困地区に対する移転支出を重点的に増やす。中央の支出増加政策で生じた地方財力の不足分は、原則として一般性移転支出を通じて調節する。特定事業の移転支出項目をきちんと整理、統合、規範化し、競争的な分野での特定事業と地方資金の組み合わせを逐次解消し、誘導類、救済類、応急類の特定事業を厳格に抑制し、留保した特定事業に対しては選別を行い、地方事務に属するものは一般性移転支出に繰り入れる。
(18)税収制度を整備する。税収制度の改革を深化し、地方の税務体系を整備し、直接税の比率を徐々に引き上げる。増値税の改革を推進し、税率を適度に簡略化する。消費税徴収の範囲、段階、税率を調整し、高エネルギー消耗、高汚染の製品及び一部の高級消費財を徴収範囲に組み込む。「総合」と「分類」を結びつけた個人所得税制度を逐次確立する。不動産税の立法を加速し、また改革を適時に推進し、資源税の改革を加速し、環境保護の「費改税」改革(費用徴収制度を税制に変革すること)を推進する。
税務制度を統一し、税負担を公平にし、公平な競争を促進するという原則に基づき、税収優遇、特に地域の税収優遇政策に対する規範的管理を強化する。税収優遇政策は税収専門の法律・法規によって統一的に規定するものとし、税収の優遇政策を整理し規範化する。国税、地方税の徴収・管理体制を整備する。
(19)権限と支出責任とが相互に見合った制度を構築する。中央の権限と支出責任を適度に強化し、国防、外交、国家安全保障、全国統一市場にかかわるルールや管理などは中央の権限とする。一部の社会保障、地域にまたがる重要プロジェクトの建設・維持などは中央と地方の共同権限とし、権限関係を逐次調整していく。地域的な公共サービスは地方の権限とする。中央と地方は権限の区分に照らしてそれぞれの支出責任を引き受け、分担する。中央は移転支出の手続きをとることで一部の権限と支出責任を地方に委託することができる。地域にまたがり、かつその他の地域への影響がかなり大きい公共サービスに対して、中央は移転支出を通じて地方の権限・支出責任の一部を負担する。
既存の中央と地方の財力構造の全体的な安定を維持しつつ、税制改革と結びつけ、税の種類・属性を考慮し、中央と地方の収入区分をさらにすっきりさせる。
六、都市と農村の発展一体化に向けた体制・仕組みを整備
都市と農村の二元構造は、都市と農村の発展一体化を妨げる主な障害である。必ず体制・仕組みを健全化し、工業が農業を促進し、都市が農村を導き、工業と農業が互いに利益を与え合い、都市と農村とが一体となった新たな工業・農業、都市・農村の関係を形成し、広範な農民を近代化プロセスに平等に参与させ、近代化の成果をともに分かち合うようにしなければならない。
(20)新しいタイプの農業経営体系の構築を加速する。農業における家庭経営の基礎的地位を堅持し、家庭経営、集団経営、共同経営、企業経営などがともに発展する農業経営方式の革新を推し進める。農村の土地集団所有権を堅持し、農民の土地請負経営権を法律によって守り、集団経済を発展させ強大にする。農村の土地請負関係を安定させ、かつ長期的に変えないようにし、最も厳格な耕地保護制度を堅持し充実させる前提のもとで、農民に請負地に対する占有、使用、収益、譲渡、及び請負経営権の抵当、担保の権限を与え、農民が土地請負経営権譲渡の形で株式参加し農業の産業化経営を発展させることを認める。土地請負経営権が公開市場において大規模専業農家、家庭農場、農民協同組合、農業企業へと移転することを奨励し、多様な形の大規模経営を発展させる。
農村の協同組合経済の発展を奨励し、規模化、専業化、近代化経営への発展を助成し、財政のプロジェクト資金が条件をそなえた協同組合に直接投入されることを認め、財政補助により形成された資産が協同組合に移転、管理・維持されることを認め、協同組合が信用協同組合を発展させることを認める。商工業資本が農村で企業化経営に適った近代的な栽培・飼育・養殖業を発展させるよう奨励し、導き、農業に近代的な生産要素と経営モデルを注入する。
(21)農民により多くの財産権を与える。農民の集団経済組織構成員としての権利を保障し、農民の株式合作制を積極的に発展させ、農民に集団資産の株式に対する占有、収益、有償退出、及び抵当、担保、相続の権利を与える。農家の宅地の用益物権を保障し、農村の宅地制度を改革し、より完全なものにし、農民の住宅財産権の抵当、担保、譲渡のモデル試行を慎重かつ穏当に推し進め、農民が財産性所得を増やすルートを模索する。農村の財産権の流通取引市場を確立し、農村の財産権流通取引のオープンで、公正で、規範的な運営を推進する。
(22)都市と農村における生産要素の平等な交換と公共資源の均衡配置を推進する。農民の生産要素の権益を守り、出稼ぎ労働者の同一労働同一賃金を保障し、農民にも公平に土地の付加価値収益を享有させるよう保障し、金融機関の農村預金が主に農業や農村に使用されることを保障する。農業の支援・保護体系を整備し、農業補助金制度を改革し、食糧主産区の利益補償メカニズムを整備する。農業保険制度を整備する。社会資本が農村建設に投入されることを奨励し、企業や社会組織が農村でさまざまな事業を興すことを認める。都市と農村のインフラ建設とコミュニティー建設を統一的に計画し、都市と農村の基本的な公共サービスの均等化を推進する。
(23)都市化の健全な発展のための体制・仕組みを整備する。中国の特色ある新しい都市化の道を歩むことを堅持し、人を中心とする都市化を推進し、大都市・中都市・小都市と小さな町の協調的な発展、産業と都市の融合的な発展を推し進め、都市化と新農村の建設の協調的な推進を促す。都市の空間構造と管理構造を最適化し、都市の総合的な許容能力を強化する。
都市建設の管理の革新を推進する。透明かつ規範的な都市建設の投融資の仕組みを確立し、地方政府が債券発行など多種類の方法で都市建設の融資ルートを拡大することを認め、社会資本が特許経営などの方式を通じて都市インフラへの投資と運営に参与することを認め、都市のインフラ、住宅政策についての金融機関の設立を検討する。市の設置基準を整え、審査・承認の手続きを厳格にし、行政区画調整の条件をそなえた県については、順を追って市に変えることができる。人口の受け入れが多く、経済実力が強い鎮に対しては、人口や経済規模と相適応した管理権を与える。地域にまたがる都市の発展・協調の仕組みを確立し、より完全なものにする。
農業移転人口の市民化を推進し、条件に適った農業移転人口を逐次都市住民に転換する。人口管理を革新し、戸籍制度の改革を加速し、建制鎮(農村地域で商工業が発達し非農業人口が比較的集中している地域を選んで設置された末端行政区画)と小都市の戸籍登録制限を全面的に撤廃し、中等都市の戸籍登録制限を順を追って緩和し、大都市の戸籍登録条件を合理的に定め、特大都市の人口規模を厳格にコントロールする。都市部の基本公共サービスが常住人口のすべてをカバーするよう着実に推し進め、都市戸籍登録をした農民をすべて都市の住宅、社会保障システムに取り入れ、農村で加入した養老保険と医療保険の規範を都市社会保障のシステムに組み入れる。財政の移転支出と農業移転人口の市民化が連動する仕組みを確立し、厳格かつ合理的に都市に建設用地を供給し、都市の土地利用率を高める。
七、開放型経済の新体制を構築
経済のグローバル化という新たな情勢に適応するためには、必ず対内・対外開放の相互促進を推し進め、海外からの導入と海外に出て行くことをさらによく結合し、国内外の生産要素の秩序ある自由な流動、資源の効率的配置、市場の高度な融合を促進し、国際的な経済協力・競争に参加しこれをリードするための新たな優位性の育成を加速し、開放によって改革を促さなければならない。
(24)投資条件を緩和する。国内資本と外資の法律法規を統一し、外資をめぐる政策の安定性、透明性、予見可能性を確実なものとする。金融、教育、文化、医療などのサービス業分野の秩序ある開放を推進し、育児・養老、建築・設計、会計・監査、商業・貿易・物流、電子商取引などのサービス業分野の外資参入制限をなくし、一般製造業の開放をさらに拡大する。税関特別監督・管理区域の統合と最適化を加速する。
中国(上海)自由貿易試験区の設立は党中央が新たな情勢のもとで改革開放を促す重要な措置であり、試験区を現実に即しかつりっぱに建設、管理して、改革の全面的深化と開放拡大のために新たなルートを模索し、新たな経験を蓄積しなければならない。既存の試行モデルの推進を踏まえて、いくつかの条件をそなえた場所を選び、自由貿易園(港)区を発展させていく。
企業と個人の対外投資を拡大し、対外投資における企業と個人の主体的な地位を確立し、自らの優位性を発揮し海外で投資協力を繰り広げることを認め、自らがリスクを負い、各国各地域で建設工事や労務協力プロジェクトを自由に請け負うことを認め、イノベーション方式で海外に出て行き、グリーンフィールド投資、買収合併投資、証券投資、共同投資などを展開することを認める。
関係国や地域との投資協定の調印を加速するため、渉外投資の審査・承認体制を改革し、領事保護体制をより完全なものにし、権益保障、投資促進、リスクの早期警報など、より多くのサービスを提供し、投資協力の空間を拡大する。
(25)自由貿易区の建設を加速する。世界貿易体制のルールを堅持し、二国間、多国間、地域・準地域の開放協力を堅持し、各国、各地域との利益の一致点を拡大し、周辺を基礎として自由貿易区戦略の実施を加速する。市場参入、税関監督・管理、検査検疫などの管理体制を改革し、環境保護、投資保護、政府調達、電子商取引などの新しいテーマについての交渉を加速し、全世界に向けた高基準自由貿易区のネットワークを形成する。
香港特別行政区、澳門(マカオ)特別行政区、台湾地区に対する開放と協力を拡大する。
(26)内陸部や国境地帯の開放を拡大する。グローバルな産業再配置のチャンスをつかみ、内陸貿易、投資、技術革新の協調的な発展を推進する。加工貿易モデルを刷新し、内陸部の産業クラスターの発展を促すのに役立つ体制・仕組みを形成する。内陸部の都市が国際旅客・貨物航空路線を増設するのを支援し、さまざまな方式の連係輸送を発展させ、東部・中部・西部を横断し、南方・北方を結ぶ対外経済回廊を形成する。内陸部と沿海・国境地帯の通関協力を推進し、通関所管理関係部門の情報交換、監督・管理の相互承認、法執行の相互協力を実現する。
国境地帯の開放の足どりを速め、国境地帯の重点通関所、国境一帯の都市、経済協力区が人員往来、加工・物流、観光などにおいて特殊な方式と政策を実行することを認める。開発性金融機関を設立し、周辺諸国・地域とのインフラ相互接続の構築を急ぎ、シルクロード経済ベルト、海上シルクロードの建設を促進し、全方位的開放の新たな枠組みを形成する。
八、社会主義民主政治の制度建設を強化
社会主義民主政治の発展のためには、必ず人民の主体的地位を保証することを根本とし、人民代表大会制度、中国共産党が指導する多党協力と政治協商制度、民族区域自治制度、末端大衆自治制度を堅持し、より完全なものにし、民主制度の整備と民主形式の充実にさらに力を入れ、各レベル各分野で公民の秩序ある政治参与を拡大し、中国の社会主義政治制度の優位性を十分に発揮しなければならない。
(27)人民代表大会制度が時代とともに前進することを促す。人民の主体的地位を堅持し、人民代表大会制度の理論と実践の革新を推し進め、人民代表大会制度の根本的政治制度としての役割を発揮させる。中国の特色ある社会主義の法体系を整備し、立法起草、論証、協調、審議の仕組みを整備し、立法の質を高め、地方保護や部門利益の法制化を防止する。「一府両院」(政府・法院・検察院)が人民代表大会によって生まれ、人民代表大会に対して責任を負い、人民代表大会の監督を受ける制度を整備する。重要事項を人民代表大会が討議、決定する制度を整え、各級政府が重要な政策決定を打ち出す前に同じレベルの人民代表大会に報告するものとする。人民代表大会の予算・決算の審査・監督、国有資産監督の職能を強化する。税収法定の原則を実行する。人民代表大会常務委員会と人民代表とのつながりを強め、代表たちが十分役割を発揮できるようにする。代表連絡機関やウェブサイトを設置、整備するなどの形を通じて、人民代表と大衆とのつながりを密接にする。
人民代表大会の活動の仕組みを整備し、座談会、公聴会、審議会、法律草案公布などを通じて、公民の秩序ある立法への参与のルートを広げ、質問、質疑、特定問題の調査、記録審査などを通じて社会の関心にこたえるようにする。
(28)協商民主の幅広く多層にわたる制度化への発展を促す。協商民主は中国の社会主義民主政治に特有の形態、独特の優位性であり、党の大衆路線の政治分野での重要な具現である。党の指導のもと、経済社会発展の重要問題と大衆の身近な利益にかかわる実際問題を内容として社会全体で幅広い協商を展開し、政策を決定する前や実施する過程において協商を堅持するようにする。
手順が合理的で、プロセスが整った協商民主の体系を構築し、国家政権機関、政治協商組織、党派団体、末端組織、社会組織の協商のルートを広げる。立法協商、行政協商、民主協商、参政協商、社会協商を深く掘り下げて展開する。中国の特色ある新しいタイプのシンクタンクの構築を強化し、政策決定諮問制度を確立し、より完全なものにする。
統一戦線の協商民主における重要な役割を発揮させる。中国共産党と各民主党派の政治協商を充実させ、各民主党派と無党派人士の意見を真剣に聴取する。中国共産党中央委員会は年度の活動の重点に基づいて計画を提出し、協商会、懇談会、座談会などの方法で協議を行う。民主党派の中央委員会が中国共産党中央委員会に直接提案を行う制度を整備する。党の民族政策を貫徹し、少数民族の合法的権益を保障し、平等、団結、互助、調和という社会主義の民族関係を強固にし発展させる。
人民政治協商会議の協商民主の重要なルートとしての役割を発揮させる。政治協商、民主的監督、参政・議政の制度化、規範化、手順化を重点的に推進する。各級党委員会は政府、政治協商会議と年度活動計画の制定と協商の実施を組織し、いくつかの重要な政策決定について政治協商会議の意見を聴取する。人民政治協商制度の体系を整備し、協商の内容と手順とを規範化する。協商民主の形式を拡大し、特定テーマの協商、同一部門協商、業界別協商、提案受理の協商をより活発に秩序をもって組織するようにし、協商の密度を高め、より協商の効果が現れるようにする。政治協商会議においては、委員の連係機構を充実させ、委員連係制度を整備する。
(29)末端における民主を発展させる。民主のルートを滞りなく通じさせ、末端における選挙、議事、政務公開、職務報告、問責などの仕組みを整備する。多様な形式の末端の民主協商を展開し、末端における協商の制度化を推進し、都市部住民、農村部住民による監督メカニズムを確立し、より完全なものにし、大衆が都市・農村部のコミュニティー管理や末端の公共事務、公益事業において、法律に基づき自ら管理、サービス、教育、監督を行うことを促進する。従業員代表大会を基本形態とする企業・事業体の民主的管理制度を整備し、社会組織の民主的仕組みの建設を強化し、従業員が管理と監督に参与する民主的権利を保障する。
九、法治中国の建設を推進
法治中国の建設のためには、必ず法律に基づく国家ガバナンス、法律に基づく執政、法律に基づく行政を共同で推進し、法治国家、法治政府、法治社会の一体的建設を堅持しなければならない。司法体制改革を深化させ、公正で効率的で権威ある社会主義司法制度の建設を急ぎ、人民の権益を守り、人々がすべての司法案件において公平と正義を感じられるようにしなければならない。
(30)憲法と法律の権威を守る。憲法は党と国家の繁栄発達、長期的安定を保障する根本法であり、最高の権威を有する。憲法の監督実施の仕組みと手順をいっそう健全化し、憲法の実施を全面的に貫徹することを新たなレベルにまで高めなければならない。社会全体が憲法・法律に忠実で、それらを遵守し、保護し、運用する制度を確立し整備する。法律の前では誰もが平等であることを堅持し、いかなる組織や個人も憲法・法律を超越した特権を持つことはできず、憲法・法律に違反する行為は必ず追及されなければならない。
法律顧問制度を全面的に確立する。規範的文書、重要政策決定の合法性を審査する仕組みを整備する。科学的な法治建設の指標体系と評価基準を確立する。法規、規則、規範的文書の届出審査制度を整備する。社会の法律普及教育の仕組みを整備し、全人民の法治意識を強化する。地方立法権を有する比較的大きな市の数を徐々に増やしていく。
(31)行政・法執行体制の改革を深化させる。法執行の主体を整理統合し、法執行権を相対的に集中させ、総合的法執行を推進し、権限と責任の交錯、複数機関による法執行の問題を重点的に解決し、権限と責任が統一され、権威ある効果的な行政・法執行体制を確立する。行政・法執行の階層区分を減らし、食品・医薬品、安全生産、環境保護、労働保護、海域・島嶼などの重点領域での末端の法執行能力を強化する。都市管理部門の法執行体制を整え、法執行とサービスのレベルを向上させる。
行政・法執行の手順を整備し、法執行の自由裁量権を規範化し、行政・法執行に対する監督を強化し、行政・法執行の責任制と法執行経費の財政による保障制度を全面的に実施し、厳格で規範に合った公正で文明的な法執行を実行する。行政・法執行と刑事司法との連係の仕組みを整備する。
(32)法律にのっとった独立的で公正な裁判権・検察権の行使を確実なものとする。司法管理体制を改革し、省レベル以下の地方法院、検察院の人材・資金・設備の統一管理を推し進め、行政区画から適度に分離した司法管轄制度の確立について模索し、国の法律の統一した正しい実施を保障する。
その職業的特性にふさわしい司法従事者の管理制度を確立し、裁判官、検察官、人民警察の統一採用、秩序ある交流、段階的選抜の仕組みを改善し、司法従事者の分類管理制度を整備し、裁判官、検察官、人民警察の職業保障制度を充実させる。
(33)司法権の運用の仕組みを整備する。司法職権の配置を最適化し、司法権力の責任分業、相互協力、相互規制の仕組みを整備し、司法活動に対する法律の監督と社会の監督を強化し、規範化する。
裁判委員会制度を改革し、主審裁判官、合議法廷の案件責任制を整備し、審理する者にその裁判への責任を持たせるようにする。各級法院の職能・位置づけを明確にし、上級・下級法院の審級監督関係を規範化する。
審判公開、検察業務公開を推し進め、すべての法廷尋問資料を録画し、保存する。法律文書の論理性を強化し、裁判所の発効済み裁判文書の公開を推進する。減刑、仮釈放、保釈治療の手続きを厳格に規範化し、監督制度を強化する。人民陪審員、人民監督員制度を広範に実行し、大衆の秩序ある司法参与のルートを拡大する。
(34)人権司法保障制度を整備する。国は人権を尊重し保障する。差し押さえ、押収、凍結、事件にかかわる財物の処理といった司法手順をさらに規範化する。誤審防止、是正、責任追及の仕組みを改善し、拷問による自白強要や体罰虐待を厳禁し、違法証拠排除の規則を厳格に実行する。死刑の適用罪名を徐々に減らす。
労働矯正制度を廃止し、違法犯罪行為に対する懲罰・矯正についての法律を整備し、コミュニティー矯正制度を充実させる。
国家司法救助制度を整備し、法律援助制度を充実させる。弁護士の開業権保障の仕組みと法律法規違反の開業に対する懲罰制度を整備し、職業モラルの樹立に力を入れ、弁護士に法律に基づき公民や法人の合法的権益を守る上での重要な役割を発揮させる。
十、権力行使の制約と監督体系を強化
制度による権利・事柄・人の管理を堅持し、人民に権力を監督させ、権力を白日のもとで行使させることは、権力を制度のオリに閉じ込めるための根本的な策である。科学的な政策決定、断固とした執行、強力な監督という特色をそなえた権力運用体系を構築し、腐敗を処罰し予防するための体系を整備し、廉潔政治を実現し、クリーンな幹部、クリーンな政府、クリーンな政治の実現に努めなければならない。
(35)科学的で効果的な権力の制約・協調の仕組みを形成する。党と国家の指導体制を整備し、民主集中制を堅持し、党の指導の核心的役割を十分に発揮させる。各級党・政府の主な指導幹部の職責・権限を規範化し、党・政府部門と内設機関の権限と職能を科学的に配置し、職責の位置づけと活動任務を明確にする。
主要な指導幹部の権力行使への制約と監督を強化、改善し、行政監察と会計監査を強化する。
地方各級政府及びその執務部門の権力リスト制度を普及させ、権力運用のプロセスを法律にのっとり公開する。党務、政務及び各分野の執務公開制度を整備し、政策決定の公開、管理の公開、サービスの公開、結果の公開を推し進める。
(36)反腐敗体制・仕組みの革新と制度的保障を強化する。党風刷新・廉潔政治づくりと反腐敗活動に対する党の統一指導を強化する。党の規律検査体制を改革し反腐敗指導体制と活動の仕組みを整備し、各級の反腐敗協調グループの職能を改革し、充実させる。
党風刷新・廉潔政治づくりの責任制を実行に移し、党委員会が主体的責任を負い、規律検査委員会が監督責任を負い、着実に実行可能な責任追及制度を制定、実施する。各級規律検査委員会は党委員会と力を合わせて党風建設と反腐敗活動における組織協調の強化といった職責を果たし、同レベルの党委員会、特に常務委員会メンバーに対する監督を強め、党内の監督専門機関としての役割をさらにしっかり発揮するようにする。
党の規律検査活動の二重指導体制の具体化、手続き化、制度化を推し進め、上級規律検査委員会の下級規律検査委員会に対する指導を強化する。腐敗案件の取り調べ・処分にあたっては上級規律検査委員会による指導を主とし、手がかりの処置や案件の取り調べ・処分は同レベル党委員会に報告すると同時に必ず上級の規律検査委員会に報告しなければならない。各級規律検査委員会の書記、副書記の指名や考査は上級規律検査委員会と同レベルの組織部門を主とする。
中央規律検査委員会は中央レベルの党・国家機関に規律検査委員会の出先機構を置き、その統一名称のもとで統一管理を行うことを全面的に実行する。出先機構は派遣された機関に対して責任をもって監督の職責を履行する。中央と省・自治区・市の巡視制度を改良し、地方、部門、企業・事業体のすべてをカバーするようにする。
腐敗反対・廉潔提唱の法規制度の体系を整備し、腐敗の懲罰と予防、廉潔政治のリスクの予防・制御、利益衝突の防止、指導幹部の個人情報提出、任官回避などの面の法律法規を整備し、新たに就任した指導幹部の個人情報公開制度のモデル施行を進める。民主的監督、法律による監督、世論による監督の仕組みを改善し、インターネットによる監督を運用、規範化する。
(37)作風改善の常態化制度を整備する。形式主義、官僚主義、享楽主義、贅沢浪費の風潮に反対する問題について、体制・仕組みの改革と構築を加速する。指導幹部が率先して作風改善をはかり、深く末端に入って調査研究する仕組みを整え、大衆と直接結びつき大衆に奉仕する制度を充実させる。会議と公文書の制度を改革し、まず中央から率先して会議や文献を減らし、会議や公文書の気風改善に力を入れる。厳格な財務予算、審査承認・監査制度を整備し、「三公」(公費による外遊、公務接待、公用車の購入・使用)の経費や「楼・堂・館・所」(庁舎・ホール・迎賓館・ゲストハウスなどの豪華な建築物)の抑制に力を入れる。人材の選抜・任用の特別検査と責任追及制度を整備し、猟官行為の不正な風潮を正すことに力を入れる。業績考査の仕組みを改革し、「イメージアップのためのプロジェクト」や「業績のためのプロジェクト」、やるべきことを行わず、むやみやたらに行うといった問題の解決に力を入れる。
指導幹部の仕事と生活の保障制度を規範化しかつ厳格に執行する。複数の住居やオフィスを占有することを認めず、基準以上のオフィスや住居を分配することを認めず、規定に反して公用車を配備することを認めず、規定に反して秘書を配置することを認めず、規定超過の警備員を認めず、基準以上の公務接待を認めず、規定違反、基準超過の待遇については厳しく取り締まり処分する。官邸制の実施を模索する。
指導幹部の親族がビジネスに従事したり、公職や社会組織の役職についたり、国外に定住したりすることに関する制度・規定を整備し、厳格に実行して、指導幹部が公共の権力あるいは自身の影響力を利用して親族や特定の関係者のために個人的利益をはかることを防ぎ、断固として特権思想や特権的作風に反対する。
十一、文化体制・仕組みの革新を推進
社会主義文化強国を建設し、国の文化ソフトパワーを増強するためには、社会主義先進文化の前進方向を堅持し、中国の特色ある社会主義文化の発展の道を堅持し、社会主義の核心的価値観を育成、実行し、マルクス主義のイデオロギー分野における指導的地位を打ち固め、全党、全国、各民族人民の団結奮闘という共通の思想的基盤を打ち固めなければならない。人民を中心とする活動志向を堅持し、社会効果を首位に置き、社会効果と経済効果の統一を堅持し、全民族の文化創造の活力を引き出すことを主要プロセスとして、さらに文化体制の改革を深めなければならない。
(38)文化管理体制を整備する。行政と企業の分離、行政と事業体の分離の原則に照らして、政府部門の文化事業実施から文化事業管理への転換を推し進め、党・政府部門とその所属文化企業・事業体との関係をさらに整頓することを推進する。党委員会と政府の国有文化資産監督管理機構を設立し、人事・権限・資産・成果の管理を統一する。
正しい世論志向を堅持する体制・仕組みを整備する。基礎的管理、内容管理、業界管理、及びインターネットの違法犯罪防止・取り締まりなどの活動の連動システムを整備し、ネット上の突発事件の処置の仕組みを整え、肯定面への誘導と法律に基づく管理を組み合わせたネット世論作りの構図を形作る。ニュースメディアソースを統合し、伝統的メディアと新興メディアの融合発展を推し進める。プレスリリースの制度化を推進する。報道関係者の職業資格制度を厳格にし、新しいタイプのメディアの運用と管理を重視し、伝播秩序を規範化する。
(39)近代的な文化市場体系を確立、整備する。文化市場への参入と退出の仕組みを整備し、さまざまな市場主体の公平な競争と優勝劣敗を奨励し、文化資源の全国的範囲での流動を促す。国有経営の性格をもつ文化事業体の企業への転換を引き続き推し進め、会社制、株式制への改造を加速させる。規定に照らして企業転換した重要な国有メディア企業に対して特殊管理株制度の実施を模索する。文化企業の地域、業種、所有制にまたがる合併再編を推し進め、文化産業の規模化、集約化、専門化のレベルを高める。
非公有制文化企業の発展を奨励し、社会資本の参入条件を緩和し、対外出版やネット出版への参与を認め、持ち株会社の形で国有の映像制作機構や芸能団体の企業化経営への参与を認める。さまざまな形の零細文化企業の発展を支援する。
出版権、放送権の特許経営制度を堅持することを前提として、制作と出版、制作と放送を分離することを認める。多層的な文化製品や生産要素市場を確立し、金融資本、社会資本、文化ソースが相互に結び付くことを奨励する。文化経済政策を整備し、政府の文化への助成と買い付けを拡大し、版権保護を強化する。文化製品の評価体系を整備し、表彰制度を改革し、より多くの優れた文化製品を生み出すようにする。
(40)近代的な公共文化サービス体系を構築する。公共文化サービス体系づくりの協調の仕組みを確立し、サービス施設のネットワーク構築を統一的に計画し、基本公共文化サービスの標準化、均等化を促す。大衆による評価とフィードバックの仕組みを確立し、人々を益する文化プロジェクトが大衆の文化的需要と効果的にマッチングするよう推し進めていく。末端の公報・文化、党員教育、科学普及、スポーツ・健康づくりなどの施設を統合し、総合的な文化サービスセンターを整備する。
異なる文化事業体の機能の位置づけを明確にし、コーポレート・ガバナンスの仕組みを確立し、業績評価システムを整備する。公共図書館、博物館、文化館、科学技術館などが理事会を設置し、関係方面の代表、専門家、各界大衆を受け入れ、管理に参加させることを推進する。
競争メカニズムを導入し、公共文化サービスの社会化を推し進める。社会団体や社会資本が公共文化サービス体系の構築に参与するよう奨励し、文化非営利組織を育成する。
(41)文化開放のレベルを高める。政府主導、企業主体、市場運営、社会参与を堅持し、対外文化交流を拡大し、国際的伝播能力と対外意思疎通体系の構築を強化し、世界に向けて中華文化を発信していく。対内・対外の宣伝体制をすっきりさせ、重点メディアの国内及び国際向けの発展を支援する。対外志向型文化企業を育成し、文化企業が海外市場を開拓するのを後押しする。社会組織や中国出資機構などが孔子学院や海外文化センターの建設に参与し、人文交流プロジェクトを担うことを奨励する。
国外のあらゆる優れた文化的成果を積極的に吸収し、参考にし、中国の文化の発展に資する人材、技術、経営管理の経験を取り入れる。国の文化の安全をしっかりと守る。
十二、社会事業の改革革新を推進
発展の成果がさらに多くさらに公平に全人民に行き渡るようにするためには、必ず社会事業改革を加速し、人々が最も関心を寄せ最も直接的で最も現実的な利益の問題をきちんと解決し、社会に多様化したサービスを提供することに努め、人々のニーズをさらに満たさなければならない。
(42)教育分野の総合改革を深化させる。党の教育方針を全面的に貫徹し、「徳をもって人を育てる」ことを堅持し、社会主義の核心的価値体系の教育を強化し、中華の優れた伝統文化の教育を充実させ、学習を愛し、労働を愛し、祖国を愛する活動の効果的な形式と持続的な仕組みを形成し、学生の社会的責任感、クリエイティブな精神、実践的な能力を高める。体育の授業と課外スポーツを強化し、青少年が心身ともに健康でたくましく育つようにする。情操教育を改善し、学生の審美能力や人文的素養を向上させる。教育の公平を強力に促進し、経済的に困窮した家庭の学生に対する助成システムを整備し、情報化によって優れた教育資源のカバー範囲を拡大する効果的な仕組みを構築し、徐々に地域間、都市と農村、学校間の格差を縮小する。都市と農村の義務教育資源の均等配置を統一的に計画し、公営学校の基準化建設と校長や教師の交流、ポストの交代を実行し、重点校・重点クラスは設けず、学校選択の難問を解決し、末梢と根本の問題をともに解決し、生徒の学業負担を減らす。近代的職業教育の体系づくりを加速し、産業と教育の融合、学校と企業の協力を深め、高い資質の従業員と技能型人材を養成する。大学の人材養成システムを刷新し、大学の特色ある運営、トップレベル創出を促進する。学齢前教育、特殊教育、継続教育の改革と発展を推し進める。
学生募集制度の改革を推し進める。学生募集と入試との相対的分離、学生の複数回受験による選択、学校の法律に基づく自主募集、専門機構・組織による実施、政府のマクロ管理、社会の監督参与などの運営の仕組みを模索し、1回の入試で一生が決まってしまうといった弊害を根本から解決する。義務教育は無試験で最寄りの学校に入学するものとし、学区制と9年制小中一貫募集を試行する。中学・高校での学力判定試験と総合素養評価を推し進める。職業高等専門学校の分類入試あるいは登録入学の推進を加速する。普通大学の統一入試と高校の学力判定試験の成績による総合評価、多元的採用の仕組みを逐次押し広める。全国統一入試の科目を減らし、文系・理系を分けず、外国語などの科目は社会化して受験機会を1年に複数回与えるなどの措置を模索する。普通大学、職業高等専門学校、成人大学の間の単位互換を試行し、生涯学習の道を広げる。
管理・運営・評価の分離を掘り下げて推進し、省レベル政府の教育統一計画権と学校の運営自主権を拡大し、学校の内部ガバナンス構造を整備する。教育に対する国の監督・指導を強化し、社会組織に委託して教育への評価・測定を進める。政府助成、政府によるサービス購入、奨学ローン、奨励ファンド、寄付インセンティブなどの制度を整備し、社会の力による教育振興を奨励する。
(43)就業・起業を促進する体制・仕組みを整備する。経済発展と就業の拡大が連動する仕組みを確立し、政府の就業促進責任制度を整備する。人材の募集・雇用制度を規範化し、都市と農村、業種、身元、性別などで一切差別されない平等な就業のための制度上の障害や就業差別を排除する。起業を支援する優遇政策を整備し、政府が起業を奨励し、社会が起業を支援し、勤労者が勇気をもって起業に挑戦する新たな仕組みを形成する。都市と農村の均等な公共的就業・起業サービス体系を整備し、勤労者の生涯キャリア養成体系を構築する。失業保険制度の失業予防、就業促進機能を強化し、就業・失業モニタリング統計制度を整備する。労働関係協調の仕組みを刷新し、従業員が合理的な要求を訴える道を開く。
大学卒業生を重点とする青年の就業と農村の移転労働力、都市部困窮者、退役軍人の就業を促進する。産業の高度化と結び付けてさらに多くの大学卒業生に適した就職先を開発する。政府が購入する末端公共管理や社会サービスのポストは、さらに多くを大学卒業生の就業を受け入れるために用いる。大学卒業生が末端に赴いて仕事をすることを奨励するサービス保障の仕組みを整備し、公務員の定方向募集・採用と事業体の優先採用の比率を高める。大学卒業生の自主起業奨励政策を実行し、国と省レベルの大学卒業生就業・起業基金を統合的に発展させる。卒業後も未就業の大学卒業生の就業促進計画を実施し、未就業者はインターンシップ、技能研修などの就業準備活動の中に組み入れ、特殊な事情のある者には全面的な就業バックアップを行う。
(44)合理的で秩序ある所得分配の局面を形成する。勤労所得の保護を重視し、勤労報酬の増大と労働生産性の向上が同期化するよう努め、一次分配における勤労報酬の比重を高める。賃金の決定と正常なベースアップの仕組みを整備し、最低賃金と賃金支払い保障制度をより完全なものにし、企業における賃金の集団協議制度を充実させる。政府機関・事業体の賃金と手当の制度を改革し、苦労の多い辺境地区の手当を増額する仕組みを整備する。資本、知識、技術、管理などが生産要素市場によって報酬が決定される仕組みを整備する。投資やレンタルサービスなどのルートを拡大し、上場会社の投資家へのリターンの仕組みを最適化し、投資家、特に中小投資家の合法的権益を保護し、多くのルートを通じて住民の資産性所得を増加させる。
税収、社会保障、移転支出を主な手段とする再分配調節の仕組みを整備し、税収による調節の度合いを強める。公共資源の譲渡収益の合理的な共用システムを確立する。公共資源の譲渡収益の合理的な共有の仕組みを確立する。慈善寄付に対する税減免制度を充実させ、慈善事業が貧困救済に果たす積極的な役割をサポートする。
所得分配の秩序を規範化し、所得分配調整の体制・仕組みと政策体系を整備し、個人所得と資産の情報システムを構築し、合法的な収入を保護し、高すぎる収入を調節し、目に見えない収入の整理、規範化を進め、不正な収入を取り締まり、低所得者の収入を増やし、中所得者の比率を拡大し、都市と農村、地域間、業種間の所得分配の格差縮小に努め、徐々にラグビーボール型の分配構造をつくり上げる。
(45)より公平で持続可能な社会保障制度を構築する。社会における統一調達と個人口座を結びつけた基本養老保険制度を堅持し、個人口座制度を整備し、多く納めれば多く給付されるインセンティブの仕組みを充実させ、加入者の権益を確保し、基礎養老年金の全国統一調達を実現し、精算均衡の原則を堅持する。政府機関・事業体の養老保険制度改革を推し進める。都市と農村の住民基本養老保険制度、基本医療保険制度を統合する。都市と農村の最低生活保障制度の統一的発展を推し進める。さまざまな人たちのいずれをも合理的に配慮した社会保障待遇の確定と正常な調整の仕組みを確立し、より完全なものにする。社会保険関係のポータビリティー政策を整備し、保険加入・保険料納付のカバー範囲を拡大し、適当な時期に社会保険料率を適宜引き下げる。定年退職年齢の漸進的引き延ばし政策の制定について検討する。社会保障管理体制と事務処理サービス体系の整備を加速する。国情に合った住宅保障・供給体系を充実させ、オープンな規範化された住宅積立金制度を確立し、住宅積立金の引き出し、使用、監督・管理の仕組みを改善する。
社会保障財政投入制度を整備し、社会保障予算制度をより完全なものにする。社会保険基金の投資管理と監督を強化し、基金の市場化、多次元の投資運営を推し進める。免税、徴税延期などの優遇政策を制定、実施し、企業年金、職業年金、商業保険の発展を加速し、多層的な社会保障体系を構築する。
人口高齢化に積極的に対応し、社会養老サービス体系の確立と高齢者サービス産業の発展を急ぐ。長期の出稼ぎで農村に「置き去りにされた児童、女性、お年寄り」に対する思いやりサービス体系を整備し、障害者の権益保障、「困窮児童」(貧困家庭や片親家庭の子供、出稼ぎなどで両親が不在の家で暮らす子供、孤児など)の分類保障制度を整備する。
(46)医薬衛生体制の改革を深化させる。医療保障、医療サービス、公共衛生、医薬品供給、監督・管理体制の総合改革を統一的に推進する。末端医療衛生機関の総合改革を深化させ、ネットワーク化された都市・農村末端医療衛生サービス運営の仕組みを整備する。公立病院の改革を加速し、政府の責任を明確にし、科学的な医療実績評価の仕組みと業種の特性に合わせた人材育成、人事報酬制度を確立する。合理的なレベル別診療モデルを整備し、コミュニティーにおける医師と住民の契約サービス関係を確立する。情報化手段を十分に利用して、優れた医療資源の縦の流動を促す。地域の公共衛生サービス資源の統合を強化する。「以薬補医」(薬代で病院の収入を補う)を廃止し、治療費と薬の価格を調整し、科学的な補償の仕組みを確立する。医療保険の支払い方式を改革し、全民医療保険体系を整備する。重大・特大疾病医療保険と救助制度の整備を加速する。中医薬事業の発展のための政策と仕組みを整備する。
社会資本による医療機関運営を奨励し、非営利医療機関の設立を優先的に支援する。社会資本は、資源が不足している分野や多元的需要を満たすサービス分野に直接投入することができ、またさまざまな形で公立病院の改革再編に参与することができる。医師の複数病院でのかけもち勤務を認め、民営医療機関を医療保険適用対象に加えることを認める。
計画出産の基本国策を堅持しつつ、夫婦のどちらかが一人っ子の場合、子供を2人産むことができる政策の実施を始動させ、徐々に出産政策を調整、改善し、人口の長期的なバランスのとれた増加を促す。
十三、社会ガバナンス体制の革新
社会ガバナンスを革新するためには、最も幅広い人民の根本利益を保護することに着眼し、調和的な因子を最大限増加させ、社会発展の活力を高め、社会ガバナンスのレベルを引き上げ、「平安な中国」の建設を全面的に推進し、国の安全を守り、人々が落ち着いて働き、安心して暮らせる環境と社会秩序の安定を確実なものにしなければならない。
(47)社会ガバナンスの方式を改善する。システム管理を堅持し、党委員会の指導を強化し、政府の主導的な役割を発揮させ、社会の各方面の参与を奨励、支持し、政府ガバナンスと社会の自己調節、住民自治の望ましい相互作用を実現する。法律によるガバナンスを堅持し、法治の保障を強化し、法治の思考と法治の方法を運用して社会矛盾を解消する。総合的管理を堅持し、モラルによる制約を強化し、社会行為を規範化し、利益関係を調節し、社会関係を協調させ、社会問題を解決する。根本管理を堅持し、末梢と根本の問題を同時に解決し、根本の解決に重点を置き、グリッド化管理、社会化サービスを指向し、末端総合サービスの管理プラットフォームを整備し、人民大衆の各方面、各層の利益の要求申し立てを直ちに反映するようにする。
(48)社会組織の活力を引き出す。政府と社会の関係を正しく処理し、政府と社会組織の分離を加速し、社会組織が権限・責任を明確にし、法律による自治を行い、役割を発揮するよう促す。社会組織によって提供されるのがふさわしい公共サービスや、社会組織によって解決されることがふさわしい事柄は、社会組織に委ねる。ボランティア組織を支援し発展させる。期限を定めて業種協会・商会と行政機関との分離を真に実現し、業種協会・商会類、科学技術類、公益慈善類、都市・農村コミュニティー・サービス類の社会組織を重点的に育成し、優先的に発展させ、創設時には法律に基き直接登記を申請する。社会組織や在中国海外非政府組織(NGO)に対する管理を強化し、法律に基づき活動を展開するよう導く。
(49)社会矛盾を効果的に予防し解消できるよう体制を革新する。重要な政策決定が社会の安定に与えるリスクの評価システムを整備する。要求申し立て、心理的ケア、矛盾の調停処理、権益保障などの整然として滞りない仕組みを確立し、大衆の問題が反映され、矛盾が解消され、権益が保障されるようにする。
行政再議の体制を改革し、行政再議案件の審理の仕組みを整え、違法あるいは不当な行政行為を是正する。人民による仲裁、行政による調停、司法による調停が連動する作業体系を整備し、矛盾紛争を調停解消する総合的な仕組みを確立する。
投書・陳情処理制度を改革し、ネットで投書・陳情を受け付ける制度を実行し、大衆の合理的な要求申し立てを直ちに解決する仕組みを整える。法律と訴訟にかかわる投書・陳情は法治ルートに組み入れて解決し、法律と訴訟にかかわる投書・陳情は法律によって終結させる制度を確立する。
(50)公共安全体系を整備する。統一した権威ある食品・医薬品の安全監督管理機構を整備し、全プロセスをカバーする最も厳格な監督・管理制度を確立し、食品原産地のトレーサビリティー制度と品質表示制度を確立し、食品・医薬品の安全を保障する。安全生産管理体制の改革を深化し、潜在的リスクの徹底検査管理システムと安全予防・制御システムを確立し、重大または特に重大な安全事故を抑止する。防災・減災・救災体制を整備する。社会治安の総合的管理を強化し、立体化した社会治安予防・制御システムを革新し、さまざまな不法犯罪を法律によって厳格に防ぎ処罰する。
積極的利用、科学的発展、法律による管理、セキュリティー確保の方針を堅持し、法律によるネットワーク管理の度合いをさらに強め、インターネットの管理指導体制の整備を急ぎ、国のネットワークと情報セキュリティーを確保する。
国家安全委員会を設置し、国家の安全体制と安全戦略を整備し、国家の安全を確保する。
十四、生態文明の制度建設を加速
生態文明の建設のためには、系統的で整った生態文明制度の体系を確立し、最も厳格な生態源保護制度、損害賠償制度、責任追及制度を実行し、環境対策と生態系修復をめぐる制度をより完全なものにし、生態環境を制度によって保護しなければならない。
(51)自然資源資産の財産権制度と用途規制制度を整備する。河川、森林、山岳、草原、荒地、干潟などの自然生態空間に対する統一的な権利確定登録を行い、帰属のはっきりした、権限と責任が明確な、監督・管理の効果的な自然資源資産の財産権制度を形成する。空間計画体系を確立し、生産空間、生活空間、生態空間の開発と規制の境界線を定め、用途規制を具体化する。エネルギー、水、土地の節約・集約利用制度を整備する。
国の自然資源資産管理体制を整備し、全人民所有の自然資源資産の所有権者の職責を統一的に行使する。自然資源に対する監督・管理の体制を整え、すべての国土空間の用途規制の職責を統一的に行使する。
(52)生態保護のためのレッドラインを画定する。主体機能区の制度を確固として実施し、国土空間開発保護制度を確立し、主体機能区の位置付けに厳格に照らして発展を推進し、国家公園体制を確立する。資源環境受容能力のモニタリング・早期警報システムを確立し、水土資源、環境容量、海洋資源の負荷が大きすぎる地域に対して制限的な措置を実行する。開発制限地域と生態系が脆弱な、国の貧困扶助・開発活動重点県に対しては地域総生産額の審査を取り消す。
自然資源資産のバランスシートの作成を模索し、指導幹部に対して自然資源資産の離任監査を実行する。生態環境損害責任の終身追及制を確立する。
(53)資源の有償使用制度と生態補償制度を実行する。自然資源及びその製品価格の改革を加速し、市場の需給、資源の欠乏程度、生態環境へのダメージによるコストと修復効果を全面的に反映させる。資源の有料利用、環境汚染者・生態破壊者が費用を負担する原則を堅持し、資源税をさまざまな自然生態空間の占用にまで逐次拡大する。「退耕還林」(耕地を林地に戻す)、「退牧還草」(牧草地を草原に戻す)の範囲を安定、拡大させ、汚染の深刻な地域と地下水の取水超過が深刻な地域の耕地用途を調整し、順を追って耕地や河川湖沼の涵養・活力回復を実現する。工業用地と居住用地の合理的な価格関係を効果的に調節する仕組みを確立し、工業用地の価格を引き上げる。受益者が補償する原則を堅持し、重点生態機能区の生態補償の仕組みを整備し、地域間の横断的な生態補償制度の確立を推し進める。環境保護市場を発展させ、省エネ量、二酸化炭素排出権、汚染物質排出権、水利権の取引制度を広め、社会資本を引きつけて生態環境保護に投資させる市場化の仕組みを確立し、環境汚染の第三者管理を押し広める。
(54)生態環境の保護管理体制を改革する。あらゆる汚染物質の排出を厳格に監督・管理する環境保護管理制度を確立し、より完全なものにし、環境への監督・管理と行政法執行を独立的に進める。陸地と海洋を統括する生態の保護・修復と汚染予防地域の連動システムを確立する。国有林区の経営管理体制を整備し、集団林権制度の改革を深める。環境情報を速やかに公布し、告発制度を整え、社会による監督を強化する。汚染物質排出許可制を整備し、企業・事業体の汚染物質排出総量を抑制する制度を実施する。生態環境にダメージを与えた責任者に対しては厳格に賠償制度を実行し、法律によって刑事責任を追及する。
十五、国防・軍隊改革の深化
党の指揮に従い、勝利を収めることができ、気風の優れた人民の軍隊を建設するという新情勢下における党の軍隊強化の目標を主軸に据え、国防と軍隊の建設の発展を妨げる際立った矛盾と問題の解決に力を入れ、軍事理論を刷新・発展させ、軍事戦略の指導を強化し、新たな時期の軍事戦略方針を練りあげ、中国の特色ある近代的軍事力の体系を構築しなければならない。
(55)軍隊の体制・編制の調整・改革を深化させる。指導管理体制の改革を推進し、中央軍事委員会・総部指導機関の職能配置と機構設置を最適化し、各軍種・兵種の指導管理体制を整備する。軍事委員会の共同作戦指揮機構と戦区共同作戦の指揮体制を整備し、共同作戦の訓練と保障体制の改革を推進する。新しいタイプの戦闘力の指導体制を整備する。情報化建設の集中的一元管理を強化する。武装警察部隊の力の構造と指導管理体制を最適化する。
軍隊の規模・構造を最適化し、軍種・兵種の比率、将兵の比率、部隊と機関の比率を調整、改善し、非戦闘機構と人員を減らす。異なる方向の安全保障の必要や作戦任務によって、部隊の編成を改革する。新しいタイプの戦闘力の建設を加速する。軍隊の教育機関の改革を深化させ、軍隊の教育機関での教育、部隊での訓練・実践、軍事職業教育という三位一体の新しいタイプの軍事人材育成体系を整備する。
(56)軍隊の政策制度の調整・改革を推進する。軍隊の職能や任務の必要性と国の政策制度の革新にふさわしい軍事人的資源の政策・制度を整備し、より完全なものにする。士官の職業化制度の確立を牽引とし、科学的で規範化された軍隊幹部制度の体系を逐次形成する。文官職の制度を整備し充実させる。兵役制度、士官制度、退役軍人配置制度などの改革に関連した政策を充実さ
せる。
軍事支出管理制度を整備し、必要性によって計画を牽引し、計画によって資源配置を主導する仕組みを確立する。経費・物資の管理基準制度の体系を整備し、より完全なものにする。予算管理、集中的入出金、物資購入、及び軍人の医療、保険、住宅保障などの制度改革を深化させる。
軍事法規制度の体系を整備し、部隊の科学的管理を進めるための方式・方法を模索する。
(57)軍民融合のさらなる発展を推進する。軍民融合の発展を推進する統一指導、軍隊と地方の協調、需求のマッチング、資源共有の仕組みを国家レベルで確立する。国防産業の体系を整え、国防科学技術の協同イノベーション体制を整備し、国防科学研究・国防生産の管理と兵器・装備調達の体制・仕組みを改革し、優位性をもつ民営企業が軍用品の科学研究・生産・メンテナンスの分野に参入するよう導く。国民教育に頼って軍事人材を育成する政策制度を改革し、整備する。軍隊の保障の社会化分野を広げる。国防教育の改革を深化させる。国防動員の体制・仕組みを整え、平時徴用と戦時動員の法規・制度をより完全なものにする。民兵・予備役の体制改革を深化させる。国境・領海・領空防衛の管理体制・仕組みを調整する。
十六、改革の全面的深化に向けた党の指導を強化・改善
改革の全面的深化のためには、党の指導を強化・改善し、全局を見据え各方面を協調させるという党の指導の核心的役割を十分に発揮し、学習型、サービス型、革新型のマルクス主義執政党を建設し、党の指導レベルと執政能力を高め、改革の成功を確実なものにしなければならない。
(58)全党の同志は、改革の全面的深化に関する中央の重要な政策決定・布石に思想と行動を統一させ、中央と地方、全局と局部、当面と長期の関係を現実に即して処理し、利益構造の調整に正しく向き合い、党内民主を存分に発揚し、中央の権威を断固として守り、政令を滞りなく行き渡らせ、中央の改革に向けた政策決定・布石を確固として実現しなければならない。
中央は、改革全面深化指導グループを設置し、改革の総体設計、統一調整、全面推進、実施の監督・管理を担当させる。
各級党委員会は改革に対する指導責任を確実に果たし、科学的で民主的な政策決定の仕組みを整備し、重要問題を先導とし、諸般の改革措置をほんとうに必要とするところにおいて実施する。各級指導グループの建設を強化し、幹部の教育研修や実践訓練の制度を充実させ、指導グループと指導幹部の改革推進能力をたえず高める。末端党建設の活動を革新し、党の末端組織体系を整備し、戦闘のとりでとしての末端党組織の役割を十分に発揮させ、広範な党員が改革事業に積極的に取り組み、「釘を打ち込む」(堅実な)精神を発揚し、「石を踏めば足跡を残し、鉄をつかめば手の痕跡を残す」(しっかりと成果をあげること)意気込みをもって、改革の全面深化のために積極的な貢献をするよう導く。
(59)改革の全面的深化には、強力な組織的保証と人材による支えが必要である。党が幹部を管理する原則を堅持し、幹部人事制度の改革を深め、役に立つ効果的な、簡単で実行しやすい人材の選抜・任用システムを構築し、各方面で優秀な幹部が輩出するよう促す。党組織の指導と監督の役割を発揮させ、幹部の選抜・任用にあたっての党委員会(または党グループ)、主管部門の指導者、組織部門の重みと幹部審査識別の責任を強化し、幹部の審査評価制度を改革し、より完全なものにし、競争的な幹部選抜方法を改善し、優れた若い幹部の育成・選抜システムを整備し、幹部の選抜任用と委任を分けて実施し、投票だけで人材を選抜する、点数だけで人材を選抜するなどの現象を断固として是正し、各年齢層の幹部を上手に任用し、真に信念が固く、人民に奉仕し、勤勉かつ実務的で、責任を持ち、清廉公正な優れた幹部を選抜する。
幹部の部門縦割り人事を打ち破り、人材選抜の視野とルートを広げ、所属系統や分野を超えた幹部の交流を強化する。「官本位」の意識を打破し、幹部の昇進と降格、就任と引退の可能な仕組みを推進する。指導幹部の責任追及制を整備、実行し、幹部陣を厳格に管理する制度体系を整える。公務員の分類改革を深く進め、公務員の職務と職級が対応し、職級と待遇が結びついた制度を推進し、専門技術類、行政法執行類の公務員と招聘採用人員管理制度の確立を急ぐ。末端公務員の採用制度を改善し、困難な辺境地区では採用条件を適度引き下げる。
人材結集のための体制・仕組みを確立し、天下の英才を選抜し任用する。体制の障壁を打ち破り、身分の障害を取り除き、一人一人が才能を伸ばし、才能を発揮できる道を用意し、さまざまな人材に広々とした活躍の場を与える。党・政府機関、企業・事業体、社会各方面の人材が自由に流動する制度体系を整える。人材が末端に流動し、困難な地域や職場に流動し、第一線で起業するようなインセンティブの仕組みを整備する。国際的競争力をそなえた人材制度の優位性の形成を急ぎ、人材評価の仕組みを整え、人材政策の開放度を高め、海外の優れた人材を幅広く引きつけて帰国、あるいは中国に来て創業するように導く。
(60)人民は改革の主体であり、党の大衆路線を堅持し、社会参与の仕組みを確立し、人民大衆の積極性、自発性、創造性を十分に発揮させ、全国総工会、共産主義青年団、婦女連合会などの人民団体の役割を十分に発揮させ、力を合わせて改革を進めなければならない。地方や末端、大衆による大胆な模索を奨励し、重要な改革のモデル試行を強化し、経験を速やかに総括し、改革の過ちを大目に見、広報と世論誘導を強め、改革の全面的深化のために良好な社会環境をつくり出す。
全党の同志は、習近平同志を総書記とする党中央の周囲にしっかりと団結し、向上に努め、難関攻略に立ち向かい、改革開放という偉大な事業の歴史に新たな一章を書き加えなければならない。小康社会を全面的に実現し、中国の特色ある社会主義の新たな勝利をたえず勝ち取り、中華民族の偉大な復興という中国の夢を実現するために奮闘しようではないか。
チャイナネット資料 2014年1月29日
http://j.people.com.cn/94474/8525776.html
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