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香港の中産階級、羽振り良い外見と実態に大きな差:社会政策でエアポケットになりつつある「中産階級」とその定義
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投稿者 あっしら 日時 2013 年 12 月 20 日 13:21:48: Mo7ApAlflbQ6s
 


香港の中産階級、羽振り良い外見と実態に大きな差
 2013年12月19日16:20

 中産階級とは、一般的には「社会の中堅層」と見なされている。だが、香港の中産階級は、自分達のことを「板挟み層」と評している。香港では、住宅価格は非常に高く、生活のリズムはスピーディで、競争のプレッシャーも大きい。彼らの収入は少なくはないが、自分自身の生活に決して満足していない。最近の調査から、香港の中産階級の幸福度指数は、北京や上海など大陸部都市よりはるかに低いことが明らかになった。人民日報海外版が伝えた。

○刹那的享楽を楽しむ「月光族」になる勇気はなし

 香港では、「中産階級」の基準は複数ある。香港特区政府財政司の曾俊華・司長は、「中産階級とは、フランス映画を見て、コーヒーを飲む人々のことを指す」と言い、特区政府の梁振英・行政長官は、「住宅占有面積が500平方フィート(約46平方メートル)あれば、中産階級の基準を満たす」と文章に書いた。数カ月前に香港で実施された調査によると、多くの香港市民が、「中産階級とは、200万〜800万香港ドル(約2680万〜1億740万円)相当の住宅と50万〜600万香港ドル(約670万〜8050万円)の資産を所有し、月収3万〜6万香港ドル(約40万〜80万円)を得ている人を示す」と答えた。

 米国の中産階級の基準は、「郊外に一軒家を所有し、3人の子供を持ち、1匹の犬を飼っており、1年間に2-3週間の有給休暇があり、国内旅行や海外旅行を楽しむ」というものだ。 香港の中産階級に対するイメージは、米国とはかなり異なる。香港市民は、「高級オフィス・ビルにせわしなく出入りし、いつも残業や研修に追われ、必死に働く人々」を、中産階級の真の姿として捉えている。

 香港市民にとって最大の支出は住宅ローンだ。教育業に携わるA氏は、「月給は約6万香港ドル(約80万円)と、香港ではかなり高いレベルだが、住宅ローンの返済でこのうち40%が消えていく」と話した。やはり中産階級に入る胡氏夫妻は、それぞれ会計業と教育業の仕事をしており、月収は夫婦合わせて約5万香港ドル(約67万円)という。胡氏もまた、「住宅ローン返済額は、収入の3割以上を占める」と語った。

 住宅ローンに次ぐ大きな支出は教育費だ。香港の子供たちは、名門校への入学を目指し、小さい頃からさまざまなお稽古事に通う。A氏は、「中産階級は、子供の教育にとりわけ熱心だ。子供の趣味の実力を伸ばし、競争力を高めるために、ピアノ、バイオリン、水泳などのお稽古事に小さい頃から通わせる。うちの場合も、3人の子供をお稽古事に通わせるための費用が毎月の総支出の2割を占めている。このため、食費や被服費など他の出費を極力抑え、旅行も我慢し、楽しみや遊びを控えている」と述べた。


○高まる重圧に膨らむ心配

 香港・南華早報がこのほど発表した世論調査によると、香港の中産階級の幸福度指数は、大陸部都市より低いという。調査対象となった香港市民の多くが、「多忙な仕事で常に疲れているにもかかわらず、報酬は少ない」と答えた。このような状況から、彼らは、生活のさまざまな面で、マイナス感情を抱えている。

 これは、「中等収入者群体の生活の質に関する研究」という調査で、北京、上海、広州、成都、西安、瀋陽、武漢および香港に住む2400人を対象に実施された。「自分は幸せだと感じている」と答えたのは、香港市民がわずか40%だったのに対し、上海と北京では70%に達した。

 香港中文大学政治・行政学部の馬岳・准教授は、「この調査結果は、特に驚くような内容ではない。香港市民の幸福感は、他の世界各地より低い。というのも、香港が極めて圧力の大きい都市であるからだ。ここで生活するのは並大抵のことではなく、多くの市民が生活レベルや大気の質に不満を抱いている」との見方を示した。
 高い住宅価格、インフレ、劣悪な大気の質以外に、香港の中産階級にとって大きな悩みは、子供の将来に関することだ。香港の某機関が社会各層の親1800人を対象に実施した電話アンケート調査によると、高所得者層ほど、子供の将来に対して悲観的に感じており、自分達よりいっそう悪くなるだろうと心配していた。

 小企業を経営している呂氏(52)は最近、息子の中高一貫校の進学準備に奔走している。彼は、「今の親は、子供を溺愛するあまり、彼らの自立する能力の芽を摘んでしまっている。私は息子の将来が心配だ。私自身は、1980年代に創業し、経営者となることができた。しかし、息子が将来、自分と同じことを成し遂げられるとは断言できない」と打ち明けた。

 1970年代や1980年代の香港の中学・高校生は、放課後は部活動に打ち込んでさえいれば良かった。だが今は、多くのことをやればやるほど良いと見なされている。勉強で及第点を取るには、楽器演奏も上手でなければならない。大学に合格しても、卒業後に素晴らしい仕事が保障されるとは限らない。企業側は、高学歴だけではなく、他の技能も就職希望者に求める。中産階級の親たちが心配するのも頷けるというものだ。


○多額の税金を納めても少ない見返り

 香港の中産階級にとってさらなる悩みの種は、彼らが「取られるものが多く、得るものが少ない」階層であるという事実だ。香港の労働人口360万人のうち、個人所得税を納める必要がない人は60%に上る。また、納税人口のうち中産階級が37%を占めている。香港の全世帯の10%を占める最低収入世帯は生活保護手当を受給し、30%を占める低所得者は、政府が提供する低家賃住宅に入ることができる。また、条件を満たす低所得者は経済適用住宅への申請が可能だ。一方、収入基準をほんの少し上回る中産階級は、必死に働くことで住宅問題を解決するしか方法がない。

 医療保証、社会保険、教育、そして財政からの「恩恵」など各方面で、中産階級は常に「忘れられた隅っこ」に追いやられ、特別な配慮を受けるケースはほぼ皆無、「多額の税金を納める割には見返りがない」立場にある。A氏を例にあげると、彼は、1.5カ月分の給料に当たる約8万香港ドルを、1年間の税金として納めており、「中産階級の負担が軽減されるよう、香港政府が免税基準額を引き上げてくれたら助かるのに」と切に望んでいる。

 香港以外の地に引っ越す中産階級がますます増えていることが、統計資料から明らかになっている。香港保安局のデータによると、今年上半期に海外に移民した香港市民は3900人と、前年同期比8.3%上昇した。台湾地区移民署の最新データによると、香港から台湾に移住した人の数は、この半年で5倍増加し、今年9月の時点で632人にまで跳ね上がった。

 このような状況について、アナリストは次の通り指摘した。

 台湾地区は、香港市民の新たな移住先として注目されている。台湾特産の軽食、安い物価、温かい人情などが、香港の人々を魅了している。また、台湾は、他の移住先国・地域と比べ、香港からの移住者に対して設けているハードルが最も低いというのも大きなポイントで、台湾現地の銀行の定期預金口座に500万新台湾ドル(約1745万円)以上の残高があれば、移民申請が可能となる」。(編集KM)
 
 「人民網日本語版」2013年12月19日

http://j.people.com.cn/94475/8490239.html


 

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