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「カイロ宣言」70周年記念
(1)中国にとっての三大意義
1943年12月1日、世界反ファシズム戦争の勝利の曙光が見え始めた時、中国、米国、英国の首脳がカイロに集まり、名高い「カイロ宣言」を発表した。
カイロ宣言は日本の発動した対中戦争と太平洋戦争の侵略的性格を確認し、3大国の対日共同作戦の目的と趣旨を表明し、日本に無条件降伏を促す懲罰的措置を定め、ファシズムの暴虐を迎え撃つ世界の砲声の中で日本侵略者壊滅の弔鐘を鳴り響かせた。カイロ宣言はまた、日本は武力で中国から窃取、占領した東北各省、台湾と澎湖列島などを中国に返還しなければならないと明確に定め、戦後中国が日本から台湾を取り戻す国際法上の根拠となった。今年はカイロ宣言発表70周年にあたり、両岸は様々な形式で記念し、研究や討論を行っている。
■台湾の中国復帰を明確化
カイロ宣言は発表前にソ連の指導者、スターリンの賛同を得て、戦時の主要連合国の対日作戦に関する政治的共通認識となった。1945年7月26日、米国、中国、英国はポツダム宣言を共同発表し、「カイロ宣言ノ條項ハ履行セラルベク」と定めた。後にソ連が正式に加わり、4大国共同の実施が確保された。同年9月2日、日本は降伏文書に調印し、ポツダム宣言の各規定の義務を履行することを明確にし、無条件降伏を受け入れた。1945年10月、中国政府はカイロ宣言に基づき日本から台湾を取り戻し、主権を回復。台湾は再び中国の領土の一部に戻った。カイロ宣言とポツダム宣言は第2次大戦時の連合国の対日作戦に関する最も重要な国際文書であり、国際法上の効力は明らかだ。
中国にとって、カイロ会談とカイロ宣言は特に重大な意義を持つ。第1に、近代中国が初めて大国として、対等な立場で国際トップ会談に参加し、世界大戦の戦略決定と戦後秩序の取り決めに直接参画した。中国の発言力を体現した広範な影響力を持つ国際文書の策定に初めて参画し、後に中国が世界大国に躍り出て、国連の5大常任理事国の1つになるための政治的基礎を固めた。第2に、カイロ宣言は近代に日本が中国の領土を侵略、略奪したとの法的事実を確認し、中国から窃取、占領した東北三省、台湾、澎湖列島を全て中国に返還することを日本に義務づけ、戦後中国が日本から台湾を取り戻すうえでの国際法上の根拠となった。第3に、カイロ宣言は台湾が中国の領土であることを初めて明確に認めた国際文書であり、台湾の法的地位を確定する有力な証拠であり、中国が台湾の領有権を維持し、国家の統一を維持するうえでの国際法上の根拠となった。第4に、カイロ宣言およびポツダム宣言は、中国人民抗日戦争を強く支持し、鼓舞するものであり、中国を含む国際社会が日本侵略者を打ち負かす勝利の成果を確認し、アジア太平洋地域の戦後の国際秩序を構築するうえでの法的保障となった。(編集NA)
「人民網日本語版」2013年11月28日
http://j.people.com.cn/94474/8469420.html
(2)今日もなおカイロ宣言の法的効力を守る必要性がある
歴史は悠悠として、警世の鐘は長く鳴り響く。日本による侵略戦争の最大の被害国、対日作戦の主要参戦国および戦勝国である中国の政府と国民はカイロ宣言を一貫して大変大切にし、重視し、その法的効力と歴史的価値を断固として守ってきた。カイロ宣言は、日本軍国主義者にとっては心中に突き刺さった鋼の針だ。中国からの台湾独立を鼓吹する勢力にとっては、常に頭上に横たわり、振り払うことのできない鋭い剣だ。彼らはカイロ宣言の法的性格と法的効力を否定しようと腐心している。カイロ宣言の歴史的地位を巡る闘争は70年来終息に向かったことがない。
米国では、カイロ宣言は台湾の中国への返還と帰属を証明する法的根拠にはならないとして、いわゆる「台湾地位未定論」を主張し、台湾の領土帰属の再確定を鼓吹する者が存在する。日本では、右翼民族主義勢力と軍国主義勢力の残滓が再び頭をもたげ、日本の対外戦争の侵略的性格を否認し、中国の人々を殺害した日本軍国主義の侵略の犯罪行為を否認して、カイロ宣言とポツダム宣言の日本に対する拘束力、日本の軍事力発展に対する束縛から脱しようと企て、日本が隣国から略奪した領土を引き続き占有することへの弁明を図っている。台湾島内では、カイロ宣言を中身のないものと見なし、「台湾地位未定論」を奉じ、台湾が中国の領土の一部であることを断じて承認せず、国家分裂を鼓吹し、「1つの中国、1つの台湾」「台湾独立」を主張する者が存在する。こうした活動に共通する特徴は、カイロ宣言を葬り去り、その法的効力を否認することで、彼らの政治的目的に従わせようとすることだ。すでに問題は単なる法的レベル、カイロ宣言の法的効力を守るか否かに限定されるのではなく、政治レベルにまで引き上げられ、反日本ファシズム戦争の正義性を認めるか否か、対日作戦の勝利の成果を守るかどうか、第2次大戦後に構築されたアジア太平洋地域の国際秩序を尊重するかどうか、国際法と世界平和を守るかどうかに関わるようになっている。こうした重大な原則的問題が、まさか強く警戒し、熟考するに値しないとでも言うのか?70年を経た今日もなお、われわれはカイロ宣言の法的性格と法的効力を重ねて言明し、守る必要性があるようだ。(編集NA)
「人民網日本語版」2013年11月29日
http://j.people.com.cn/94474/8470127.html
(3)法的効力は検証済み
カイロ宣言は単なる政策宣言的文書ではなく、3カ国を拘束し、関係国に対して法的効力を生じる文書であり、国際協定の性格を備えている。『オッペンハイム国際法』(ジェニングス/ワッツ改訂)は「宣言が国家間の協定と見なされるか否かは、主に当事国の意思と使用する文言によって決まる」と指摘。 「条約法に関するウィーン条約」は「『条約』とは、国の間において文書の形式により締結され、国際法によつて規律される国際的な合意(単一の文書によるものであるか関連する二以上の文書によるものであるかを問わず、また、名称のいかんを問わない)をいう」と明確に定めている。「条約」の形式や名称は意に介さず、内容と本質を強調していることは明らかだ。カイロ宣言が通常の国際協定の形式を採用しているか否か、3カ国首脳の正式な署名があるか否かは、実は重要ではない。重要なのは、その内容が条約の定義に関する本質的要求を満たしていることだ。第1に、カイロ宣言は中米英政府首脳間で合意し、彼らの名で共同発表したものであり、3カ国の共通の意志と約束を表明した。第2に、正義と平和の維持という国際法の原則と目標に合致し、これを体現している。第3に、3カ国共同の対日作戦の目的、趣旨、懲罰措置を明確に規定し、法律的に確かな情報を明確に示した。したがってカイロ宣言は国家間の一般的な政策的声明と本質的に区別されるのみならず、3カ国間の拘束力ある協定として成立するのである。文書の形式と名称はカイロ宣言の性格と効力に影響を与えない。
国際文書が法的効力を持つか否かは検証を経る必要がある。カイロ宣言の法的性格と法的効力は、発表後の国際的履行によって検証済みだ。第1に、米英両国政府はカイロ宣言の法的効力に対する確信を様々な方式で表明し、カイロ宣言およびポツダム宣言の共通の約束を履行し、日本の降伏に対する処置と戦後日本の領土の取り決めに用いた。カイロ宣言の各条項の約束と行動を日本が受諾したことは、それが法的拘束力を備えることをなおさらに証明している。第2に、中国政府がカイロ宣言の規定に基づき、日本の降伏を受け入れ、台湾を取り戻し、台湾に対する主権行使を回復し、米英政府を含む国際社会の承認を得たことが、すでに確定的な法的事実を構成している。第3に、カイロ宣言はその後の国際法文書にしばしば盛り込まれ、または引用され、その法的性格と効力が主要大国と国際社会に認められた。朝鮮戦争前、米英政府はカイロ宣言の法的効力を間違いなく確認していた。1970年代以降の両国政府の対外文書も、これに正式に異議を呈してはいない。日本政府については、1972年の中日共同声明で「ポツダム宣言第八項に基づく立場を堅持」し、台湾を中国の領土とする中国政府の立場を十分理解し、尊重すると明確に約束したことが、「カイロ宣言」の法的効力を引き続き確認したことをはっきりと示している。(編集NA)
「人民網日本語版」2013年11月29日
http://j.people.com.cn/94474/8470631.html
(4)遵守しなければならない理由
「カイロ宣言」は中米英3カ国政府の一致した意思の表明であり、国家間の正式で厳かな合意である。そして「合意は守られなければならない」(pacta sunt servanda)は国際法の周知の原則であり、善意の遵守が当事国の国際的義務である。カイロ宣言に対して米政府は当初約束を誠実に守り、忠実に実施するとの厳粛な姿勢を見せていたが、遺憾なことに自らの約束を守り続けることができず、戦略的利益の変化による必要性から、一度はカイロ宣言に背離する立場に立ち、その法的効力を公然と疑問視し、いわゆる「台湾地位未定論」を打ち出して、事実上「合意は守られなければならない」の原則に違反したのみならず、禁反言(estoppel)という国際法上の原則にも違反した。国際法は当事国が以前すでに確認した、または行為によって肯定した事実を否定することを許さない。さもなくば、それによる法的責任を負うことになる。カイロ宣言に対する米政府の立場が前後で転換したことは、国際法を尊重する態度とは見なしがたく、人々には米国が当初の正しい立場に戻り、堅守することを待ち望む理由がある。人民日報海外版が伝えた。
70年前のカイロ会談とカイロ宣言は大国が協力し、正義を支え、悪を懲罰し、善を発揚する模範を国際社会に築いた。人々から長く崇め尊ばれ、記念されて当然だ。カイロ宣言の歴史は国際社会が正義を発揚し、侵略を懲罰した歴史であり、国際信義と国際規則を守るか貶めるかの歴史だ。カイロ宣言の歴史的地位と法的効力を否定し、揺るがすことは許されない。国際社会共通の利益はここにある。もしカイロ宣言の法的効力が本当に否定されれば、日本の侵略の罪と降伏の事実が覆され、反ファシズム戦争全体の歴史が書き換えられ、第2次大戦後の東アジア地域と太平洋地域の国際秩序が全て覆されて、日本侵略勢力が四方で猛威を振るった70年前の状況に戻る可能性が生じる。まさかこれが国際社会が期待し、受け入れを望んでいることだとでも言うのか?今日カイロ宣言を盛大に記念する必要があるのは、カイロ宣言の権威を守り、その法的効力を再確認し、正義を支え、侵略を懲罰する法的武器としてのカイロ宣言の役割を堅守し、発揚するためである。歴史の警鐘を鳴らし、現代世界史上の侵略と被侵略、略奪と被略奪の根本的是非を明確に区別し、日本侵略者に対する勝利の成果を守り、第2次大戦後に構築されたアジア太平洋地域の国際秩序を尊重するためである。
歴史を鑑とし、故きを温ねて新しきを知る。中国にとっては、カイロ宣言70周年を記念することには、なおさらに特別な現実的意義がある。日本の対中侵略戦争の苦しみをさんざん受けた中国国民は、帝国主義が中華民族を踏みにじる歴史の悲劇の再演を断じて許さない。われわれがカイロ宣言を記念するのは、中国人民民族解放戦争の勝利を追想し、中国の国土が帝国主義に略奪、分割、占領された屈辱の歴史の終結を銘記するためである。カイロ宣言の主張する国際正義と国際法の原則を堅守し、歴史を歪曲して侵略戦争の確定評価を覆す全ての不法行為に反対するためである。中国の国家主権、領土の完全性、正当な権益を守り、台湾海峡両岸が共に1つの中国に属すという原則的立場を守り、いかなる形式であれ国家を分裂させる行為に強く反対するためである。正義を支え、侵略を懲罰するカイロ宣言の理性の輝きが永遠に広がることを願う。(編集NA)
「人民網日本語版」2013年12月2日
http://j.people.com.cn/94474/8472636.html
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