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株式日記と経済展望
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エドワード・ルトワックは、「中国(漢民族)は実は戦略が下手だ。」「過去
千年間に漢民族が中国を支配できていたのはそのうちの3分の1である」
2013年10月14日 月曜日
◆自滅する中国 エドワード・ルトワック(著)
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4829505907?ie=UTF8&camp=247&creativeASIN=4829505907&linkCode=xm2&tag=rpe-22
カスタマーレビュー
◆アメリカの戦略家による、中国はなぜ対外政策面で今後行き詰まるのかを、大雑把ながらも鋭く分析した異色の書。
著者はその行き詰まる理由として、中国が巨大国家であるがゆえの「内向き」な思考を持っており、しかも古代からの漢民族の「戦略の知恵」を優れたものであると勘違いしており、それを漢民族の「同一文化内」ではなく、「他文化」に過剰に使用することによって信頼を失っていると指摘している。
さらに追い打ちとして、中国(漢民族)は実は戦略が下手だという意外な指摘を行なっており、その理由として著者は「過去千年間に漢民族が中国を支配できていたのはそのうちの3分の1である」と言っている。そしてこの戦略の下手さが、現在の台頭にも随所に見られるというのだ。
後半では日本を始めとする東アジアの周辺国の、過去五年間ほどの対中的な動きについて大まかに理解できる構成になっており、著者が驚くほど「嫌韓派」であることがわかるのは意外で面白いところだが、私が最も気になったのは、おそらく誰もが読み過ごしてしまうであろう22章の、アメリカの三つの対中戦略についての話だ。
キッシンジャーがなぜここまで親中派なのか、その理由があからさまに書いてある。
文章はやや固くて多少読みにくいと感じたが、それでも原著者の原文の読みにくさを考えれば、これは十分読みやすいほうの部類に入るのではないか。
◆甘言、阿諛、ウソ、脅し、裏切り、毒盛り、暗殺、奇襲・・・という中国の文化と政治を書いている。われわれ日本人なら多かれ少なかれ知っている事柄だが、欧米人にはなじみのない中国のことだから、啓蒙の効果はあるだろう。しかし、多くの欧米人には「本当? ウソでしょう?」と、すぐには信じられないかもしれない。
中国の演劇とか小説のことにもふれてあれば、中国がどんな世界かわかりやすかったかもしれない。アメリカ人のラットク自身も、われわれが何となく知っている、こうした中国の政治文化や外交政策を理解するには、ずいぶんと時間と研究をしなくてはいけなかったのではと想像する。
しかし、たとえばこの戦後の日中関係、あるいは日中国交樹立以後の日中関係、だけをみても、中国の伝統がわかる。たとえば数日前の新聞報道によると、反日政策が強い反中感情を生み出したので、こんどは一般の日本人をターゲットに親中的態度や感情を培養醸成するという。微笑み、もてなし、平手打ち、足げり、罵り、甘言、握手、唾ふきかけ・・・と、ころころ手をかえる。
こうなると、騙す中国より、騙される日本が悪い。
中国は他者を政治的に支配しておかないと安心できない。冊封関係がそれである。まず甘言と賄賂からはいり、次は経済的に依存させ洗脳。最終的に中国の支配下におく。こうなるともう中国は遠慮会釈もなく、冷淡冷酷残忍なとりあつかいをする(第4章)。
中国の孫子の兵法をとりあげる。これは2500年以上もまえ春秋戦国時代時代の中国の状況から生まれたものだが、この時代の中国内は群雄割拠の時代である。
これはルネッサンス期のイタリアの国際政治とおなじく、文化的に等質でおなじ規模の国家からなりたっていた時代の産物であり、第一に相互に徹底した実利主義と日よみり主義で闘争と協調がなされる。第二に故意に挑発し交渉に持ち込もうとする。第三に虚偽や騙しや、それにもとづく奇襲や暗殺が正当化されあたりまえになっている。
いまの中国もこれをそのままいっている。
中国人はこの古代からの戦略に深い知恵があるものと信じて疑わず、これさえあれば欧米などをあやつれ、優位にたてると考えている。キッシンジャーはこの中国の考えに敬意をはらう人間だ(第9章)。(ただし、この本には書いてないが、キッシンジャーはかって中国を嫌悪軽蔑していた。)
なお、著者は言っていないが、脅し、甘言、賄賂、裏切りなどは、中国人どうしの対人関係でも用いられる常套手段だ。だから中国は信用度の低い社会で、ご存じのとおり日本では考えられないことが起きている。
最近の習近辺の主席就任でも、随分なパワー・ポリティックスがあったらしい。いまの薄煕来の裁判も法の正義が実現されるのではなく、政治裁判のショーだ。
こうした中国のあきれるばかりの現金でお粗末なやり方は、かえって信用低下をまねき、中国にたいする公式非公式の包囲網を自然と形成させた。第13章以下ではオーストラリア、日本、ヴェトナムなどの中国への警戒がのべられる。
ただこうしたなかで、事大主義・朱子学ファンダメンタリストの韓国だけは中国にすり寄った(第16章)。その立派な口先とはうらはらに、自分は安全保障のコストをはらわずに、ただ乗りするありさまが書かれている。北朝鮮の核問題をどれだけ真剣に考えているのだろうか。
(韓国の政策からして、もう日本は韓国を朝鮮半島唯一の正統政府をみとめる理由や義務はなくなった。北が核を放棄し、拉致問題を解決すれば、アメリカが強く反対しないかぎり、北ももう一つの正統政府と考えていいのではないだろうか。)
中国がその表面とは違い、実態は多くの脆弱性をもつことは、近年欧米でもさかんに指摘されるようになった。最後に著者は、この本はいままでどおり中国が成長していうという前提で議論をすすめてきたと断り、この前提に立ちはだかる中国の現実問題にふれる。
著者は中国の民主化に望みをつないでいるが、社会が豊かになれば民主化するわけではない。これが欧米人の考えの弱いところだ。中国の中産階級は西欧の中産階級と違い、歴史上王朝権力を支持してきた。いまは共産党政府を支持している。また民主化した中国が親日とか親欧米だとは限らない。やはり中華的だろう。
この本の主題からすれば小さなことだが、著者には欧米人のあいも変らぬロシアについての無理解がある。ロシアはその歴史的経験から中国を大変警戒している。ロシアが伝統的にタタールの軛を離れ、ヨーロッパに復帰したいというその深層に理解がおよばぬようだ。ロシアはヨーロッパでありたいのだ。
この本のどこかで著者は、中国は日欧米から貿易で管理的に差別されれば、ロシアから資源を買いつけることによって、問題を解決できるとしている。しかし資源の爆食国家中国に資源さえあればいいというものではない。資源を魅力ある製品化する効率的技術とか、その製品の販路販売の市場といった点で、ロシアが日欧米に代れるわけではない。
中国は無差別公平な由貿易により大いにうるおい、かつ巨大化してきた。逆に、著者もいっているように、中国にたいし管理貿易をおこなえば、中国は大いに損をして弱体化する。この案は、著者に限らず、多くの人にも論じられている。
◆エドワード・ルトワック
ワシントンにある大手シンクタンク、戦略国際問題研究所(CSIS)の上級アドバイザー。戦略家であり、歴史家、経済学者、国防アドバイザーとしての顔も持つ。国防省の官僚や軍のアドバイザー、そしてホワイトハウスの国家安全保障会議のメンバーを務めた経歴もあり。米国だけでなく、日本を含む世界各国の政府や高級士官学校でレクチャーやブリーフィングを行う。1942年、ルーマニアのトランシルヴァニア地方のアラド生まれ。イタリアやイギリス(英軍)で教育を受け、ロンドン大学(LSE)で経済学で学位を取った後、アメリカのジョンズ・ホプキンス大学で1975年に博士号を取得。同年国防省長官府に任用される。主著の『戦略:戦争と平和のロジック』(未訳)を始め、著書は約20ヵ国語に翻訳されている。邦訳には『クーデター入門:その攻防の技術』、『ペンタゴン:知られざる巨大機構の実体』、『アメリカンドリームの終焉:世界経済戦争の新戦略』、そして『ターボ資本主義:市場経済の光と闇』がある。
(私のコメント)
読書の秋となりましたが、戦略本でも読むのにはいい季節になります。日本の大学には国家戦略を教える大学がなく、日本で戦略を論じているのはネット空間しかない。米英などでは歴史家による戦略本が数多くありますが、ルトワックの「自滅する中国」という本が面白そうだ。
中国人は大言壮語してスケールの大きな話が好きだ。周恩来とキッシンジャーの議論などにもそれが感じられる。だから中国は巧みな世界戦略でもあるかと思いますが、歴史を遡ればこれほど戦略で失敗している国はない。独善的で自分の価値観を押し付けるからですが、最終的には反発を食らって追い返されてしまう。
もっともアメリカ人もスケールのでかい話が大好きで、中国人とは話が合うようですが、アメリカの戦略家は「世界をいかに統治して行くか」を常に考えねばならない立場にある。しかしアメリカの歴史家や戦略家は東洋史には疎くて、中国の事を知らない。キッシンジャーにしてもブレジンスキーにしてもヨーロッパ史の事は非常によく知ってはいても、東洋史は驚くほど知らない。
対中国外交でもアメリカ人は中国人には騙され続けている。経済的に豊かになれば日本のような洗練された民主国家になれると思い込んできたようですが、中国政府は豊かになった経済力を軍事力増強に使いアメリカに歯向かうようになった。アメリカは戦前にも中国に8000人もの宣教師を送り込みましたが、酷い目にあって追い返されてきた。
日本人にしても、中国人には何度騙されてもまた騙されるのはバカとしか言いようがありませんが、中国人は人をだます名人であり、日本の政治家を籠絡して取り込んでしまうことは朝飯前であり、小沢一郎がそのいい例だろう。賄賂やハニトラなどは当たり前であり、広大な大陸風土に幻惑されて歓待されると舞い上がってしまう。
しかしこのような事をしても信用を失うだけであり、15億人の中国人はお互いを信用せず、政府は国民を監視するために多くの武装警察官を監視に当たらせていますが、ネット空間にすら監視要員を数万人も貼り付けて監視している。こんな社会が近代国家になる訳がなく、国家の求心力が失われれば自滅する。
アメリカも同じような国であり、スノーデン氏がロシアに亡命したように、彼の言うとおりアメリカ政府は秘密裏に国民を監視している。オバマ大統領がなかなか日本の首相が会談を申し込んでも応じないのは、中国の習近平が会談に応じないとの似ていますが、アメリカと中国は日本と日本人をバカにしており、孤立化させれば折れて来ると見ているのだろう。アメリカも中国も我こそは世界国家と自惚れているからですが、やがて共倒れするだろう。
小沢一郎も、気に入らない人物とは会談に応じないことで有名でしたが、自分を過大に評価して敵を作る。やがてはそれが自滅への道になるわけですが、中国と中国人はその繰り返しだ。中国人(漢人)は常に北方や西方の民族に侵略され続けてきたのは、団結力の弱さと相互不信の世界だからであり、アメリカや日本のように西方にも敵を作っている。
現在の中国は、モンゴル帝国の末裔であり、漢民族の中国は唐の時代に滅んでいる。過去1000年の歴史のうち700年は異民族に支配されて漢人は殺されたか逃亡していなくなったのであり、中華人民共和国という国家もわずか60年の歴史しかない。これでは人心も荒廃して国家も荒廃して長続きするはずがない。
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