01. 2013年8月30日 11:26:46
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2013年 8月 30日 10:44 JST 中国、南シナ海での紛争解決目指す多国間アプローチを拒否By JULIAN E. BARNES [image] AP 常万全中国国防相(中央)、ASEAN拡大国防相会議後の記者会見で(29日、ブルネイ) 【バンダルスリブガワン(ブルネイ)】中国の常万全国防相は29日、南シナ海における紛争を解決するための多国間アプローチには反対するとして、東南アジア諸国連合(ASEAN)諸国の姿勢を批判した。 同国防相は、ASEAN拡大国防相会議後の記者会見で、南シナ海での紛争がASEAN加盟10カ国と中国との関係を損ねてはならないとした上で、多国間アプローチに反対する理由として、ASEANには紛争で果たすべき役割がないことを挙げた。同国防相は「これらの紛争は直接関係する国だけで解決されるべきだ」とし、「中国は紛争の国際化や複雑化はいかなるものであれ反対する」と強調した。 関連記事 ASEANと中国、領有権問題での緊張緩和で前進 ケリー米国務長官、あらためてアジア重視を表明 同国防相の発言は、中国国営通信社記者の質問に回答したもので、通訳を介して伝えられた。中国のこうした姿勢は目新しいものではない。 米国の当局者らは、常万全国防相のコメントに驚いていないと述べるとともに、中国はそれにもかかわらず、同海域での海上規則を構築する行動規範策定を交渉することでASEANと合意したと指摘した。 ただ、常万全国防相の発言は、ASEANに関する米国と中国の見解が大きく異なることを明確に示す形となった。米国は領土紛争の解決法について特定の見解を持っていないが、南シナ海での紛争を解決するための共通アプローチを見いだす上でASEANが一定の役割を果たすことを期待している。 29日の国防相会議で出された共同宣言には予想外のことはほとんどなかった。しかし、米国の国防当局者は、同海域を航行する船舶間の紛争を回避するための実際的な措置を取ることをASEANが支持したことに勇気づけられた、と述べた。会議参加国は同海域における船舶間の衝突を回避するために、もっと合同軍事演習を行うべきだとの提案を承認した。 会議を主宰したブルネイのヤスミン・エネルギー相は「海上での偶発的で望ましくない衝突を減らす」ためのメカニズムを構築することで合意できたと述べた。南シナ海には石油・天然ガス資源が豊富に眠っていることから、同海域ではここ数年緊張が高まっている。 ヘーゲル米国防長官は会議で、軍事協力および東南アジアでの合同演習の改善について一連の提案を行った。事前に配布された発言コピーによると、同長官は「合同演習は信頼と理解を高めるのに役立ち、紛争が起きた時にリスクを減らすことになる」と語った。また、アジア諸国に対して、人命・災害救助に関する標準手続きを米国とともに作り上げるよう要請し、これによって危機時の通信、指揮、コントロールが改善されると述べた。さらに、より活発な多国間対テロ対策、情報共有の改善などを提案。イラク、アフガニスタン戦争時に米国が開発した軍事医療技術の共有を申し出た。 米国は東南アジアでの活動をテロと海賊対策、それに人道的危機への同盟国の対応能力向上に重点を置こうとしている。 ヘーゲル長官はサイバー犯罪もそのリストに加え、北朝鮮はアジア太平洋地域全体を危機にさらしていると批判した。同長官は「海賊やテロリスト、大量破壊兵器所有国、疾病、自然災害、それにサイバー犯罪に国境はない。われわれが共同で対処できなければ、これらがわれわれ全ての将来を脅かすことになる」と指摘した。
日本茶φ ★:2013/08/29(木) 20:17:48.19 ID:??? フィリピン外務省報道官は29日、アキノ大統領の9月3日の中国訪問を 一転して取りやめると発表した。報道官によると、アキノ氏が28日、 訪中を明らかにした後に中国側から「大統領の訪問は、(両国にとって) 利益になる時期が適切」との要請があり、フィリピン側が中国の意向を 踏まえて異例の中止を決めた。 アキノ氏にとって、南シナ海の領有権争いで対立が続く中国の首脳級 との会談を実現し、緊張緩和を模索することが訪中の目的だった。だが 中国から事実上、訪問を断られたことで、逆に両国の溝の深さが鮮明になった。 47NEWS http://www.47news.jp/CN/201308/CN2013082901001985.html フィリピン外務省報道官は29日、アキノ大統領が9月3日に予定していた 中国訪問を取りやめると発表した。
中国側が事実上の招待取り消しを通告してきたためという。両国間で 続く南シナ海の領有権争いが影響しているとみられる。 アキノ大統領は28日にマニラで記者団に、中国側の招待を受けて、 広西チワン族自治区南寧で開かれる「中国・東南アジア諸国連合(ASEAN) 博覧会」に出席する意向を明らかにした。ところが28日夜になって 中国側から比政府に「訪問はより適切な時期を選んで行うようにして欲しい」 との要請があったという。 YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20130829-OYT1T01070.htm
infinity>国際>岡崎研究所 [世界潮流を読む 岡崎研究所論評集] 「フィリピンの戦略パートナー探し」 激しい中比の領土紛争 2013年08月29日(木)岡崎研究所 7月23日付米Diplomat誌に、Julio Amador米中東研究所客員研究員が、「フィリピンの戦略パートナー探し」と題する論説を寄せ、フィリピンが中国との領土紛争に対して米国とアセアンに加え、日本、豪州と関係を深めようとしているが、これが将来の東アジア秩序に一定の影響を与え得る、と述べています。
すなわち、東アジアでは中国の台頭、特に南シナ海での領土紛争で緊張が高まっている。中比間の領土紛争はその中でもっとも激しい。フィリピンは、本件を国際海洋法裁判所に付託する一方、日豪と戦略的パートナー関係を結び、軍事、海事での協力を期待している。 日本とは戦略的パートナー関係を共通政策目標にし、2011年野田総理の頃、共同声明で正式に合意した。自由、民主主義、人権、法の支配などの共通の価値を関係の基礎とし、海路の保護も謳われた。日本はフィリピンにODAとして巡視船を供与する。これはフィリピンの海域の監視に役立つ。岸田外相は就任後最初に、小野寺防衛相も6月末、訪比した。(注:安倍総理も7月下旬、訪比した。)日比両国は、米国のアジアへの軸足移動に協力しようとしている。日本も中国と尖閣諸島問題を抱えている。また、フィリピンは、日本の艦船に寄港地を提供する用意を示した。 豪州には、アキノ大統領は戦略的パートナー関係を提案している。豪州はこの提案に応えていないが、両国関係は良好である。豪州は米国と共にフィリピンの沿岸警戒システムの運用パートナーであり、豪比間にはSOFVA(Status of Visiting Forces Agreement)がある。 フィリピンのこれらの努力を、中国から領土を守るための同盟建設と見る向きがあるが、そこまでは行かない。フィリピンは、北東アジア、東南アジアの地域秩序が一方的な行動ではなく、全ての国の協議の結果で決まるべきだと主張している。 米国は東南アジアの安全保障の主要な保障者であるが、比のような地域諸国は地域的規範の保障も必要としている。平和的行動規範策定は、軍事対峙の危険を減らす。 戦略的パートナー関係は同盟のような保障を与えないが、フィリピンの防衛に少なからず貢献している。日本は既に海洋監視で役立っている。またこれは間接的な抑止にもなる。 戦略的パートナー関係は当初は経済的なものであったが、今は安全保障の要素を含むものになっている。フィリピンは、民主主義的価値を共有する国は南シナ海紛争の平和的解決に利害関係を持つと主張している。フィリピンのこういう努力は出現しつつある東アジアの地域安全保障秩序の一つの要素である、と述べています。 * * * この論説を読んで思い出すのは、1995年の中比間のミスチーフ礁事件です。 当時、フィリピンは米国との間で、在比米軍基地(クラーク空軍基地、スービック海軍基地)の継続について強い要求を出して交渉していました。米側は呆れて、結局、米軍はこの両基地から撤退しました。 その後、領有権の棚上げを言っていた中国がミスチーフ礁に建造物を作り、実効支配下においてしまったのです。当時、ベーカー米国務長官は、フィリピンが米国の介入を求めてきたが、基地交渉のこともあり、介入しなかったと言っていたそうです。基地交渉がこじれる前には、米国は、この問題には米比条約が適用されると言っていました。 当時とは異なり、現在、フィリピンは、対中関係で、アセアンに加え、米国、日本、豪州の支援を得ようとしています。経験から学んだということでしょう。フィリピンがスカーボロ礁問題を国際海洋法裁判所に提起していること(中国は応じていませんが)、基地問題が影響を及ぼすこと等について、日本にもフィリピンの経験は参考になるでしょう。 日本は、フィリピンのこのような対中政策を基本的には支持すべきでしょう。巡視船の供与をするのは時宜を得ています。安倍総理の7月下旬の訪比も時宜を得ていました。 ただ、フィリピンに多くを期待されても、日本としては応じられないこともあります。集団的自衛権が行使できない限り、特異な歴史の産物である日米安全保障条約以外に同盟はあり得ません。集団的自衛権問題は、日本が同盟を結べるか否かの問題としても考えられるべきでしょう。 フィリピンにとっては、対米関係が最重要であり、それをあくまで重視することが適切でしょう。「食欲は食事中に増える」との諺がありますが、ミスチーフ礁を食べてしまった中国には警戒が必要です。 |