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空気がきれいな時の香港を映し出す大きな垂れ幕の前で記念撮影をする観光客（2013年8月21日）

　香港の大気汚染は今週、極めて高い水準に達し、ビクトリア・ハーバーをドロドロとした灰色に変えた。そして、香港政府に対し、住民への室内待機の警告を発するようせっつく格好となった。

　22日朝、香港の繁華街のコーズウェイベイ地区では、汚染水準が地元の大気汚染指数で187の高水準に達した。香港政府は汚染水準がこれほど高い時には、子供や病弱者、高齢者に対し、室内にとどまるよう勧めている。医療の専門家は、この高水準の大気汚染によって心臓発作や脳卒中が誘発される恐れがあると指摘している。

　香港では、2013年上半期に沿道の大気汚染が著しく悪化し、二酸化窒素の水準は一部の地域では最大22％も上昇した。4月には香港の大気汚染は過去数十年間で最悪レベルを記録した。沿道の計測機器では大気汚染指数が210まで上昇することもあった。

　クリーン・エアー・ネットワークのSum Kwong最高経営責任者（CEO）は22日、香港の重く息がつまるような空気が、台湾を襲っている強い熱帯性低気圧の接近によってもたらされていると指摘した。この熱帯性低気圧で香港では風がやみ、汚染が閉じ込められる格好となった。今週の汚染水準は特に、コーズウェイベイやモンコック、セントラルといった人混みの多い商業地区で特に高く、周辺の高層ビルも大気汚染の消散をさえぎっている。

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　香港の梁振英政権は過去1年間、大気汚染の浄化を目指して数多くの積極的な政策を打ち出してきた。それには、古い商業用ディーゼルトラック（香港の大気汚染の主要な要因）を廃棄するための100億香港ドル（約1270億円）規模の計画のほか、タクシーの排ガスをよりよく測定・統制するための強化策が含まれる。

　それでもKwong氏は、近い時期に大気汚染が低下すると住民は期待すべきではない、と指摘する。同氏は「現政権は政策の推進拡大により積極的に取り組んでいる」と話し、「問題はこうした政策がまだ実行されていないことで、2015年か16年までは何の変化も期待できない」と述べた。例えば、汚染をまき散らす商業用トラックを廃棄するという100億香港ドル規模の補助金計画は議会を通過していない、と同氏は指摘する。

　当面、屋外の有害な汚染については、住民は雨が降るのを期待し続けるくらいしかなさそうだ。同氏は「今日遅くには少し降るはずだ」と言い、「少なくとも、それによって汚染の一部は洗い流されるだろう」と話した。