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[日経新聞]
中国「影の銀行」まん延 企業がまた貸し不動産開発へ
半年で3兆円、連鎖破綻の懸念
【上海=土居倫之】中国の大手企業で、銀行を介さない「影の銀行(シャドーバンキング)」を使った資産運用が急拡大している。銀行から借り入れた資金をほかの企業にまた貸しする枠組みで、2013年上半期だけで約2200億元(約3兆4000億円)が新たに流入した。資金の多くは地方の不動産開発に使われている。地方政府の債務リスクが高まるなか、融資焦げ付きの影響が連鎖的に大手企業に及びかねない。
財テクに走る
シャドーバンキングは規制が厳しい銀行を介さない金融取引。中国の大手企業が銀行に代わって資金を融通する枠組みは11年ごろから広がり、その後も急ピッチで増え続けている。銀行が紹介した企業に高い金利で資金を直接貸し出す「委託融資」と、貸出債権を小口化した「理財商品」を購入するケースがある。銀行は融資にかかわる責任を取らず、貸し倒れリスクは大手企業が負う。
金融情報会社の大智慧によると、委託融資などに流入した資金額は12年に過去最高を記録したが、今年は1〜6月分の流入額だけで昨年1年間を上回った。中国の成長が鈍化するなか、財テクに走る大手企業が続出している。
中国東北部の吉林省長春市でケーブルテレビを運営する吉視伝媒。今年4月、リゾート地である海南島の不動産開発会社向けに2億元の直接融資を決めた。貸し倒れリスクはあるが、貸出金利は年20%と破格に高い。定期預金の基準金利(年3%)を大幅に上回り、収益力を高められると考えたからだ。
直接融資の相手先には地方政府が傘下に抱える投資会社「融資平台(プラットフォーム)」も多い。融資平台は大手企業などから巨額の資金を集めたうえで、地方政府の指示に沿って道路建設やダム工事などのインフラ開発を進める。地方政府が深く関与している融資平台は安全な投資先と映るが、融資が焦げ付かない保証はない。
地方政府は融資平台を通じて多額の資金を借り入れてきたが、債務膨張や景気減速でこの手法が限界を迎えている。金融市場は地方政府の「隠れ借金」を警戒。中国当局は銀行に対して融資平台には「融資を手控えるよう指導している」(銀行関係者)。
及ばぬ監視の目
融資平台は銀行を介さないシャドーバンキングに資金調達を頼らざるを得ず、大手企業や個人から幅広く資金を集め始めた。銀行以外の資金融通には当局の監視の目が及ばず、資金の流れの実態は不透明だ。
実際に融資の焦げ付きや延滞などのトラブルも増え始めている。
江蘇省の不動産会社に対して約3900万元を直接融資した浙江物産中大元通集団。年16%近い高い貸出金利が魅力だったが、3年の期限が過ぎても貸出金が返済されず、裁判所に訴える事態となった。
シャドーバンキングのまん延で、マネーの流れが複雑に絡み合った中国経済。融資平台の経営が悪化し、巨額の借入金の返済が滞った場合、直接融資の延滞や理財商品の元本割れなどを通じて大手企業の経営にも影響が及ぶ恐れがある。
金融市場では中国発の債務・金融危機への懸念がくすぶっている。投資家の不安は銀行経営にも広がっており、中国の銀行株は下落基調にある。中国・上海株が年初来安値を付けた13日には、中国の国有資産管理会社が銀行株を買い増す措置を実施したほどだ。
著名投資家のジョージ・ソロス氏は4月に中国で開催されたフォーラムで、シャドーバンキングに言及。「(金融危機を招いた)米国のサブプライムローン問題に似ている」と警告した。
融資平台 地方政府に代わり資金調達
▽…中国の地方政府が傘下に置く投資会社。平台はプラットフォームを意味する。中国の地方政府は慢性的な資金不足であるうえ、財政規律を維持するために地方債の発行も原則として禁止されている。地方政府が出資する融資平台はその抜け穴といえる存在。借り入れや債券発行を通じて自ら資金を調達し、地方政府の指示に沿ってインフラ投資などを進める。
▽…中国の債券決済機関によると、2012年に各地の融資平台が発行した債券は約6400億元となった。貸し倒れリスクを嫌う銀行が融資平台への貸し出しを絞り込んでおり、債券発行額は前年の2.5倍に急増した。これらの債券は理財商品(貸出債権をパッケージにした金融商品)に組み込まれており、さまざまなルートを通じて企業や個人が購入している。企業が間接的に地方のインフラ投資に融資している構図だ。
▽…通常、地方政府は融資平台に対して債務保証をしていないが、国際通貨基金(IMF)は融資平台を経由した地方政府の借り入れを「政府債務とみなす必要がある」と指摘している。公表ベースの中国政府の債務残高は国内総生産(GDP)比で15〜20%程度だが、地方債務や融資平台の借り入れなどを含めると、健全性の上限とされる50〜60%に達する見込み。さらに年金や旧鉄道省の負債を入れると90%前後になるとの試算もある。
[日経新聞6月19日朝刊P.3]
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