http://www.asyura2.com/12/china3/msg/534.html
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(回答先: 中国とベトナムが南シナ海領有権問題を“現状維持”で解決へ:ベトナム国家主席が国賓として本日訪中 投稿者 あっしら 日時 2013 年 6 月 19 日 03:36:03)
米犬さん、こんにちは。
【引用】
「>>中国が日本の施政権(表見的領有権)を認めることを前提
>厚顔無恥強欲な中国共産党はそんなことを認めるわけがない。こういう話をすること自体中国共産党の手先と考えられる話になる。 」
【コメント】
中国共産党は尖閣諸島に対する日本の施政権を認めるというか認めていると思っています。
中国共産党が日本政府に求めている“棚上げ”論は、その前提として、日本の施政権自体を認めていることを意味します。
人民解放軍の戚副総参謀長も、シャングリラ対話で、「釣魚島(尖閣諸島)問題について「中国側は後の世代に解決を委ねる姿勢を堅持する」と表明」しています。
さらに、中国外交部は、わざわざ、日本政府の主張を援用しながら、尖閣諸島に対する日本の施政権の正当性を補強しているくらいです。
「尖閣領有問題で見せる日中の“絶妙”なやり取り:礼を失する発言の一方で、日本の主張をわざわざ補強して報じる中国」
http://www.asyura2.com/13/senkyo148/msg/615.html
この投稿でも匂わせ、これまで何度も書いてきたように、日中両政府のあいだで既に水面下の決着が見られていると推測しています。
しかし、そのような裏取引である限り、ひょんなことをきっかけに尖閣領有権問題が再燃することを避けられません。
そう思っているからこそ、明文化した取り決めにすべきだと主張しています。
【引用】
「共同開発するはずの白樺は一体どうなったのか?」
【コメント】
08年の一部ガス田(白樺・翌檜の南側)を共同で開発するという日中間の合意はとっくに“死に体”になっていると思っています。
日本政府は、ガス田に対する中国の主権を認めるかたちでの共同開発に乗り気ではなく、中国共産党も、大陸棚主権論からガス田を中国のものと考え、日本に気を遣って共同開発を持ちかけたのに日本はその気がないのなら自分たちだけで開発を進めるという考えをしています。(ガスの埋蔵量もそれほどではないと見ているので深入りしたくないという思いもあるのでしょう)
東シナ海で日中両国の排他的経済水域が重なる日中中間線付近のガス田開発問題は、UN海洋法条約の解釈と近隣としての外交関係に関わることだと思っています。
日本は群島国で、中国は大陸沿岸国です。(但し、日本政府は群島基線を引くことができない地理的条件もあり群島国家とは宣言していない)
日本は、ガス田についても、重なり合う排他的経済水域の日中中間線で権益を分けるべきと主張し、中国は、大陸棚主権論で沖縄トラフまでの海底に存在する資源は中国のものと主張しています。
日中中間線の内側(日本にとって)にあるガス田は、その開発に日本の主権が及ぶはずですが、中国の大陸棚主権論との関わりを避けることはできません。
ガス田は漁業資源とは異なり海底地中に存在するガスを採掘するものですから、日中両国が批准しているUN海洋法条約に拠れば、中国の主権が及ぶ大陸棚が沖縄トラフを外縁とするものと認められると、日中中間線の内側であっても中国の管理下になってしまいます。
日本政府は、日中中間線の外側(中国側)であっても、ガスを採掘すれば日本側のガス田からもガスを採掘することになると抗議しましたが、それ以前に、中国の主権が及ぶ大陸棚の範囲が未解決なのです。
日中両国が批准しているUN海洋法条約は、海底の資源に関して次のように規定しています。
残念ながら、日本にとって有利な規定ではありません。関連部分を抜き出したので、ご参考までに...
UN海洋法条約
第五十六条 排他的経済水域における沿岸国の権利、管轄権及び義務
1 沿岸国は、排他的経済水域において、次のものを有する。
(a) 海底の上部水域並びに海底及びその下の天然資源(生物資源であるか非生物資源であるかを問わない。)の探査、開発、保存及び管理のための主権的権利並びに排他的経済水域における経済的な目的で行われる探査及び開発のためのその他の活動(海水、海流及び風からのエネルギーの生産等)に関する主権的権利
2 沿岸国は、排他的経済水域においてこの条約により自国の権利を行使し及び自国の義務を履行するに当たり、他の国の権利及び義務に妥当な考慮を払うものとし、また、この条約と両立するように行動する。
3 この条に定める海底及びその下についての権利は、第六部の規定により行使する。
※ 「第六部の規定」というのは、後ろで示す「大陸棚」に関する規定のことです。
第六十三条 二以上の沿岸国の排他的経済水域内に又は排他的経済水域内及び当該排他的経済水域に接続する水域内の双方に存在する資源
1 同一の資源又は関連する種の資源が二以上の沿岸国の排他的経済水域内に存在する場合には、これらの沿岸国は、この部の他の規定の適用を妨げることなく、直接に又は適当な小地域的若しくは地域的機関を通じて、当該資源の保存及び開発を調整し及び確保するために必要な措置について合意するよう努める。
第七十四条 向かい合っているか又は隣接している海岸を有する国の間における排他的経済水域の境界画定
1 向かい合っているか又は隣接している海岸を有する国の間における排他的経済水域の境界画定は、衡平な解決を達成するために、国際司法裁判所規程第三十八条に規定する国際法に基づいて合意により行う。
2 関係国は、合理的な期間内に合意に達することができない場合には、第十五部に定める手続に付する。
3 関係国は、1の合意に達するまでの間、理解及び協力の精神により、実際的な性質を有する暫定的な取極を締結するため及びそのような過渡的期間において最終的な合意への到達を危うくし又は妨げないためにあらゆる努力を払う。暫定的な取極は、最終的な境界画定に影響を及ぼすものではない。
4 関係国間において効力を有する合意がある場合には、排他的経済水域の境界画定に関する問題は、当該合意に従って解決する。
※「第十五部」は紛争の解決方法を規定したもの。
第七十六条 大陸棚の定義
1 沿岸国の大陸棚とは、当該沿岸国の領海を越える海面下の区域の海底及びその下であってその領土の自然の延長をたどって大陸縁辺部の外縁に至るまでのもの又は、大陸縁辺部の外縁が領海の幅を測定するための基線から二百海里の距離まで延びていない場合には、当該沿岸国の領海を越える海面下の区域の海底及びその下であって当該基線から二百海里の距離までのものをいう。
※ 二百海里はおよそ370Km
第七十七条 大陸棚に対する沿岸国の権利
沿岸国は、大陸棚を探査し及びその天然資源を開発するため、大陸棚に対して主権的権利を行使する。
1の権利は、沿岸国が大陸棚を探査せず又はその天然資源を開発しない場合においても、当該沿岸国の明示の同意なしにそのような活動を行うことができないという意味において、排他的である。
大陸棚に対する沿岸国の権利は、実効的な若しくは名目上の先占又は明示の宣言に依存するものではない。
この部に規定する天然資源は、海底及びその下の鉱物その他の非生物資源並びに定着性の種族に属する生物、すなわち、採捕に適した段階において海底若しくはその下で静止しており又は絶えず海底若しくはその下に接触していなければ動くことのできない生物から成る。
第八十一条 大陸棚における掘削
沿岸国は、大陸棚におけるあらゆる目的のための掘削を許可し及び規制する排他的権利を有する。
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