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「戦略評価2012」の次のような表現には、激動するアジアをにらみつつ政治的覇権を打ち立てようと決意している中国の思いがほとばしっている。
「世界の各大戦略パワーはアジア太平洋地域への注目と投入を競って強化し、地域の主導権をめぐる大国間の角逐が激化し、合従連衡が加速」
「アジア太平洋は世界の新たな地政学、経済、軍事上の中心となり、世界で最も潜在エネルギーを備え、最も急速に発展し、最も活力を備えた、最もチャンスに富む地域」
「地域構造には第2次大戦終結以来最も深い調整が起きようとしている」
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軍のシンクタンクが戦略評価報告を公表
軍事科学院国防政策研究センターは28日、国際戦略情勢を分析し、対応策を打ち出す「戦略評価2012」を公表した。中国軍側のシンクタンクが戦略評価報告を公表するのは初めてだ。
報告は中国語版と英語版があり、約5万字。「序文」「アジア太平洋の戦略情勢」「米国のアジア太平洋『リバランス』と中米関係」「主要大国の戦略の角逐」「地域経済発展の新形勢」「アジア太平洋の海洋安全保障」「イラン核危機」「朝鮮半島情勢」「アジア太平洋の軍事競争」の9部構成。
報告は「2010年代に入って以降、米国は戦略の重心のアジアシフトを加速し、中国の発展の波及効果が顕著になり、世界の各大戦略パワーはアジア太平洋地域への注目と投入を競って強化し、地域の主導権をめぐる大国間の角逐が激化し、合従連衡が加速している。すでにアジア太平洋は世界の新たな地政学、経済、軍事上の中心となり、世界で最も潜在エネルギーを備え、最も急速に発展し、最も活力を備えた、最もチャンスに富む地域となっている。アジア太平洋諸国間の協力と競争はいずれも深いレベルへと発展し、海洋権益争いは急激にヒートアップし、軍備競争は日増しに激化し、資源と制度をめぐる争いは日増しに先鋭化し、一部の国ではポピュリズムが台頭し、地域構造には第2次大戦終結以来最も深い調整が起きようとしている」と指摘。
さらに「アジア太平洋情勢の大変動は中国の平和的発展に新たな試練とともに、歴史的チャンスももたらしている。大国間の戦略の角逐、激しい海洋競争、頻繁な局地的動揺を前に、中国の安全保障環境は複雑性、敏感性、不確定性を増しており、戦略的圧力は冷戦終結以来第2の顕著な上昇期にある」とした。
「戦略評価」報告は軍事科学院国防政策研究センターの年次評価報告の1つで、各分野の専門家を集めてまとめられた。国防政策研究センターは2011年に設立。優れた研究資源を集め、学術交流空間を広げ、国防政策の重大な理論と現実的問題の研究を深化することで、国防政策の策定と実施、国家の戦略決定、国際的な理解と信頼の強化に貢献することを旨としている。「戦略評価2012」は国防政策研究センター設立後2冊目となる戦略評価に関する研究報告で、今後毎年こうした戦略評価報告を定期的に刊行する。
■解読(陳舟・軍事科学院国防政策研究センター主任)
--世界にわれわれの観点を理解させ、われわれの声を届ける
国際社会における地位と役割が高まり続けている国家として、われわれは国際情勢の発展、国際安全保障環境の変化、およびわが国の発展に対する影響を注視するとともに、われわれの観点と見方を打ち出す必要がある。これは国防政策研究センターの任務の1つでもある。年次戦略評価報告の発表は、世界にわれわれの観点を理解させ、われわれの声を届けるためだ。
われわれは広い国際的視点で世界を観察し、世界および国際安全保障環境の変化を受け止めるべく努めるとともに、専門家の観点を通じて、国際情勢と焦点となっている問題を正しく見ることができるよう皆を啓発し、誘導することを望んでいる。世界の安全保障情勢に対する分析を通じて、われわれの安全保障環境は依然チャンスが試練を上回り、「発展の黄金期と重要な戦略的チャンス期」になおあることを示した。
年次戦略評価報告公表の意義は、わが国が発展と安全保障上強く注目している問題を外部に率直に示し、かつこうした問題におけるわれわれの姿勢の表明を避けていないことにある。例えばわれわれがどのような問題に関心を払い、懸念し、どのような問題に対して圧力があり、どのような方面がチャンスまたは試練と感じているのかなどだ。
問題を避けず、試練とチャンスに落ち着いて向き合い、解決策を積極的に模索する。これは戦略評価の主たる特徴であり、われわれの開放性、透明性、自信を示す重要な目安でもある。
中国語版と英語版を同時に刊行したことも、中国軍のシンクタンクが世界に向かって歩んでいることをはっきりと示している。(編集NA)
「人民網日本語版」2013年5月29日
http://j.people.com.cn/94474/8262640.html
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