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鶏のカラアゲ話(その2)〜実践編!最強のレシピとその理論
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投稿者 チベットよわー 日時 2013 年 5 月 06 日 21:04:15: Xy93FIMaJupUQ
 

80年代前半に中国本土製造の「鶏の煮込み缶詰」をたべた記憶が残っていて、時折その憧憬にかられていた私。先日、本土出身の友人とその話になり、もう製造されていないことを知る。

そっからまたなんでカラアゲのレシピの話になったんだったか・・・・・・・それはともかく、和風中華料理にはかかせないアイテム、からあげについて美味しんぼかますことにしたのだ。

雁谷哲原作の「美味んぼ」は、日本各地、そして国内外の食文化についてドラマ仕立てのストーリーを長期連載している幅広い層に人気の漫画作品である。慶応大学の福田和也は「IQが低い」と批判しているが、みんなが理解して楽しめないと存続できない大衆娯楽に何を期待してんだか。

私は雁谷が電通社員時代を振り返って「毎日、食のこと以外は考えられない」と自白している小説に笑ったものだが、それでも雁谷のいう食道楽、グルメとは、有名な店をまわったり、変わった食材を試したりする、いわば一般消費者としての領域を出ておらず、自分で研究に取り組みアートとして追求するようなものではなかったことが私にはわかる。それが証拠に美味んぼにでてくる雁谷の紹介するレシピは、本当に試行錯誤を重ねて完成されたものであったためしがないのだ。ま、大衆娯楽に何を期待するわけじゃないんだけど。

ところでのっけから私は、からあげ否定派であることを告白しようと思う。まず、油で揚げるという方法がいけない。フライ=脂質とカロリーが増える、ということだけならまだいい。特にカラアゲに使う鶏の腿の場合、脂肪分が非常に高いため、薄いコーティングで揚げるなら付着する以上の脂質が外に流れて他の調理法に比べ逆にしまった仕上がりになるのだ。問題はそれ以上に、汚れた油の有害性である。その昔TVで大阪の落語家が「カレーパンは、あのギトギトした体に悪そうな色具合がええんや」などと言いえて秒な発言をしていたのだが、揚げ物全般にいえることが、不健康な焦げカスの香ばしさによって味や風味が左右されるという点である。ヨゴレが味付けの一部になっているといってもいい。オデン屋に数十年間も熟成させたばっちい出汁が置いてあるからとって、同じ発想を油に応用するのは私的にはボツなアイデアだ。揚げ物界のコロンブス、中国人はというと油はこまめに調達し、その都度に使う分だけを出してくるのが普通だ。香港式の飲茶が欧米や日本がやるように溜めっぱなしのフライヤーを使うのを醜悪だと嫌う人もいる。

ま、要は、あんましスマートな食い物ではないから、たまに頂く前提だということなのである。
ディスカッションをすすめる。

揚げたまま  VS 揚げた後ソースをからめる

和式のタツタ揚げや、KFCなどの源流ともいえるアメリカのサザンスタイルのフライドチキンが前者で表面は乾き、味付けはあげる以前に完成されている。こっちが所謂からあげだろう。後者は油からあげてさらに仕上げの過程があるものだ。たとえば南蛮。中華料理によく見られるのがアンカケソースとからめたウェットな仕上がりの左宗棠雞や陳皮雞と呼ばれる一品。辣子鶏もあり。典型的な欧米フードのウィングも主流は後者だ。こちらの言い分としては、浸透圧で油の中に流れてしまう味なら、後でつけたほうが合理的。それもそうなのだが、あくまでカラアゲが対象なので省くことにする。

ここでカラアゲの西洋と東洋の代表を紹介したい。西洋からは全米最高権威のジェイムス・ビアード賞を総なめにしてきたアメリカ人のトーマス・ケラーの著書からフライド・チキンである。そして、日本からは手堅くNHK『ためしてガッテン』のカラアゲだ。

・香辛料は必要か?

ケラーが、ガーリックとオニオンのパウダー、パプリカ、ケイエンヌ、黒胡椒、生ガーリック、レモンを用いるのに比べ、ガッテンは基本調味料だけで、スパイスは加えていない。私(チベットよわー)は鶏のからあげに必要な香辛類を2つだけ不可欠だと特定している。生姜とレモンだ。その反対に、NGの原材料に指定しているのが黒胡椒である。生姜とガーリックは完全な相討ちにはならないが、どちらかの風味を主人公にするならチキンに限っては生姜である。黒胡椒はガーリックにとっても生姜にとっても風味を殺してしまう悪役なのだ。それを感知する繊細さは残念ならがらアメリカ人にはない。ガッテンはレモンは使わないものの酢を使うことで酸味を加えている。そこは評価。生姜を使う場合、繊維が高温調理には向かないので絞り汁を用いること。

・塩水に肉を浸ける(Brine)下準備は必要か?

ケラーが重要な作業だと強調するのは、肉に下味をつける際の塩水浸けである。レモンをたっぷり浮かべた塩水に生肉を入れて半日冷蔵するように指導している。欧米では非常に頻繁にみられる工程でであり、本来的なKosher認定の生肉は塩漬けにされて売られるのが常道なのだと聞いたこともある。
私もこれにヒントを得て、焼き魚に塩をふるかわりに塩水に数時間つけてから焼き、仕上がりの水々しさに満足したことがある。ガッテンのほうでは調味料に10分つければよしとしており、水ぶくれするまで浸けろとはいわない。私(チベットよわー)のレシピでは肉を塩水もしくは調味料につける時間は1時間である。それだけ味がつけばいい。どうしてケラー式にしないのか?チキンをフライにするというのは、肉に含まれた多量の脂肪を加熱して搾り出すということである。水を細胞に取り込みすぎると、その際の加熱の温度があがりにくい箇所が出てきてスッキリと油ヌキが行われない不都合をまねくのである。 塩水に長時間つけ、柔らかくジューシーに仕上がったはいいが、肉の風味がどうも気になるという事態は困る。ケラーが多種の香辛料を使っている理由は実にここなのではないかと疑う。ちなみにケンタッキー・フライドチキンは一度冷めるとうまくないという定説があるが、あれも残り油のなせる技であり、きちんと油ヌキのできた竜田揚げならそうはならないはずだ。

・衣はどうする?

ガッテンは日本からあげの定番である片栗粉(本当はジャガイモからとった澱粉のこと)と少量の上新粉(これについては全く聞いたこともないので知らない)を混ぜたものとトキ卵で肉をコーティングしている。ケラーは小麦粉にスパイスをまぜあわせてたものまぶし、バターミルクにひたし、さらに同じ粉をつけてから揚げている。これがサザンスタイルだ。ここで決定的な違いがでる。ガッテンがやっていることは、余分な油の侵入から肉を守るための膜付けであり、ケラーのほうはむしろ油を呼び込むための服着せである。私は片栗粉と他の粉の1:1でいいという結論を持っている。


ここいらに注意して作れば、まずまずのカラアゲができるはずである。付け加えるなら、ガッテンでは塩味を鶏がらの素と醤油でつけている。私は生姜風味のカラアゲには和風出汁の素でもいいと考えている。醤油は酒類を使わないのであればいいが、酒類を足すのであれば余計な水分の元なので入れない、もしくは半分につめる。そのほうがコクもでる。

今回のレシピ完全版はヤフオクにて200円で販売中です。


よく、人それぞれに好みはある・・・などという腐った一般論を耳にするが、色んな趣向を広げていくことと、完璧最終形のレシピを保存することは決して矛盾はしない。重要なことは、大衆の自由奔放なやり方を楽しみつつも、不可侵の究極レシピがきちんと守られていくということだ。

青柳ういろう、王将餃子、カルピス、ヤクルト、日清カップヌードル、ハーゲンダッツ・ラムレイズン、なんてセレブな・・・・・・  

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