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釣魚島紛争:中日共に新たな現実を直視する必要がある
日本政府が昨年9月に釣魚島(日本名・尖閣諸島)の「国有化」を実施したことで、中日の政治関係は国交回復後最も冷え込んだ。膠着局面を打開し、難局から抜け出すには、中日双方が現実を直視し、現状を維持し、係争を棚上げにし、各自が管理・コントロールする対策を検討し、講じるべきだ。(文:董永裁・国務院発展研究センター研究員。環球時報掲載)
双方は以下の現実を直視すべきだ。
第1に、釣魚島はすでに日本側のみによる管理・コントロールから中日各自による管理・コントロールへと移行したということ。今年4月までに中国の海上取締り部隊は、すでに40回釣魚島海域の権益維持に赴いた。権益維持の過程で釣魚島海域に進入した日本側の漁船や右翼団体の船を果断に排除し、釣魚島海域の伝統的漁場での中国漁民の安全な操業を効果的に保護した。中国政府は釣魚島に対する権益維持目的のパトロールを常態化し、自らの領土における実際のプレゼンスと実効性ある管理の事実を世界に明示した。
第2に、安倍政権に「国有化」の過ちを正すよう要求するのは、ほぼ不可能であること。近年日本の政界は混乱し、政治の右傾化が著しく、民族主義勢力が強大化している。安倍政権は日本社会の右翼勢力の総代表だ。一方、日本国内の理性的で正義の牽制勢力は弱体化し続けている。領土紛争での日本の対中強硬姿勢は、米国のアジア太平洋回帰戦略の必要性に効果的に歩調を合わせたものでもある。米国は釣魚島問題における過去の曖昧政策を徐々に変え、日本右翼内閣を後押している。過去半年間に米国はF-22や「グローバルホーク」といった先進的な空軍の主力および海軍部隊を日本やグアムの基地に配備したうえ、中国を仮想敵国とする軍事演習を繰り返し日本と行った。米国は明にも暗にも日本の対中強硬姿勢を支持し、黙認する役割を果たしている。
第3に、「釣魚島紛争」において中国政府に退路は全くないということ。半年余りの駆け引きと力比べを経て、日本側は領土主権を守ることにおける中国の政府と民衆の決意と実力を目の当たりにしたはずだ。現在中国国内の民意の基礎は堅く、いかなる指導者も民意に背いて「釣魚島紛争」において妥協や譲歩をすることはあり得ず、またできない。中国は国防力を強化し、領土主権を守る物的基盤を備えている。
第4に、長期間の深刻な対峙は両国の根本的利益に合致しないということ。釣魚島紛争勃発後、政治関係が「凍りつく」中で、経済関係も大きな打撃を受けた。日本の毎日新聞によると、第1四半期の中国の対日輸出は前年同期比で3.6%減少、日本からの輸入は16.6%減少、日中貿易額は10.7%減少した。中日関係が悪化し続ければ、中日双方の根本的利益が深刻に損なわれることがわかる。
したがって中日双方の政治家は以下の現実と結末を明確に認識しなければならない。(1)中日双方は永久に隣人である(2)双方は付き合わないわけにはいかない重要な経済協力パートナーである(3)釣魚島問題は中日関係の全てではない(4)長期的な全面的対峙は各々の根本的利益に合致しない(5)摩擦を激化して戦争へ向かった場合の結末は想像するに忍びない。
現状維持、すなわち双方が各自巡航、管理・コントロールを行い、釣魚島を無人化し、双方共に上陸しないという現状を維持すること。こうした現状の維持は、新たな均衡の維持でもある
係争の棚上げとは、双方共に公に姿勢を表明せず、すでに形成された現実を事実上黙認し、主権問題を避けることであり、この海域と島嶼に係争が存在することを双方共に認めることでもある。故人である中国の指導者、トウ小平氏が指摘したように、われわれには知恵が足りないが、次の世代は私たちより賢く、皆が受け入れられる方法を見いだせるはずだ。
各自が管理・コントロールするとは、各自が共に権益維持目的の取締りを行い、双方および第三国の人員や船舶が釣魚島およびその海域に入って不法活動を行わないよう各々管理・コントロールし、この海域の静寂と平和を維持することだ。これと同時に事務レベルで対話や接触を行い、中日海上緊急協議制度をできるだけ早く創設・整備し、今後釣魚島およびその周辺海域で不測の事態が発生した際に緊急の意思疎通と協議を行い、適切に解決し、事態が悪化して大局に影響を与えることのないようにする必要がある。
中日双方の政治家と政策決定者は共に冷静に考え、両国の長期的発展にプラスとなる戦略選択をし、中日間の4つの政治文書の枠組みで正常な政府間協議、民間交流、企業・経済関係を回復し、中日関係を正常な発展の軌道へと戻すべきだ。(編集NA)
「人民網日本語版」2013年5月3日
http://j.people.com.cn/94474/8231494.html
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