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中国人はなぜ「モノの奪い合い」に走るのか?
2013年「清明節」(今年は4月4日)の前日、上海で初のH7N9型鳥インフルエンザ患者が報告された。人々は、この新型ウイルスに対する知識をほとんど持ち合わせていなかったが、江蘇省衛生庁が「H7N9型インフルエンザウイルスに対する漢方薬・板藍根の予防効果は高い」との公告を発表すると、新型SARSが流行した10年前、人々が先を争うように板藍根を買い求めた騒動と同じ状況が、華東の多くの地域で再現された。「新型肺炎三種の神器(マスク、板藍根、酢)」が復活し、再び飛ぶように売れ始め、一部の地方では品切れ状態となった。2年前、マグニチュード(M)8.9の東日本大震災とそれに伴う東京電力福島原子力発電所での放射能漏れ事故が発生した時には、中国沿海部の浙江・江蘇・山東各省の多くの都市で、人々が塩を買い占めるという現象が起こり、塩の値段は一気に1袋20元(約318円)にまで急騰した。また、「世界終末の日」がやって来るというデマによって、蝋燭を買い求める人が続出した。このように、中国では、ひとつの商品を奪い合うように人々が買い求める事例は枚挙にいとまがない。人民網が伝えた。
これら一連の行為について、どのように解釈すべきか、つい戸惑ってしまう。そして思わず、「中国人はどうしてすぐにモノの奪い合いに走るのか?モノを奪いあうことで、中国人が生き延びる活路が開けるのか?」と質問したくなる。日常生活でも▽信号を無視して横断する▽座席を取り合う▽横断歩道のない場所で車道を横断する▽住宅購入に押し掛ける▽我先に切符を買い求める---などの現象は、珍しくもなんともない。中国人にとって、「我先に奪い取る」という行為は、ごく日常茶飯事なのだ。このような生活習慣が、さらには海外にまで持ち込まれるケースも少なくないことから、海外の観光地では、「順序良く並んで下さい」など、中国人向けに中国語表記の注意事項が掲示されている。中国人が並ぼうとしないのは、外国人にとっては理解しがたい行為である。限りある資源と生存本能から、中国人なら誰しも、少しでも多くを得ることを常に望んでいる。従って、争奪戦が起こるのも不思議ではない。問題となるのは、全員に十分行きわたる場合でさえも、多くの人が奪い合おうとすることだ。このような現象は、「奪い合い」が中国人にとってひとつの習慣となってしまい、「奪い合うのは当然」という考え方が固定化してしまった事実を示している。
これについて、「奪い合いは競争の一種であり、自身の向上のために努力している現れだ」と弁解する人がいるかもしれない。奪い合いは、一見したところ競争のようだが、決して本物の競争ではない。本物の競争とは、その競争のルールに従って、個人が能動性を発揮し、お互いに全力で勝負するプロセスを指す。勝者と敗者はともに、競争の結果を受け入れる。一方、中国式「奪い合い」は、秩序のないカオス状態であり、奪い合うための条件さえも整っていない場合もある。もし「中国式奪い合い」を競争と見なすとするなら、それは無秩序状態における競争であり、決して健全な競争とは言えない。
「中国式奪い合い」が形成されたのは、単なる偶然ではなく、さまざまな文化的要因による総合的な結果である。理性的判断に欠けていると、情報の真偽を見極めることができず、大多数の人と同じ行動を取らざるを得なくなる。また、規則を軽視することで、無秩序が生まれる。このように、「理性的思考の欠如」「規則の軽視」「群集心理」という三者が互いに結びつき、「中国式奪い合い」が、中国人の日常生活のさまざまなシーンに現れるようになった。(筆者:中国高等教育学会公共関係専門委員会秘書長・雍天栄)(編集KM)
「人民網日本語版」2013年5月3日
http://j.people.com.cn/94475/8231863.html
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