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中国のチベット族の僧侶や住民らの焼身自殺が続き、未遂を含めると百人を超えたとされる。命を懸けて訴えるのは「チベットの自由」「ダライ・ラマの帰還」などで、中国政府による対チベット政策に強く抗議する。中国当局は抑え込みに躍起になっており、青海省のチベット族居住区では、表面上の平穏とは裏腹に厳しい監視の目が光っていた。 (青海省黄南チベット族自治州同仁県で、佐藤大、写真も)
標高二千五百メートルを超える同仁県郊外の村。住民は羊やウシ科の動物ヤクを放牧し、つましく暮らす。この村のチベット寺院で昨年十一月、当時二十一歳の女性が焼身自殺した。
「娘がどうしてこんなことに…。私たちにも分からない」。壁に背をもたれ、点滴を受けながら父親(50)は途方に暮れていた。
遺族によると女性は家業の羊飼いを手伝い優しい性格だった。信仰心が厚く、寺院にもよく通っていた。自殺の予兆や遺書はなく、父親はショックで体調を崩している。
米政府系のラジオ自由アジア(RFA)によると、焼身自殺を図ったチベット族は二〇〇九年二月以降、四川省や青海省で相次ぎ、百七人(うち八十九人が死亡)を数えるという。大半は十代から二十代前半と若く、信仰の自由やチベット仏教最高指導者ダライ・ラマ十四世の帰還を求めて命を投げ出した。
〇八年三月のチベット騒乱後、集団抗議は徹底的に抑え込まれ、個人の抗議の意思表示のため、焼身自殺が始まったとされる。
インドのダラムサラにあるチベット亡命政府は、焼身自殺の理由を「中国政府による政治弾圧や同化策、社会的差別、環境破壊への憤り」とする。
一方、中国政府は「国外の国家分裂主義組織による扇動だ」と主張。ダライ・ラマを指導者と仰ぐチベット独立派の画策とみて、真っ向から対立する。
自殺した女性の家族は、貧困世帯に支給される生活保護が自殺で打ち切られた。自宅は当局に監視され、知人の助けも得られず孤立している。
四十代の僧侶は「自ら命を絶つ行為は教義に反する」と訴えながらも、「寺院の中でお経を読む時間さえ政府に管理される。だからこそ自由を求め、命を懸けて抗議する人々がいる」と嘆息した。
<チベット独立運動> 1951年に中国人民解放軍がチベット自治区ラサに進駐。激しい抵抗運動が起き、ダライ・ラマ14世は59年にインドに亡命した。中国当局は2008年に起きた大規模騒乱を武力弾圧。チベット側は「高度な自治」を求めるが、中国側は「事実上の独立」として拒否。14世特使と政府高官との交渉は、10年1月を最後に途絶えている。亡命チベット族は約13万人。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2013022802000114.html
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