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http://sankei.jp.msn.com/world/news/130204/chn13020420170004-n1.htm
2013.2.4 20:16 産経新聞
【北京=矢板明夫】沖縄県・尖閣諸島をめぐる日中両国の対立が深まるなか、約70年前の日中戦争をテーマとするテレビドラマが、中国国内で大量に制作されている。背景には、「日本との戦争ものなら当局の厳しい検閲を通りやすい」という番組制作側の事情があるという。
中国紙、重慶晩報によると昨年、中国全土のテレビ局で「ゴールデンタイム」に放送されたテレビドラマは200本余りで、うち70本以上は日本軍との戦争や日本人スパイとの暗闘がテーマだった。浙江省東陽市には当時の町並みを再現した抗日ドラマの撮影基地があり、13年1月末現在、9本が撮影中だという。
最近の抗日ドラマは史実を無視したものが多い。寺院の尼僧が抗日ゲリラ部隊を作ったり、抗日の英雄と日本の大物政治家の娘が恋に落ちたりする話のほか、美女だけで組織された暗殺団が日本軍高官を狙うといった杜撰(ずさん)な内容が目立つ。
日本兵を演じるエキストラはてんてこ舞いの忙しさだ。中国紙、金華日報(電子版)によれば、エキストラ歴4年の史中鵬氏(26)は人相が悪いなどの理由で、多くのドラマで日本兵役に選ばれた。同じ日に複数のドラマに出演し、計8回も中国軍の兵士らに“殺された”こともあった。「一度でいいから八路軍兵士を演じてみたい」というのが史氏の夢だという。
大量制作の背景に、中国政府がしく厳しい検閲制度がありそうだ。現代の中国人の生活を描くとすれば、格差や腐敗などの社会問題は避けて通れない。発禁処分を受ければ投資が回収できなくなる危険性がある。
劇作家の高大庸氏は中国メディアの取材に、「最近審査が厳しくなり、歴史ものも引っかかるケースが増えた。抗日は最も安全なテーマだ」と話している。
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