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格差の指標・ジニ係数は何を物語る?
国家統計局はこのほど初めて2003年から12年までのジニ係数を発表した。それによると、ジニ係数は08年に急上昇して0.491ポイントとなったが、12年は0.474ポイントに低下した。「人民日報」が伝えた。
ジニ係数は所得の格差をはかる指標の一つだ。国が初めてジニ係数を発表したのは、中国共産党と中国政府が格差の問題を重視していることの現れだ。中国のジニ係数は0.47-0.49ポイントで低いとはいえない。一部の人は先進国の給与制度、所得構造、社会福祉構造で設定された基準を踏まえて、ジニ係数の「警戒ライン」を0.4ポイントとし、またジニ係数の高さをめぐって議論している。中国は今、所得分配における格差の問題をしっかりと見据え、しっかりと解決するべき時にきている。
ここ数年来、中央政府から地方政府まで、所得分配における格差を縮小するためにさまざまな取り組みを行ってきた。医療保険や社会保険の制度を整え、国有資本の収益に対する税率を引き上げ、国民生活への投資を年を追って拡大してきた。こうした国民を豊かにするための一連の力強い措置によって、ジニ係数の上昇傾向をくい止めることができた。だが所得分配の格差の問題はかなり複雑なもので、実践を通じて「下を引き上げ、中を増やし、上を抑える」ための取り組みをさらに進めなければならない。
次のような事例には深く考えさせられる。中国人民政治協商会議広州市委員会(広州市政協)のグループ別討論会では現在、清掃員の給与が低すぎることが問題になっている。だが関連部門によると、清掃員の給与をどれくらい引き上げれば、同一労働同一賃金が実現するかという問題をめぐって、現在は上位法の規定がないため、実践の中での操作が難しいという。制度が不完全なために整備が難しいというのだ。
所得分配をめぐってもこれとよく似た難しさがみられる。たとえば一部の地方での給与の団体交渉では、労使関係のバランスをはかる制度の未整備に外部の経済環境のマイナス要因が加わって、実際には交渉が空転しており、第一線で働く労働者の権利を守るという役目が果たされていない。
現実に起こっている問題から、所得分配の格差をめぐって、今、次のような難しい問題を抱えていることがわかる。「下を引き上げ」ようとしても上位法によって法的な支持を行うことができず、「中を増や」そうとしても税制度が整備されておらず、「上を抑え」ようしても政策措置が整っていない、という問題だ。
よって所得格差の拡大をくい止めるカギや突破口は、上部についての計画設計を改善し、制度に基づく供給を増やし、総合的な統治を実現させることにある。中国共産党第18回全国代表大会(十八大)で指摘されたように、所得分配制度の改革を深化させ、国民の所得分配の状況を調整し、給与制度を改革し、所得分配の秩序を規範化し、発展の成果をより多くより公平に国民全体に行き渡らせる必要があるのだ。
現在、先進国のジニ係数は0.24ポイントから0.36ポイントの間に収まるのが一般的で、「中所得のわな」に陥った経済体は0.5ポイント前後をうろうろしている。過去の失敗例をみて、われわれはトラブルへの警戒の意識と問題意識をより強くもち、積極的な態度と慎重な政策で問題を深く探り、解決していかなければならない。
ジニ係数がもはや「神秘的な数字」ではなくなった今、所得分配改革の新たなスタートを切る必要がある。改革を進化させ、制度のイノベーションを進め、これまでの思想や観念による呪縛を勇気をもってうち破らなければ、すべての人が中国の発展によるプラスを享受することはできない。すべての人が発展の利益を享受できるようになることこそ、われわれの努力すべき方向性だ。
▽用語説明
ジニ係数(Gini coefficient)は中国では「基尼係数」、「堅尼係数」と訳される。20世紀初頭にイタリアの経済学者コッラド・ジニが考案した、ローレンツ曲線に基づいて所得分配の平等さをはかる指標だ。国民の所得分配の格差の状況を総合的に考察する場合の重要な分析指標として国際的に用いられている。係数の範囲は0から1で、0に近いほど所得分配が平等である(格差が小さい)ことを示し、1に近いほど所得分配が不平等である(格差が大きい)ことを示す。国際的な基準に従えば、0.4以上は所得の格差が大きい警戒ライン、0.6以上は所得の格差が非常に大きい危険ラインとされる。(編集KS)
「人民網日本語版」2013年1月22日
http://j.people.com.cn/94476/8101443.html
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