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http://list.jca.apc.org/public/cml/2013-January/021825.html
[CML 021988] 元サッカー日本代表監督の岡田さんが尖閣問題で
久下格 kuge_on_cml at aoisora.org
2013年 1月 9日 (水) 14:14:23 JST
国労組合員の久下です。ただ新聞記事を紹介するだけの投稿ですみませんが…
元サッカー日本代表監督で現中国1部リーグ所属チーム監督の岡田武史さんが、1月9日付朝日朝刊で尖閣諸島問題などについて、とてもすてきな発言をしています。
「…本質を見れば、尖閣問題もばかげているなと。お互いに固有の領土と言うけれど、いつから固有なんだと。地球の歴史46億年を460メートルとしたら、ホモサピエンスの歴史20万年はわずか2センチだよ」
「幼稚園のときに砂場で遊んでいて、ここから入るなと友だちを排除したら、先生に『どうしたら仲良く遊べるか考えなさい』としかられたことがあった。それと同じで、けんかするか、話し合うかしかない。じゃあ戦争するのか。私はしたくない。ただ、それだけのこと」
「…ステレオタイプ的に『中国人は怠惰だから』と言う人がいるけど、実際には違った。約束を守らないとも言われるけど、そんな人は日本にもいる。民主党も自民党も全然守っていないじゃない。中国を嫌う人は多いけど、実際に行ったり、住んだりした人はどれくらいいるのか。相手を知らずに嫌いというのはおかしい。…」
お読みになれる方は全文をお読みになることをすすめます。私はいっぺんに好きになりました。
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http://digital.asahi.com/articles/TKY201301080317.html
〈インタビュー〉岡田武史さんに聞く中国サッカー
サッカーの日本代表監督だった岡田武史さんが、今年も中国スーパーリーグ(1部)の杭州緑城を監督として率いる。
11位に終わった就任1年目の昨年、価値観の違いにぶつかり、尖閣諸島問題で日中関係がきしむ中でシーズンを乗り切った指揮官の目にアジアの隣人はどう映ったのか。
スポーツが持つ可能性は? 一時帰国した折に聞いた。
■自己管理と忠誠心 先入観なく伝え 変わり始めた選手
――日本人と中国人、同じアジア人でも違う面が多いと聞きます。指導する上で強調したのは何ですか。
「中国人全体かどうかはわからないが、選手に言い続けたのは自己管理・自己責任と、もう一つがチームが勝つために戦うロイヤルティー(忠誠心)。中国人コーチは『中国人は管理しないとだめだ』という。例えば、寮の門限を決めてコーチが見回っていたんだが、やめさせた。確かにいろんな問題が起きて犠牲者も出た。でも、そのたびに選手たちが自分で気づいて変わっていった」
――犠牲者、ですか。
「試合前泊のホテルを抜け出した選手がいるという話が出た。『信頼していたのに許せない気持ちだが、もう1回チャンスをやる。抜け出した選手は言いに来い』と話した。中国人コーチは絶対来ないと言ったけど、名乗り出た5人に『次に裏切ったら許さない』と伝えた。1人が同じことを繰り返したので解雇した。かわいそうなことをしたけど、チームには必要だった」
――今年から2年間の契約延長に至るまでにオーナーとも衝突があったそうですね。
「2度、昨年限りで辞めようと思った。7月に中国代表歴のあるDFの選手を移籍させるとオーナーが言ってきた。その選手を出すことは理解できなかったが、移籍金で外国人選手を補強したいと私が話すと、向こうは了解したような返事だった。選手を決めて杭州に戻ったら、オーナーの下にいるクラブの社長が『そのカネは使えない』という」
「そのときは我慢したが、少し後にまた事件が起きた。勝った試合で使った若手を次も先発で使えとオーナーが求めてきた。翌日、遠征先で中国人コーチが杭州に置いてきた若手4人がこっちに向かっていると漏らしたのを聞いて激怒した。契約延長の話は受けられない、1年で辞めると伝えた」
――そこまでの現場介入は珍しいでしょう。
「オーナーは人間的にはいい人だし、悪気はない。監督はこれ、選手はこれとゲームでチームを作っているような感覚。私が怒っている理由を理解できなかったはず。話し合って、今はうまくいっている。でも日本も変わらないかな。昔、日本でもめたこともあった」
――それでも辞めなかった。
「誕生日(8月25日)の前日に、遠征に出る杭州の空港で、ハッピー・バースデーを歌ってくれたサポーターに出迎えられた。『辞めないで』と。機内で2時間考えて、自分のためではなく、選手、スタッフ、サポーターたちを笑顔にするためにやる仕事だと思い出した。才能を持つ若手がいて理想のサッカーができるんじゃないか、だめなら日本に帰ればいいと自分の夢を追ってきたけれど、それは許されないことだと教えられた」
「でも悔しいから、オーナーに2年目の補強費や現場には口出ししないなどの条件をつけて、全部のんでもらった。そうはいっても、また口出しするだろう。そのあたりの感覚は日本人とは違う」
――中国はメンツを大事にする社会と言われます。
「ユース年代の練習でミニゲームをやって、負けたほうは土下座して『参りました』という罰ゲームを与えると、必死にプレーする。でも、負けても絶対に土下座はやらない。メンツやプライドに年齢は関係ない。だから相手を立ててあげないといけない。尖閣諸島問題も、国有化を巡って当時の胡錦濤(フーチンタオ)国家主席のメンツをつぶされたことが決定的だったと聞いた」
――尖閣問題のときは杭州でもデモがあり、直後の試合が中止になりました。身の危険を感じたことは。
「普段の生活で嫌な思いをしたことは一度もない。試合中止は、日本人が監督をしているチームだからではなく、試合の警備に人手が足りないことが理由だった。確かにひどい暴動もあったけど、報道の中には誤解もあったと思う」
――でも、相当な反日感情がないと、あんな騒ぎにはなりません。
「日本を好きだとは思っていない中国人は少なくないかもしれない。それでも、自分の子どもを戦場に送ろうとは思わないだろう。政治システムからいえば、お互いに立場があって解決できない。そんなときには人の絆や信頼しかないと思う。その糸口が文化であり、スポーツ。政治家でもない自分ができることは、中国人と日本人が心をひとつにしてプレーする姿を見せること。
だから、中止になったときも今こそ試合をしたい、だからこそ日本に帰れないと思った」
■自分が出来るのは 心ひとつのプレー 次世代につなげる
――中国にいると、日本人である自分を今まで以上に意識させられるでしょう。
「変わらない。確かに自分は日本が好きだし、日本人としてのアイデンティティーを持っている。代表監督として日の丸を背負って戦った経験もある。でも、本質を見れば、尖閣問題もばかげているなと。お互いに固有の領土と言うけど、いつから固有なんだと。地球の歴史46億年を460メートルとしたら、ホモサピエンスの歴史20万年はわずか2センチだよ」
「幼稚園のときに砂場で遊んでいて、ここから入るなと友だちを排除したら、先生に『どうしたら仲良く遊べるか考えなさい』としかられたことがあった。それと同じで、けんかするか、話し合うしかない。じゃあ戦争をするのか。私はしたくない。ただ、それだけのこと」
「尖閣問題のようなことが起きることは、中国に行く時点である程度は予想していた。何かが起きたときに、地球を救いたいとか、人類を救いたいとか、そこまでは考えていない。自分の3人の子どもの時代に争いを残したくない、いい社会、いい地球を残したいと思うだけ。子どもたちのためと考えると、どんな問題でも答えはシンプルに出る。例えば原発もそう。何が次の世代にプラスになるんですかと」
――中国人とはどう付き合っていけばいいのでしょう。
「もともと、中国人はこうだからという先入観を持っていない。だから構えてもいないし、特別にこうしなければいけないとも考えてない。ステレオタイプ的に『中国人は怠惰だから』と言う人がいるけど、実際には違った。約束を守らないとも言われるけど、そんな人は日本にもいる。民主党も自民党も全然守っていないじゃない。中国を嫌う人は多いけど、実際に行ったり、住んだりした人はどのくらいいるのか。相手を知らずに嫌いというのはおかしい。私も帰国して日本の新聞を読んで、中国は自分勝手だな、嫌な国だなと思うことはある。でも、杭州に戻って出会う中国人の大半からはそういう感情は起きない」
――それでも我々はひとつの事実をもとにこうだと言いがちです。例えば、中国の選手が自立できないのは一人っ子政策が原因だと。
「そうだろうか。うちの選手は、試合のハーフタイムでも選手同士でものすごく話すようになった。最初は監督が何とかしてくれるだろうと考えていたみたいだけど、1部残留争いをする中で任せておけないと思ったのだろう。それを見て、中国人コーチも変わってきた」
「日本の選手も20年くらい前は、自己判断できないのは均一的な学校教育のせいだと言われていた。でもサッカーにおいてはそれを変えられたし、多くの日本選手が世界の舞台で活躍している。一人っ子政策のせいだというのは言い訳。社会を変えられるとまでは言わないけど、サッカーは間違いなく変えられる。現実に杭州の選手が自分で変わり始めているのだから」
■取材を終えて
岡田さんは自宅と杭州市郊外の練習場を往復する毎日で、中国語はタクシーを使える程度。それでも熱烈なファンがいる。言葉も国境も超えられるものなのだろう。「違いなんて日本人の中でもいっぱいある」。
だから日中の違いにとらわれることにどんな意味があるのか。そんな問い掛けを真っ正面から受けた気分になった。(編集委員・潮智史)
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おかだ・たけし 56年生まれ。早稲田大、古河電工(現J2千葉)でプレー、24試合の日本代表歴。代表監督として98年W杯に初出場、2010年W杯16強入り。
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〈中国スーパーリーグ〉 不動産などの資産家オーナーが巨額資金で選手や監督を集め、昨季は16チーム中13チームが外国人監督。2連覇した広州恒大の年間予算は70億円以上といわれる。一方で中国代表チームは低迷し、昨年の五輪、14年W杯とも予選敗退。
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