http://www.asyura2.com/12/china3/msg/414.html
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新年特別号を中国共産党宣伝部に改ざんされた南方週末に続き、北京紙・新京報でも記者が抗議している様子が中国版ツイッター・微博などを通じ発信され始めた。9日未明のことである。共産党寄りの社説を転載しろと迫る宣伝部と対抗していたのだ。そしてその結末は――。翌朝から聞き込んだ証言をもとに、朝日新聞が深夜の攻防を再現している。
<参照>
北京紙、共産党系社説転載に抗議=社長辞意で宣伝部に抵抗―南方週末支持暗示・中国(時事通信)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130109-00000075-jij-cn
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http://digital.asahi.com/articles/TKY201301090608.html
「社説転載なら社長辞める」北京紙も抗議、及ばず 改ざん指示に反発(朝日新聞)
広東省広州の南方週末本社前で9日、「権力乱用を拒否しよう。新聞の自由を守ろう」と書いた横断幕を掲げる市民たち=小山謙太郎撮影
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(1面から続く)
●やって来た男
北京紙「新京報」=キーワード=の本社に縁なしメガネをかけた男が乗り込んできたのは、8日午後8時を過ぎたころだった。メディアに強大な権力を持つ北京市の共産党宣伝部副部長、厳力強氏。用件を、同紙の戴自更社長はよく分かっていた。
広東省の週刊紙「南方週末」の新年特別号が当局の指示で改ざんされた問題で、党中央宣伝部は1本の論文を転載するよう命じていた。「中国でメディアが政府に対抗すれば、必ず敗者になる」とする党機関紙・人民日報系の環球時報の7日の社説。宣伝部は北京の主要4紙に8日の転載を命じたが、新京報だけが載せていなかった。
新京報の内部事情に詳しい複数の関係者が朝日新聞に語ったところによると、厳氏は8日午後から繰り返し社説の掲載を求めた。しかし、同紙は応じず、厳氏は直接、乗り込んできた。
厳氏と会議室で談判していた戴社長と編集局長らは、「民主的な投票で決めたい」と言い始めた。その時、編集局にいたのは記者や編集者ら100人余り。社説を転載するか、しないか――。全員が「反対」と意思表示した。
戴社長は「転載はしない。それでも載せろというなら、私は辞職する」と宣言した。「社長が辞めるなら、自分も辞める」という記者も現れた。厳氏はいったん本社を後にした。
●「印刷認めない」
しかし、圧力を強めたのはそれからだった。厳氏は電話で指示を出し続けた。
「社説を転載しないなら、印刷を認めない」。9日午前1時半ごろ、印刷工場に新聞の印刷をしないよう指示が出た。
騒ぎを聞きつけた記者たちが、自宅から続々と本社に上がってきた。午前1時過ぎから、中国版ツイッター「微博」で編集局内の状況をつぶやく人が出始めたが、すぐに削除された。
厳氏は「転載しないなら、新京報は解散することになる」とも迫り、結局、社説は転載された。
●原文を半分に
午前3時半すぎ、記者たちは「喪失感に襲われた。仕事を続けていく心情にはなれない」と仲間に連絡した。「今日起きたことは受け入れられない。苦痛だ」と男泣きの音声を知人の携帯に送った人もいた。戴社長は辞めていないが、処分を受ける可能性がある。
ただ社説は通常の2、3面ではなく、20面に原文の半分で掲載された。編集の担当者名はこの面だけ載っていない。また、9日の同紙電子版紙面イメージも開けない。「表向きの理由はプログラムのバグ(誤り)だが、この日の新聞は読者に見せられないという意思表示だ」(北京紙記者)。
新京報のせめてもの抵抗だった。
(北京=奥寺淳)
◆広東省トップが収束働きかけか 通信社報道
広東省広州の南方週末の本社前では9日、市民らが「新聞の自由を守れ」などと書いた横断幕を掲げ、3日連続となる党当局への抗議活動を行った。ロイター通信などは同省トップの胡春華党委員会書記が事態収束に乗り出したと報道。胡氏は改ざんを指示したとされる省党委宣伝部長を時期をみて更迭することも示唆したという。
一方、香港の人権団体・中国人権民主化運動情報センターによると、浙江省杭州では8日、南方週末を支援する横断幕をはったとして民主活動家2人が国家政権転覆扇動罪の疑いで拘束された。(広州)
◆キーワード
<新京報> 独自報道で人気を集める北京の大衆日刊紙。発行部数は公称約78万部。2003年、中国の主要紙のひとつ光明日報などを発行する光明日報報業集団と、南方週末などを発行する広東省の南方日報報業集団(現・南方報業伝媒集団)の共同主管の形で創刊されたが、11年に主管が北京市党委員会宣伝部に移された。
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