02. 2013年1月09日 14:51:18
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国家でなく、個人の目線でお互いの国を見ると…?日中の若者ディスカッション(前編) 2012年12月7日(金) 中島 恵 異様なまでに燃え上がった9月18日の反日デモから丸2カ月。11月下旬の日曜日。「あの日の熱気」が嘘だったかのようにおだやかに晴れ上がった中、私は上海市の中心部、3つの路線が乗り入れる交通至便な人民広場駅前に立ち、中国人大学生2人、日本人留学生1人を待っていた。 日中の若者同士をディスカッションさせてみたら、何かおもしろい記事になるんじゃないか、といった安易な気持ちもちろんあったのだが、私が知っている若者同士を引き合わせ、これを機会に、個人的によき友人になって欲しいという老婆心(?)もあった。 何しろ過去最悪な関係が続いている日中両国。原因は数々あれど、せめて個人レベルでは対話の機会を増やすべきだ。そのダシとして、私が若い彼らを使ったともいえる。 待ち合わせ時刻の午後3時半すこし前。最初に現れたのは江沢民の出身大学である上海交通大学修士過程に在学中の日本人男子Aくん(1989年生まれ)。地方都市の出身で、今年、都内の大学を卒業して上海に留学にやってきた。父親は北京に駐在中のビジネスマン。日本人としては、中国とかなり縁のある一家の出身だ。 時間ぴったりに現れたのは中国でベスト5以内に入る名門、復旦大学で学ぶ中国人男子大学生のBくんと女子Cさん(ともに1991年生まれ)。Bくんは理系、Cさんは文系。Bくんは日本に10カ月交換留学した経験があり、私とは2回会ったことがある。Cさんは日本語とは関係のない学科であり、日本のことに詳しいわけではないが、一度だけ日本に旅行に行ったことがある。彼らは上海市内の出身で、見るからに何不自由なく育った「都会っ子」的な雰囲気が漂っている。 1980〜90年世代にざっくばらんに聞く つまり、日中双方ともに、比較的恵まれた層に属し、日中関係にも関心が高い優秀な「80后(バーリンホウ)」と「90后(ジウリンホウ)」である。 「恵まれた若者にばかり取材したって、どうせ優等生的なことしかいわないんじゃないの? 格差で苦しんでいる貧しい人の気持ちなんかわからないでしょう?」という読者のお叱りや疑いもあるかもしれない。しかし、いわずもがなだが、中国と日本では生活環境が大きく異なる。特に生活水準における「違い」は、平均化された社会に住む日本人の想像をはるかに超える。 「衣食足りて」なんとやら、ではないが、残念ながら今の時点で中国の貧困層や低学歴層に「日本についてどう思うか?」と問いかけても、彼らは日々の糧を得るのに忙殺され、遠い日本のことなど夢にも考えたことはなく、客観的な答えが返ってくることはほとんどない。 これは推論や思い込みではなく、私が実際に著書の取材中に大勢の若い中国人にインタビューした結果だ。そんな経験から、今回は日中の次世代をリードしていく層に話を聞いてみたいと思ったのだ(※無論これは日中の若者3人の個人的意見であり、中国人や日本人を代表するものではない)。 前置きが長くなったが、私(以下、N)たちはカフェに移動して話をすることにした。最初は「日本のイメージ」など軽い話題から振ってみたのだが、話はだんだんと「愛国主義教育」や「日中のメディアについて」など、日本人にとって興味深いテーマへと展開していった。順を追ってお聞き頂きたい。 【日本のイメージ、中国のイメージ】 N:ええっと、最初は軽い話から聞いていくね。20代の人が描く「日本のイメージ」「中国のイメージ」ってどんなものかな? 中国人Bくん:日本に行く前は「人間関係が冷たい」っていうイメージを持っていましたが、実際に留学した関西では必ずしもそうではなかったですね。日本人は堅苦しい挨拶が多いのかと思っていたけど、学生の間ではそうでもなかった。日本に行ってみて、自分の思い描いていたイメージは確かに変わりました。 中国人Bくん:一方で、想像通りだったところもあります。日本を映像で思い浮かべるとしたら、やっぱり毎朝の通勤ラッシュ。東京駅前をサラリーマンが波のように歩いていくシーンとか。 日本は自殺率が高いでしょ。映画でありましたよね。「男はつらいよ」って感じ?日本は20年前に経済の頂点からどーんと落ちましたよね。男性サラリーマンのストレスがたまっているという点では、実は中国とあまり変わらないな、と思う。 中国人Cさん:うーん、私の事前の印象は日本のドラマのイメージが強いかな。「1リットルの涙」っていうテレビドラマ(2005年、フジテレビジョン制作の難病もの。主演は沢尻エリカ)を見て感動して、日本ファンになりました。日本人は内向的な人が多いというイメージ。礼儀正しいけど、実際には、外見を気にする人が多いんじゃないの。 日本人Aくん:やっぱり、いまだに天安門広場の前を大勢の人がさーっと自転車をこいでいく情景を思い浮かべますね。そういうイメージの日本人はまだまだ多いと思います。 でもNさんもご存じの通り、北京や上海の街の中心部を大量の自転車が走り抜けるという景色はもうすっかり過去のものですよね。現在、幹線道路には大量の自動車が走っているだけで、人々はバスや地下鉄を使っています。 ちなみに、僕は九州出身なので、2003年に在日中国人が起こした「福岡一家4人殺害事件」の印象がとても強くて、以前はいいイメージは持ってなかったんです。僕が住んでいた町には大勢の中国人がいるのに、自分たちが在日中国人と接する機会は全然なかったですね。でも、高校時代に父親が仕事で北京に行くことになって、中国に興味を持つようになりました。 「どんな国?」を決める、テレビの影響力 彼らはお互いの国を自分の目で見て体験できる「恵まれた若者」である。にも関わらず、これらの発言からは、テレビで見たことがある「昔の日本人」「昔の中国人」のイメージを引きずっていることがわかる。 なぜなら、中国のメディアが「普通の庶民の生活」を報じることはほとんどないからだ。日本でも「超セレブな中国人観光ツアー」などを報じることはあっても、市民生活を報じるチャネルはお互いにないのが現実だ。 以前、日本に研修にやってきた中国人エンジニアが日本人上司から「中国にはこんなきれいなレストランはないだろう?」とバカにされ、「今の中国を全然知らないんだ」と憤った話をしてくれたことがあった。日本も中国も、普通の人々は20年前、30年前のイメージのまま、お互いを見ていることがわかる。 中国人Bくん:僕の父親は、前の会社で日本人のエンジニアと仕事をする機会があったんですが、最初は「日本人はすごく真面目で細かいところにも気を配り、すばらしい」と褒めていたんです。でも、だんだんと、そのあまりの「細かさ」に辟易とするようになっていって。「細かいことを気にするあまり、物事がなかなか前に進まない」、とぼやいていました。 N:なるほどね。日本人は何事にも細かすぎるとか、一直線過ぎるっていうのは私も中国人からよく聞く話です。ほかに「日本人」に対して感じることは? 中国人Bくん:直に体験したことでいえば、交換留学で日本に行ったときに不思議に思ったのは、「日本人は何でもやりたいことができるのか」っていうこと。 N:えっ、どういうこと? 中国人Bくん:日本人はたいていみんな心がおだやかで、人のことをあれこれ言いませんよね。だから自分がやりたいことをやっても、他人から何も言われない。 たとえば、傍からみて、それほど歌の才能がないだろうな(笑)って思う人でも、会社に勤めもせず、30歳くらいまではアルバイトしながら自由に歌手活動をしている人がいたりする。親もある程度、それを許していますよね。あんな「わがまま」は中国では許されない。 日本人Aくん:日本ではおそらくそれは「わがまま」とまでは思われないんだと思う。やりたいことがある、夢があることはいいことだ、って考える部分もあるのでは。 中国人Cさん:夢ですか。中国人は将来のために必死で勉強して、今やりたいことをあきらめている人がすごく多い。ときには恋だってあきらめるんですよ(笑)。 日本人Aくん:恋愛でいえば日本人はたしかに中国よりは自由ですね。逆に、「彼女のために仕事をがんばるぞ」っていう人も多いと思います。 中国人Bくん:あっ、知ってる知ってる。たとえば、関西の大学生が東京の大企業と関西の中小企業の2つに内定もらっていて、どう考えても東京の企業のほうが有名だし、条件もいいんだけど、悩んだ末、結局彼女が住んでいる関西の中小企業にする、とか。日本ではそういう選択肢もありなんでしょう? 部活って本当に役に立つの? 中国人Cさん:そういうのが、よく(日本の)ドラマの題材になりますよねー。日本人の男性は一途っていうイメージがあるわぁ。 N:経済的、社会的な成功を取るか、人間関係を取るか、の判断基準が違う、ということかな? 日本人Aくん:日本人は勉強以外のこと、たとえば一見、効率の悪いことでも一生懸命がんばるっていうところがあるんじゃないでしょうか。 僕は高校時代野球部だったんだけど、試合に出られるのは9人だけ、ベンチに入れるのは20人しかいない。でも100人の部員がいて、ベンチに入れない人でも一生懸命に練習している。自分はプロ野球選手になれないなんてことは最初からわかっていてね。 でも3年間、ひとつの部活をやり続けたことは誇りに思うし、あとになって心の支えになるし、周囲もそれをきちんと評価してくれる土壌が日本にはある。部活とかアルバイトは協調性や対人関係を学べるし、社会に出たら知識よりも周囲とうまくやっていくことが大事だから。就活のときも、サークル活動やアルバイトの経験が評価されますからね。 Bさん、Cさん:そうなんですか。知らなかった。 前回、「日式アニメに出てくる『部活』って、ほんとは存在しないよね?」にも書いたように、中国の中学・高校生はとにかく勉強漬けの毎日だ。日本のような部活はほとんどなく、毎日夜遅くまで教室に残って勉強している。大学に入ってもアルバイトをする経験もなく(そもそも中国には大学生がアルバイトをするような場所も機会ないのだが)、学業の成績だけが評価の対象になる。 中国人Bくん:周囲との協調性をいちばんに重んじるというのは、実に日本人らしいですね。やはり中国とは社会の環境が違う。 僕の学科ではやっぱり勉強ができる人が評価される。自分が思うには、中国人は社会に出て役立つことと、自分に役立つことをきっちりと分けている。僕から見れば、勉強ができる人は協調性もあり、遊んでばかりの人はいつでもふざけているような節もあるし、部活が仕事に役立つとは一概にはいえないんじゃないかな。 中国人Bくん:そういえば日本の部活って厳しい上下関係があって、部長が何か言ったら、とにかく何でも「はい」っていうところもあるんじゃない? N:よく中国人から、日本人は心の中では同意していないんだけど、とりあえず「そうですね」とか「はい」とうなづいてしまう人が多いって。だから日本人は何を考えているのかわからないと…。 日本人Aくん:日本人はその場では反対意見をいえないんだけど、あとで誰かと「あれさぁ、ちょっと違うよね」と耳打ちすることはよくありますね。 中国人Cさん:日本人の“腹の中”って、なかなか読めないですね〜。(一同、爆笑) N:日本ではただあいまいということではなく、相手を傷つけないために遠回しにいってみたり、言葉を濁すこともあるんだよね。そこが外国人には日本的でわかりにくいところかもしれないけれど、それが日本人なりの「思いやり」でもあるからややこしい。 中国人だって空気は読む。仕事の場ではやらないだけ 中国人Bくん:中国人は何でも物事をはっきりいうと思われているかもしれませんが、実際はそうでもないんです。中国人も日本人も欧米社会に比べれば、ハイコンテクスト社会(言語以外に、話し方や雰囲気などがコミュニケーションで重要な役割を果たす社会)だと思いますよ。休日の誘いを断るときには「なんていって断ろうかな」と悩むし、相手を傷つけないように言葉を選びます。東アジアの国はそういう部分はきっと、同じように気遣いをする共通の文化があると思います。 日本人と中国人が違うのは、中国ではプロジェクトを進めるとか正式な会議のときに、はっきりと自分の意見をいうことですね。日本人のように会議の場であっても、賛成か反対かはっきりしないとか、周囲の様子や顔色をうかがう、といったことはないんです。 N:仕事の場でもあいまいだと、中国の日系企業に勤めている中国人は困ることもあるだろうね。そういえば、中国のインターネットに出ていたんだけど、「中国人大学生に人気の企業ベスト50(2012年)」では日系企業はランクインしていないんだよ。 中華英才網が毎年発表している同ランキングによると、今年は1位が中国移動通信(チャイナモバイル)、2位がP&G(外資系)、3位が百度(バイドゥ)で、トップ10のうち中国系が7社、外資系(欧米)が3社だった。リーマン・ショック後に景気が悪化した外資系での採用が減る一方、中国系の人気が上がった。日系は2009年にホンダが24位、パナソニックが25位、トヨタが49位になったが、それ以降ずっとランク外となっている。私が直接、就職を控えた若者たちに取材したところ、日系企業の人気がない理由は 1:給料が安い、2:昇進が遅い、3:将来性がない、だった。 中国人Cさん:ユニクロだけは上海でも流行っているけど、ほかの日系企業の存在感は薄いですね。日本語学科の大学生はかわいそうだなってときどき思う。勉強するモチベーションもどんどん下がっています。 中国人Bくん:日本を代表するパナソニックとかソニーとか軒並み赤字ですからね。日系企業に就職しても将来が不安だからなぁ。 N:BくんとCさんももうすぐ卒業だけど、将来は何になりたいの? 中国人Bくん:とりあえず、アメリカの大学院に進学したいと思っています。 中国人Cさん:私は英中の同時通訳になりたいんです。 N:BくんとCさんは大学では寮生活だろうけど、実家に日系メーカーの家電製品はどれくらいある? 中国人Bくん:実家のテレビは東芝ですね。ただし5年前に買ったものですから。自分の携帯電話はアイフォーンです。冷蔵庫は…ハイアール(中国)かな。 中国人Cさん:うちもテレビはソニー。でも、これも数年前に買ったもので(笑)、買い替えるときはどうかな。中国のメーカーにするかもしれない。電話はノキアです。 カメラだけは日本製に限る 中国人Bくん:日本製品は性能がいいのは確かだけれど、目新しさは感じないですね。家電はどうせ数年で買い替えるものだし、携帯なんて2年も持たない。品質がいいというだけでは日系を選ばないですよね。でも、カメラだけは別です。カメラは絶対日本製がいい。代替品がないですから、他社にない強い競争力があれば、日本製であっても買いますよ。 中国人Cさん:反日デモをしていた人も、カメラだけは日本製だったという笑い話がありましたね。 N:日本の存在感が薄くなっていることを実感する話だね。不買運動の影響もあるのだろうか? 中国人Bくん:代替品があるなら、わざわざ日本製品を選んでまで買わないという人も増えているのでは。今回のデモはひとつのきっかけに過ぎません。日本製品がダメになったというより、他メーカーが追い上げてきたということではないかと。日本製品が次世代につながるような画期的な開発をしたら、やっぱり買うと思います。 N:「日本製」ということにメリットは感じない? 中国人Bくん:日本に対する関心は限られてきていると思います。アニメとかドラマ、ファッションだけ。それらをとくに僕たちが「あれは日本のものだ」と強く意識しているわけでもないんですけどね。ただそういうファッションを好んでいるというだけで。 N:逆に日本ではどうだろう? 中国の存在感は日増しに大きくなっているような気もするんだけど。 日本人Aくん:そうですね。中国のモノというより「中国人」の存在感が大きくなってきていることは実感します。東京で街を歩いていて、コンビニでも居酒屋でも、中国人に会わない日はないですものね。僕は以前、都内の百貨店でアルバイトしていたんですが、中国語の店内放送が流れたり、メニューに中国語が書かれていたりして、知らず知らずのうちに日本人が「中国」と触れる機会はとても多くなっていると感じましたね。 だからといって、日本で中国人に対する興味関心が高まっているわけでもなさそうだ。最近、私が都内の某大学で特別授業をさせてもらったとき、日本人大学生60人に「中国が好きな人」と聞いたら2人、「中国がきらいな人」と聞いたら2人、残る56人は「関心がない」という回答だった。しかも、「中国が好きな2人」にヒアリングしたところ、彼らは中国人留学生だった。 (後編に続く) 「反日教育? う〜ん、受けた覚えがないんですが…」
日中の若者ディスカッション(後編) 2012年12月10日(月) 中島 恵 (前回から読む) 私の友人の日本人大学生と中国人大学生を引き合わせ、お互いの「先入観」をぶつけ合い、それを通してよき友人になって欲しい。そんな老婆心(?)で始めた上海でのディスカッション。彼らの会話を、前回に引き続いてお送りする。 ●日本人男子Aくん(1989年生まれ):江沢民の出身大学である上海交通大学修士過程に在学中。地方都市の出身で、今年、都内の大学を卒業して上海に留学にやってきた。父親は北京に駐在中のビジネスマン。日本人としては、中国とかなり縁のある一家の出身だ。 ●中国人男子大学生のBくん(1991年生まれ):中国でベスト5に入る復旦大学で学ぶ。専攻は理系。日本に10カ月交換留学した経験あり。 ●中国人女子Cさん(1991年生まれ):Bくんと同じく復旦大学で学ぶ。文系。日本語とは関係のない学科であり、日本のことに詳しいわけではないが、一度だけ日本に旅行に行ったことがある。 Bくん、Cさんとも上海市内の出身で、何不自由なく育った「都会っ子」的な雰囲気が漂う学生さんたちだ。 ちょっと不思議? ニッポンの子育て、恋愛、結婚、仕事 N:日本に留学経験のあるBくんは、日本で不思議に思ったことがあったんだって? 中国人Bくん:はい。最初のほうでもちょっといいましたけど、日本人の人間関係についてですね。ちょっと希薄というか…。日本人の意識の中には「人に迷惑をかけてはいけない」という観念がすごくあると思いました。 留学先の日本人の先生から聞いた話ですが、あるリストラされた男性が再就職できないので、妻子と別居して一人暮らしをするようになったと。すぐ近所に住む妻子とは10年間一度も会わなかったそうです。理由は、子どもが学校でいじめられるし、妻にも迷惑をかけるからだって。しかも、一度も会わないのに、その男性はアルバイトしたお金を妻子に送っていたとか。 「日本人は家族なのに遠慮し合うのか?」 中国人Bくん:この話にはすごくショックを受けました。ここまで極端でなくても、日本人から「家族には迷惑をかけられない」という話は聞いたことがあり、びっくりしました。それはあまりにも水臭いじゃないですか。中国人だったら、「家族の中ならどんな苦しいことも分かち合うのが当然だ、だってそれが家族なんだから」という意識がすごくあるので。 日本人Aくん:Bくんがいっていることもわかるんだけど、日本人は他人だけでなく親に対しても一線引いている部分があるというか、改まって礼を尽くしたいという気持ちがあるんですよね。「大学を出してくれて、ここまで育ててくれてありがとう」、という。自分も一人前になったら親の面倒を見たいという気持ちもあるし。 N:私も日本人だからAくんの気持ちがわかる。家族であっても、迷惑かけたくないという気持ちはあるね。日本の親はたいてい、子どもには子どもの人生を歩んでほしいという気持ちがあるんじゃないかしら。親は親、子どもは子どもというような。老後は自分の子どもの世話になりたくないと思っている親は日本ではけっこう多いと思うよ。 中国人Cさん:中国の親は子どもの面倒をすごく見たいと思っていると思います。一人っ子ですから過保護ですし。私の両親も「早く結婚したほうがいい」とよく私にいいますし。育児もいくらでも手伝うつもりでいますよ。もうそれが当たり前のようになっています。 1979年の改革・開放から始まった中国の一人っ子政策により、80年代以降に生まれた子どもの多くが一人っ子だ(少数民族との結婚など一部例外を除く)。一人っ子の場合、両親と双方の祖父母、計6人の寵愛を一身に受けて育つことから「小皇帝」と呼ばれたこともあったが、現在では1億8000万人もの「結婚適齢期」の男女がいるといわれており、最近では高学歴化などの原因で結婚できず、あぶれている女性を「剰女(シェンニュ)」という言葉で揶揄している。心配するあまり、両親が子どもに変わって「代理婚活」することも珍しくない。 驚くのは、日本にきている中国人で、子どもだけ中国に置いて親の両親(子どもの祖父母)が5年も10年も育てているという人が昔からかなり多くいることだ。日本では、祖父母に何年も子どもを預けっぱなしということはできないだろうな、と思う。 N:ここはずいぶん日本と中国で違う点だね。日本では、「できるだけ祖父母にも面倒をかけず、自分たちの手で子育てし、女性は働いていても夜ご飯を作らなきゃ」、という意識がまだ強いと思う。 だったら、お手伝いさんを… 中国人Cさん:でも共働きで大変だったら、お手伝いさんを雇えばいいんじゃないんですか? Nと日本人Aくん:(同時に)ええ〜、そんなの無理無理。お手伝いさんがいる家なんて日本ではめったにないんだよ〜! 中国人BくんとCさん:(同時に)へぇ〜、そうなんですか。中国では人件費が高くないから、私たちの家にはお手伝いさんいますよ。 N:おじいちゃん、おばあちゃんには頻繁に会うの? 中国人Bくん:最近は1カ月に1回程度ですね。忙しいですから。家族で食事するぐらいです。親が育児ができない人は祖父母が育児を手伝ってくれる場合もあります。いとこのお兄さんは夫婦ともに夜9時10時まで仕事があるので、子どもの世話をするのは土日だけだって聞いています。 N:優秀な大学を出ていい仕事についたら、やはり家族よりそちらを優先したいということなんだろうね。 中国人Bくん:逆にいえば、一流大学を出ないといい就職はないので。中国では即戦力が求められるので、企業も大学で何を勉強してきたかを詳しく問わないのですが、学歴は戦力として使える人かどうかの、ひとつの目安にはなりますね。 N:中国人の目から見て、日本は学歴社会だと思う? 中国人Bくん:それはそうだと思います。やはり東京大学を頂点にして…。 日本人Aくん:僕は中国に留学にきてみて、日本は学歴社会ではないとはいえないけれど、中国や韓国ほどではないなと思いました。企業側も、新卒は即戦力とは見ずに就職するときに1から10まで手取り足取り教えてくれる。学力だけでなく、会社に貢献してくれるEQの高い人材のほうをより求めている感じもするんですが。 学生恋愛はいまも基本的に御法度 N:恋愛についてはどう? 中国でも最近は大学生が同棲するなんていう奔放な話もちらほら聞くけれど、以前は中国では学生の恋愛はご法度だったよね? 中国人Cさん:基本的に中学・高校生の恋愛は禁止で、日本より厳しいと思います。でも、大学ではかなり規律は崩れてきているのが実態だと思います。中国の大学生は寮生活が基本ですから、身近にいて、くっつきやすいかな。 日本人Aくん:日本では大学生って、基本的に恋愛のことしか考えてないですよ(笑)。こっちの大学院にきてみたら、日本人のほうが軽い気がします。中国では合コンとかないよね? 中国人Cさん:そういうのはないですね。中国人のほうが恋愛には慎重だと思います。 N:結婚するならやっぱり同じ国の人がいいですか? 中国人Bくん:僕は絶対に中国人がいいですね! はっきりとした理由はないですけど、日本人は「クリスマスには彼女にこういうものをプレゼントしないといけない」とか、決まり事が多くて疲れるじゃないですか。中国にも気軽に遊びに来るような日本人の女の子だったらいいけど、日本にいる女の子とは距離を感じるな。もし言葉が通じても、お互いに理解し合うのは難しいと思う。実らないなら、最初から求めないほうがいい(笑) 中国人Cさん:私は上海人というか中国の南方の人がいいですね。北京人だけはいや(笑)。日本の男性は…そうですね。もし、ずっと上海で働いてくれるのなら、日本人でもいいですけどね。 日本人Aくん:僕は…、誰でもいいです(笑)。っていうか、国籍は関係ないですよ。 学歴は愛をも超える N:中国では学歴も結婚に関係するのかしら? 中国人Bくん:すごくありますね。実際、復旦大学の学生と地方の小さい都市の無名の大学の学生が、恋愛するということはありえないです。釣り合いが取れないって思っている人が多いので。 日本人Aくん:ええっ、そうなの? 信じられないな。日本では有名一流大学の子と短大の子が付き合うことも普通にあるけど。恋愛と学歴は関係ないんじゃないの? 中国人Bくん:でも、中国ではそもそも知り合う機会もないですしね。エリート校の大学生が、三流大学の大学生と付き合うなんてことは、今の階層化が進んだ中国社会では絶対にあり得ないことなんです。日本人には信じられないことだと思いますが、それが今の中国の現実なんです。 N:家柄なども関係するの? 中国人Cさん:関係しますね。でも、最近では家柄といっても、伝統的な家系のことではなく、家柄=収入と学歴、にすり替わってしまっていますけど。中国では、結婚は家族全員のとても重大な問題なんです。 Bくんは、私が9月20日に書いた記事「えっ、『日本は中国と戦争したがっているっって?』」を読んで「中国には社会構造的な断層があるというのは実に鋭い指摘。ただ、もっと深刻な問題が起こっている。中国社会には下層だけに不満がくすぶっているわけではない。比較的恵まれた層でさえ自分のことをエリートや中間層だとは思えず、大きな苦悩を抱えて暮らしている」と感想をくれた。 反日デモの際、日系企業を襲撃する人に対して一部の若者たちが「理性を持って愛国せよ」と批判したことは日本でも好意的に報道された。だが、Bくんがツイッターの内容をよくよく見てみると「彼らは愚か者だからああいう行動(デモ)をするのさ(自分たちとは違うのさ)」といったように、実は他人をランクづけし、人を落としめるツイートをすることによって、相対的に自分のランクを上げ、憂さ晴らしをしているような内容も少なくなかったという。 Bくんによれば、あまりにも激しい競争社会に身を置き、人を蹴落としているうちに、誰もが無意識のうちに自分も他人をランクづけする習慣がつき、「エリート校の自分が三流大学の女子なんかとつき合うわけがないだろ」という現象が起こるのだという。Bくんは「これは決して幸せな世の中ではない」と当時メールで嘆いていた。 「反日教育」ってなんですか? N:ところで、打ち解けてきたところで、急に真面目な話になるんだけど、いいかな? 今回、君たちに会うに当たって、編集者から聞いてきてって頼まれたことがあるんだけど。「反日教育ってどんなことをしているの?」「そのおかげで日本人はどれだけ嫌われているの?」っていうことなんだけどね…。 中国人Bくん:そういうもの、存在しないですよ。「愛国主義教育」というのはありますが、「反日教育」という名前の教育はないです。学校でも授業の中に「愛国主義教育」という科目があるわけじゃありません。授業全体の中で、そういう教育の指導方針でやっていくということだと思いますが、僕たちはとくに「これが愛国教育だ」なんて意識したことはないんです。 中国人Cさん:強いていえば、「政治」とか「歴史」の授業の中にちょっと含まれているという感じでしょうか。 1990年代、江沢民によって開始されたのが愛国主義教育。1989年の天安門事件の再来を防ぐのが目的とされており、抗日戦争に関係する史跡を訪ねるなどして愛国的な教育が全国的に強化された。 中国人Bくん:北京と上海でも違うし、同じ地域でも学校によって、指導する先生によって少しずつ違うので、一概に僕たちがいうことがすべてだというふうに受け取らないで欲しいんですが、たとえば、それぞれの地域に政府が定めた「愛国主義教育基地」というのがあって、そこを見学に行ったりはします。上海だと有名なのは「中国共産党第一次全国代表大会址記念館」(中国共産党の創立大会が行われた記念すべき場所)ですね。 高校のときには修学旅行で、抗日記念館の代表的存在である「南京大虐殺同胞記念館」まで足を延ばしました。そこで館員の方が抗日戦争について説明してくれて勉強しました。 「愛国教育」はあるけど、日本嫌いを植え付けられた覚えはない N:あとでレポートを書いたり、感想を述べ合ったりするの? 中国人Bくん:ありません。でも、将来、中国共産党に入党したいと思っている人は特別な勉強が必要なので、レポートを書いたりするようです。そういう人は愛国基地でボランティア活動などもしているらしいですが、僕はよく知りません。 N:中国では今でもテレビをつけると、毎日どこかのチャンネルで必ず抗日戦争ドラマを放送していますよね。そこには必ず中国人俳優が演じる悪役の日本軍人も登場するわけで、私は中国に行くとついつい「記者根性」で、取材気分でそういう番組を見ちゃうんだけど、授業の一環として、学校で抗日ドラマや映画を見せることもあるのかな? 中国人Bくん:僕の学校ではありませんでした。学校のみんなで愛国基地を訪れるといっても、そこで日本人の話ばかりしているわけではなくて、現在の中国を建国していく過程で、「当時の人々がどういうふうに苦難を乗り越えて国づくりをしていったか」を教えるんです。だから必ず抗日戦争は出てきます。避けては通れない日中の歴史ですが、教えられるのは日本との戦争のことがすべてではありません。 N:つまり、日本を憎めという教育ばかりされているわけではないと? 中国人Cさん:もちろんそうですよ。そういうことはないんですよ。とくに最近の上海では愛国教育はだんだんとなくなってきていると感じます。日本のメディアが騒いでいるだけではないかと思います。報道というのは偏っていますから。 中国人Bくん:それは中国も日本も同じ。お互い様だよ(笑) 日中のメディアが作り上げるイメージ 中国人Bくん:日本に留学したときに感じたことですが、日本人はどうも「反日教育」という言葉が好きらしくて、この話題になると盛り上がるようですね。そういうことを書いた本も日本でたくさん出版されていることを知りました。 どうやら、中国人である僕ですら知らないところで、「中国では若者に反日教育がなされ、日本人を恨ませるシステムが完全に出来上がっている」んだなぁと。正直いって、びっくりしました。 日本人Aくん:僕もそう思います。僕の場合は今、こうして中国に留学にきているわけですけど、中国人の大学院生たちと机を並べて勉強していて、個人的に「この人たち、反日教育を受けてきているな」なんて感じたことはないです。若者の間では何の隔たりもなくて、逆に、日本に対してすごく好感を持ってくれている。 もっと日本のことを知りたいっていう若い中国人はとても多い。日本人が何を考えているのか知りたいと思っている人が多いと感じます。おもしろいのは、日本人よりも日本のことに詳しい人もいたりすること。日本の政治とか経済のことを質問されて、僕のほうが答えに窮することもあり、恥ずかしく思いました。 一度だけ、僕が以前学部生時代に北京に留学していたとき、寮のおばちゃんから「あそこ(尖閣諸島)は中国のものだよ」とキッパリいわれたことがあるぐらいで、それ以外に、領土問題について話をしたことも全然ないんです。 中国人Bくん:僕も日本留学中、日本人と領土問題について正面から議論したことはないですね。答えの出ない問題だから、そのことを話すと気まずくなるから、お互いにうまくそこだけは避けて会話することが多いんじゃないかな。親しい間柄では、案外そういうものではないかと思います。 日本人Aくん:自分がかかわる中国人はもちろん限られた範囲の人たちですが、少なくとも、僕が知るかぎり、日本人の前で「日本が嫌い」なんていう中国人は1人もいません。 「日本が心底嫌いな中国人はそんなにいない」 中国人Bくん:正直いって、日本が心底嫌いな中国人はそんなにいないと思います。 N:でも、私が今回上海に行くといったら、会ったほとんどの日本人から「えっ、上海に行くなんて、中島さん大丈夫ですか?危険な目に遭わないですか?」と真顔で心配されたんだよ。本当に。 日本人Aくん:わかります。中国のことを知らない人はみんな過剰に心配しますよね。中国でも、日本に留学している子どものことを心配する親がいたそうですが、ここもお互い様ですか(笑) 中国人Bくん:9月18日の反日デモが起きた頃、僕が参加しているサークルでは新人募集の集いをやっていて、そこには日本人もきたのですが、まったく平気、平和なものでしたよ。報道されていることと、現実はこんなにも違うのだと思います。 N:私が反日デモ直後に書いた前出の記事も、ものすごい反響だったんだけど、中国人も日本人も偏った報道の影響を受けて、実際にその国に住んでいる人々の本音がこんなにもわからないんだ、ということに私もびっくりしたんだよね。 中国人Bくん:中国では、日本に関するいいことはあまり報道しないし、日本でも中国に関するいいことは報道しない傾向があるわけですね。それは、嫌中、反日、右翼、左翼ということだけではない。相反する立場にあるお互いの国のよいことを報道しても、読者にあまり関心を寄せてもらえないからです。だから、中島さんのような記者は非常に珍しい(笑)。 N:だから「普通の市民の普通の生活、普通の感覚」が、メディアを介しても全然共有されないわけだよね。 中国人Bくん:たとえば、ヨーロッパの不況は深刻化する一方ですが、そこでは幸せに暮らしている人もいるはずです。でも、「不況の真只中にいるヨーロッパ」という共通認識があるのに、そこでわざわざ幸せなヨーロッパ人もいるよ、なんていうことは報道しないということなんですね。 領土問題についても、これがなかったら中国は日本のことをこんなには報道しないと思う。この問題があるからこそ報道する。その結果、中国人の日本への印象は悪くなる、ということです。報道において、中国も日本も、「主流の考え」というのがあって、それをはっきりさせるために、領土問題が大量に報道される。 N:Aくんはどう思う? Aくんが高校・大学時代、日本の対中国報道は「毒ギョーザ」や「ニセモノ」など悪い報道のオンパレードだったように思うけれど、それがAくんの考え方のどこかに影響を与えているのだろうか? テレビを見て「知ってるつもり」? 日本人Aくん:僕はテレビで見たものよりも、自分の目で見たものが確かだと思ってきました。中国にニセモノが多いというのは報道だけでなく、事実としてあるけれど、中国にきて、ニセモノ以外のものに目を向ける機会が増えることによって、中国に対する考え方は変化していきました。 中国人Bくん:それはすごく自然なことだよね。一部のイメージはあくまでも一部のものであって、気づいたら、自分が知りたいと思っていたことがだんだん見えてくるということですね。「知りたい」と思うからこそ、見えてくる。知りたいと思わなかったら、いつまでたっても見えてこない。一部のイメージがまるでその国のすべてであるようにしか思えないままの人もいるので…。 日本人Aくん:中国のイメージ=ニセモノ、パクリだと断定的に思っている人がけっこう多い。中国に限らないけど、海外の出来事で、実際に見てもいないのに、まるで見たつもりになってしまっている日本人はけっこう多いと思います。 中国人Bくん:そうそう。お互いに全然自分が関わっていないことでも、偏見を持ってイメージで安易に論評してしまうことが、あちこちで起こっていると思う。人間は限られた情報の中で生きているから、他人と同じものを見ても、同じようには感じていないんだ。 中国人Bくん:日中の誤解を解くためにはどうしたらよいか、という議論がよくされますけど、僕は机上で誤解を解く努力をするよりも、もっと実際に日本人に中国に来てもらって、中国人も日本に行ってみたらいいと思います。それがいちばんいい方法です。人からどういわれても、僕は完全には信じない。いや本当は、自分の目で見ないと、誰だって信じられないでしょう? 日本人Aくん:まったく同感ですね。 N:多くの人が膨大なメディア情報に踊らされ、単純なものすら見えなくなっているのが現代社会だと思うんだけど、Bくんはすごいね。どうやって情報を収集し、判断し、自分の中に取り込んで、消化していっているの。 中国人Bくん:自分はこれまで育ってきた過程の中で、同世代であり、考え方や価値観が似通ったあるグループの中に存在しているわけですね。ある情報をキャッチした場合、それがそのグループが共有しているものに近ければ、信用できますし、そのグループから遠ければ、最初からその話にまったく耳を貸さないですよね。 中国人Bくん:ある新しい情報が自分のグループの中から僕に飛び込んできて、「あ、それについて自分は知らなかった」ということがあれば、すぐに真剣に調べてみます。確かめた上で、自分はあの問題に関しては、「こういうふうに勘違いしていたな」とか、「この情報でよくわかった」と確認できる。その結果、新しい判断とか価値、視点の違うアイデアというものが、自分の中から湧き出てくると思います。 「知りたい」という気持ちを持ち続けられるか 中国人Bくん:中国にはさまざまな価値観のグループがあって、自分がどこに属するかはとても重要です。自分の価値観に近い層の人々と情報交換したり切磋琢磨したりすることによって、自分なりの意見というものがかなりしっかりしてくると思います。 N:自分の周囲で価値観を共有する人たちが、アンテナでもありフィルターでもあるわけですね。その選び方次第ということになるのかなあ。 中国人Bくん:日本についても、日本を知ろうとする人ならば、ある情報を聞いて不思議に思い、留学経験のある僕にその真偽を尋ねてくる。でも、知ろうとしない人はどんな情報が目の前にあっても、素通りします。 どんなグループにあっても、新しい知識や情報を「知ろう」とする心構えを持つこと。それが大事です。日本に留学したときもそうだったし、これから先、アメリカに留学しても、僕はそういう気持ちを持ち続けていたいと思います。 N:Aくん、Bくん、Cさん、今日は貴重な時間をありがとうございました。さあ、みんなで夕食を食べに行きましょうか! 中島 恵(なかじま・けい) フリージャーナリスト。1967年、山梨県生まれ。1990年、日刊工業新聞社に入社。国際部でアジア、中国担当。トウ小平氏の娘、呉儀・元副総理などにインタビュー。退職後、香港中文大学に留学。1996年より、中国、台湾、香港、東南アジアのビジネス事情、社会事情などを執筆している。主な著作に『中国人エリートは日本人をこう見る』(日経プレミアシリーズ)。 再来一杯中国茶
マクロではなく超ミクロ。街中にいる普通の人々の目線による「一次情報」が基本。うわさ話ではなく、長時間じっくりと話を聞き、相互に信頼を得た人から得た、対決ではなく対話の材料を提供する企画。「中国の人と」「差し向かいで」「お茶を一緒に」「話し合う」気分を、味わってください。 |