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中国の高齢化問題、内陸部でより深刻に 老人しか残らず
2012.11.7 08:25
中国の高齢化社会到来へのピッチが速まっており、60歳以上の高齢者人口は来年には2億人を突破するという。しかも高齢化問題が深刻なのは、上海、北京といった沿海部ではなく、むしろ重慶、四川など内陸農村部であることがはっきりしてきた。内陸農村部は所得格差だけでなく、人口高齢化の面でも沿海都市部との「格差」問題を抱えることになりそうだ。(フジサンケイビジネスアイ)
このほど北京で国連人口基金と全国老齢委員会弁公室が共催して、高齢化問題に関するシンポジウムが開かれた。その中で特に注目を浴びたのは、中国人民大学老年学研究所の杜鵬所長が「中国で最も高齢化が進んでいるのは、戸籍人口では上海だが、居住人口でみると重慶だ」との調査結果を発表したことだった。
同調査によると、重慶はすでに2010年段階で、60歳以上の人口(居住ベース)が17%に達している。このほか四川とか安徽といった内陸部の高齢化が進んでいて、従来最も高齢化率が高いとされてきた上海は第5位にとどまっている。
内陸農村部からは多くの農民が都市部に農民工として働きに出ている。沿海部への流出はやや減ったとはいえ、いまでも1億人を超える農民工がとどまっている。こうした農民工のほとんどは若者なので、上海、北京などでは高齢化率を低める働きをしている。反対に内陸農村部には老人しか残らないというわけだ。
杜鵬所長は、内陸部がさらに悲惨なのは、老齢年金の制度が不十分なことだと指摘した。「2010年段階で、高齢者のうち主な生活資金を老齢年金に頼っているのはわずか24.1%のみ。しかも都市部では66.3%が老齢年金を受給しているが、農村部はわずか4.6%でしかない。都市と農村の二元構造がくっきり浮かび上がってきた」というのである。農村部の高齢者の41.2%は老体にむち打って、いまなお農作業など「労働収入」に頼っている。
もうひとつ注目されたのは「女性の方が年老いた両親の面倒をよく見ているとの結果が出た。高齢者の死亡率も女性に見てもらっていた方が10%低かった」(北京大学健康老齢・発展研究中心の曽毅主任)との調査結果だ。この傾向は特に農村部で顕著だという。農村部では伝統的に「重男軽女」(男尊女卑)の傾向が強かったが、高齢化の進展によって、「重女軽男」への変化が表れるかもしれない。(拓殖大学国際学部教授・藤村幸義)
http://sankei.jp.msn.com/world/print/121107/chn12110708260002-c.htm
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