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胡錦濤氏「院政」固める 中国、党規約で重要思想に
【北京=島田学】中国共産党は22日に開いた政治局会議で、持続可能で調和の取れた社会発展を目指すという胡錦濤国家主席の考え方を、党の重要思想として党規約に盛り込む方針を固めた。11月に開く党大会で規約を改正する。胡氏が党の次期指導部の発足後も「院政」を敷き、影響力を維持することが決定的となった。党大会で党総書記から退いた後も、軍トップに当たる党中央軍事委員会主席の座にとどまるとの見方も強まってきた。
憲法も改正へ
胡氏の指導思想は「科学的発展観」と表現される。今回の改正で、党規約の総則部分に「党が末永く堅持すべき行動指針」として、毛沢東思想などと並んで明記される見通しだ。数年以内には中国憲法も改正し、同様の考え方を盛り込むとみられる。
これまで中国の最高指導者は、自分の考え方を党規約に明文化し、引退後も「永遠の党指導者」(党関係者)の地位を得てきた。今回の改正で、胡氏も毛沢東、トウ小平、江沢民各氏と並ぶ党指導者に位置付けられることになる。
科学的発展観の考え方は、2007年の党大会時の党規約改正でも一部に盛り込まれたが、総則部分には明記されなかった。
中国の国営新華社は22日、党規約の改正を決めた背景として、現在の中国が「国家の発展にとって重要な戦略的機会にある」と指摘。これを機に「科学的発展を進め、調和の取れた社会を促し、人民の生活を改善し、福祉を向上させていく」と解説した。
ただ、江沢民前国家主席が02年に党規約改正を図り、自らが提唱した「3つの代表」という考え方を盛り込もうとした際は党内から大反発を呼んだ。今回は重慶市トップだった薄熙来氏が失脚するなど、党内の権力闘争は02年のときより激しさを増している。院政を狙う胡氏の思惑が党内の反発を呼ぶ可能性はある。
軍トップ残留?
22日の政治局会議では、次期指導部人事についても最終調整を図ったとみられる。党の最高指導部に当たる政治局常務委員は、従来の9人から7人に減員する公算が大きい。公安部門などを統括する党政法委員会書記と、メディア対策や党思想の普及を指揮する宣伝・思想担当を常務委員から外す見通しだ。
特に現在、党政法委書記を務める周永康氏は公安部門の力を背景に、胡氏や次期党総書記に就く習近平国家副主席の権力基盤に揺さぶりをかけたとされる。こうしたことから、党政法委書記を常務委員から外し、公安部門などを7人の常務委員による集団指導下に置くのが狙いとみられる。
次期指導部人事も胡氏が主導権を握って進めているもようだ。今後の焦点は、胡氏が、人民解放軍トップに当たる党軍事委主席の座にとどまるかどうかだ。前国家主席の江氏の場合、国家主席退任後も約2年にわたり、党軍事委主席に居座り、軍を背景に権力を維持した。胡氏を巡っては、一時は11月の党大会で党総書記と党軍事委主席の双方から退くとの見方も浮上していた。
胡氏は次期指導部層に、自分に近い人物をできるだけ多く入れようと駆け引きを続けている。党軍事委主席の座もその駆け引きの材料となっているとの見方もある。
[日経新聞10月23日朝刊P.3]
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