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中国の反撃加速へ 領海侵犯、経済制裁、日米分断
http://sankei.jp.msn.com/world/news/120920/chn12092000130002-n1.htm
2012.9.20 00:13 産経新聞
【北京=山本勲、矢板明夫】中国の習近平国家副主席が19日、パネッタ米国防長官に対し、沖縄県・尖閣諸島(中国名・釣魚島)問題への不介入を要求した。柳条湖事件を記念する18日を過ぎ、日本政府による同諸島国有化に抗議する反日デモは1つのヤマを越したかに見えるが、習氏の強硬姿勢が示すように、日米分断を軸とした日本の孤立化促進など、共産党政権の反撃が始まっている。
中国の各都市に拡大した反日デモに日本側が振り回されている間に、中国は尖閣奪取に向けた動きを着々と強めている。
13日には中国外務省が尖閣周辺海域を「領海」と主張する海図を国連に提出、16日には、東シナ海での中国の領海基線から200カイリを超えて広がる大陸棚の延伸を求める案を、国連大陸棚限界委員会に提出すると発表した。
監視船による領海侵犯の規模と頻度を急拡大して「自国の領海」との既成事実を積み上げており、北京の西側外交筋は「国有化を機にかねて準備していた対日作戦を一気に繰り出してきた」と指摘する。
党大会を控える当局は予定通り、“ガス抜き”に利用した反日デモを19日に収束させた。しかし、日本政府が「これで一息ついた」と受け止めるのは大間違いだ。中国国内は内部事情で沈静化させても、対日攻勢や米国など国際社会への外交・宣伝攻勢は、今後一段と活発化する。
中国商務省の姜増偉次官は13日、「中国の消費者が理性的な形で自らの立場を表明しても理解すべきだ」と日本製品ボイコットを容認する発言をした。共産党機関紙、人民日報(海外版)は17日付のコラムで「日本に大きな殺傷力を及ぼすため標的の中心を狙い攻撃すべし。製造業、金融業、戦略物資の輸入などが対象だ」と経済制裁を支持。一昨年9月、レアアースの対日輸出を一時停止したような措置を想定しているとみられる。
一方、習氏と歩調を合わせるように、保守派の周永康中央政法委員会書記が19日、ネパールのシュレスタ副首相兼外相との会談で担当分野外の尖閣問題に言及し、「今日の日中関係の困難はすべて日本側が作り出したものだ」と語り、ネパールの懐柔を図った。
最重要課題は日米同盟の分断だ。人民日報傘下の国際情報紙、環球時報は19日付の社説で「米国を中日両国の中間に寄らせるべきだ」と主張。「釣魚島は中国領」との国際宣伝を一段と強化する構えを示している。
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