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中国で年金受給年齢が65歳にまで引き上げられるという話が、ブログなどで大きな話題になっている。
この議論は、中国社会科学アカデミーが組織したセミナーの後、始まったもので、セミナーで一部の専門家らは、2045年までに中国人の年金受給年齢は、65歳になるだろうと発言した。
このニュースは瞬く間に、中国のマスコミに取り上げられ、ホットなテーマとなった。そして一連の新聞・雑誌の中には、年金受給年齢引は2045年までではなく、それよりずっと前に引き上げられるだろうと報じるものさえ現れた。
こうしたことから中国人事・社会保障省は、不安を感じる人々を落ち着かせようと努め、同省付属社会保障研究所のヘ・ピン所長が「年金システムは段階的に改革され、実際受給年齢は引き上げられるだろうが、それは2045年よりも前の事ではない」と明言した。
現在、中国において60歳以上の人の割合は全体の12.5%だが、2030年までには、その数字は22%以上にまで増加する。国家予算が、年金受給者数の増加に間に合わないのが実情だ。専門家の中には、今もし措置を講じなければ、中国は富む前に老いてしまうと十分根拠のある懸念を表わす人達も少なくない。
老齢化問題を抱えているのは、中国だけではない。米国や西欧、東欧も、時期こそ様々だが、同様の状況にあった。そして大部分の国は、年金受給年齢の引き上げを余儀なくされた。例えばオランダでは、63歳から65歳に、ドイツやスペインでは65歳から67歳に引きあがられ、英国、オーストリア、リトアニア当局も同様の措置を準備している。
受給年齢引き上げと並んで、もう一つ必要で又効果的な措置がある。それは、中国も含めた多くの国々で実施されている年金分配システムから脱する事だ。 そうした分配システムの本質は、現在働いている人達が収める税金から人生の先輩達の年金を支払うというものだが、この半世紀の間に、世界の人口動態学的状況は大きく変化してしまった。
寿命は延び、年金生活者の割合が増えている一方で、出生率は毎年低下傾向にある。ロシアも含め、多くの国は、貯蓄型の年金保障システムを導入した。つまり、年金を二つの源から受け取れるようにするもので、国家予算から拠出される基本的なものに、勤労者がその給与の中から毎月積み立てて貯めたものを加えるというシステムだ。
経済的に発展した国々では、人々は、国と民間企業にお金を払い、年金を積み立てている。これによって、貯蓄額が毎年増加することとなり、インフレのリスクから守られる事にもなる。
しかし、金融機構がまだ発展途上にあるような国々では、貯蓄を当てにするのは余りに大きなリスクを伴う。十分な年金が保障されるためには、より多くの予算を国から引き出さねばならないが、国庫には限りがある。
VOR記者は、モスクワの最高経済学院社会政治研究所のセルゲイ・スミルノフ所長に話を聞いた―
「もし平均寿命に合わせた形で年金受給年齢が引き上げられるなら、何も恐れる事はありません。ロシアでは現在、男性には60歳で年金が出ますが、男性の平均寿命は63歳です。
一方女性の平均寿命は、はるかに長いのですが、年金受給年齢が上がったら、男性の多くは、それまで単に生きてはいられないでしょう。ここから出される結論は次の通りです。受給年齢を上げることは可能だし、必要ですが、それはまず平均寿命が延びたあとで、という事です。」
年金受給年齢引き上げという措置は、どの国においても、国民には人気のないものだ。新聞「人民日報」が行った世論調査によれば、中国人の94%が今より長く働くことを欲していない。なお中国人男性の平均寿命は、ロシアより長く、71歳である。
14.07.2012 http://japanese.ruvr.ru/2012_07_14/81507457/
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