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2012.05.09 中国共産党統治の根源を衝く“異議申し立て”/―薄熙来事件の招来した女性教授の勇気ある公開状―
http://www.asyura2.com/12/china3/msg/148.html
投稿者 gataro 日時 2012 年 5 月 09 日 11:43:33: KbIx4LOvH6Ccw
 

リベラル21(http://lib21.blog96.fc2.com/blog-entry-1977.html)から転載。

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2012.05.09 中国共産党統治の根源を衝く“異議申し立て”
 ―薄熙来事件の招来した女性教授の勇気ある公開状―
丹藤佳紀
 (ジャーナリスト)


今秋の中国共産党大会で最高指導部入りという下馬評の高かった薄熙来重慶市委書記が失脚した。この中国の“異変”は内外で引き続き強い関心を集めている。薄熙来前書記は現在、中国共産党の“お目付”機関である中央規律検査委員会に身柄を拘束され、取り調べを受けているものとみられる。

それについて、北京の女性大学副教授が「一政党の機関による身柄拘束は違法である」と訴えた公開状をインターネットで発表した。中国の“一党独裁”に関わる問題も提起しており、ネットで論議を呼んでいる。この公開状は、北京経済管理幹部学院の副教授、王錚女史が4月中旬から相次いで発表した。最新のものは4月28日付けで、薄熙来前書記も重慶市からの代表の一人である全国人民代表大会(全人代=国会)の呉邦国常務委員長に宛てられている。

薄熙来問題だけでなく、中国共産党が党中央軍事委員会でもって国家の武装力を指揮していることを取り上げた。まだ中国の「国防軍」ではなく、「人民解放軍」とされている問題だ。それを「党が国家に成り代わっている」と批判したことなどはかつてない大胆な問題提起である。

今年2月、次月からの“政治の季節”を予告するかのように、薄熙来書記の腹心である王立軍・副市長兼公安局長が重慶に隣接する成都の米国総領事館に飛び込んだ。この“駆け込み訴え”から英ビジネスマンの殺人事件が明るみに出て薄熙来書記失脚につながった。
ここまでの経過や内容については、本ブログの拙稿(http://lib21.blog96.fc2.com/blog-entry-1926.html)でまず伝え、阿部報告(http://lib21.blog96.fc2.com/blog-entry-1965.html)で詳細を取り上げたので、参照してほしい。

 3月北京で全国人民代表大会(全人代=国会)が開かれ、重慶市人民代表の一人である薄熙来書記も出席した。全人代は14日閉会し、それを待っていたかのように翌日、薄熙来書記は中共重慶市委書記のポストから解任されたのである。そして4月10日には中央政治局委員・中央委員の資格停止も発表された。この発表により、薄熙来前書記が党規約と規律検査委条例によって「双規」と略称される強制捜査の対象とされたことが明らかになった。ここまでは中国共産党の党内処分である。

中国には「党規国法」という4文字成語がある。法令・規則が中共のものと国家のものと二重になっていること、党規の方が国法に優先することを表している。中国のメディアは、国慶節などに出席した政界要人を列挙して報道するとき、「党と国家の指導者」と形容して党人が先になることにも示されている。

前記の「双規」とは、規律検査委が党員の党規律違反や犯罪・非行類を調査するとき、日時と場所の双方を規定(指定)して本人を出頭させることから名づけられた。中国共産員を対象にした党内部での調査だから、党員でない市民に適用されることはない。ただ、刑事訴訟法にあるような身柄拘束の要件とか期間など、身柄が束縛される具体的な条件についてはなにも明らかにされていない。

王錚副教授が公開状で衝いたのはこの問題である。追及の拠り所は、憲法の「いかなる組織も個人も憲法と法律を超える特権を持ってはならない」との規定(第5条)である。中共中央規律検査委は、執権党とはいえ一政党の機関でしかなく、検察・警察機関のような法律の規定による逮捕権はない。それなのに、なぜ、「人民代表」の資格を失ってはいない薄熙来前書記の身柄をおさえ、自由を奪うことができるのか―という内容である。
全人代のトップ呉邦国常務委員長(中共中央政治局常務委員)に宛てた公開状では「今日に至るまで、一般市民は薄熙来がどのように法に背いたのか、ど、ど、どのか、どのか、どんな罪を犯したのか、誰も知らない」と問題処理の不透明さを糾弾している。

上記の阿部報告にもあるように、薄熙来うに、薄熙来うに、薄熙来前書記が君臨した当時の重慶市では、「打黒」(ダーヘイ=暴力団一掃)のスローガンの下、徹底した取り締まりが続けられ、ヤクザと結びついていた警察や司法関係者も多数摘発された。一般市民からは治安回復を歓迎する声があがったといわれるが、経過を見て驚くのは、このキャンペーンで警察・検察・裁判所の司法機関が一体となって薄熙来前書記と腹心の王立軍前公安局長の方針通りに動き、死刑を含む厳罰を適用していたことである。

その“政治的仕組み”を権力行使の実態が見えやすい地方の重慶で見よう。重慶市の最高権力機関は重慶市人民代表大会である。そこで市長が選挙で選ばれ、検察庁・裁判所の責任者も選任される。そうした動きの核になるのが中国共産党である。選挙形式の場合、候補者は中共の推薦する人物であり、選出・選任されるのはほぼ例外なく中国共産党員である。だから、中国第4の直轄市・重慶のトップは市長ではなく、背後に控えた中共書記なのである。

司法機関は市の予算で運営されるから、人事と予算を握っている市当局=共産党幹部には頭があがらない。在任中の薄熙来書記はこと重慶に関する限り「帝王」だった。中国に進出した外国企業が地方で合弁相手の中国企業・経営者などを相手にした裁判で不利を味わう事が多いといわれるのもこのような事情による。

さて、冒頭にあげた王錚副教授の公開状については、4月30日の『産経新聞』が大きく報道した。矢板特派員電で、彼女のアピールに賛同する人への「5月3日天安門広場集合」の呼びかけまで書き込んでいる。天安門広場では3日、それらしい動きはなかったという。“ジャスミン革命”の呼びかけもそうだったが、警察当局の厳しい警戒下、日時と場所を指定した体制批判の集会はまず開催できるものではない。

ただ、同紙がこの異議申し立てを「保守派が反撃」と位置づけたのは如何なものか。薄熙来問題には、最初によくいわれた太子党VS共産主義青年団の対抗という要素もあるが、毛沢東派VS改革派の対立も絡まっている。保守・改革に大別すれば薄熙来前書記が保守派であることに異論はないだろうが、支援する王錚副教授もやはり保守派なのだろうか。

王錚副教授の公開状の眼目は、「党規国法」のあり方をめぐって極めて基本的な問題を大胆に指摘したことにある。薄熙来前書記のケースは、本人が中共中央指導部の要職にあるだけでなく、 全人代という国権の最高機関の代表を兼ねていたため、絶好の例証としてあげたのではないか。

 中国共産党の統治の基本に関わる問題だけに、ネットで発表されたこの公開状に当局は神経をとがらせている。検索エンジンで王錚副教授と入れても「あなたの探す書き込みは存在しません」などのメッセージが出てくる。わずかに残っている見出しから書き込みのあったこと、それが削除されたことが読み取れる。しかし、ネットユーザ(網民)もその辺は心得ていて素早く転送するから筆者も最新の公開状を目にすることができた。

北朝鮮のような露骨な“父子相続”ではないにせよ、次の党大会では、数多い太子党グループの政治家が中国共産党の中央指導部に入る。王錚副教授はその「一党専制」の矛盾を法律面から衝いた。差し当たり、共産党統治下の現実政治では“異論”として封じ込められ、無視されることだろう。ただ、これだけの内容のものが正面切って発表されたことで、国民大衆にも徐々に知られることになる。それがやがて広まり、深まって行けば、建国以来四代目になる習近平国家副主席など次の最高指導部にも影響を及ぼすことになるかもしれない。

 

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コメント
 
01. 2012年5月09日 19:44:39 : M4NnZz1RaM
薄熙来前書記が保守派?

馬鹿じゃないの?

誰だ書いたの?


02. 2012年5月10日 04:51:53 : MWnIgYUosY
この記事の低能さは、日本の憲法秩序が万邦無比で世界に及ぶモノサシとなると勘違いしていることだ。現代版八紘一宇だね

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