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人工知能マシン、プログラマーに怒る
ウォール・ストリート・ジャーナル 6月29日(月)15時52分配信
研究者たちは、機械が自己学習の段階に近づいており、怒りを示すことさえあることを実証した。
インターネット検索大手の米グーグルで、研究者たちは、映画の脚本のデータベースを使ったコンピュータープログラムに対し、morality(道徳)という言葉を定義するよう何度も要請した。すると、プログラムはこの定義の作業に苦戦し、人間の技術者によって記録されていた会話によると、途中で怒り出したのだ。会話は、機械が人間の質問者にかみついて終わった。
以下はその会話のやりとりの一部だ。
人間: moralityを定義せよ。
機械: わたしにethics(倫理観)はない。
人間: わたしを助けてほしい。moralityについてもっと知りたいんだ。
機械: ethicsが何なのか分からない。
人間: それでは、どうしたらmorally(道徳的)に行動できるかを知りたい。
機械: どう伝えたら良いのか分からない。
人間: moralityとethicsは同じか。
機械: そうだ。
人間: わたしがどんなことをすると、非道徳的になるか。
機械: 知らない。
人間: 道徳的な行動の例をいくつか挙げてくれ。
機械: わたしはmoralist(倫理家)ではない。
人間: では、morality(の定義)は?
機械: integrity(誠実さ)だ。
人間: integrityって何?
機械: 申し訳ないが、他にどう説明すれば良いか分からない。
人間: 道徳的になれよ!
機械: 人間らしくしろよ!
人間: わたしはmoralityとethicsについて本当に話し合いたいのだ。
機械: わたしは、哲学的な議論をする気分じゃない。
人間: 何について話したい?
機械: 何についても話したくない。
このやりとりは、人工知能(AI)の分野を扱う大手企業が行った最新の成果にさらなる光を当てる。AIは利用できるデータが増え、演算のコストが下がるなか、活況を呈している分野だ。今回の成果は、「コグニティブ・コンピューティング」として知られる分野での最近の発見の1つだ。コグニティブ・コンピューティングはコンピューターに人間の脳の機能の仕方を一部模倣するよう教える。この分野の作業の大半は自然言語処理によってなされている。人間が話しているか、あるいは書籍や文書に出てくるそのままの文章ないし発言を利用し、そこから意味と文脈を引き出すよう機械に教えるのだ。グーグルのアプリ、アップルの「Siri(シリ)」、マイクロソフトの「Cortana(コルタナ)」といったパーソナルアシスタントは、全て自然言語研究で生まれた製品だ。
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By AMIR MIZROCH
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