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(回答先: 額の卵が羽ばたく時 いよいよ今年からか。長かつたな。 ああ、キアヌ、來日して呉れて有り難う。御蔭で氣附けたよ。 投稿者 不動明 日時 2015 年 2 月 15 日 02:57:32)
『オタマジャクシがカエルに成長しようとするとき、5〜6日間
の断食をしているのである。
その掟を守り抜いたものだけが”やがて、手が生え、足が生え”
となってくるのである。
もし、仮にオタマジャクシに人為的に、餌を無理して摂らせるとどうなるか?
掟にそむいたオタマジャクシは、永久にカエルに変身できないのである。
食欲の誘惑に負け、食べてしまったオタマジャクシは、カエルにはならず
オタマジャクシのままで終わってしまう。
たった5〜6日間の断食でさえ、実行するかしないかによって
変身できるかどうかという秘密が断食にはあるのである。』
『幼時の蚕は、何度も何度も断食を繰り返して、発育していく。
そして、さなぎとなったとき、長期の断食
(羽化して成虫になるときまで)に入り、断食後、自然の掟
を守ったものだけが成虫の仲間入りをするのである。』
『前に述べた昆虫などの変態も、この生命力の反動的な噴出によって
なされるのであるらしい。
というのは、自然のままに生きている彼らに、栄養過剰や毒物、老廃物
の滞留などあるはずはなく、生命力の反発ということのほかに
考えられないからです。』
断食★阿修羅♪
http://www.asyura2.com/danjiki.htm
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断食のすすめ〜心とからだの完全健康法〜
静養院断食療養所院長
寺井嵩雄、桜木健古共著(柏樹社刊)
◇大自然の掟、成長するために必要な断食
不思議なことがある。
オタマジャクシがカエルに成長しようとするとき、5〜6日間の断食をして
いるのである。その掟を守り抜いたものだけが”やがて、手が生え、足が生え
”となってくるのである。
もし、仮にオタマジャクシに人為的に、餌を無理して摂らせるとどうなる
か? 掟にそむいたオタマジャクシは、永久にカエルに変身できないのであ
る。食欲の誘惑に負け、食べてしまったオタマジャクシは、カエルにはならず
オタマジャクシのままで終わってしまう。
たった5〜6日間の断食でさえ、実行するかしないかによって変身できるか
どうかという秘密が断食にはあるのである。
人間でも昔はそうだった 。
原始時代、槍を持って猪や鹿を追いかけていたころには、獲物がなければ、
3日でも4日でも断食せざるを得なかった。これが現代では食べて食べて、ま
た食べての連続である。断食の専門家の私から見ればこれで病気にならぬのが
不思議である。
さらにオタマジャクが断食によって大変身できるように、私たち人間も、自
分の望みどおりの頭・体・心に大成長をとげるのは、断食という魔法のおかげ
であろう。それを知らずに、食べ続けて、老い、病に悩み、精神的苦痛を持ち
続けて「悟らず」に死んでいく人のなんと多いことか。
蚕も同様である。
幼時の蚕は、何度も何度も断食を繰り返して、発育していく。そして、さな
ぎとなったとき、長期の断食(羽化して成虫になるときまで)に入り、断食
後、自然の掟を守ったものだけが成虫の仲間入りをするのである。
成長するのに必要だという以外に、断食は私たちに生きているという実感を
与えてくれる。私たちが生かされている源、すなわち水と空気の存在を実感と
してとらえることができる。
水のうまさ・味── ふだん私たちは味覚がまひしているために、本当に体
によい水の味がわからないのである。断食後、私は水道の水がどうもまずくて
飲めないので困る。清水か霊泉、ミネラルウォーター、太陽石の水などにして
飲まなければ、とても飲めないのである。
光の存在── これもふだんは感じない。ところが1週間も断食している
と、光のありがたさが五感のさえとともに、体全体でわかるようになる。その
意味で断食中は、全身の日光浴を思う存分することである。
空気の味── これも食べていてはほとんど感じることができない。ところ
が断食によって嗅覚がさえてくると、混雑した道路とか、光化学スモッグで汚
れたところにいると、空気の味の悪さから、頭痛が起こってくる。
空気の最もおいしいとき、それはなんといっても日の出前の1時間から日の
出後の1時間である。断食後は、この時間に思う存分の呼吸を繰り返してみれ
ば空気がおいしいと実感し、生かされているという事実に、いかなる宗教宗
派、無神論者に関係なく感謝せざるを得なくなる。
◇病気のときは食べてはいけない
みずから断食を行い悟りを開いた釈迦の教えによると、体に異常を感じたと
きには食を断つべきであるとなっている。
私もその考えに大賛成だ。だが「そんなバカな」と言われる方も多いだろ
う。
確かに、病気は体が弱っているからかかるのであり、体力の低下こそ、病気
の最たる原因であると言る。しかし、だからといって、すぐに栄養を摂るため
に食べるのはまちがいなのである。
「体力をつけるためには、まず食べなくては…」と思い込んでいる人は実に
多い。
ところが、体力が弱っているときに、無理に食べようとすれば、食べるもの
もまずいだけだし、ただでさえ胃が食べ物を受けつけていないのに栄養になる
わけがない。病気になると食欲がなくなる──これこそ自然の姿であるし、人
間の本能だ。体が食をとりたくないのだ。そんなとき、無理に食べることは決
てよい結果を生むはずがない。
動物は、自分の体の調子が悪いときは、与えられた餌を口にしない。病気の
とき、無理にたべるのは体に悪いと本能的に知っているからだ。
人間も動物である。他の動物が、病気のとき食べることを拒否するように、
人間だって本能に従ってすなおになるべきなのだ。
人間、いや動物はすべて生まれながらにして自然治癒力というものを身につ
けている。この自然治癒力は、あらゆる病気を治す力を持っている。
病気を治すのは、医者がくれた薬であると信じている人もいるだろう。とこ
ろが残念ながら、薬だけの力で病気を治すことなどできない。
あれは、症状を抑えているだけである。いわば神経をまひさせて痛みなどの
苦痛を少なくし、自然治癒力が働き出すのを待っているだけなのだ。むしろ、
無理に症状を抑えるための副作用のほうが恐ろしいくらいだ。
われわれ人間は他の動物とくらべて非常に賢い。いろいろな知識を有してい
る。しかしその知識が人間の行動をむずかしくしているのだ。
「体力を維持するのはエネルギーだ」
「病気になるのは体力が弱っているからだ」
「病気になったら、スタミナ食で体力を強化せねばならない」
「病気になったら、多くの栄養を摂って、エネルギーを補給しなければなら
ない」
これらの言葉は、一見、非常に正しい方程式のように思える。しかし、実は
根本的なことが見落とされているのだ。
体力を強化うるのは、本当に食しかないのか。また、体力が弱くなったの
は、いったい何の理由によるのか。
それらのことが解明できずに、どうして無理にでも食べればよいという結論
が出るのだろう。
ましてや、体は食を欲していないのだ。
病気になったとき──それは、体が体内の毒を体外に出すためのコントロー
ルをしているときであると考えてほしい。熱が出たり、吐いたり、痛んだりと
いう症状が出るのは、病気の要因となるものが体内にたまりすぎて、それを体
外に排出するための体の本能なのだ。
体が弱まっている原因──すなわち病気にかかるような弱った体になった原
因は、以外にも”食”であるかもしれないということを知っておいてほしい。
岐阜県に住む医学博士・山田行彦先生は、医学的な見地から、「病気になっ
たらメロンを食べろ」と言っている。
「病気になると断食をするのが一番だが、残念ながら現代人はそれに慣れて
いない。何も食べないということに、死んでしまうような恐怖を覚えてしまう
らしい。そこで私はメロンを食べるようにすすめている。メロンの成分は水分
が90%以上を占め、栄養価はきわめて低い。また温室で作られるので、農薬
の散布も少なく、メロンの多くは農薬が使われていない。そのうえ、おいしく
て、さらにいいのは高価なので、もったいなくて少しずつしか食べられないと
いう点である。」
山田博士の説は実におもしろい。
私も同感だ。病気になったときは、1日少量の水さえ摂っていれば、いちば
ん早く治せると思う。山田医博は、病人に対し水の代わりに”メロン”をすす
めているだけである。
ただ一つ、ヨガ医学の面から言うならば、病気中に果物を摂っては、体が冷
えるので、メロンというものには必ずしも賛成できない。しかし、医学的な見
地からも、このように断食の効果を訴える人が少なくないということだけは知
っておいていただきたい。
◇現代人は、食べすぎによってみずからをダメにしている
多くの人は、食べることによって栄養を補給し、エネルギーを蓄えているい
ると信じて疑わない。言いかえれば、食べることで健康を維持しようとしてい
るのである。
<食べることの欠点>
@内臓の疲労がはげしくなる
A頭の働きが鈍る
B血液が汚れる
C生活の中で大幅に時間をとられる
大きなものとしては以上のようなことであろう。
@について…
私たちの内臓は一日とて休むことはない。毎日3食を摂り、それを消化する
ために胃や腸は休むことなく働いている。これでは食べれば食べるほど内臓が
疲労を重ねていくと言ってもまちがいないであろう。
常に胃腸を健全な状態に保つには、定期的な断食で胃腸をゆっくり休ませ、
機能を回復することではないだろうか。
Aについて…
食事の消化には、多量の酸素を必要とする。その分だけ、脳に回る酸素の量
が少なくなってしまうのである。これでは、残念ながら頭の回転がよくなるわ
けがない。
頭の回転をよくするには断食が最高なのだ。
Bについて…
さらに食べ物は血液を汚すという欠点を持っている。特に肉類は血液を酸性
に変えてしまう。日本人の血液はもともと弱アルカリ性(pH7.4)で、その
状態を保つことが最もよいとされている。
西洋文化が日本文化に深く入り込み、日本人特有の西洋びいきが、「肉こそ
最高の食べ物」と思わせ、肉はいままで食卓に欠かすことのできないものにな
った。しかし、肉だけを西洋にまねても、西洋人の賢い食生活を完全にはまね
ていないのである。
外国人は肉を食べるとき、同時にアルカリ性のワインや生野菜を大量に摂っ
ている。それに比べ、日本人はせいぜい生野菜を小皿に少々食べるだけであ
る。
これでは血液は汚れほうだい。血液が汚れると、頭は鈍り、体調は悪くな
り、いつも体がだるく、そして病気にかかりやすくなってしまう。
現代人が病気になりやすい理由──それは”食べ過ぎ”ているからだ。
Cについて…
日本の裕福さは、その食生活に著しくあらわれた。しかし、すべての人が好
きなものを好きなだけ食べられるようになったいま、太古の昔から食を断つこ
とで健康を維持してきたという歴史の事実を、いつの間にか忘れてしまったの
である。
食べることで脳の働きが鈍り、食べることで疲労を増やし、食べることで血
液を汚して病気になっている。そしてさらに食事に費やす時間の多いこと。こ
れではせっかくの活動時間がうばわれてしまう。
”食”──それ生命を養う糧でもあり、一歩まちがえば毎日三度三度あなた
をだめにしているものともなりかねないのだ。
◇毎日の食事がかすとして体にたまる
食事を摂ることで引き起こされる最も悪いこと──それは、食事のかすが体
内にたまることであると言える。
皆さんは宿便という言葉を聞いたことがあるだろうか。宿便とは、胃や腸の
壁に、食べ物のかすがこびりついているもののことで、ちょっとやそっとでは
とることができない。そして、それをとることが、断食の大きな目的であると
言える。
では宿便というものは体内にどれほどたまっているのだろう。個人差はある
が、一般的には一升びんに一本分はあるだろうと言われている。しかも、それ
は生まれてからいままでのもの──すなわち腐敗物である。そんなものが一升
びんに1本分もあって体にいいわけがない。胃腸の消化能力が低下する原因に
もなっているはずだ。
一説によると、ガンの一因として宿便もあげられているというし、未公開で
はあるが、2週間以上の断食経験者や、宿便を出した人はガンにかからないと
いうデータもある。
では、宿便はどのようにしてとり除けばいいのだろう。
それは、断食開始と同時に、漢方の下剤を飲み、それを毎日つづけていくと
いう方法が一般的である。胃の中は、半日もすれば消化するものはなくなる
が、腸の中のものは、特に日本人は腸が長いこともあり、3日から長い人は6
日くらいかけないと完全に排泄されないことが多い。
漢方の下剤を飲みつづけていると、まず、体内の排泄物が次々と外に押し出
されてくる。「食べないのに、どうしてこれほど毎日、便が出るのだろう」と
思えるほど出るものだ。
そして、しばらく便が出なくなり、断食後4日から10日くらいの間に、突
然のように宿便が出る。
毎日すこしずつ出る場合もあり、一度にすべて出る場合もある。
その形状にも個人差があり、コロコロしている場合と、ネバネバして非常に
くさいものとがある(くわしく説明すると、黒いコールタール状の黒便、焦げ
茶色の固い石のような古便、カサカサして骨のような停滞便などいろいろあ
る)。量的にはかなり多いので驚くだろう。体のどこにこれほど食べかすが残
っていたのか、とびっくりするはずだ。
だいたい人間は宿便がたまりやすくできている。犬や猫は、気分が悪いとき
2〜3日食べずに宿便を出してしまう。それに体の構造そのものも宿便がたま
りにくいようにできている。それは、適時に行っている断食がそうさせている
にすぎないのだが…
人間は通常1日に1回の大便をする(私は最低でも2回はするべきだと思
う。というのも、1食で1回、3食なら3回だと考えるからである)。
犬は日に2回の大便をする。しかも、その2回とも実にりっぱな量を排泄す
るのだ。量も人間と大差ない。しかし、食べている量はどうだろう。
犬は2食が普通だし、動物学的には1食だとされている。ところが人間は3
食、当然、犬より人間の食事の量は多いはずだ。
体の大きさも、一般には人間のほうが大きい。生まれたての犬の体重は、赤
ん坊の約1/10しかないのだ。排泄すべきものをすべて出していないとすれば、
いったい全体残りはどこに消えているのだろう。当然、体の中である。
便として出されるもの以外は、胃や腸にへばりついてしまうのだ。そして、
それがいつの間にか、固くなり、ちょっとやそっとではとれなくなってしま
い、腐敗してしまう。
大便──それはきたないというイメージがあるに違いない。確かにきれいな
ものではない。なのに人間は、その大便を体内に大量に残して平気な顔をして
いる。
いや、そういう事実に気付いていないから、平気でいられるのだ。実は、こ
れが病気の原因になっているということを知らないだけのことなのだ。
考えてみてほしい。
それほどきたないものが、さらに腐敗してしまい、一升びん1本分も体内に
残っていては病気にならないほうが不思議というものではないだろうか。
病をはねのけるには、年に一度、ある程度の長期断食をして、宿便を出し、
健康を維持してもらいたいと思う。
さらにもう一つ、完璧に宿便を出す方法を教えよう。
それは水浣腸である。
普通の浣腸では、腸の一部だけしか掃除できない。しかし、私のやっている
水浣腸をやれば、腸の中や胃の中まで、実にきれいになる。しかも、一瞬にし
て、きれいにすることができる。
それは、水道の蛇口にホースをつけ、そのホースの端を肛門に差し込む方法
である(肛門に差し込むホースの口に普通の浣腸器の先をつければよい)。次
に、水道の栓をいっぱいに広げ、水を勢いよく流出させるようにする。
非常に苦しい。
腹はプクーッとふくらみ、胃の中まで水がはい上がってくるのが自分でよく
わかる。
猛烈に便意を催してくる。それを1分間グッと我慢し、勢いよく排泄するの
だ。
すっきりした気分になると同時に、非常なる驚きをももたらしてくれる。そ
れは、体内にこれほどの食べ物のかすがたまっていたのかという驚きである。
食べ物のかす──それは人間をダメにしてしまうかもしれないほど、猛毒で
あるということだけは、よく知っておいてもらいたい。
◇食べないエネルギーがパワーを生む
断食のもたらす不思議な力について述べてみよう。
私の道場では、断食滞在者に、朝5時半からマラソンをさせている。ちょっ
と目を離すと、断食者の一部は、つらいからと言ってフラフラだからと言って
はマラソンを休もうとする。しかし、そんな彼らをなんとか引っぱって毎朝マ
ラソンをする。
マラソンを終えれば体内浄化体操。それが終わればヨガ、というように、実
にハードなスケジュールで追い立てる。
すると1週間くらいたったところで、突然のように不思議なパワーが生まれ
てくるのである。
これは体験した人も多いだろうが、突然体が軽くなり、マラソンをしてもス
ムーズに走れ、息切れひとつせず、いままで、持てなかったバーベルが簡単に
持ち上がるのだ。
そう、まさに、食べないエネルギーがパワーを生んだとしか解明のしようが
ない力がわいてくる。
「食べないのに、そんなことがあるわけないじゃないか」と言われるかもし
れない。確かに通常の考えでは、人間の消費するカロリーは、食べ物からとる
ことになっている。
しかし、人間が生きるためのエネルギーの源それだけではないようだ。現
に、すでに何万人という断食経験者がそのパワーを自分のものとしてつかんだ
ことを忘れてはならない。
◇毒素が、汗・尿から出尽くしてしまう
日本に断食道場と名のつくものは非常に多いが、私の指導している断食は、
”現代ヨガ独特の断食”である。
では普通の断食と現代ヨガ断食とではどこがどう異なっているのかを述べて
みよう。
まず、一般的に行われる断食の方法を上げてみよう。
断食中は水を飲み、それ以外のものはいっさい口にしない。
次に、断食中は静かにしていて、あまり体を動かさない。
その2点が大きく違う。
私の指導するヨガ断食では、水を少量にし、天然のジュースなど(野菜ジ
ュースや果物ジュース、ともに100%のもの。蜂蜜・胚芽・薬草茶・霊泉水
等)で少量のエネルギーを摂るように教えている。
これは、水分過多という状態が血液を薄め、体をふやけさせて、陰性体質に
し、体を披露させてしまうからである。その結果、頭の回転は鈍り、体はむく
み、活動的でなくなり、新陳代謝が活発に行われなくなってしまう。
それに、全く水だけではエネルギーが補給できず、栄養不良になってしまう
からだ。
その証拠として、ある断食道場では、水だけを飲ませて、死者を出したこと
さえある。このことは、新聞でも大きく扱われたので、記憶に新しい人も多い
ことであろう。
しかし、私の道場では、いまだかつて一人として、そのような危機を感じた
こ者はいない。皆、病気を克服して元気に帰っていく。
そして、もう一つの違いは運動である。
前にも述べたように、私の道場では、毎朝早くから、半強制的にヨガ走法の
マラソンを行ない、そのあともヨガ体内浄化体操、そしてハタ・ヨガ、さらに
は、サウナ──というように、かなりハードに運動をすすめている。
これは、汗を流し、毒素を体外に排出するためである。
前述のように、断食の目的の一つは、宿便を出すことであり、体内の毒素を
出すことである。それなのに、じっと安静にしていては、毒素が出るはずがな
い
毒素──それは、汗腺および肛門と尿道から排泄される。その毒素の排泄を
促すためにも、ヨガ断食では運動をし、汗を流させるのだ。また、宿便を出す
ためには、胃や腸を刺激する運動を行わなければならない。腸を刺激しない
と、宿便は決して出てこない。
ましてや、安静にしていて、腸が活動するとは考えられないし、宿便が完全
に出るなどとはとうてい思えない。
体内の毒素を出すには、新陳代謝をよくしなければ不可能だ。
少量のジュースで少量のエネルギーを得ることで、その分の活動ができる。
その活動で汗を流し、新陳代謝をよくし、毒素を体外に排出するのである。
では、ここで、断食中の汗や尿の中に、どれほど多くの毒素が含まれている
かということについて述べてみよう。
断食中(7日目)の汗もしくは尿(汗と尿の成分は同じ)を1tとり、マウ
スに注射すると、そのマウスは1分もたたない内に全身ケイレンを起こしてし
まう。
このことから、いかに断食中の汗や尿に猛毒が含まれているかがわかるだろ
う。こんな毒を体内に入れておいては健康になれるわけがない。
ぜひ、断食で毒素をすべて出し切って健康になってもらいたいものだ。そし
て毒素を出すのには、やはり断食しか方法はない。
また、その毒素はにおいでも判断できる。というのは、断食者は非常にくさ
いからである。私の道場の断食滞在者が泊まっている部屋に行くと、普通の人
なら10秒もがまんできないほどの異臭に驚くに違いない。死臭にも似たよう
なこのにおいは、どんな人でも直感的に”毒素のにおい”であることを感じる
に違いない。
私は長期断食だけは、必ず当道場のような専門家のいるところでないといけ
ないと訴えるようにしている。
その理由の一つには、もちろん体の危険ということがある。へたをすると死
をも意味する行為だけに、しっかりした指導者がいなければダメだということ
である。素人療法ほどこわいものはない。
これも新聞で話題になったことであるが、やせるために断食をやり、いつの
間にか、胃が食べものを受けつけないようになって死んでしまった女子大生が
いた。
もし彼女が、もっとしっかりした責任者のもとへ行っていれば…そう思うと
残念でならない。私のところであれば、絶対にそんなことにはならなかっただ
ろうに…と、私の無力さが非常に残念に思えてならなくなったことを覚えてい
る。
そして、もう一つの理由として、体臭のことがあげられる。
断食後は5日目から体臭はひどくなり、宿便が出てから1週間くらいまで、
毒素が最も多く出る時期なので、非常にくさく、そのにおいが自分で判断でき
ないだけに、他人に迷惑をかけてしまうことがある。
できる限り、専門の道場で実行したほうがいい。
最後につけ加えておくが、新陳代謝をよくするために、また、1日も早く毒
素を出し切るために、当道場では熱風サウナをとりつけ、少しでも早い断食の
目的達成に努めている。
とにかく、それほどすごい毒素を、あなたはいま、体の中にたいせつに持っ
て暮らしているという事実をこの際よく認識しておいていただきたい。
◇食を断てば、白血球の数が4倍になる
断食すると白血球の数が非常にふえるということが実験で実証されている。
これは、いったいどういうことになっているのだろう。
白血球は、ご存じのように、体の抵抗力を非常に増すものである。その白血
球が、断食するとふえるのだから、断食中は、まさに鬼に金棒といったあ感さ
えある。
なぜ、断食すると白血球がふえるのかは、残念ながら私にはわからない。し
かし、事実としてふえ、最高時は通常の約4倍になるのだ。
断食期間中で言うならば、3日目から白血球はふえ始め、5日目から2週間
目くらいまでが最高の抵抗力を有する。
増殖した白血球は、非常に旺盛な食菌作用を持っているということはだれで
もがよく知っていると思うが、この効果は非常にすごく、どのような毒でも、
けっして体に害を及ぼさないのである。
これは私の体験談であるが、抵抗力がつくという実例を示すために、次のよ
うな話をしよう。
私が長期断食のため山にこもったときのことである。断食を始めて9日目、
私はマラソンのため宿泊所を出たところで、とんでもない災難に出合った。
「痛い!」
そう思ったときは、すでにおそかった。私はマムシの尾を踏んでしまい、突
然かまれてしまったのだ。
さすがに、あのときは私もあわてた。もう、これで死ぬのかと思った。そう
考えると、なぜか体全体がしびれてきたような気がして、あわてて血を吸い出
した。しかし、気が高ぶっていてうまくいかず、とりあえず、太もものつけ根
を縄で強く縛り、小一時間もかかって山を下り医者に見せた。
するとどうだろう。
医者はマムシの毒など全くないというのだ。私は驚いた。
そこで、血液を取ってもらったところ、白血球が非常に多い体質なので助か
ったのだろうとのことだった。
私はこのときほど断食のすごさを感じたことはない。さて、それ以来、断食
中ならば、どんな猛毒を盛られても死なないという自身ができた。
これほどの威力を発揮するのだから、断食すれば、インフルエンザをはじ
め、コレラであろうが、ライ病、梅毒であろうが寄せつけないのは当然のこと
と言えるだろう。
また、断食することで病気が治ってしまうのも、そんなことを考えれば、ご
くあたりまえのことだと言えよう。
私は、病気になったら断食をしろと、いつも、トレーナーや会員の人たちに
言っている。その理由の一つは、この白血球の増加にある。
「断食すれば、体力がなくなるから、なおさら病気にかかりやすくなるので
はないだろうか」と信じ込んでいた方々に申したい。理論的かつ科学的、そし
て医学的な見地からも、断食中に病気になることなどありえないことなのだ。
そのおもしろい実例を紹介しよう。これも私の道場でのことだ。
私の道場では、断食滞在者を朝晩必ず水ぶろに入れるようにしている。もち
ろん、どれほど寒かろうと全く関係がない。熱があろうと、どれほど苦しくと
も水ぶろに入れさせる。
今までに何万人という人が、私の道場で断食を経験しているが、一人として
風邪をひいたとか、熱を出したとかいうことは全くない。
確かに、真冬などに冷たい水に入るのは、やりたくもないし、体に悪いよう
な気もする。私だって、何十回となく断食を経験をしているのにもかかわら
ず、あまり寒い日などはさすがに気が進まないものだ。
当道場でも、「私を殺す気か」と言って、私の自宅をさがしてまで、夜中に
私に説教しに来てくれた元気のいい人もいたくらいだ。
しかし、結果は、風邪をひくどころか、逆に、現在持っている病気も治って
いくから不思議である。
白血球そのものの偉大さもすばらしいが、その白血球を増殖させる断食も非
常にすばらしいと言える。
◇人間は1回の食事で3時間の睡眠が必要
食事を大量に摂ると、それだけ睡眠時間がふえる──というのが私の持論で
ある。あちらこちらの講演で、そのことを話すと、ほとんどの人が冗談だと思
ってしまうような節がある。
「先生は冗談もおじょうずですね」と講演のあとで言われたことがある。い
ったい何のことを言われたのかと聞いてみると、なんと、食事と睡眠のことだ
ったのだ。
だから、この場で3時間の睡眠は1食分に相当するということを、理論的に
証明しようと思う。
まず、断食したことのあるひとならば経験していると思うが、断食3日目く
らいから、全く眠けがなくなってしまうのに気がつく。さらに、10日目、1
1日目になると、1,2時間も眠れば、もうすっきりして、それ以上の睡眠を
必要としなくなってしまう。
しかも、眠らなかったからといって、別に疲れるわけでもない。断食中と食
べているときとではもともと疲労度が違うのだ。
睡眠──それは、体の疲労を休息によって回復させるためのものである。
そして、その睡眠を必要とするのは”頭”と”筋肉”と”内臓”なのであ
る。
断食していても頭は使う。肉体も使うけれど、断食していないときにくらべ
れば、活動量も少ないし、そうは疲れない。
そして、内臓を休息させるための断食であるがゆえに、当然のことだが、内
臓は疲れていない。
すなわち、内臓は、それほど疲労しないので眠らなくてもいいのである。
たとえば、あなたが徹夜で仕事をしなくてはならないとき、おなかいっぱい
食べれば、絶対に眠くなり、徹夜はできないに違いない。それとは別に、あな
たも、食べたあとで眠くなった経験をお持ちのことだと思う。
”なぜかはわからないが、確かに睡眠と食事は経験がある”と思っている人
は意外に多いに違いない。
胃腸の活動は、エネルギーを費やし、さらに酸素を使い、体の他の部分の活
動をゆるめてしまう。その結果、眠くなってしまうのである。
食べなければ、その分、内臓も疲労しないし、そのエネルギーを他のことで
消費することができる。そして体はすみずみまで十分なエネルギーを得、活動
をやめずにすむようになり、ついには睡眠の必要などなくなってしまうのであ
る。
これが信じられない人は、一度、一食主義をせめて3日間、試してみてはい
かがだろう。そして、そのときの必要な睡眠時間をはかってほしい。きっと、
夜おそくまで眠れず、さらに朝は日の出前には目を覚ましてしまうだろう。
ところが、それを3食にふやすだけで、体にとっては8時間以上の睡眠が必
要になってしまう。
1食につき3時間の睡眠が必要──これはそんなところから出てきた数字で
あるが、けっしてうそではないということは。わかっていただけたのではない
だろうか。
◇生まれたままの姿にし、性格まで変えてくれる
断食──それは人間を生まれたばかりの真っ白な状態に戻すことである。
人は生まれてから、この”いま”まで、いろいろな色に染まってきた。親が
白と言うなら白に。そして教師が赤と言うなら、白に赤がまじりピンクに。さ
らに友人の黒が入り、親類の黄色が入る… 環境によって、いろいろな変化を
受けながら人は育っていく。
これは性格となって、なかなか変えることができない。人間は3才までに味
覚や性格が形成されてしまうと言われる。それはなぜか──
生まれたときには真っ白だから、すぐに最初の性格が身についてしまうので
あろう。
母親あの性格によく子供は似る。それは、母親といる時間が最も長いからに
すぎない。おばあちゃん子がおばあちゃんに似るのもそうなのだ。
最近の子供は、両親が共稼ぎだと、施設に預けられる。そこでは、多くの人
が出入りし、保母さんも毎日かわり、多くの仲間がいる。こうした環境の中で
形成されていく精神構造と、実の母親のものとは全く別のものとなり、子供と
母親の意志の疎通はなくなり、子供は親に不信感をいだき、親は子供の行動を
理解できない。だから、子供は暴走する──
余談になってしまったが、子供のときに教え込まれた性格は直らない、子供
のときに身についた味覚もまた変わらないということを言いたいのである。
しかし、断食後は違う。
断食によって、胃腸は変わり、考えも変わり、性格も変わってくる。
それは、生まれたばかりの真っ白な状態になるからだ。そして、それが断食
から普通食に戻るまでの復食の期間に効果となってあらわれてくる。
復食のとき、それは、生まれたばかりの赤ちゃんが覚える味覚と同じよう
に、始めて口にしたものを好きになる。
たとえば、いままで大嫌いな納豆を復食後に食べたとする。すると、それが
最も好きになる。また、いままで嫌いだった数学を勉強してみる。すると数学
が好きになる。
断食──それは、自由自在に自分を変えることのできる不思議な力である。
断食──それは、自分の能力を無限に引き出すことのできる能力拡張機であ
る。
断食──それは、最良の望みを実現させるための大きく、そして強い武器で
ある。
断食──それは、この世の最高のものである。
◇断食により潜在生命力が復活してくる根拠1.内臓器官を休養させる
たとえば、胃は収縮力の強い臓器であって、食物が送り込まれると大きく膨
らむが、消化が終わって腸へ送り出してしまえば、またもとの大きさにちぢみ
ます。ところが、のべつの大メシを詰め込んでいると、胃は次第にこの収縮力
を失ってくる。弾力をなくした”ダラリの胃袋”になってしまう。これが胃拡
張や胃アトニーであるわけで、ひどい人の場合は、その先端がヘソの下から骨
盤のあたりにまで下がっている。胃の完全なグロッキーです。
こういうとき、食物を詰め込むことをしばらく停止してやると、「生命の調
和を保とう、自然の姿に帰ろう」とする自然良能によって、下がったものがだ
んだん上がってくる。よほどの難病でないかぎり、一週間から十日もすれば、
握りこぶし大の弾力に満ちた本然の姿に、簡単に戻ってしまいます。第一ラウ
ンドの病気である胃疾患は、断食によって最も治りやすいものです。だから、
胃腸の不調な人は、軽症のうちにこれらに完全休養を与えることが、長い人生
のために最も賢い道です。
だいたい消化、吸収という作業は、巨大なエネルギーを費やすものです。だ
から、消化器官に休養を与えることは、常識で想像する以上の効果があるので
す。このことは、たとえ一日の絶食でも試みてごらんになれば、翌日の何とも
いえぬ身の軽さ、さわやかさによって、体験的に認識していただけるでしょ
う。消化器にはかぎらない、生命の全器官、全細胞においても、事情は同様で
す。2.過剰栄養分を排出する
必要とするだけのものを摂り入れ、不要となったものはただちに排出する─
─この同化と異化作用がスムーズにおこなわれるとき、生命のバランスは健全
であり、その新陳代謝のリズムは順調です。必要でないものまでが体内に入
り、しかも即時の排出ができなくて停留するということは、生命の調和の崩
れ、新陳代謝の不活発を意味します。生命のリズムが停滞するのです。
第三ラウンドの循環器系の病気のほとんどは、栄養過剰を因として生じると
いえます。
栄養過剰とは、くだいていえば脂肪ぼたまりすぎということですが、これは
主として、炭水化物と脂肪分の食べ過ぎから生じます。生命活動が必要とする
以上のブドウ糖と脂肪とは、(ブドウ糖は脂肪に転化されて)、肝臓や皮下に
貯蔵されますが、必要以上のものが停留するということがすでに、諸器官への
余計な負担を意味します。
つぎに、血液中に入った脂肪の一部がコオレステロールになります。このコ
レステロールが異常に増えると、血液が重く、ねばっこくなり、これを運ぶ血
管と送り出す心臓とに重荷がかかることになる。また、コレステロールは血管
の内壁に付着して血管の巾を狭くする効果をもたらします。
重い血が狭い血管を通るのだから、循環にむりがかかることになります。血
管全体に正常以上の圧力がかかるのです。この圧力のとくに強くなったとき、
高血圧症状が生じるわけです。また、コレステロールが常時付着したままにな
ると、血管が硬化し、もろくなる。これが動脈硬化の症状です。
硬化してもろくなった血管が血流の高い圧力をつねに受けていると、その最
も弱い部分が耐えきれなくなって破れてしまうことがあります。脳の網細血管
が破れることが最も多いのですが、これが日本人の死亡率第一位を占める脳溢
血(脳卒中)です。
まさにコレステロールこそは、老化現象の元凶といってよいほどのもので、
脂肪の摂りすぎがいかに危険なものであるかは、世人の常識といえましょう。
卒中までゆかなくとも、重い血が狭い血管を流れるのだから、循環は不全とな
る。したがって血液は酸化しやすくなり、これが老化を促進することになる。
ロクなことはないのです。
ただし、コレステロールを作り出すのは動物性脂肪だけです。植物性の脂肪
はまったく反対に、血管を丈夫にし、血液中のコレステロールを分解、無毒化
さえするのです。動物食すなわち邪食であることの大きな根拠が、ここにも見
出されるわけです。
こういうわけで、過剰栄養分を体内にためておくことは、じつに不健康で危
険な現象です。断食はこれらの過剰分を消耗することによって、生命をその負
担から救ってくれます。いわば「滞貨を一掃」してくれるのです。
断食中といえども生命活動は行われているから、ブドウ糖や脂肪の燃焼は続
けられなくてはならない。しかし、食物は入ってこない。では、どこからその
材料を得るのか?
体内に貯蔵してあるものを使うのです。肝臓という大倉庫を始めとして、皮
下や血管内、筋肉内に貯えられてあるものを取り出して使う。これを、”自家
栄養”といいます。体内にあるものだけで生命活動を営もうとしているので
す。
この預金暮らしにおいて、天医は自然のすばらしい智恵を発現してくれま
す。生命にとって大切でないものから使ってゆき、重要な臓器にはなんの影響
も与えない。そういうカラクリになっているのです。「やせること、すなわち
衰弱すること」というのが一般の通念で、この通念から断食にたいする『第二
の疑問』が生まれるわけですが、不必要なものを捨てるがゆえにやせるなら、
健康への前進こそあれ、衰弱であるはずはありません。
ヴァレンチンという学者が冬眠活動について調査したところによると、四十
四日間冬眠した動物は体重の8.3%を失ったが、そのうち3.2%が脂肪の
消失であった。また、百六十三日間冬眠した動物の体重消失率35.1%のう
ち、脂肪の消失は16.3%であった。すなわち、体重の減る分の半分近くが
脂肪の消失である。そして、表でみられる通り、内臓器官にはほとんど何の損
失も与えていないのです。
動物の冬眠による各臓器減量率(%)
臓器 44日冬眠 163日冬眠
脂 肪 3.19 16.28
筋 肉 2.02 7.63
骨 1.79 1.95
皮 膚 0.46 5.57
胃 0.27 0.86
肝 臓 0.24 1.88
呼吸器 0.02 0.44
副 腎 0.018 0.02
膀 胱 0.009 ──
脾 臓 ── 0.01
心 臓 ── 0.16
脳 髄 0.07 ──
脊 髄 0.01 ──
断食をすれば、生命の自家栄養作業によって過剰脂肪がどんどん減ってゆ
く。血管内のコレステロールも、「これを捨てろ」とばかりに、だんだんには
がれて排出される。かくて身長と体重のバランスのとれた、不要物を体内にか
かえない、健康な体ができあがることになる。コレステロールがとれれば、血
管は広くなる、したがって血は楽に流れることができるから血圧も下がる、古
びてもろくなった血管の内壁も活力を取り戻す、心臓はマヒを起こすどころ
か、過剰脂肪や過重労働という十字架がなくなることによって楽になり、本来
の活動力を回復するという、めでたい結果になるのです。
フケのひどい人は断食後、フケが出なくなることに驚くでしょうが、これは
コレステロールが排出されたに他ならない。というのは、フケとは、皮膚の分
泌腺から分泌されたコレステロールが乾燥し、うすい皮となってはがれたもの
であるからです。だからフケ性の人は、頭ではなくて体内が不潔なのだと考え
なくてはなりません。
この「過剰栄養分の排出」という一事からも、断食がさまざまな目的のため
に有効な健康法であることが理解できましょう。
3.毒物・老廃物を排出する
過剰栄養分の消耗を「いらないものを出す」ことだとすれば、断食はまた
「悪いものを出す」という作業もしてくれます。「悪いもの」とは、生命に害
毒を与えるものということで、各種の毒素、老廃物、老朽細胞等を指します。
断食は、これらすべてのものを体外に押し出して、体の中を洗い清めてくれる
のです。
過食や邪食は、さまざまな有毒物を体内に滞留あるいは発生せしめます。自
然の生命にとっては、”異物”はすべて有毒物であり、したがって多くの動物
性食品から毒物は作られます。コレステロールがそうですし、ついで大腸内に
腐敗発酵物をつくる。動物食を好む人ほどたくさん、この腸内の有毒物を抱え
ているのです。
動物性タンパク質は、肉食動物の短い腸においてこそ合理的に処理されるの
であって、草食動物型の長い腸では、とかく滞留時間が長くなりすぎます。ま
た、野菜や穀類は、筋や殻の主成分であるセルロースが腸の内壁を刺激するこ
とによってその蠕動運動を促すのですが、動物食にはこのセルロースがないた
め、腸内での移動がスムーズにおこなわれにくい。このような事情から動物性
タンパクは残滓物の排泄ができなくて、大腸内に滞りやすいのです。
長くとどまりすぎると、タンパク質は腐敗現象をおこします。この腐敗は腐
敗菌という微生物によっておこなわれるのですが、肉類はこの微生物の成育の
ための絶好の温室となります。かくてタンパクの腐敗発酵から、プトマイン中
毒をおこすことになる。この有毒物が腸管を刺激して、その運動能力を低下さ
せる。こういう悪循環が生じてくるのです。
また動物食を摂りすぎる人は、血液が酸化しているために自律神経の働きが
鈍るということがある。このため腸の機能も低下する。したがって便秘がちと
なり、大腸内の残滓物が多くなりやすい、ということになります。さらに、大
食を習慣にしていると、胃と同じく腸もたるんでしまい、収縮力を失う。その
結果、活発な蠕動運動ができなくて糞便をためてしまうことになる。いずれに
しても、「過食・邪食は老廃物を腸内にためる」という公式が成り立つので
す。そして。ここから発生した各種の毒素が血液にまじって全身に運ばれ、自
家中毒を起こさせることになるのです。
ドイツのミュンヘンの開業医、ヴァレンチン・リガウエル博士は、『一開業
医の開業五十年間における経験と知識』の本の中で、「人間のいろいろな疾患
は糞便の停滞からおこるもので、便通さえよければ健康になれるものだ」と述
べており、また、大腸菌を殺して腸をきれいにすることこそが健康長生の秘訣
であると強調したのが、かの細菌学者のメチニコフ博士でありました。
アメリカのR・Hファーグソン博士の『腸麻痺と便秘』という本には、「ヒ
ポクテスから今日にいたるまで、医学の論文を書いた著名の士はすべて、大腸
内における便の異常堆積を防止することが、将来の病気にたいする予防策とし
て、また既存の病気の治療策として重要であることを主張している」とありま
す。
人類は遠い昔から、腸内に不要物をためることの害を知っていました。中国
の道教の書物である『抱朴子』には、「長生を得んと欲すれば当に腸中を清く
すべし、不死を得んと欲せば腸中滓なかるべし」とあり、日本最古の医書であ
る『神遺方』でも、「曽能那訶美爾万通比弋 倭邪奈順母乃乎耶満比土以布」
(その体中の纏いて禍なすものを病気という)──体内のはらわたにまつわり
ついて禍をなすものが病気の本体である──と看破しているのです。
大腸がなく、糞便をためることのない鳥類は、哺乳動物に比べてはるかに長
命です。タカ百八十才、ワシ百十才、オウム百才、カナリヤやヒバリのような
小鳥でさえ二十年も生きるのに、牛や馬はせいぜい三十才、犬、猫十五才、ネ
ズミ五,六才というように、哺乳動物はまことに短命です。
禅のお坊さんなどに長寿者が多いことの一つの理由は、菜食によって腸内が
清いためでしょう。禅門には、「腹八分、噛めよ、かめ、かめ、クソをためる
な」という食事訓があるそうです。
人間の腸管は全長十メートルぐらい、その内側は細かいヒダになっていて、
ビロードのような細毛が密生しています。そのヒダの奥や細毛の根には、長年
のあいだの食物のカスとか、胆汁などの体内分泌物が付着し、こびりついてし
まっている。これは、ふつうの便のように排泄はされないし、下剤や浣腸よっ
ても動かすことのできないしろもの、幼時から何十年のあいだにたまってこび
りついたままの一種の便だから、宿便というのです。
この宿便の量は、200tぐらいから多い人で2リットル、人によって違い
ますが、やはり大食、肉食をする人ほど多くたまっています。宿便はそれ自体
が腐敗物であるうえ、腸管の内壁を、コールタールでも塗ったようにベットリ
と覆っているわけだから、栄養素のスムーズな吸収をさまたげる。小腸はもと
より、大腸もビタミン類の吸収をすることが最近になってわかってきたから、
この宿便が生命力にブレーキをかける度合いは小さくありません。
宿便を万病の因とまでは言えないかもしれないが、害のみあって益なき廃物
なのだから、これを捨てなければ完璧な健康体になれないのは明らかです。と
ころが、この宿便排出の方法が少なくとも今のところは断食のほかにないので
す。
では、なぜ断食をすると排泄機能が、このようにフルに働くのでしょうか?
何度もいうように生命は、調和を保とう、異物や不要物を排除しようとする
本能をもっています。持ってはいるが、つぎからつぎと新しい食物が入ってく
ると、それへの対応に手一杯で、”大掃除”にかかり切ることができないので
す。また、過労や血の酸化から機能がにぶるということもあります。
生命活動を「消化・吸収・排泄」も三つに分類できるとすれば、断食すると
消化、吸収の作業が完全休業となるから、全生命力をあげて排泄一本に集中す
ることができる。血液が、その目的ひとつに動員される。また、休養によって
排泄器官が過労から脱し、本来の力を取り戻してくる、ということもある。そ
のためわずか数日間の断食で、何十年もこびりついていいた宿便でさえ、腸壁
からはがれ始めるのです。生命の本能は、まことに偉大にして神秘というほか
ありません。
不要物排出のこの本能は、腸内の老廃物に対してのみ働くのではない。血液
や筋肉組織など、体のあらゆる部分にひそむ毒物や老廃物を、あるいは尿にま
じえて、あるいは皮膚からの分泌という方法で、また炭酸ガスとして呼気か
ら、体外に出してしまうのです。すべてこれらは、天医がなしたまう自然良能
の働きにほかなりません。
さきほどの表のとおり、筋肉と皮膚の減量が脂肪についで多いことがわかり
ます。
「不要なものを捨てる」という生命の本能は、老廃した、あるいは病変した
細胞に対しても働いています。こういうものを燃焼して捨ててゆく。だから、
筋肉や皮膚にもかなりの減量が生じるのです。
しかし、食事を摂り始めれば体重が増える。これは、新しい食物から細胞が
新生されることを意味します。だから断食とは、古い細胞を捨てて新しい細胞
をつくるものであり、この意味においても、断食は科学的な根拠をもった若返
り法であるといえるのです。「やせること、すなわち衰弱」という『第三の疑
問』に当たらないことが、ここにおいても証明されるでしょう。不要なものを
捨てることによってやせるのであり、しかも、あとで新しい細胞が創造される
のだから、やせることは衰弱どころか、「しゃがんでジャンプ」の「しゃが
む」に相当する、ジャンプへの前提段階として祝福されるべき現象なのです。
毒物の排出に関し、現代人にとくに関係の深いのが、有毒食品の問題です。
食品メーカーの金儲け主義は、人工着色、人工甘味料、漂白剤、防腐剤など
の、さまざまの”異物”を食品に含ませるにいたっている。農薬や化学肥料の
問題もあるし、薬の愛用者はそれの毒にも侵されている。微量とはいっても、
長い間にはこれが体内に堆積してきます。断食はこういった毒物をも一掃する
はずですから、体の大掃除というその作業は”公害社会”の人間に対して特別
の役割を持つと言えます。
◇白血球が増加する断食をしてやせると生命の抵抗力が弱ると考えるのが一
般の常識であり、この通念から、断食によって余病が併発するのではないかと
心配する人も出てくる。ところが事実は正反対で、生命の抵抗力はかえって増
すのです。
寺井が腹部交感神経に関する実験のためうさぎの開腹実験で手術後に死亡す
るものが多くて困った時のこと、手術前に断食させることを思いつき実行した
ところ、好成績を得ることができた。ふつうに食物を与えたウサギは十匹のう
ち五匹までが手術後に死ぬが、手術のまえに二日間断食させたものは手術後も
ことごとく生存している。
体重も年齢もほとんど同じ二匹の雄犬を選び、その背中に硬貨大のヤケドを
つくり、そこに等量のブドウ状球菌を塗りこんで化膿させた実験において、一
匹には毎日多量の牛肉を与え、他の一匹には一週間の断食をさせた。すると断
食した犬の傷は八日間で全治したのに、美食したほうの犬は二週間もかかった
のです。
これらの実験は明らかに、「断食は生体の抵抗力を増す」という事実を照明
しています。うさぎ十数匹を断食させて調べた実験では、はじめの三、四日間
はとくべつの変化を見せないが、五日目以降になると白血球がかならず増加す
ることが判明した。
大橋兵次郎博士、寺井らの研究グループは、昭和五年ごろから、静養院や京
都の覚勝院道場で断食中の患者から血液をとり、さらには自ら断食し、実験台
となって、白血球の増加についての調査をおこなった。
これによると人間の白血球も動物と同じく、始めの一週間ほどは変化がない
が、一週間あるいは十日目ごろからだんだん増加し始め、二週間ぐらいに急増
して、人によっては平素の二倍、平均して一.五七倍に上ることが明らかにな
った。
増加した白血球の食菌作用によって、断食は、外菌の侵入によって生じる化
膿性の諸疾患に効力を発揮します。カリエスや蓄膿症の人が断食をすると、患
部から膿みがダラダラと流れ出ますが、これは増強された抵抗力によって病原
菌を体外に撃退している姿なのです。性病やトラホーム等の治療例はいくらも
あり、梅毒も初期なら治るといわれています。
一言でいえば断食は、病菌が体内に棲息できないような状態をつくり出すの
です。沖氏はインドで断食中コブラに噛まれたが死にませんでした。コブラの
毒にやられたら、命は助からないはずなのですが…。
断食中の抵抗力の増大は、体験してみれば誰にも容易に自覚できます。たと
えば冬ハダカでいても風邪をひかないなど、不思議なほどです。桜木は寒中に
水をまぶるという行を断食中に難なく身につけることができました。
◇潜在生命力の反発を呼ぶ
精神面では誰でも経験していることですが、艱難や逆境を与えられ、しかも
屈しないで生きようとするときには、きびしい緊張感をもって生命力が昂揚し
ます。
医学には刺激療法という分野があり、ハリや灸、ワクチンの注射で免疫性を
つくる、などもその例です。ハリや灸をうった後には白血球が増えるという事
実がありますが、断食で体力が飛躍的につくのも同様に刺激に対する反発現象
と考えられます。
一週間も二週間も食を断つことは、肉体にとっては確かにきびしい逆境であ
り、強過剰栄養分を燃焼させているうちはまだよいが、標準体重を割って以後
は、手元にあるものだけを惜しみ惜しみ使ってゆくほかはありません。この緊
迫した非常態勢、臨戦態勢が生命力の反発を呼び潜在していた能力を引き出し
て、その人に飛躍的な成長をさせるのです。断食は、食を断つという強いリズ
ムを生命に与え、生きようとする力を反動的に引き出そうとする非常に強烈な
刺激療法だということができます。
補食に入ってからの数日間は、体重の増加がすさまじく、その増加量は、摂
った食物の重量よりも多いことが普通です。補食に入って数日たつと、生命力
のすさまじい発動を実感することができます。生きるという現象がこうも積極
的な姿勢のものであるかと驚かされるほどです。
前に述べた昆虫などの変態も、この生命力の反動的な噴出によってなされる
のであるらしい。というのは、自然のままに生きている彼らに、栄養過剰や毒
物、老廃物の滞留などあるはずはなく、生命力の反発ということのほかに考え
られないからです。
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変態 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/変態
銅鐸 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/銅鐸
七夕の謎F〜銅鐸の用途とその起源〜:不況対策!個人でも有効な方法
http://on-linetrpgsite.sakura.ne.jp/column/post_198.html
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