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『仏教とキリスト教 イエスは釈迦である』堀堅士(古本屋の覚え書き)
http://www.asyura2.com/12/bd61/msg/287.html
投稿者 会員番号4153番 日時 2013 年 12 月 23 日 13:44:38: 8rnauVNerwl2s
 

「古本屋の覚え書き」から
http://d.hatena.ne.jp/sessendo/20090224/p1


『仏教とキリスト教 イエスは釈迦である』堀堅士
書評:宗教, 仏教, キリスト教

 いやあ、たまげた。これほど興奮を掻(か)き立てられることも珍しい。一見すると「トンデモ本」と見受けるが、それこそ、とんでもない話だ。

 関西大学法学部教授というだけあって、緻密(ちみつ)な考証と論理を積み上げて、紀元前の壮大なドラマに迫ろうとしている。“想像力を遊ばせる”といった類いの姿勢は全くない。昨日の夜遅くに読み終えて、ざわめき立つ脳細胞が眠ることを拒否した(笑)。

 もう、のっけから全開である。四つの福音書(イエスの伝記=マタイ伝、マルコ伝、ルカ伝、ヨハネ伝)を比較し、

 一人の人物が四つの異なった「履歴書」を持っているとしたら、あなたは、その人物を信頼することが出来るでしょうか。

 とバッサリ。当時のベツレヘム地方で12月25日に赤ん坊が「馬小屋のかいばおけ」に産み落とされたら、「間違いなく凍死している」と手厳しい。

 また、仏教とキリスト教の酷似するキーワードが次々と示される。釈迦の母親・摩耶(Maya)=イエスの母・マリヤ(Maria:Mary)、釈迦の父・浄飯王(じょうぼんのう)は、イエスの父・ヨセフ(Ioseph:Joseph)と関係ないが、イエスの宗教上の父であるヨハネ(Ioannes:John)という名は、イタリア語で「ジョヴァンニ」(Giovanni)と発音する。

 もうね、走り出したくなるほど興奮したよ(笑)。これ以降、怒涛のラッシュ。次々と聖書の根拠が仏典にあることを明らかにしている。

 釈迦は、尼連禅河(ネーランジャラー)で「洗身」した後、49日間、仏陀伽耶(ぶっだがや)の菩提樹の下で悪魔の誘惑に会いました。
 これは、イエスがヨルダン河で「洗礼」を受けた後、荒野で40日間、悪魔の誘惑に会ったことにまさに相当することであります。

 法学者の面目躍如といったところ。そればかりではない。類似点・酷似箇所を列挙しながらも、返す刀で相違点の理由まで示しているのだ。

 何だかね、「別々の事件の犯人が実は同一人物だった」という法廷スリラーを読んでる気になってくるよ。

 カースト制度の最上層に位置するバラモン(婆羅門)が、中央アジアで少数派だった「アーリヤン」(白人)であり、インド人種との同化を恐れた挙げ句、階級社会が作られた。

 この白人支配下のインドに生れた釈迦は、苛酷な人種差別と職業差別とに反対し、「人間みな平等」(「四姓平等」)の立場に立って、かの宗教を創始したのでありました。

 二乗(声聞乗、縁覚乗)がバラモン出身者であったことを踏まえると、大いに首肯できる話だ。「二乗不作仏」とは、彼等に巣食う拭(ぬぐ)い難いまでの「差別意識」を仏が責めたものだったのだろう。

 だが悲しいことに釈迦滅後、後継者は“頭陀第一の迦葉”(バラモン出身者)となり、仏教のバラモン教化が避けられなくなる。

 著者はイエスの正体にどんどん迫る。「来(きた)るべき者」としてのメシヤ(救世主)は、仏教の「当来仏」としての弥勒(みろく)である、と。弥勒=サンスクリット語のマイトレーヤ(Maitreya)=パーリ語のメッティーヤ(Metteya:Mettiya)となって、見事に「メシヤ」とつながるわけだ。そこから更に類推し、「天にいますわれらの父」が「久遠実成の本仏」であると洞察し、キリスト教が大乗仏教の分派であると結論づけている。

 依法不依人の件(くだり)は圧巻――

『サムユッタ・ニカーヤ』(47-14「支羅」)によれば、サーリプッタも、モッガラーナも死去した後のガンジス河のほとりでの「布薩」(悔い改めの集会)で、釈迦は次のように言いました。

「修行者たちよ、サーリプッタとモッガラーナが完全な安らぎの境地に入ってから後のこの集会は、わたしにとっては、まるで空虚なものに思われる」。「修行者たちよ、この世のことは、すべて無常なのであるから、生成して消滅しないものは何一つとして存在しない。堅固な大樹がそこにあっても、その枝が先に枯れてしまうこともある。それと同じように、修行者たちよ、この堅固な仏教僧団はあっても、サーリプッタとモッガラーナの二人は、先に、完全な安らぎの境地に入ったのである。修行者たちよ、その故に、自分を頼りとし、自分をよりどころとして、他人をよりどころとせず、法を頼りとし、法をよりどころとして、他のものをよりどころとしてはならない」。

 更にまた、『サムユッタ・ニカーヤ』(47-9「病気」)によれば、ヴェーサリーで大病にかかった釈迦は、アーナンダに向って次のように言いました。

「アーナンダよ、現在においても、また、わたしが死んだ後においても、自分を頼りとし、自分をよりどころとして、他人をよりどころとせず、法を頼りとし、法をよりどころとして、他のものをよりどころとしない者は、わたしの弟子たちの中でも最上の修行者となるであろう」。

 釈迦が、このように繰り返し教えていることは、ただ、法(真理)を燈台として、その光に頼り、ただただ、自分自身を清め、自分自身で修行せよということだけであります。
 釈迦は「仏教僧団」(sangha サンガ)に帰依せよとは言っていません。まして、「僧侶」に帰依せよなどとは教えていません。

 また、釈迦は「釈迦牟尼仏」に帰依せよとも、その他の如何なる「仏陀」に帰依せよとも言っていません。

 このようにして、「南無妙僧」でも、「南無妙仏」でもなく、「南無妙法」こそが仏教の真髄を射抜くものであることがわかるのであります。

 側頭部を金属バットで殴られるほどの衝撃。「独創的な研究を、どれほど多くの孤独が支えてきたことか」と思わずにはいられない。「学ぶ」行為は孤独な作業だ。自分の頭で考え抜くことは、自分の限界に挑むことでもあろう。

 絶版になる前に、注文されたし。


 

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コメント
 
01. 2013年12月23日 21:54:57 : 2D6PkBxKqI

キリスト教はイエスの教えじゃないというだけさ

法学者はIQ低いから100年前からみんな知っていた事を今頃再発見して驚いてるだけさ


02. 2013年12月24日 00:23:13 : krDz6752nY
キリスト教は2元論。
仏教は1元論。

03. 2013年12月25日 00:22:38 : EWPAkg3jl1
「浄飯王・じょうばんのう」と「ジョバンニ」の発音が似ていると言うけれど、「浄飯王・じょうばんのう」は漢字の現代日本語読みだろ、あちらでは「スッドーダナ王」と呼ばれていたそうだよ。
「走り出したくなるほど興奮した」んだって、面白いね。

04. 2013年12月25日 00:56:00 : 2D6PkBxKqI
仏教は信仰じゃないから1元論も糞も無い

05. 2013年12月29日 07:39:48 : AiChp2veWo
さっと読んでしまいましたが、基本的には全然おかしくありません。キリストはインドに修行に行っていたと言われているし、山根きくさんだったか、カララ仙人と釈迦の関係、天皇家との関係を書いていますし、モーゼや、兄・キリストの渡来説もありますし、シュリーマンだって、ないと言われたとんでも話のトロイの木馬を発掘してますし、詳細はともかく、似てますよ。弟イスキリが磔刑にかかった、という話が今も脳裏からはなれませんが。

06. 2014年1月10日 09:40:52 : LeyjzNB9aw
キリスト教はいきなり神(創造主)を信じなさい、信じれば救われる。
神は絶対である。

仏教は心の働きを考察する、分析する、唯識派(法相宗=唯識宗)では阿頼耶識(第八阿頼耶識)にたまった煩悩をとりのぞくことにより、悟りにいたることができる
と言う。そのための方法=修行法は各宗派さまざまである、禅宗は瞑想、天台宗は止観、回峰行、日蓮宗は南無妙法蓮華経のお題目。
1000年以上も前に、潜在意識を認識し変換させる方法を見つけていた、お釈迦様は偉大である。

どちらを選択するかは、その人それぞれ、納得できるものを。


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