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<プロローグ〜語りかける声>
(著者も被災した東北の被災地でのさまざまな体験から聞こえてきた声を)、「こんなことは絶対に有り得ない」と拒否する方は、きらびやかなファンタジーとして、(このようなことを)願う人は、エンターテインメントとして、お読みください。そして、「この通りのことが、あった違いない」と直感する方は、どうぞ生々しいノンフィクションとして、お読みください。
<本篇 被災者たちの魂、そして「光たち」との対話>
飯田 死の瞬間は、苦痛でしたか?
男 いえ、それが、なぜか苦痛ではありませんでした。
それがですね…呼吸が困難になり、死を覚悟した瞬間、つまり、肺に水が入ってくる前に、あらゆる肉体的苦痛から解放されたのです。
飯田 あなたに生じた、そのような現象は、誰にでも生じるものなのでしょうか?
男 はい、誰にでも生じるはずです。
飯田 ということは、このたびの震災で先立たれた方々も、みな最後は安らかな死であったと?
男 その通りです。
光 あなたは、きちんと選挙に参加なさっていますか?
飯田 いえ、ご存じの通り、若い時に興味本位で投票所に出向いたことがある程度で、その後はさっぱり…。
光 なぜ投票に参加しないのですか?
飯田 投票したいとまで思えない候補者ばかりなので、投票しないことによって、政治不信を表明していたというか…。
光 その考えが、いかに間違っているか、おわかりにはなりませんか? 信頼できる候補者がいるかどうか、あなたは十分に情報を集め、吟味してはいないのではありませんか?
飯田 まあ、そういうことですね、はい。僕が見るところ、政治は混迷を極めて、国民の政治離れは進む一方なのですが…。
光 あなたのような人民が、日本という国にあふれているのです。政治に参加しないという自分の不徳を政治家のせいにして、政治家のすること為すことをよく吟味もしないで、みな批判して不満材料にしている人民が。
政治家という存在や政争という現象に問題があるのではなく、政治や人民を自分の権力獲得の道具として活用する、全体の中では一部にすぎない悪質な政治家を安易に選んでしまう人民の方にこそ、問題があると言えるでしょう。
飯田 とても厳しいご指摘ですね。
光 あなたの国、日本の政治家の中にも、私利私欲を優先しないで真に国家を想う優れた人材は、たくさん含まれて」います。政治家をまとめて非難するのでなく、むしろ逆に重大な国難に見舞われた時だからこそ、政治家への信頼を取り戻し、優れた政治家を見極めるための、大切な機会でもあるのです。
光 あなたは、原子力問題をどのように分析していますか?
飯田 賛成派と反対派に分かれており、どちらの主張もそれぞれの立場から見れば、それなりの説得力があるので、自分の立場を決めかねているというのが現実ですね。もちろん、原子力発電の効率性には一定の説得力があったのですが、このような事故が起きてしまうと…。
光 あなたのご意見には、効率性という言葉が何度もでてきますね。
飯田 僕は経営学者なので、どうしても費用対効果という効率性を重視してしまうのです。
光 しかし、あなたの授業で、もっと深い議論を語っていませんでしたか?
飯田 ええ、効率性よりも、幸福が優先…。
光 それならば、もう、おわかりのはず。命にかかわるものの経営においては、効率性は捨てるのです。議論する必要もなく、命に係わるものの経営においては、効率性は捨てるのです。
そのことを世界に訴えていきなさい。それが、この大震災を通して、日本という国に与えられた使命のひとつなのです。
飯田 しかし、そんなことに挑戦する政治家がどれほど存在するか…。
光 すべては、人民が決めることです。
日本は素晴らしい国であり、日本人はもっと自信を持ち、誇り高く生きれば良いのです。もちろん、世界のどの国も素晴らしい価値を持っていますが、その中でも、特に日本は、『さまざまな価値のバランスをとること』の 重要性を発信することによって、世界を望ましい未来へと導く使命を担っています。
【出所】『生きがいの創造W』飯田史彦/php研‘11年の一部抜粋・編集
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