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南イタリアのマグナ・グラエキア雑感。・・・バーチャルなわたしだけの旅 
http://www.asyura2.com/12/bd61/msg/241.html
投稿者 あのに 日時 2013 年 10 月 13 日 01:05:10: xZaQXyDl16EGo
 


・幼くして自覚せざるメディテラネアン(地中海人Mediterranean)だった私

私は、古代クレタ、原ハッティ、古代ギリシア、古代エトルリアなどの文化について、おりにふれて機会があるとなにかと調べる。地域は、ギリシアにとどまらない地中海全域である。クレタ島、ギリシア本土、小アジア、イタリア、シチリア、プロヴァンスなどなどである。しかし、なぜか聖書世界ではなかったし、むしろギリシア以前についてでもあった。
なぜ、この地に関心があるのか、理由はまったくわからなかった。私は、クレタ島にとくに関心があった。その理由もまったくわからなかった。マグナ・グラエキアにも、とくに関心があった。その理由も、いまもってまったくわからなかった。なにから、関心がわいたのかもわからなかった。すべてが、わからなかった。

小さい頃、テレビのCMで、海からそそり立つ崖に白い小さな家が並んでいるのを見るとなぜか心がさわいだ。あとから、そこはエーゲ海らしいと知ったものだった。また、ナポリの近郊ソレントの断崖の写真を見た時は、こここそはいつか行かねばならない、と図書館の本の写真を見ながら、子どもながらに思ったものだ。私は、生まれながらのメディテラネアン(地中海人Mediterranean)、無自覚の地中海人だった。
ゴッホの画集を見ると、オリーブ林や糸杉のあるサンレミ時代に、なぜかひじょうにこころ惹かれた。だが、ふしぎなことに地中海の海も魚にも、なんの関心もなかった。関心は植物であった。
キャベツの原種が地中海の島の岸壁に自生していると読み、欲しいと思った。また地中海の糸杉やレバノン杉を求めて、園芸店をめぐったこともあった。沢山の種類の糸杉が現地にはあるらしいが、湿気の多い日本ではほとんどが育たなく、馴化したせっかくの植えた苗もすぐ枯れてしまった。香料ばらトリギンチペターラ、いわゆるブルガリアンローズを求めて、探しまわったこともあった。30年以上前は、日本にはどこにもなく、植物検疫で輸入するほかはないといわれたものだ。現地ブルガリア、カザンリク地方のようにトリギンチペターラやローズドメ(こちらはグラースやモロッコ)などを白いマキシマムの垣で囲った香料ばら園やロザムンディのエントランスを作る予定が、なにも知らないシルバーによって根元から切られ、いつかしら残骸のみになっている。
また、オリーブの実とブドウとピスタチオはむかしからの大好物だったが、これも理由はわからなかった。ダイエットにと、口がさびしくなると、韓国のりにオリーブの実を包んで食べたもの。

のち実際にギリシア、イタリアに行き、現実に目の前に、黒いまでの蒼穹を見ても、黒いまでのエーゲ海の波を実際に見てもなんの感動もなかった。しかし、クレタ島の現地で、樹齢千年をこえるのではないか、というほど太い幹の灰緑色の葉をもつオリーブの大木や黒々と巨大にそびえる糸杉を見ると、胸騒ぎし、なにかふかい郷愁を感じ、こころが安らいだ。せまいはずなのに、ひろびろと果てしなく銀緑色に広がるクレタ島のメッサラ平野のオリーブ林やぶとう畑、一面赤紫色の花のやまなみをぬってドライブしたことは、まるで昨日のことのように思いだす。クノッソス宮殿の赤紫色の壁面はこの花の色だったかもしれない。クノッソスから西にみえるイダ山の白峰も幻想的であった。真っ赤なヒナゲシが咲き、ピンクに花咲くタイム草の丘を散策し、とげだらけの灌木の生える丘を越えると、かなたにエーゲ海が見えた。この景色はかくべつであった。そして、これ以降は、この地域へ行きたいという底知れない渇望はなぜか消えていった。

もしも、前世があるのなら、このギリシア、マグナ・グラエキア、シチリアなど地中海の地こそは、何回も私が、生を過ごした地にちがいないというぼんやりした想いがある。
とくに、森下典子のデジデリオの話「前世ヘの冒険」という本をよんでから、その感が強まった。このことは、以前、古代地中海の精神文明のシリーズでフィレンツェのことを書いたとき、マグナ・グラエキアのことも書かなくては、という想いが強まった。

私には小さい頃から、地下の道をとめどもなく歩く夢ばかり見ていた。なぜ、そんな現実にない場所の夢を見るのか、わけがわからなかった。ほとんど毎晩のように見たものだ。昼間は日本の小学生、眠ると、小学生ではなく真っ暗な細い穴をのぼったり、ぼんやり薄暗いひろい部屋で皆といる夢。あのころは、二重生活だった。ジュール・ベルヌの地底旅行は小学3年生くらいのときの、私のもっともお気に入りの本であった。また、あるとき、なにかしら城砦のようなものを作って遊んだことがある。あとからトロイア市の復元遺跡の動画を見たとき、トロイア市の復元想像図は、建物の雰囲気など、小さい頃遊んだイメージとよく似ているなと思ったものだ。
カッパドキアの地下都市のことを具体的に知ったのは、YouTube動画が出てきてからの21世紀になってからである。数万人、数十万人規模の居住できる地下都市。この地下都市文明なら、私の夢の世界が、現実であったかもしれないと思える。原ハッティ文明のことを書く動機のひとつであった。

いったい、わたしはどこからきて、どこへいくのだろう、という問いは、体外離脱やヘミシンクで知られるロバート・モンローの3冊の著作やブルース・モーエンの4冊の著作を読むことで意識の世界、変性意識の世界のことを考えるようになった。これは、前世とも関連する。意識の構造は、まだだれも知らないのだ。意識の最奥部には、どこか別世界の宇宙のディスクがあり、われわれは、ここから来ているという。この話は真実ではないかと考えている。この世界に真実がひとつあるなら、このディスクの存在であろう。ブルース・モーエンの最初の本には、このディスクが、なにか黄緑色のケーブルのようなもので、われわれの肩甲骨あたりと接続しているという話が書かれている。われわれの魂は、本来はこのディスク上にあるという。ヘミシンクでいうフォーカス35の宇宙だ。このケーブルが、さまざまな時代の前世の自分とむすびつく。モンローのいうIT/ゼアだ。


・ホッケの本 「マグナ・グラエキア」  平凡社ライブラリー刊

「マグナ・グラエキア」グスタフ・ルネ・ホッケ著 種村季弘訳平凡社ライブラリー刊 を、本屋で見つけ買った。とおしては読まなかったが、なぜかいつも手元に置いていた。
これは旅行小説または紀行文学というジャンルに属するものであると種村季弘はいう。この2者の区別はよく知らないが、ある地域を旅して、その印象を綴った旅日記のようなものだろう。ここでは、対象の地はマグナ・グラエキアである。

マグナ・グラエキアとは、あまり一般には知られていない南イタリア、シチリア、カラブリア、の地域の総称である。この地について、われわれが普通に知るのはナポリであり、ポンペイであり、ソレント、アマルフィである。だが、マグナ・グラエキアとよばれる南イタリア全体が、古代ギリシアの遺風を残していることは、あまり知られていない。というよりも北イタリアとは別世界であるからだ。だれも語らぬこの世界を私が語っておこう。

Ancient Greek Cities in Italy - Magna Graecia
http://www.youtube.com/watch?v=Utv6YzdalRY

ついでに、シチリアも、ほんとうはマグナ・グラエキアというべきである。シチリアはいまだほとんどのひとにとって知られざる世界である。エトナ火山とマフィア、ゴッドファーザーでしか知られていない地。南イタリアのマグナ・グラエキアのように知られざる世界なのである。

Sicily: the Greek legacy in the west.
http://www.youtube.com/watch?v=DiIUsAqQ3JU
http://www.youtube.com/watch?v=GeBH_1FL-w4

いまだに、20世紀に入ってすら、このマグナ・グラエキアのひなびた寒村には、イタリア語ではなく、古代ギリシア語で生活する人々が存在するのである。ここは現代にいたり、経済繁栄から取り残された地であるので、観光からも完全に取り残され、ほとんどだれも訪れないひなびた地が多い。

この地の文化の重層は、想像をこえ、太古原住民、古代クレタ、古代ミケネ、古代ギリシア、古代フェニキア、古代ローマなど、古代以降の中世や近世などは、よく知らないが、ノルマン、ゴート、ヴェネツィア、イスラムなどさまざまな文化が通り過ぎ、パッチワークのように生活の隅々にこれらの文化が重層するのが、この地マグナ・グラエキアなのである。単一とはほど遠い、文化のモザイクのような地だ。ここを見ると日本でも重層する文化のモザイクが連想、想像される。だが、日本には歴史学がないから解明しようがない!

ここでは古代ギリシア時代などの紀元前から変わらぬと思われる町並みが、そのまま続くのは、ローマ市のグッチ社などの通りと同じだ。まるで古代から続く町並みだ。京都の古都のようなものだ。さらに徹底している。
このマグナ・グラエキアMagna Graeciaの地を紹介したものは、日本では、ほとんどなかった。ヨーロッパでもそれほどないのだろう。

この本「マグナ・グラエキア」には、その古代ギリシア語の通用する地域が書かれている。p125にカラブリアの4つの村といくつかの集落、テラ・ドートラントの8つの地方共同体である、と。こういった地域の民俗学的探求などは、聞いたことが無かった。ヨーロッパは、基本的には、古代ギリシア文化に関心がないのだと思っている。なぜなら、古代ギリシア語をいまだに話すこの地域のことは、とりあげられたことがないからだ。ここあたり一帯は、所得の低い、階級的には下層民の地域であるから、みな避けるのだろう。音楽もギリシアのレベティカrebetiko songsに似た歌謡で、上品とはいいがたく、イタリアオペラの世界とは隔絶し、まったく階級の違う世界であることがわかる。

ホッケの本の巻頭の地図では、古代ギリシア語の通用する地域が、マグナ・グラエキアのどこなのかわからない。この本の編集者がどこからか見つけてきた地図にはのっていなかったのだ。場所が、探せなかったのだろう。それほど、知られざる世界なのだ。古代の言語が残っているということは、古代ギリシア文化のなにかが、残っていることを意味する。

・古代ギリシア文化について、あるいは歴史を知るとは。

古代ギリシア文化に関心を持つとは、いったい、どういうことだろうか?発掘される彫刻などの美術品を収集することか?かって、ヨーロッパ人(主として偽ユダヤ人)は、古代ギリシア文化を骨董品を見る目で関心の目を向けてきた。みずからの邸宅に飾って自慢するためだ。
だから、古代ギリシア文化を、人間の生活の総体としてとらえることは、かれらは、かって一度もなかった。パウリ-ヴィソワPauly-Wissowaの古典古代学大百科事典があるという人がいるだろう。これはドイツ古典文献学の金字塔である。古代ギリシアを調べるとき、これがないとなんともならない。しかし、これは、たんに研究者として著作する大学教授たちがいたということを示すだけである。ヨーロッパが、古代ギリシアに真に関心を抱いたことは、ほんとうはなかったのだと思う。
なお、これは100年ほどかけて1978年ころ完成した、全84巻で200万円もする書物である。大きな書架の一角すべてを占める。パウリ-ヴィソワは、ふつうの人では利用できない。インターネットでは、Pauly-Wissowa on line が利用できるようだ。でも、私は英語でも苦労するのに、ドイツ語では読めない。

こういったものがあろうと、けっして古代ギリシアは、ヨーロッパの揺籃の地ではないと思っている。ヨーロッパ文化と古代ギリシア文化は完全に断絶している。略奪者であるヨーロッパ人(主として偽ユダヤ人)は、古代ギリシア文化を、なにもかもまったく誤解していると以前書いた記憶がある。ヨーロッパ人にはわからない世界なのだ。むしろ、日本人などアジアの人々のほうが近い。「黒いアテナ」なる本があるが、ほんとうは、「黄色いアテナ」というべきだろう。
あとで述べる音楽ばかりか、ガルムとよばれた醤油に似た発酵調味料が一般的であったり、民衆には輪廻転生が常識としてあったり、小泉八雲にあったと思うが虫の音を楽しんだり、虫の音を聴き入ることで自然とひとつになったり、古代ギリシア文化は、いまのアジア文化、日本の江戸文化により近い。ヨーロッパにとっては、まったく理解し得ない世界であったのである。どうして、理解し得ないことを自覚しないのだろう。

もし、古代ギリシア文化がヨーロッパ文化の揺籃の地とそういうなら、古代ギリシア文化は、われわれ日本文化の揺籃の地でもあるといってよいのだ。また、われわれ日本は、縄文も揺籃としている。同様に、ヨーロッパ人は、ケルトやノルマンなどを揺籃としている。ただそれだけ。世界のすべての国々の人々とヨーロッパ人とは、古代ギリシア文化の継承については、互角である。ヨーロッパ人が自慢したり、誇りに思うことではない。

基本的にいえば、古代ギリシアは壊滅している。日本で言えば倭国や任那が壊滅しているようなものだ。万葉などの多くも、われわれの理解は、誤解がかなり多い。われわれは、日本の文化として思っている倭国やそれ以前を、理解していないと私は考えている。
私は、古田武彦の万葉に関する本ではじめて、万葉の歌を理解することができたのである。日本文化と倭国文化は、断絶している。その断絶の程度は、想像を絶すると、考えている。倭国の人々の生活たる文化の継承者、継承階級が壊滅したからだ。唐の倭国文化の徹底的破壊が、なぜ語られないのか。まるで不思議だ。われわれは、白村江以前を、唐によって完全に破壊されたというのが事実だ。おそらく1945年の原爆のように。それ以上に。そして、まるで根無し草のように時の川をながれ下っていったのだ。そして、唐もアメリカも憎む人はだれもいなかった!九州を知るということは唐の破壊の跡を知るということなのだろう。
われわれは、仏教伝来以前の世界、七夕、ひな祭り、盆などの道教的民俗世界を忘れている。それは倭国以前からあったものだ。倭国は、万葉の歌の世界だ。万葉の歌は、漢字で読んでこそはじめて鑑賞がスタートする。倭国は漢字の世界であった。そういう世界だったのだ。しかし、そのようにスタートする万葉解説本はない。万葉にかぎらず、古い日本の文化の多くを、われわれは、たぶんほとんど完全に誤解している。

同様なことが聖書世界についてもいえる。どのように精緻な考察をしたとしても、聖書の歴史を、聖書の歴史書を使って検証しても意味がない。これは、倭国史を古事記、日本書紀を使って検証しようと試みてきた日本歴史学についてもいえる。日本の歴史については、同時代資料として中国史があるからいい。しかし、聖書の歴史については、同時代資料がない。紀元前後のフラビウス・ヨセフスの著書があるのみだ。ヘロドトスにヘブライ世界について記述がないのは、彼にとっては、カナンの世界、フェニキアの世界のひとつとして見えていたことを意味すると、かってに想像してきた。ペルシア帝国のなかのひとつ。無名の属国のひとつとしてだ。バビロン捕囚の事実はある。しかし、ヘブライ世界のそれ以上の歴史事実はあるのか。聖書世界の現実的歴史とは、倭国史以上の問題をはらんでいると考えてきたのである。ソロモン王国の存在さえ怪しいとさえ考えている。聖書の歴史書を考古学的事実によって検証することは、日本の歴史を、土器によって検証するのと同様なあやうさがある。旧約世界すべてが幻想である可能性すらある。支配する対象、徴税、徴兵する対象、これが国家であったが、その国家の実像は、記録がない場合は簡単ではない。

現代でさえ、国家の上層権力の構造は、本が伝えるもの、新聞が伝えるもの、それらとは、事実は全くちがう構造であるかもしれぬ。幻想を、教育によって強制洗脳されてきた思い込みにすぎないのかもしれぬ。われわれが、前提として考える日本国家とは、現状では消滅しているのかもしれない。われわれが、考える国際社会。飛行機で飛び回れば、その存在はある。でも、それも幻想であるかもしれない。国際社会は、ほんとうはそんなものは、ないのかもしれない。国家という看板をかかげる公務員の世界は、たんなる徴税会社にすぎないのかもしれない。国家は会社といわれるが、事実に近いのだろう。すでに国家が完全に消滅しているという視点が必要なのは、原発問題にかぎらず、金融危機問題、などなどさまざまあるのだろう。
2013年以来新しいNWOの世界が、始まっていると思う。それは、悪魔(ルシファ)の支配する世界であった。人は給料をもらうためウソばかり言う世界だ。ウソと暴力の支配する世界。NWOの世界、悪魔の世界だ。人間の世界は、2012年で終わった。放射能に対する国の認識がこれを証明する。そのうち、被ばくを語ると、煽ったという理由で逮捕されるのだろう。


・マグナ・グラエキア を探す

インターネットの新しい世界では、YouTube、Googleマップ、Wikiの世界は、このめったに行けない地、を身近にすることを可能にした。以前は、これで、アナトリア、トロイア、中部イタリア、フィレンツェ市を訪れた。今回は、南イタリアのマグナ・グラエキアを訪れてみよう。2カ所ある。イタリア半島のつま先とかかとの部分だ。

すなわち、カラブリアCalabria・・・イタリア半島のつま先では、ボヴェシアBovesiaである。中心となるのは、ボヴァ・マリーナBova Mrina。イオニア海に面するBovalinoという町の西、大きな河口近くの小さな町である。

YouTube動画を見ると、ギリシアと似た、ブドウとオリーブの町である。こんなところには、ヨーロッパ人でさえ、だれも来ない。ここの北側は哲学エレア学派の地、エレアがある。東は、ばらの寝床で、花びらのでこぼこが気になって眠れなかった人がいた有名なシュバリス。ピュタゴラスのいたクロトン市などがある。
これらの地は、動画で見ると、老人の多い地だ。日本の過疎地のようだ。ギリシアと同じように、ここでも男性は、スーツなど立派な服を着ていることが多い。伝統なのだ。古代ギリシアは男性社会だった。男が路上で議論したり、競い合ったりする世界だ。
そして、いまもギリシアやイタリアは、男性ファッションの地だ。
動画を見ているとなにか、キリスト教会堂が違和感を感じるほどに、古代の香りにあふれた町に思える。観光的に自意識が高く、飾り立てたギリシアなどよりも、イタリアのボヴェシアやグレキア・サレンティーナの町並みほうが、むしろ古代ギリシアが感じられる。

もうひとつは、いわゆるテラ・ドートラントTerra d'Otoranto・・・イタリア半島のかかとである。この2つの地域はイタリア語でなく、グリコGriko語という古代ギリシア語を祖先とする言葉を話している。

・グリコ語を話す町や村、ここがマグナ・グラエキア

Griko language
http://www.youtube.com/watch?v=LSktx_kr4ww

イタリアの中のギリシアである。貧しい地域であるから観光にも、アカデミズムにも、マスメディアにもまったく無縁で、ただ美しい海辺だけがひろがっている。ここは、むかしもいまも、ギリシアである。だれも関心を持たない地中海の歌がひびいてくる。

靴のつまさきというか、つまさきの下
カラブリアのボヴェシアBovesiaのほうは、ボヴァ・マリーナBova Mrinaを中心として、Bova Sperione、Roghudi、Galliciano Chorio di Roghudi、の村々。

靴のかかと
テラ・ドートラントTerra d'Otorantoは、グレキア・サレンティーナGrecia Salentina という、つぎの村々である。
Calimera 、Martano 、Castrignano de Greci 、 Corigliano d'Otranto 、 Melpignano 、Soleto 、 Sternatia 、 Zollino 、 Martignano

グレキア・サレンティーナというひなびた場所。ここはイタリアの中のギリシアなのである。だれにも紹介されたこともない。欧米がほとんど関心をしめさない地は、日本人も、いままでだれも関心を持とうとしてこなかった地だ。
観光から取り残されたひなびた場所。イタリアなのに、ギリシア語の世界だ。文化もギリシアと共通な部分を持つ。いたるところにあるのはギリシア国旗だ。人々もギリシア国旗の旗を振っている。トルコ、キプロスのギリシア人共同体と同じ。

・古くからつたわるギリシアの歌

私は、歌を聴くのが好きなので、ここで歌をひとつ聞いてみよう。ancient greek songとあるので興味をそそられる。

Briganti di Terra d'Otoranto - Aremu Rindineddha (an ancient greek song of Salento)
http://www.youtube.com/watch?v=DOKpD3Edm1E

さて、この歌は、テラ・ドートラント、サレントの町に伝わる古代ギリシアからつたわる歌とある。日本のわれわれには、なにか親近感が感じられる。ということは、古代ギリシアは、ヨーロッパの揺籃の地ではなく、じつは日本人の揺籃の地なのだ。この事実に気がつかない日本人が多い。

・古代ギリシアのペンタトニック音楽

古代ギリシアのペンタトニック音楽を保存する世界でもまれな地。それが日本なのだ。九州の善導寺の倭国の箏曲、筑紫箏。いわゆる日本の箏曲は、日本風なのではなく、古代ギリシア風なのだが、世のすべての人が和風であると完全に誤解している。お正月によく聞こえてくる6段の調べは、古代ギリシア風の調べなのである。ヘレニズムの影響は、法隆寺のエンタシスだけでなく、倭国の音楽にもおよんでいたわけになる。

古代ギリシア音楽は、まるで日本の箏曲のように聴こえる。古典期のものは残っていないが、エウリピデスの悲劇の合唱曲断片はある。また、デルフィのアテネ人宝庫の壁に残されたヘレニズム音楽がある。BC120年頃のものだ。かなり長く、2つある。リメニオスという作曲家だったと記憶する。合唱曲であり、舞踏曲でもある感じがする。これは、もちろん箏曲のようでなく、ペンタトニック音楽の本質がどのようなものであったか、ということがよくわかる。ギリシア彫刻の女性裸像のようにたおやかであり、変転する調性は不思議であり未聞である。この世に比べられるものは、他にない。いっぽう、日本の箏曲は表面的であり、深みがなく、所詮古代ギリシア風の調べのたんなる模倣でしかなかった。本家のほうは、似たものは、どこにもない。言葉につくせないものだ。西欧が理解できなかったのは当然だ。西欧は、半音階を使って12音音楽のシェーンベルクを20世紀に見出したが、にせものだ。これも古代ギリシア風の調べのたんなる模倣でしかなかったのだ。なお、西欧は、古代ギリシアをまったく理解していない証拠に、復元された音楽は、どれもすべて聴く価値がない悲惨な出来具合である。全部で1時間ほどの音楽断片が残っているが、復元はすべて聴くに耐えないので、URLは記さない。

ヨーロッパ人(主として偽ユダヤ人)がこういう音楽にあまり関心を示さないのは、古代ギリシアがヨーロッパの揺籃の地という説のデタラメさを示している。ヨーロッパ人は、概してケルトの音楽、フォークロア、文学などにひじょうに親近感を示す。けっしてギリシアのほうにではないのである。そして、ヨーロッパ人(主として偽ユダヤ人)は、古代ギリシア地域などを占領して、ラテンの古い文化をすべて根絶やしにしたのである。その前にすでに、ローマは、エトルリアやギリシアを根絶やしにしていたのであるが。さらにその前には、ギリシアは、クレタや原ハッティ、トロイなどの古代地中海文化を根絶やしにしていた。これが、かってアーリア人種がやってきたことであったし、いまもやっていることだ。

自分以外の文化を根絶やしにすることは、いま現在も、ヨーロッパ人(主として偽ユダヤ人)が熱心に、世界中でやっている。古くからの文化をすべて根絶やしにしようとしてきたのが欧米人なのである。全世界をケルトの習俗で覆うつもりなのだ。いちおう英米化といわれているがじつはドルイド化なのだ。

もうすこしプーリア地方のサレントの歌に耳を傾けよう。

Kolos Irtate-Grecia Salentina 1/4     
http://www.youtube.com/watch?v=VUSlzl7oz6E#t=1m02s
とてもいい声だ。Klama という名のきわめてこの地方の代表的な歌らしい。

SALENTUCANTU - "Beddha ci dormi" - Love Song(Musica Salentina,Italian World Music)
http://www.youtube.com/watch?v=Uw4VnookjFI
サレントの町の歌みたいだ。

テラ・ドートラントのグレキア・サレンティーナのGriko Musicの世界は、独特だ。ポルトガルのファドのように、ギリシアのレベティカのように、土俗的で哀感が濃密だ。


・マグナ・グラエキアを空からおとずれよう。

プーリアの街を見よう。昔ながらの古風な街。part 1、2、3
PUGLIA(part 1) - tratto dalla serie L'ITLIA VISTA DAL CIELO
http://www.youtube.com/watch?v=weSSPWVSqmw

靴のつま先の下、ボヴァ・マリーナBova Mrinaの町。
Bova
http://www.youtube.com/watch?v=6FXNB6FBEtQ

これはカラブリア   Magnifica Italiaシリーズは10本ほどある。
Magnifica Italia:Calabria (52:10)
http://www.youtube.com/watch?v=giPUcvI-Hmc

これらは、空中からの映像だが、地上のはGoogleマップで写真を見ると地上の風景が楽しめるだろう。

シチリアのマグナ・グラエキアには、シチリアーノ、シシリエンヌの音楽の世界がある。youtubeをすこし見たが、なぜか、いいものがない。観光化されすぎているのだろう。
シチリア島は、マグナ・グラエキアそのものだ。欧米が関心をしめすのは、リゾート観光開発して、投資して資金が回収するためで、観光臭さにみちている。

Taormina Sicily Video Tour - including Mount Etna Views &Greek Amphitheatre
http://www.youtube.com/watch?v=XGcxT5eBoNM

シチリアは、またの機会にしよう。
 

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コメント
 
01. 2013年11月12日 22:35:15 : 7CacKTUh7k
昭和天皇は軍神・現人神とあがめられた戦前から植物学に興味を持っていた。
決してGHQを欺く為に興味を持ったふりをしていたのではない。彼にとって植物学は政治・軍事と並ぶ関心事だったのだ。
それに部屋に飾った肖像画がナポレオンからダーウィンに変った事が平和主義を意味するものではない。
社会ダーウィニズムとはナチズムの源流を為す危険な人種差別思想だ。ナポレオンなら悪くてダーウィンなら良い訳ではあるまい。

02. 2013年11月13日 09:51:25 : 7CacKTUh7k
自分が親しみを感じる古代ギリシャはヨーロッパ人と無関係だが、古代ギリシャも獰猛な白人である。
そして私は前世その古代ギリシャ人だったかも知れない、という事ですか?
一番大切なのは今この現実を生きる日本人、白人、黒人、イスラム教徒、中国人、韓国人なのであって、決して東日本の原住民を土蜘蛛とか蝦夷とか呼んだ古代でも鎌倉時代でも戦国時代でも明治時代ですらない。この今の日本人なんです。
日本人は白人ではない。自分や国民が白人でない場合に白人がどうのというのが有益なのは、今この場所が白人に直接見える形で支配されて苦しめられている場合のみ良い。
何故なら白人の大半もまた恐慌と天災が続出するこの現実から免れず、苦しんでいる人がいっぱいいる。それらを無視して古代を語る事に意義はないんです。

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