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2014年04月19日 板垣 英憲(いたがき えいけん)「マスコミに出ない政治経済の裏話」
◆「後進国の大惨事だ」と韓国の朴槿恵大統領が、韓国民から猛烈に「罵声」を浴びせられている。左翼勢力に気を使い、政権支持率維持ばかりに気を取られて、「歴史認識」「日本固有の領土である竹島」「慰安婦」「靖国神社」問題など「反日政策」に囚われ、うつつを抜かしている隙に、取り返しのつかない大惨事を招いてしまった。
朴槿恵大統領が肝心要の国民生活の安定、安全の確保に手を抜いてきたツケが、大型旅客船「セウォル(歳月)号」遭難事故として噴出したと言っても過言ではない。
世界を股にかけた稀代の大博打打であるジョージ・ソロスが1997年7月からタイを中心に始めた通貨攻撃によるアジア通貨危機が猛威を振るったとき、韓国も餌食となり、猛烈な通貨攻撃を浴びせられた。400億ドルあった外貨準備金がゼロになり、国家倒産の危機に陥った。国家倒産を免れるため、IMF(国際通貨基金)から緊急融資を受ける条件として、財閥解体、外資の手に落ちた企業の従業員を経営者がいつでも解雇できるようにすること、労働者に赤旗を振らせなくすることなどを飲まされた。この苦境から這い上がろうと、金大中大統領(背後にジョージ・ソロス)以降の左翼政権は、高学歴と実力主義、効率と成果(結果)がモノを言う米国流の激しい競争社会と格差社会を築いてしまった。
この結果、韓国社会は、経済成長と発展の陰で、「国民生活の安定と安全」をないがしろにしてきた。「安全よりは利益が優先」されたのである。日本から買い取った中古船を改造して運航していた大型旅客船「セウォル(歳月)号」が、その典型であり、象徴でもあった。
この旅客船「セウォル号」は、韓国に買われた後、船体改造が行われ、細分化された客室を大部屋にしたり、コンテナも積めたりできるように、改造されたという。その結果、定員は日本時代の804人から921人に増加しており、一気に海水が流れ込む構造にもなっていて、総トン数も800トン増えている。乗船客を多く乗せて、コンテナを積めるように改良して、一回ごとの運航による利益を増やそうとして、乗船客や乗組員の「貴重な人命」を軽視していたのである。
◆韓国は、民間航空機も、日本の航空会社が使い古した飛行機(中古機=ポンコツ)を買い取り、機体の色を塗り替え、格安運賃を売り物にして飛ばしてきた。経緯をよく知っている乗客は、韓国機の安全性に疑問を持ち、利用を避けてきた。
それは、米国レーガン大統領が、「レーガノミックス」を解消しようとして、「徹底した規制緩和(運輸、金融、エネルギー産業への新規参入等の規制緩和)政策」を断行したころからの影響を受けている。たとえば運輸業界では、航空各社が運賃の「低価格競争」を激化させ、そのうえ、「利益を最優先」させた。その裏で、航空機の安全運航が疎かになり、墜落事故が多発した。文字通り「人命が軽視」されたのである。
日本も例外ではないけれど、韓国は、まさにその前車の轍を踏んでいる。それどころか、「モラル低下」が蔓延している。責任を果たさなくてはならない立場の人が、大事な時に責任を果たさず、放棄して、率先して逃げ出してしまう。
◆大型旅客船「セウォル(歳月)号」の船長が、乗船客を見捨てて真っ先に船から逃げたというのには、呆れてしまう。中央日報/中央日報日本語版は4月18日午前9時12分、「<韓国旅客船沈没>『経歴1年』25歳の三等航海士が操船」という見出しをつけて、以下のように配信している。
「旅客船「セウォル号」沈没事故当時、経歴1年の25歳の三等航海士が船を操縦していたことが分かった。全羅南道木浦の韓国病院に入院中の操舵手パク・ギョンナムさん(60)は17日、中央日報のインタビューで、「事故が発生した16日午前9時、セウォル号は三等航海士のパクさん(25、女性)と操舵手が運航した」と語った。パク航海士は午前8時、操舵手のパクさんらと勤務を交代した。イ・ジュンソク船長(69)は当時、操縦室にいなかった。同じく木浦の韓国病院に入院中の別の操舵手オ・ヨンソクさん(58)は「事故が発生したところは島の間を通り抜けなければならないうえ、潮流が速く、運航するのが難しいところ」とし「船長や経歴が長い一等航海士が見守らなければいけない」と話した。イ船長も警察でこうした点を認めた。事故を調査中の西海海洋警察庁によると、イ船長は「危険なところなので自分が見ておくべきだった。過ちだった」と話した」
修学旅行の引率責任者を務め乗船していた檀園高校(京畿道安山市)の教頭(52)も教え子が多数残されているのに見捨てて逃げ、早い段階で救助されていた。18日午後4時5分ごろ、珍島室内体育館近くの木で首をつって死亡しているのが警察によって発見されている。
ついでに言えば、悲劇の現場にかけつけた朴槿恵大統領は、乗船客の家族から罵声を浴びせられながら、テレビのカメラ目線ばかりを気にして、わざとらしいポーズを取っているように見えた。この最悪の悲劇を目の前にしていながら、なおも自らの政権の「支持率」にしか関心がないということなのか。情けないトップリーダーだ。
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