★阿修羅♪ > アジア14 > 880.html
 ★阿修羅♪  
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
台湾学生運動の敗者は…民進党:それでも台湾学生運動は統一を阻止できない
http://www.asyura2.com/12/asia14/msg/880.html
投稿者 あっしら 日時 2014 年 4 月 16 日 03:29:07: Mo7ApAlflbQ6s
 


『ニューズウィーク日本版』2014−4・22から台湾政治関係の記事を2本。

P.15
「台湾学生運動の敗者は…民進党

 膠着状態だった台湾の学生運動は先週、与党の国民党側が譲歩案を示して事態が急転。学生は占拠していた立法院から退去した。学生の勝利に見えるが譲歩案の中身は玉虫色で、実は誰が勝者かはつきりしないひただ今回の騒ぎで存在感ゼロだった敗者がいる。野党の民進党だ。
 今も独立を掲げる民進党にとって国民党の苦境は大チャンスのはずだが、学生からほとんど相手にされず、彼らの周りをうろうろするばかり。立法院周辺で開いた支援集会では党主席の蘇貞昌が突然、11月の地方選を意識したシュプレヒコールを上げ、学生のひんしゅくを買った。
「面目丸つぶれ」「無力」……。辛辣に批判され、先月末の大規模デモでも支持者を十分動員できなかった。「組織が弱り、指導層は老化している」と、台湾政治に詳しい社会学者の林宗弘は言う。若者に嫌われるのは、政権担当時の汚職が原因だ。
 2年後には総統選が迫るなか、若者の支持がないのは国民党も同じ。学生運動のリーダーを総統と副総統に―ネットの書き込みが、台湾政治の閉塞状況を何より雄弁に物語っている。

長岡義博(本誌記者)」

=======================================================================================
P.21

「それでも台湾学生運動は統一を阻止できない

  国民党の譲歩を引き出し歓喜に沸いたが「ひまわり運動」の成果は限定的でしかない

  陳定定(チエン・ティンティン、マカオ大学政治学部助教)

 中国とのサービス貿易協定をめぐり、台北の立法院を占拠していた台湾の学生たちが先週、立法院長の譲歩発言を受けて議場から退去した。学生たちの「ひまわり学生運動」は一定の成果を挙げ、中台統一は選択肢から外れた……ように見える。
 だがこうした見方は間違っている。むしろ今回の動きで統一のプロセスが進む公算が大きい。
 なぜか。まずひまわり学生運動の3つの課題を見ておこう。
決定プロセスの透明性を欠く密室政治の改革、中台のサービス貿易協定の承認阻止、さらに台湾企業の中国進出に伴う産業の空洞化阻止―いずれの課題も達成できそうにない。
 確かに、台湾の政治システムを検証する必要があるという学生たちの訴えを人々は支持し、中台関係の今後について議論を深める機運が生まれた。しかし成果はその程度だ。

 密室政治の改革は困難だ。アメリカでさえ、政策の変更は内部関係者の協議で決まることが多い。台湾では与野党共に密室で交渉したがる。台湾の政治文化に深く根差したこの慣行を変えられるか……「ミッション・インポッシプル」だ。
 さらに、この運動が本質的に問い掛けたのは独立か統一かだ。
 貿易協定に反対している人たちの多くは、協定発効で中国が台湾に及ぼす政治的影響が強まることを警戒している。しかし、仮に学生たちの運動で発効を阻止できたとしても、中台統一に向けた動きまで阻止できるかといえば、まず無理だろう。


グローバル化は止まらず

 台湾のジレンマは、中国に頼るしか長期的な経済発展の道がないことだ。独立派の陳水扁前総統時代に対中関係が冷え込んだため、台湾経済は多くの基幹産業が韓国に追い越された。たとえ台湾がTPP(環太平洋経済連携協定)に参加できても、アメリカは台湾の輸出と投資を吸収できるほど大きな市場を提供できない。
 中国と比べて経済規模があまりに小さく、軍事力はあまりに弱い−これが台湾の悲劇だ。
いずれ中国に吸収される運命だとまでは言わないが、何らかの形で中国と前向きの関係を築く必要があるのは明らかだ。
 独立を叫び続けるのは現実的ではない。中国との今後の交渉で、できる限り大幅な自治権を確保する道を探るべきだろう。
 ひまわり学生運動はグローバル化とそれを組み込んだ資本主義に反旗を掲げたが、この点でも敗北は目に見えている。中国の巨大な経済は台湾の実業家を磁石のように引き付ける。彼らにとっては利益が優先で、独立や台湾人のアイデンティティーは二の次だ。
 ひまわり学生運動は台湾企業が相次いで拠点を本土に移すことを止められるか。これまたミッション・インポッシブルだ。
 ただ公正を求めるこの運動は、将来的に台湾政治の第3極に成長する可能性があると、国内外の中国ウォッチャーから評価されている。だが、台湾の政治、社会、経済の構造的な欠陥ゆえに、上記の3つの課題はいずれも達成できそうにない。
 ただし、今回の政治危機が1つだけ建設的な変化をもたらす可能性がある。統一に向けて、経済カードだけで押していくのはもう限界だと、中国が気づくことだ。台湾の人々の心を本当につかむには、政治的に信頼される必要がある。中台問に根深い不信がある今、これは困難な仕事だが、中国当局が避けて通れないステップだ。
 中国指導部の一部はこのことに気付き、今後の政治交渉で柔軟な姿勢を見せるかもしれない。平和的統一が実現する可能性は大いにある―中国が正しい選
択をする限り。」

 

  拍手はせず、拍手一覧を見る

コメント
 
01. 2014年4月16日 08:13:10 : Huc46W1eZ6
民進党がこのチャンスを活かせなかった原因は311デモの際の日本の各党の動き方に照らし合わせてみると、漫然とでは在るが見えて来ると思う。
今は大分時間も経って居るので時世の変化に合わせ当初とは様子も違って(善し悪しは別です)来て居る訳だが、
デモ勃発当初からの各党のデモに対する姿勢は、積極参加の今となってはとても小さな某党と、大きいとは云わないものの組織行動の固さに評価の高い某党の、代表的な二者、此れに注目して省みてみたい。
(裏切者の某党や蝙蝠な某党(熊手の党)は右往左往してただけなので忘れて下さい)
此の二者。二者共々伝統的に自前動員の集会やデモの組織化には一定長けた物が在り、当初民衆から自然発生した此の一連のデモを直ぐにでも横から乗っ取りに来るのではないか…と眺めて居たものだったが、
前者某党の場合、逸早く党としての参加の名乗りを上げて党首自ら先陣を切って乗り込んで来ると云う、泡沫寸前のフットワークを見せたものの、程無くその参加姿勢に異を唱えられ、
しかし泡沫寸前状態の不幸が幸いしたのは所帯の小ささによる身軽さを改めて直ぐに発揮しデモに上手く溶け込み、ついては下心の矛を一応納める事で綺麗にデモの一員と化したと…。斯う云う一つのケース。
片や後者某党の場合、本来なら前者某党同様に「この群衆を我々が束ねて…」と自分等主催のデモに党全力を上げて同化させる方向で動く筈と見て居たが、驚いた事に此の際然に在らず。
党指導部は公式な動きを全く見せず、本来なら分派活動として禁じる方向で在った筈の同党所属の議員の勝手のデモ参加や勝手の言動を黙認し続ける姿勢で「暗に応援する」と云う姿勢に撤して居た。
更に其の姿勢の解り易いのは、デモ隊に自党の街宣車を、党名を被い隠す形での使用を許す形で貸し出すに迄していた事だ。此れまた従来の同党で在ったならパブの機会とばかりに党名剥出しで使わせる事を強いて居た筈だが大した変わり様だったのを印象的に憶えて居る。
追ってこの後者某党はやがて自前主催の集会等を此れ等の民衆自発デモとは別儀にに行う形で連携的な演出を見出して行くのだが、此の際集まった層を見る限り、
此れ等の一連のデモが取り零した層…年齢的な其れであったり或いはフリーダムなデモに慣れていない旧来の組織デモに慣れた層…此れ等を上手くまとめつつ、彼ら一流の手慣れた式次第進行で取り纏めると云う、
まさに餅は餅屋式の其れを見事に行う事で住み分けを実現して来た。
前者某党に比べて此処迄にかなりの時間を要した後者某党だった訳だが、時間を費やした分民衆デモ側への認知浸透には一定大成功を納めたと云っても良かろう。
此の中で実際人的な交流も実現して居る。
拙速に動かず、起きて居る状況を良く観察し、最大に力を発揮出来る方向を検討した上で、結果としてそう云った形でのアクションを起した…と考えれば、今にして思えば大体そういった時間の流れと合致する。
(今はもう当時程末端議員を好きに泳がせては居無いそうです…と、ウチ処の地方議員から耳にしました。やっぱり代々木は代々木だなぁ… ぁ、ャベ… 云っちゃった(笑))

斯う云った形で此の二者は一定の結果を得て居訳だが、
此れを今回の民進党の其れと照らして見た時に気付くのは、

>  今も独立を掲げる民進党にとって国民党の苦境は大チャンスのはずだが、
> 学生からほとんど相手にされず、彼らの周りをうろうろするばかり。
> 立法院周辺で開いた支援集会では党主席の蘇貞昌が突然、
> 11月の地方選を意識したシュプレヒコールを上げ、学生のひんしゅくを買った。
> 「面目丸つぶれ」「無力」……。辛辣に批判され、
> 先月末の大規模デモでも支持者を十分動員できなかった。
> 「組織が弱り、指導層は老化している」と、
> 台湾政治に詳しい社会学者の林宗弘は言う。若者に嫌われるのは、政権担当時の汚職が原因だ。

此の流れを見て居る限り、汚職ばかりが原因でもあるまいと感じられる。

> 指導層は老化している」

結果としての硬直化であり、引いては斯う云う事態でのフットワークの悪さだったのだろうかと推測してみてはどうだろう。
日本での前例2党も実に硬直の代名詞と云って誰も異論を挟まない代表的な2党で在った訳だが、少なくともあの急変事態に対しての回答を捻り出す事を成し得た。
(後者に至っては大所帯なだけに、見せたその形振舞事態が奇蹟にすら思えた。…まぁ今にしてみれば一瞬の奇蹟だった訳ですが(笑))
此の事実と照らす限り、彼の地民進党の「指導層の老化」の程度たるや、かなりの重さなのだと推測出来る気がする。

せめて、あの群衆の中に、議員を好きに紛れ込ませて「一市民として」一緒に拳を振り上げ、皆と一緒に力の限り叫ばせて居れば
今頃は其の行動を既成事実として何某かの共感を誘導する演出も可能だっただろうに。

いや…、日本も311が起らなければ斯う云った政党の、自身のパラダイムシフトも無かったろう。
つまり、彼処に在る政界の形は、俺達も良く知っている俺達の昨日の姿なのだ。

民進党よ。願わくば、しなやかになれ。
柳の枝は編み合わせる事も出来るし、何かと結ぶ事も可能だ。
しかも嵐にも強い。若木ならば尚更強い。
党よ。ヤナギになってみるが良い。
民衆はヒマワリになった。


  拍手はせず、拍手一覧を見る

フォローアップ:

この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
  削除対象コメントを見つけたら「管理人に報告する?」をクリックお願いします。24時間程度で確認し違反が確認できたものは全て削除します。 最新投稿・コメント全文リスト

▲上へ      ★阿修羅♪ > アジア14掲示板 次へ  前へ

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/ since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。
 
▲上へ       
★阿修羅♪  
この板投稿一覧