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2014-04-11 08:21:01
台湾の国会に相当する立法院の議場を占拠していた学生たちが、どんな事態収拾策をみせるか――悲惨な事態も想定されただけに、昨日4月10日、学生たちが占拠運動のシンボルになったヒマワリを手に議場から整然と撤収する姿に感動しました。
新聞各紙朝刊が本日伝えるところによると、「学生の代表、林飛帆氏(25)は、『議場を離れるのは退却を意味するものではない。サービス貿易協定を引き続き注視する』と述べ、約100人の学生らと議場から退去した」そうです。
学生リーダーとしてカリスマ的な指導力を見せた林氏は、「理想を抱いてここに来て、責任を担って去る」と述べ、午後6時過ぎに退去、立法院の周りを取り囲んでいた数万人が拍手で迎えました。
朝日新聞は、「占拠学生らに触発され、市民の間で有権者として社会に参画する『公民』意識が高まった」と報じました。「議場内や周辺では連日、和やかな雰囲気の中で台湾の未来や民主主義を語り合う姿が見られた」
朝日は、輔仁大学哲学部の沈清楷・助教授が「民主主義の最高の教室」と指摘したことを紹介。さらに、「学生らは議場の内外で会場整理係や物資管理係などボランティアを組織。行政院(内閣)に突入した市民の強制排除で流血の事態になったが、学生らは徹底して非暴力を呼びかけ、3月末に総統府近くで開いた主催者発表で『50万人』の大集会も整然と行われた」と称賛しました。
馬英九・総統もさらなる強制排除はためらわれたようです。結局、ライバルの王金平・立法院長(議長)が問題のサービス貿易協定の審議先送りという収拾案を出し、学生側も今後の審議の推移を見守ることにしました。
つまり、冷却期間を設け、慎重に審議を進めようという「ゆっくり民主主義」で合意したと言えます。民主主義には時間がかかります。時間をかけて、大方の理解が深まるのを待ちながら進まざるを得ない。台湾では、その民主主義の王道を進みはじめたかの印象を受けます。
日本では安倍政権が、数に任せてブルドーザーで強引に踏みつぶしながらの「制圧前進型暴走政治」です。
中国政府も、チベットやウイグルでは制圧前進型の力の政治ですが、台湾ではさすがにそうもいかないようです。この台湾の学生の動きは、中国本土の学生たちにも大きな影響をもたらすのではないでしょうか。
中国で健全な民主主義が育ち始めるきっかけとなるなら、台湾の学生運動は今年最大の収穫といえるのかもしれませんよね。一方で、日本は民主主義のレベルでもおいてきぼりを食いつつあるように見受けます。
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