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金正恩氏「狂気の粛清」の真意 自分に復讐の刃向かせぬため
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140204-00000008-pseven-kr
週刊ポスト 2014年2月14日号
「建国以来最大規模」といわれる血の粛清劇が、北朝鮮で繰り広げられている。金正恩第1書記の叔父で、政権ナンバー2だった張成沢・前国防副委員長をはじめ、その直系親族全員が処刑されていたのだ。コリア・レポート編集長の辺真一氏の話。
「昨年12月12日に行なわれた張氏本人の公開処刑直前に、姉・張桂順とその夫の全英鎮・キューバ大使、甥の張勇哲・マレーシア大使らが次々に本国に召還されました。この1月末になって、彼らも昨年中に相次いで処刑されていたことが明らかになった。そればかりか、張大使の20代の息子2人と、張氏の実兄の子供や孫まで処刑されていたこともわかりました」
自宅マンションなどから連行される際、抵抗を試みた親族は、近所の住人が見守るなか、野犬を処分するようにその場で射殺されたという。まだ幼い子供も大人同様に銃殺され、張家に嫁いだ女性は強制的に離婚させられた上、実の両親ともども山奥の僻地に追放された──。
2011年12月、金正日総書記の死去を受け、正恩氏は翌年4月に党第1書記、国防委員会第1委員長などに就任し、北朝鮮の最高指導者となった。その間、後見人として若き指導者を支えてきた張氏が電撃失脚したのは昨年11月。これが、怒濤の粛清劇の発端だった。
張氏の処刑の罪状は「国家転覆陰謀行為」。張氏に判決を言い渡した裁判などによると、貴重な地下資源を外国に投げ売りして国民経済を破壊させた後、自分が首相になるクーデターを企てていたとされる。
仮に張氏の陰謀が本当だったとしても、今の世で、幼い子供を含めた一族郎党を皆殺しにする国が他にあろうか。
元旦に発表された『新年の辞』で、正恩氏はこの粛清を「汚物を除去した」と表現した。実際、かつてロイヤル・ファミリーの一員だった張氏は“汚物”のごとく、酸鼻を極めた形で処刑された。朝鮮労働党幹部とパイプを持つ北朝鮮事情通が明かす。
「張氏の処刑法は徹底していた。存在の痕跡をこの世から一切消すべく、骨さえ原形をとどめて残さないほど、肉片と化すまで機関銃で全身を撃ちまくり、最後は火炎放射器で焼いたと聞いている。ただ殺すのではなく、今後、誰も張氏を偲んで墓参りできないよう、遺体の埋葬さえ不可能にする処刑方法だった」
あまりに残忍な処刑の模様を目の当たりにした朝鮮人民軍や朝鮮労働党の幹部らが震え上がったのも無理はない。その上で、先述のように、家族・親族が次々に粛清されていった。完全に一線を越えた正恩氏の「狂気の粛清」の真意はどこにあるのか。
「粛清を指示した自分に復讐の刃が向かないように徹底的にやっている。“タネまで絶やせ”というのが正恩氏の命令。もし張氏の家族が生き残っていたら、いつか自分に復讐を企てるかもしれない。また、張氏の墓でも作れば、彼に恩があるシンパたちが集まって自分に歯向かうことも考えられる。その芽を完全に摘み取れということ。要は保身のために子供たちまで殺したということだ」(前出の北朝鮮事情通)
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